うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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同じ調査結果からの記事ですが、3紙並べてみました。
違いが面白いですね。


医学生らの7割「条件整えば僻地もOK」
12月17日23時55分配信 産経新聞

 医師不足が深刻化する契機となった新臨床研修制度。17日の検討会では、約1万2000人の医学生や研修医らの生の声を集めた調査結果が公表された。そこからは、なぜ医師の地域偏在や、診療科ごとの偏りが起こるかが見えてくる。

■大都市に集中

 研修医が大都市に集中してしまったことが、地方での医師不足の背景だ。来春から、2年間の研修が始まる現役医学生らの希望調査では、東京など大都市の民間病院が人気を集める一方で、富山など地方の病院が募集定員を下回っている。

 しかし、今回の調査では約7割の医学生が「条件が合えば医師不足地域で研修をしてもいい」と回答した。来春から臨床研修予定の大阪の公立大学に通う男子医学生(26)は「いい医者になりたい。指導医や研修プログラムがいい病院なら、医師不足の僻地(へきち)の病院でも行く人はいると思う」と話す。

 調査では、地方へ行く条件(複数回答)として「給与などの処遇・待遇がよい」(65%)、「居住環境が整備されている」(57%)といった条件を挙げた。裏を返せば、現在の医師不足地域では、これらの条件が整っていないため、医学生らが赴任をためらっていることになる。

■嫌われる象牙の塔

 検討会で配られた資料の中には、医師不足が深刻な地域、そうでない地域を問わず、大学病院の不人気ぶりが判明した。

 例えば東京の大学病院では、研修先を自由に選べる現在の研修制度が始まる前の平成15年には1368人の研修医を受け入れていたが、20年には838人に減少。一方、都内の民間などの病院は15年に339人の研修医しかいなかったが、20年には500人を受け入れている。理由に「雑用の多さ」などを指摘する声が多い。研修医に敬遠された大学病院は機能維持のため、関連病院に送り込んでいた医師を引きあげざるを得ず、地方の医師不足をより深刻なものにしている。

■魅力薄まる産科

 地方の医師不足と同様、過酷な勤務環境や訴訟リスクが敬遠され、なり手が減る産科や小児科といった診療科の医師不足も深刻だ。調査では医療現場を知る過程で医師らが急速に産科や小児科を敬遠していくことも明らかになった。

 「医師不足の産科・小児科を選ぶか」という趣旨の質問では、「条件が合えば選ぶ」との回答が、現役医学生は66%を占めるのに、研修医は56%、研修を終えた医師は37%だった。

 埼玉県東部の公立病院で2年目の研修中の医師(31)は「産婦人科での研修で、週2回程度の当直があり、当直明けも通常勤務。給料が良くても目指すのは…」と話す。これらの診療科に従事するための条件では「給与」のほか、「自由になる時間が多い」「十分な事前研修が受けられる」など、勤務環境面を重視する人が多かった。

医師不足地域での勤務「条件合えば従事」…医学部生の7割
12月17日23時15分配信 読売新聞

 地方山間部など医師不足地域で働くことについて、全国の大学医学部生の7割が「条件が合えば従事したい」と回答し、給与など処遇面の条件を重視する割合が高いことが17日、全国医学部長病院長会議などのアンケート調査でわかった。

 調査は今秋、全国80大学(大学病院)と臨床研修指定80病院の計160施設の、医学部6年生や研修医などを対象に実施。1万1800人から回答を得た(回収率63・8%)。

 医師不足地域で医療に従事することについて、医学部生(回答数5254人)の71%が「条件が合えば従事したい」と回答し、「条件にかかわらず希望しない」(20・1%)を大きく上回った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081217-00000066-yom-soci


医学生の7割が「可」=不足地域の勤務−厚待遇が条件・医師団体
12月17日22時1分配信 時事通信

 全国の医学生の7割が、給料が良いなどの条件を満たせば、医師不足地域で働きたいと考えていることが17日、全国医学部長病院長会議と臨床研修協議会の調査で分かった。地方の医師不足解消に取り組む厚生労働省は、「医学生らに不足地域での勤務希望や勤務条件を聞いた調査は恐らく初めて。希望に沿えるよう対策を考えていきたい」としている。
 調査は10月以降、全国80の大学医学部6年生と、若手医師の臨床研修を実施する80病院で勤務する研修医、その指導医ら計1万8500人に対し実施。うち約6割から回答を得た。
 その結果、医師不足地域での勤務について、医学生の71%が「条件が合えば勤務したい」と回答した。一方、卒後5年目までの若手医師は59−67%、指導医は42−48%と、年次が上がるにつれ低くなった。
 医学生が医師不足地域で勤務するための条件(複数回答)は「給与が良い」(65%)が最多。「居住環境が整備されている」(58%)、「子供の教育環境が整備されている」「自分と交代できる医師がいる」(いずれも56%)と続いた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081217-00000213-jij-soci

調査結果の詳細はこちらをご覧下さい。(PDFです)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1118-3b.pdf

質問が良くないですよね。
問28 あなたが医師不足地域の医療に従事することについてどのようにお考えですか
1 条件が合えば従事したい 
2 条件にかかわらず希望しない
3 現在医師不足地域の医療に従事している
(あるいは、現在医師不足地域に従事することを希望している)
その条件は問29に列記されていますが、(後ろは医学生が選んだ割合)
1  子どもの教育環境が整備されている    57.3%
2  居住環境が整備されている                58.4%
3  処遇・待遇(給与)がよい                66.7%
4  単身赴任に対して補助がある              27.9%
5  配偶者の同意がある                      48.4%
6  出身地である                            18.3%
7  現在の生活圏から近い                    19.5%
8  事前に地域医療に従事する研修期間がある  20.9%
9  先端医療を修得する機会がある            28.5%
10 他病院とのネットワーク・連携がある      28.5%
11 自分と交代できる医師がいる              44.6%
12 病院の施設・整備が整っている            57.7%
13 地域医療に従事した後に留学できる         9.2%
14 サバティカル休暇がある                  26.2%
15 地域の中核病院である                    11.8%
16 入院のない小規模の診療所である           2.8%
17 一定の期間に限定されている              35.7%
18 初期研修中である                         1.9%
19 初期研修修了後の研修中である             3.4%
20 専門医取得後である                      22.4%
21 定年退職後である                         7.5%
22 医学部在学中に奨学金が用意されている     4.0% 

いくつの条件を満たしてくれるのか不明なのに、答えろと言われてもね…

奨学金ではダメなのは確かみたいですが(笑)

もし、上記の条件をすべて満たしてくれれば、私も僻地に行きます。(笑)

(有り得ませんが)

さらに、Dr.Pooh先生が指摘されています。
問9 あなたが初期研修を行う予定の病院(あるいは行っている病院、あるいは行った病院)
を選んだ理由についてあてはまるもの全てを選択しその番号をお答え下さい

で上位を占めた回答
初期研修のプログラムが充実  53.2%
指導体制が充実              37.8%
多くの症例を経験できる      31.3%
といった研修の質に関する項目が削除されています。

医師不足地域ではまともな指導や研修は望めないと、厚労省も解っているのでしょうね。

それなのに、研修医を『医師不足地域』に派遣しようとする…
マッチポンプですよね。


それでも、『条件が合えば医師不足地域の医療に従事したい』は
医学生 70.5%(2,822人)→初期研修医 65.4%(799人)
→卒後3-5年目の医師 58.9%(617人)→指導医 47.4%(999人)
と減り続けています。(笑)

イマイチなアンケートと考察でした。(笑)

閉じる コメント(7)

>>いい医者になりたい。指導医や研修プログラムがいい病院なら、
>>医師不足の僻地(へきち)の病院でも行く人はいると思う

医学部生の純粋な胸のうちに、どう応えるべきか医療関係者、そして私達一人ひとりが考えるべきでしょうか?
この問題で民間病院が槍玉にあがっていますが、大規模な医療集団の
徳○会や、済○会はどう捉えているのでしょう。

2008/12/18(木) 午後 6:34 KIDNEY

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KIDNEYさん、その通りですね。
>医学部生の純粋な胸のうちに、どう応えるべきか医療関係者、
>そして私達一人ひとりが考えるべきでしょうか?
若者のその気持ちに応える事が
日本の医療そして国民全体の健康の為ですよね。

われわれは現場で頑張るしかないのですが、
制度を設計する偉い方々にも良く考えて欲しいものです。

ただ、医師不足の状況下で、指導医や研修プログラムを改善するのは不可能に近いです…(涙)

2008/12/19(金) 午前 7:48 さすらい泌尿器科医

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純粋な医学生にこういう物言いは酷かもしれませんが、実際に働いてみてアンケートを再度実施し比べて欲しいものです。そこで異なってきた項目を直していかないとなかなか現場は変わらないですね。給与・休日待遇も大事ですが、訴訟リスクを病院がいかに守ってくれているかが一番大事な待遇ではないでしょうか…。僻地医療経験者です。

2008/12/19(金) 午前 10:07 [ kurume824 ]

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kurume先生、コメント有難うございます。
実際、アンケートでも経験を経るほど、
『条件が合えば医師不足地域の医療に従事したい』という意見は減ってますよね。
それが現実だと思います。

>訴訟リスクを病院がいかに守ってくれているかが一番大事な待遇ではないでしょうか…
同感です。
守ってくれる、フォローしてくれる人がいないことがどれだけ恐いか…
学生がわからないのも仕方が無いとは言えますが…

2008/12/19(金) 午後 1:48 さすらい泌尿器科医

すみません、勝手にトラックバックしました。
もし宜しければ、この拙い記事にもコメントいただけたら
嬉しいです。

2008/12/20(土) 午後 1:52 KIDNEY

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KIDNEYさん、コメント、トラックバック有難うございます。
「研修のプログラムの充実」「指導体制の充実」
を本当の離島や僻地で実現するのは不可能だと思います。

「じゃあ、どうすれば?」と聞かれると名案は無いのですが…

2008/12/20(土) 午後 2:12 さすらい泌尿器科医

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結局,医師不足地域や,過酷とされる科の人員を増やすには,処遇(給与)をあげるのが最優先だということだと思います.労働環境はすぐには変わりません.

2008/12/20(土) 午後 7:06 [ いち ]

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