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◆危機打開へ 連携・分業
http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000811280002本来担うべき危険性の高いお産の受け入れに難渋する周産期母子医療センター。訴訟リスクと人手不足に疲れ、萎縮する地域の産科病院。厳しい現場に踏みとどまる産科医を支え、やせ細るお産の受け皿を立て直す方法はないのだろうか。 南多摩地域の中核病院、日本医科大多摩永山病院(多摩市永山1丁目)は昨年4月、役割分担で地域連携を強める「母と子のネットワーク」という試みを始めた。地区内の29の病院・診療所と連携し、同大病院を受診した妊婦に問題がなければ診療所で健診を受けてもらう。切迫早産などの緊急時や合併症などの場合は必ず日医大が受け入れる仕組みだ。母子手帳とは別に共通の健診手帳を作り、経過や検査結果など情報も共有する。立川市や神奈川県相模原市など近隣地区の病院で産科休止が相次いだ06年ごろ、出産を希望する妊婦が同病院に集中した。診療所に健診を担ってもらえば、病院は高リスクの診察や処置、救急に人手をかけられ、妊婦の待ち時間も短くて済む。 赤枝医院(多摩市関戸2丁目)は提携診療所の一つだ。「医師の少ない多摩地区のお産を支えたい」と05年、地縁のない土地で開業した赤枝朋嘉院長(37)は「周産期センターでない日医大が、高リスクの妊婦を引き受けるシステムを主宰するのは勇気のいること。コミュニケーションがとりやすくなり、心強い」と話す。 この制度を導入した昨年度、日医大病院が扱った出産は前年度比200件増の約900件になった。リスクの高いお産も増え、現実には同病院の負担は増えたが、システムを立ち上げた女性診療科・産科部長の中井章人教授(50)は「大学病院は教育施設として難しいケースを引き受け、地域医療を支える役割がある」と話す。「危機を乗り越えるには出産扱いをやめた医師も含め、今いる人が役割分担して協力するしかない」 ◇ 助産師との連携強化を進める開業医もいる。 ファウンズ産婦人科病院(立川市若葉町3丁目)の土屋清志院長(50)は05年、近隣の開業助産師に呼びかけて勉強会「ハンズの会」を始めた。現在は約70人の助産師が参加。月に一度のペースで集まり、分娩(ぶん・べん)途中で医療施設に転送したケースなど具体的な事例をもとに最善の対応について話し合う。助産所は都内の出産の2%弱を担うが、扱えるのは正常分娩に限る。妊産婦や胎児の状態が急変した場合、医師に委ねなくてはならない。「どのタイミングで搬送するのがベストなのか、これまで医療現場から助産師へフィードバックがなかった」と土屋さんは話す。助産師が早い段階で危険度を見極め、医療機関に移行すれば高リスクの緊急搬送にもつれることも減る。「妊娠、出産、子育ては本来、地域に根ざすもの。安心で快適な分娩を地域の助産師や開業医が協力して支えたい」 緊急搬送をどう確実に受け入れられるか、都周産期医療協議会は医療体制や搬送システムの改善について検討している。岡井崇・同協議会会長(昭和大学医学部教授)は「母子両方を救いたいと考えすぎた結果、搬送に時間がかかりすぎていた。まず、母体救急を優先できるシステムの改善を急ぐ」と話す。 しかし、今の医療制度では緊急用にベッドを空けておくことは経営上、大きなマイナスになる。都立墨東病院以外の総合周産期母子医療センター8カ所はすべて民間病院が運営している東京では、「予算的、人員的に都の支援がなければ難しい」(岡井教授)のが現実だ。 【産科医の年齢構成】 04年のデータで都内の産科医を年齢別にみると、70代と30代の二つのピークがあり、34歳未満は女性が過半数を占める=グラフ参照。近い将来、高齢医師の引退と出産・育児期に入る女性医師の退場が重なれば、産科医不足はより深刻になるとみられる。産科医を志す学生や研修医も減っているといい、労働環境の改善は急務だ。医師の育成には10年以上かかる。臨床が忙しすぎて教育・研究が手薄になれば、産科医療の現場は質の低下も懸念される事態になりかねない。 (この連載は水野雅恵、相関真樹子が担当しました) 近い将来、高齢の産科開業医の先生方が廃業する前に 有効な対策が出来るのでしょうか… 岡井崇・同協議会会長は「母子両方を救いたいと考えすぎた結果、搬送に時間がかかりすぎていた。まず、母体救急を優先できるシステムの改善を急ぐ」可能なら母子ともに助けたいというのが、われわれ医療者と国民双方の願いだと思いますが、 そう割り切って良いのですかね? 私は訴訟が恐いですけどね…
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そうですね、悪いですが、救いたいと考えすぎたあまり・・なんていい話ではなく、考えすぎるほど考えて、万全と判断できなければ断らないと訴訟にさらされるだけ・・という現実に問題がありますよね。
お産は安全という神話をいい加減改め、また、むやみな権利者意識や訴訟を認めないような仕組みの方が効果的です。
産科医の疲弊については、とにかく救急全体として「当直」を改め「夜勤」として、交代勤務にすべきです。そして救急は、出来高払いももちろんですが、受け入れのためにスタンバイしてるベッドには補助が出るとか、夜間も安定した経営が出来るように診療報酬を改めるべきです。そして、救急をやらない病院や開業医は、救急をやる病院より実入りが少なくなるような診療報酬にすべきです。
医師の疲弊を防ぐために医師を増やしても、お役人になったり、製薬会社に就職したりでは頭数になりません。人数とともに、科ごとの偏在も見直すべきです。救急や産科を担う医師を増やすべきです。そのためには交代勤務とし、その分の人件費を上乗せした診療報酬にすべきです。
2008/12/7(日) 午前 3:27
あい先生、その通りですね。
頑張った人間が報われる(後ろから撃たれない)社会になって欲しいものです。
「スーパー周産期」などという現場に無理を強いる策ではなく、
待遇を改善して人を呼ぶという、当り前の政策は何故出来ないのでしょうかね…
2008/12/8(月) 午後 7:11