うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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昨日の福田首相の突然の辞任表明によって、

この臨時国会での、厚生労働省の第三次試案による「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」の成立はほぼ消滅しました。


当ブログでは何度となく訴えているように、
『医療者の大多数は反対または要修正』を求め、
救急医学会も「大綱案」への反対声明をしている、
真相も究明できず、医療崩壊を更に進行させる「稀代の悪法」の審議開始が延期になり、
議論する時間が出来たことを歓迎します。

われわれ『全国医師連盟』の医療事故原因究明試案です。
ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。m(__)m




医療事故原因究明で試案骨子―全医連
9月1日21時25分配信 医療介護CBニュース

 病院の勤務医らでつくる全国医師連盟(黒川衛代表)は9月1日、
医療事故の原因究明・再発防止策に関する試案の骨子を公表した。
捜査機関が犯罪の疑いを抱いた場合は、
事故原因の究明を担う医療安全調査委員会(医療安全調)に調査を依頼し、
医療安全調による意見が出るまでは捜査に着手してはならないこととするよう提案している。
9月中に試案の全文を発表する予定で、
全医連では「舛添要一厚生労働相などに陳情したい」としている。

 試案の骨子によると、医療安全調は内閣府の外局として設置し、
全国の高裁の所在地に地方委員会を置く。また、医療安全調が取り扱う対象は、
医療事故による死亡(疑いがあるケースを含む)だけでなく、
「医療行為に伴う健康被害が生じた場合」で、
地方委員会の下に置く調査チームが調査を実施するとしている。

 医療安全調への届け出は医療機関か医療従事者が行い、
医療安全調は、患者・遺族からの調査依頼も受け付ける。調査に必要な証拠を保全するため、
医療安全調には、裁判所の発行する令状に基づき、強制的に資料を収集する権限を持たせる。
調査の結果、医療機関の行為が医学的に不適切で
「刑事手続き相当」と医療安全調が判断した場合は、捜査機関に通知。
同時に、根拠となる客観資料(調査対象になった医療者の供述内容の記録は除く)を交付する。

 業務上過失致死について、試案の骨子では「刑事手続き相当」とする医療安全調からの通知と、
遺族による告訴の両方を起訴要件とする「親告罪」に位置付けるよう提案している。
捜査機関は、医療行為に関連する死傷の結果に疑念を抱いた場合、
医療安全調に調査を依頼し、委員会が「刑事手続き相当」と判断するまでは
捜査に着手してはならないようにするなど、謙抑的な刑事手続きの運用を打ち出している。

 医療安全調は調査結果を患者や遺族、医療機関、厚労省の医道審議会に報告。
調査の結果、事故の原因がシステムや制度に起因すると判断した場合は、
医療機関による再発防止策を提言したり、関係省庁に必要な措置を勧告したりする。
医療安全調の報告書は「民事紛争での使用を妨げない」としている。

 また、医師法21条を改正し、医療関連死の警察への届け出対象を、
過失犯を除く刑法犯によるものに限定するよう提案。
さらに、安全対策を講じない医療機関の管理者や設置者に対する処分や、
医療機関に対する行政処分の新設も打ち出している。

■「医療被害補償基金」の設立も提案

 試案の骨子では、医療被害者救済策の一環として、
無過失補償を目的とする「医療被害補償基金」の設立も提案している。
 医療安全調による調査で医療側に過失がないと認定された場合、
患者や家族は法令で定める額を補償金として受け取ることができる。
医療機関に対する損害賠償請求権など「一切の請求権」を放棄することが条件。

 一方、調査により医療側の過失が認められた場合は、
▽医療機関に損害賠償を請求する▽損害賠償請求権を放棄した上で補償金を受け取る―
のどちらかを選択できるとした。
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/17989.html

全国医師連盟試案の骨子    平成20年9月1日  
  
 医療関連死および医療行為に伴う健康被害に関しての、
原因究明・再発防止に結びつく調査機関の制度設計は、
WHOガイドラインなどの国際的水準に合致する形で行うことが必要であると言われています。
また我々は、それが、現在危惧されている萎縮医療を防ぐ為にも有用と考えています。 

 理想的な調査機関を作るには、本来、過失犯の刑事処罰が社会にとって有益であるかどうか
という議論を踏まえたうえで、刑法 209条、210条、211条の改正を視野に入れて
国民的議論を喚起することが必要と思われます。
しかし、実体法の改正は多方面への多大な影響が予想され短期間には困難と考えています。

 そこで、全国医師連盟では、医療事故の鑑定システムの構築と、
刑事・民事訴訟に事故調の判断を先行させる仕組みを手続法の改正により実現する、
全医連試案骨子を作成しました。なお試案本文は、9月中の発表を予定しています。

 以下に我々が検討している、「医療の安全の確保と医療の継続に向けた医療事故による
死亡および健康被害の原因究明・再発防止等のあり方に関する試案」の骨子を提示します。

--------------------------------------------------------------------------------

「医療の安全の確保と医療の継続に向けた医療事故による死亡及び健康被害の
原因究明・再発防止等の在り方に関する試案 ―全国医師連盟試案― 」の骨子

平成20年9月1日 全国医師連盟

1. 医療安全調査委員会の概要

1-1 医療関連死及び医療行為に伴う健康被害の原因究明・再発防止を目的とした
  医療安全調査委員会を内閣府外局として設置する。

1-2 医療安全調査委員会は、中央と高等裁判所(本庁)の所在地に地方委員会を設置する。

1-3 医療安全調査委員会(中央及び地方)の下に調査チームを置き、調査を行う。

1-4 医療安全調査委員会には、調査に必要な証拠を保全するために、
  裁判所の発行する令状に基づき強制的に資料収集を行う権限を持たせる。

1-5 地方委員会の下に、監察医務院を設置し、解剖医の育成・確保に努める。

1-6 医療安全調査委員会が、取り扱う対象は、医療事故による死亡(疑い例を含む)
  と医療行為に伴う健康被害が生じた場合とする。

1-7 医療安全調査委員会への届け出は医療機関、医療従事者が行い、
  患者・遺族の調査依頼及び捜査機関からの事件回付も受け付ける。

1-8 調査結果は、患者・遺族、医療機関、医道審議会に報告する。

1-9 医療安全委員会が調査の結果、医療機関の行為が医学的に大変不適切であって
 刑事手続きに乗せることが相当であると判断した事案については、
 捜査機関に対しその旨を通知するとともに、捜査機関の求めに応じて、
 根拠となる客観的資料(調査対象医療者の供述内容を記録したものをのぞく)を交付する。

1-10 システムや制度等に起因し、個人の責任を問えない医療関連死や健康被害に関しては、
 医療安全調査委員会は再発防止のために医療機関がとるべき方策を提言したり、
 関係諸官庁に対し必要な措置を行うよう勧告する。

 
2. 被害者救済の制度設計

2-1 医療被害を救済するために、無過失補償を目的とした医療被害補償基金を、
 厚生労働省を監督官庁として設立する。

2-2 医療安全調査委員会で医療側無過失と認定された場合は、
 補償制度により法令で定める金額の補償金を受けることができる。
 補償金の受け取り条件として、医療機関に対する損害賠償請求等一切の請求権を放棄することとする。

2-3 医療安全調査委員会で医療側過失ありと認定された場合、
 患者は医療機関に対し損害賠償請求をするか、
 または補償制度に基づき通常の損害賠償請求権を放棄した上で、
 補償金のみを受けるかの、どちらかを選択することができる。

 
3. 刑事処罰の要件など関係法の整備等

3-1 不適切な医療行為に基づく不幸な結果(疑い例を含む)については、
 刑事手続きは謙抑的に運用する一方で、
 刑事処分に代わる実効性ある行政処分を行うことを旨として、別途、特別法を設け、
 以下 3-2 〜 3-6 の如く取り扱いを定める。

3-2 「医療に関連した不幸な出来事の刑事訴追の為の特別法」により業務上過失致死罪
 (刑法211条1項前段)については、医療安全調査委員会からの「刑事手続き相当」通知及び
 遺族の告訴の両者を起訴要件とする、「親告罪」とする。

3-3 医療行為に関連する人の死傷の結果について、捜査機関が犯罪の疑いを抱いたときは、
 医療安全調査委員会に対し事件を回付して調査を依頼し、
 委員会の「刑事手続き相当」意見が出るまでは、捜査に着手してはならないこととする。

3-4 システムエラーの改善の観点から医療機関に対する行政処分を新設する。

3-5 医療安全対策を講じない管理者や設置者に対する処分を新設する。

3-6 医師法21条を改正し、医療関連死について警察に届け出る対象は、
 過失犯を除く刑法犯に係わる異状のみとする。

 
4. 民事紛争について

4-1 院内での患者・家族をサポートする人材の配置を推奨するとともに、
 医療対話推進者(メディエーター)の育成推進を進める。

4-2 医事関係の民事訴訟に関しては、調停(法務省認定ADRを含む)を訴訟に前置すべきことを、
 法律をもって規定する。なお、委員会の報告書は民事紛争での使用を妨げない。

以上。
http://www.doctor2007.com/jiko3.html

閉じる コメント(9)

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医師の病院内での妥当な病死、合併症の
免責が抜けてるような?

2008/9/4(木) 午後 8:03 [ ker*y_a*l*n_jr ]

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↑??
事故の発生因の拡大解釈や適用範囲の
拡大は、まさに「角を矯めて牛を殺す」
が如き結果を招く可能性も考えられ、
萎縮医療への道を突き進む事に成り兼ね
ません。多様な条件設定は自縄自縛的に
自ら手枷足枷を嵌める愚行と成らぬ様に
、被調査対象への要件設定には、慎重の
上にも慎重に、勘案せねばなりません。
萎縮医療は結果として、国民に迷惑を
掛ける事に成るのです。
医療を護る事が患者を護るという大所高所
からの試案を作って下さいませ。

2008/9/5(金) 午前 5:31 bug*nno*e

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kerry先生、コメント有難うございます。
一律に免責は厳しいでしょうね。

医療者側は妥当だと思っていても、患者さんや遺族がそう思っていない場合には
議論しないといけないでしょう。

2008/9/5(金) 午後 2:31 さすらい泌尿器科医

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BUGINNOSEさん、コメント有難うございます。
>多様な条件設定は自縄自縛的に自ら手枷足枷を嵌める愚行と成らぬ様に、
>被調査対象への要件設定には、慎重の上にも慎重に、勘案せねばなりません。
事故調査委員会の対応に追われて、本業の患者さんへの治療が
おろそかになっては本末転倒ですよね。

ただ、やはり間口は広げざるを得ないでしょう。
そこからどうやって、案件を絞り込むかが課題ですが。

>医療を護る事が患者を護るという
>大所高所からの試案を作って下さいませ。
了解しました。
『医療を護る』ということが、国民的なコンセンサスになればいいのですが…

2008/9/5(金) 午後 2:40 さすらい泌尿器科医

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記事を読んで、刑事免責は一律に廃すという主張ではないのだなということがわかりました。
3月4日の読売の「論点」で、「刑事免責は医療不信をうむ」というような文章を見たのですが(富家孝氏)あれをよむと、医療者は例外なしに刑事免責を主張しているというように読めて、それでは未熟だったり悪質だったりという場合はどうなるのだろうと、逆に思ってしまいます。
不可抗力もあり、また人間の体は、ものとは違うので100%がないということもよくわかった上で、患者・患者家族予備軍の私が一番気になるのは、そういう不可抗力のものと、どうやって未熟・悪質の線引きをつけてくれるんだろうというところです。
不毛な裁判はほんとうにやめてもらいたいと思ってるので、それだけクリアできる体制にしてほしいと願っているのです。

2009/3/8(日) 午後 2:39 [ kya*mr2*xan*ia ]

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kyazmr2exantiaさん、答えも兼ねて、記事を書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/28386673.html

富家孝氏は医師免許を持っていますが、発言内容は遺族団体と同じです。
医師の代表だと思われたら心外です。

>未熟だったり悪質だったりという場合はどうなるのだろうと、
>逆に思ってしまいます。
その「未熟」「悪質」という言葉には賛同できません。
『故意』や『職務怠慢によるもの』ならわかりますが…

先日の看護師の研修制度の話も同じですが、
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/28362705.html
「未熟」な医療行為を厳しく制限すると、
研修生や新人に経験を積ませることは不可能です。

また、「悪質」というのも、
結果が悪ければ悪質な治療をされたんだと『後から』言うことが可能です。

ご理解頂ければ幸いです。m(__)m

2009/3/9(月) 午後 6:03 さすらい泌尿器科医

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故意と職務怠慢の2点ですね。
悪質という言い方は、おっしゃる通り、適切でありませんでした。

未熟は仕方ないんですね。わかりました。

私も記事を下書きしていましたが、ちょっとまた考えてみます。

2009/3/9(月) 午後 10:44 [ kya*mr2*xan*ia ]

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kyazmr2exantiaさん、レス有難うございます。
細かい事なのですが、こだわらざるを得ません。
(さんざん、知り合いの弁護士さんに『その言い方ではダメだよ』と怒られましたので…(笑))

記事が出来ましたら見に行きますので、
トラックバック頂ければ幸いです。m(__)m

2009/3/10(火) 午後 8:34 さすらい泌尿器科医

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未熟はもちろん問題ですが、
それを完全否定されると何もできなくなります。

水戸済生会総合病院の「ロス手術」の話題がありましたね。
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-686.html
>手術前の「海外でロス手術の経験が20〜30回ある」という担当医からの説明が、
>事故後には「あれはロス手術の後の処置経験の回数だった」と変わり、
>「聞いていれば手術は頼まなかった」と語気を強めた。
これは問題ですけどね…

2009/3/10(火) 午後 8:39 さすらい泌尿器科医

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