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日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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<医師臨床研修>1年に短縮可能に 必修科目減…見直し提言
2月18日20時25分配信 毎日新聞

 新人医師に義務付けられている臨床研修について、厚生労働省と文部科学省の専門家検討会(座長、高久史麿・自治医大学長)は18日、研修プログラム弾力化による必修科目削減と、都道府県別の募集定員設定を柱とする見直しの提言をまとめた。今の医学部5年生が卒業する10年度から導入される見通しで、医師法で2年以上と定められた研修期間を実質1年に短縮することも可能になる。04年度から始まった制度は、わずか6年の運用で大きく転換する。

 両省は必修科目削減によって、研修段階から現場の働き手になってもらい、医師不足解消につながることを期待する。だが、医師育成の観点から現場の反発も招きそうだ。

 研修医は、以前は大半が出身大学に残ったが、現行制度では約半数が一般病院を研修先に選ぶ。新人医師を一元管理できなくなった大学病院が地域全体の医師配置に力を発揮できなくなったことが、医師不足を加速したと指摘されている。

 提言では7診療科あった必修科目を、内科(6カ月以上)▽救急(3カ月以上)▽地域医療(1カ月以上)に削減。外科、精神科などは「選択必修」として2科目を経験させる。残りの約1年は、従来通り各診療科を回っても、特定の診療科だけを学ぶプログラムを組んでもいい。選択によっては2年目から、身分上は研修医ながら実質的に専門科の医師として働くことが可能になる。

 また、各病院の募集定員合計が卒業生数よりはるかに多く、地方が軒並み定員割れの現状を是正するため、都道府県別に定員の上限を設けることも提案。各病院には都道府県枠の中で定員を割り振るが、大学病院には十分な数を与える調整が必要だとした。大幅に減らされたり研修の指定を取り消される病院には経過措置を設けるとした。

 一方、必修が減っても診療能力の水準が落ちないよう、卒業前の医学部教育の見直しや研修医の到達度を評価する仕組みの工夫も求めた。【清水健二】

 ◇解説 現場に反対根強く

 臨床研修制度の見直しは医師不足対策が最大の目的と言えるが、結論を急ぐあまり医療現場の広い賛同を得ておらず、実効性は不透明だ。

 現行制度には、若手医師が安い労働力として酷使され、広い視野が育たない大学病院の弊害を除く狙いがあった。ある程度成功したが、大学病院の地域への医師派遣機能を弱める結果になった。

 見直しの柱である(1)実質1年短縮の容認(2)定員の都道府県枠−−には、研修医を都市部の総合病院から出身大学へ呼び戻す効果の期待がある。だが研修先を自由に希望できるという「パンドラの箱を開けた」(嘉山孝正・山形大医学部長)以上、大学病院に戻る保証はない。研修は大学で受けても、医局の体質が合わなければ2年後には離れてしまう。

 しかも、研修の実質短縮で、総合的な診療能力が育たなければ本末転倒だ。検討会でも必修科の削減には最後まで反対意見があったが、事務局の国側は押し切った。

 医療界は、卒業前の実習と卒業後の研修が連動した医師養成が必要だとする点では一致している。国は臨床経験の不足が問題とされる医学部教育の見直しにも着手したが、導入は早くて10年度の入学生からになる。日本病院会の堺常雄副会長が「臨床研修だけ手を付けるのは時期尚早ではないか」と指摘するように、拙速さは否めない。【清水健二】
まあ、何度と無く述べていることですが、

「新医師臨床研修制度」は、医師不足・医療崩壊を表面化させたきっかけにしか過ぎませんので、いくら研修制度『だけ』改革しても医師不足や医療崩壊は改善しません。

現行制度には、若手医師が安い労働力として酷使され、広い視野が育たない大学病院の弊害を除く狙いがあった。

研修医の待遇は飛躍的に改善しました。
「広い視野」によって、大学病院から立ち去ってしまい、
地域への医師派遣機能は崩壊してしまいましたが…(笑)

必修が減っても診療能力の水準が落ちないよう…

今の研修制度で診療能力の水準が上がったとは、私は思いません。

「新医師臨床研修制度」の理念である、2年間の研修を終えれば「一人前」という幻想が間違っていると思います。

「新医師臨床研修制度」の検証と評価はなされないまま、改革が進んでいますが…

都道府県別に定員の上限を設ける

大学病院には十分な数を与える

ことによって、研修医を出身大学へ呼び戻しても、
嘉山先生が仰るように「パンドラの箱を開けた」以上、すぐに飛び立ってしまうでしょう。

大学病院が医師にとって「魅力ある職場」とならない限り、人数は増えず、地域への医師派遣機能も回復しません。

かといって、『後期研修の若手医師を計画的に配置』という読売新聞の案は憲法違反です。
臨床研修見直し案、研修医の定員に都道府県枠も
2月19日3時1分配信 読売新聞
 
 医師不足の一因になったとされる臨床研修制度について議論してきた厚生労働省と文部科学省の合同専門家検討会(座長・高久史麿(たかくふみまろ)自治医科大学長)は18日、必修の診療科(部門)の数を減らして研修プログラムを弾力化し、研修医の募集定員に都道府県ごとの上限を設ける、といった見直し策をまとめた。

 研修医が将来目指す専門科の現場に早く出ることを可能にし、働き手を増やす効果が見込まれる。厚労省は、医道審議会で見直し策の詳細を詰め、省令改正などをした上で、2010年度の導入を目指す。

 04年度に始まった現在の臨床研修制度は、大学卒業後の新人医師に基礎的な診療能力を身につけさせるため、2年間で内科、外科、小児科、産婦人科、精神科など必修7診療科(部門)を回ることを義務づけている。見直し策では、必修の診療科(部門)を1年目は内科(6か月以上)、救急(3か月以上)、2年目は地域医療(1か月以上)に限定。必修でなくなる診療科は「選択必修」とし、2診療科の選択履修を義務づける。現在のように幅広い診療科を回ることも研修病院の判断でできる。

 病院ごとの募集定員は、各都道府県の上限と調整した上で、地域への医師派遣実績を勘案して大学病院などに優先配分する。大学病院で学ぶ研修医を増やすことで、地域への医師派遣機能を回復させる効果が期待されている。

 また、臨床研修に続く専門医養成の後期研修(3〜5年)について、医師の診療科偏在を是正するよう、あり方を見直すことも今後の検討課題として盛り込まれた。これに関しては、読売新聞が昨年10月の医療改革提言で、医師の地域・診療科別の偏在を解消するためには、後期研修の若手医師を計画的に配置することが必要だと指摘していた。

 現行の臨床研修制度は研修先を自由に選べるため出身大学ではなく、都市部の有力病院を選ぶ新人医師が増え、地方の大学病院などの人手不足を加速する一因となったと指摘される。  
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000021-yom-soci

現行の臨床研修制度は研修先を自由に選べるため出身大学ではなく、都市部の有力病院を選ぶ新人医師が増え、地方の大学病院などの人手不足を加速する一因となったと指摘される。

医師としての、診療能力の向上には「良き指導者や仲間」「多くの症例数」が重要です。
『都市部の有力病院』が人気なのは当然です。

大学病院と違って、教育や研究は無いですから…


最後に日本医師会の愚かな提言も追記しておきます。
「初期研修を1年に」−日医がグランドデザイン09
2月19日6時53分配信 医療介護CBニュース

 日本医師会は2月18日、新医師臨床研修制度の見直しの提言などを盛り込んだ「グランドデザイン2009」を公表した。臨床研修に関しては、初期研修期間を現在の2年間から1年間に短縮するほか、初期研修前に専門科を決めることを提案。また、初期研修医が出身大学のある都道府県の「地域医療研修ネットワーク」に所属し、地域の大学病院や研修病院で基本的な診療能力を身に付ける仕組みも打ち出した。日医の中川俊男常任理事は厚生労働省内で記者会見し、「初期研修医が(医学部教育からの)7年間で、出身大学の都道府県に根付いていただければとの願いを込めている」と説明した。

 グランドデザイン2009は、2007年に公表したグランドデザインに、その後の状況の変化を踏まえて必要な内容を書き加えた。臨床研修制度改革以外に、疾病の発症リスクが高まる75歳以上を対象とする「高齢者のための医療制度」も提案。財源については、医療費の9割を国庫などの公費で賄うよう求めている。

 04年度にスタートした新医師臨床研修制度に伴い、専門科を決めない2年間の初期研修が義務化された結果、「約1万5000人の実質的な臨床医が減少した」と指摘する一方、初期研修を1年間に短縮することで供給不足が7500人に減少すると指摘。これらにより、「医師偏在化・医師不足問題の緩和につながるという意味もある」との見方を示している。

 都道府県単位の地域医療研修ネットワークには、医師会や大学、臨床研修病院、行政、住民代表が参加。地域社会の理解と合意の中で医師を育成する。
 初期研修医は、専門科の指導医と相談して研修内容を決定し、地域医療研修ネットワークが指定した医療機関で研修を受ける。日医では、初期研修前に専門科を決めることで、「自分の位置付けを明確にしながら初期研修に取り組むことができる」としている。
 また、▽医学部5年生は大学病院で内科中心の臨床実習▽医学部6年生は大学以外の病院でも臨床実習―を実施するなど、医学教育の在り方についての考え方も示した。

 一方、高齢者のための医療制度は都道府県が運営する。給付費の5割を公費で負担する現在の後期高齢者医療制度から、医療費全体の9割を公費負担(主として国費)とする仕組みへの切り替えを求めている。08年度の後期高齢者医療制度の医療費(11.9兆円)で考えると、10.7兆円の公費が必要になる計算で、一般医療保険(0-74歳)への4.8兆円分を含む公費9.9兆円(同年度当初予算ベース)を全額高齢者に投入し、不足分の0.8兆円は消費税などの新たな財源で対応するとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000000-cbn-soci

専門科を決めない2年間の初期研修が義務化された結果、「約1万5000人の実質的な臨床医が減少した」と指摘する一方、初期研修を1年間に短縮することで供給不足が7500人に減少すると指摘。

その効果は一度限りです。

初期研修医が出身大学のある都道府県の「地域医療研修ネットワーク」に所属

これが上手くいくとでも思っているのでしょうか?

地方自治体に忠誠を尽くす医師はいませんが…

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少なくとも、「大学附属病院での臨床医」と「大学の教員(教育と研究をしなくてはなりません)」という「完璧であって当然」と思われている仕事を一人二役でさせられているのに、待遇は「一般より下」と言う奴隷待遇の臨床系大学人の扱いを改善しないことにはどんな改革も効果ないでしょうね。
本来なら厚生労働省と文部科学省それぞれから一人前の待遇をしてもらわないとおかしいんです。両方の仕事をさせられてるんですから。 削除

2009/2/19(木) 午後 6:10 [ まおパパ ] 返信する

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まおパパさん、そうなんですよ…
自分も大学にはあまり寄り付かなかった口ですから、罪悪感が…(笑)

給料が2倍になれば、大分違いますよね。
(1.5倍だって、難しいと思われますが…)

2009/2/19(木) 午後 6:48 さすらい泌尿器科医 返信する

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医局の若手医師なんて無給or薄給が当然ですからね…

大学病院も、地方の医師不足に悩む地域も、
「そこに務めるメリット」を造らなきゃいけないですよね。

2009/2/19(木) 午後 10:48 [ ウナギいぬ ] 返信する

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ウナギいぬさん、その通りですね。
メリットを示さず、強制されるだけではたまりませんよね。

2009/2/20(金) 午後 4:54 さすらい泌尿器科医 返信する

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うろうろドクターさん、こんにちは。
お説、全くそのとおりです。
私も、新聞投稿で訴えてみました。

2009/3/1(日) 午前 10:18 [ ロートル医師 ] 返信する

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