うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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広島大小児科医師、年度末に10人辞職 「体力もたぬ」
2009年2月21日8時37分 朝日新聞

 広島大学病院小児科医局の医師10人が今年度末で辞職することが、広大への取材でわかった。
ほかに、昨年9月からすでに2人が辞職し、今年4月以降も1人が辞める見込み。
4月に後期研修医7人が入局するが、同医局がこれまで通りに地域の各病院に医師を派遣するのは
困難で、小児医療が十分提供されなくなるおそれがある。

 広大によると、同医局には約120人の医師がおり、うち約100人が
広大病院以外の広島県内の公立と民間の30病院へ派遣され、常勤している。
大学病院内で勤務している医師たちも、
診療や研究のほかに多い人で1カ月に9回は広大以外の病院で非常勤として働き、
うち3回は当直をこなしている。

 3月末で辞職するのは、広島市立舟入病院(広島市)や呉共済病院(呉市)に派遣されている
医師ら8人と、広大病院内で勤務する2人。辞職する医師たちのほか、
昨秋から今年度末までに3人の医師が出産にともなう休暇に入る。
このため4月以降は各病院への派遣体制を見直さざるを得なくなり、
入院機能を維持できずに、外来のみとなる病院が出てくる可能性もある。

 呉共済病院では、4人の小児科医のうち広大からの1人が年度末に退職するため、
市内の3病院で実施している夜間救急輪番制のあり方を見直すよう関係機関に求めているという。

 13人の辞職理由は「県外の医療機関に赴任する」5人、「開業する」4人、
「家庭の都合」2人、「眼科医になる」1人などだが、
多くが「疲れた。体力が持たない」と述べているという。
小児科は夜間に診療を希望する患者が多く、他科より勤務がハードだとされる。

医師の大学病院離れの背景には、04年に始まった国の新臨床研修制度がある。
制度によって、新人医師は大学の医局を経ずに自らの意思で
全国どこの病院でも研修先に選べるようになった。
大学病院の医局に入ると中山間地域へ派遣されることなどを理由として、
都市部の民間病院に人気が集中。大学病院で研修する割合は
新制度実施前の7割から半分以下に減少した。
地域医療を担う大学の医局は、従来通りの派遣機能を維持することが難しくなり、
急な人員減にも対応できなくなっている。

 広大の小林正夫教授(小児科学)は
「大学病院以外の病院にも地域の病院への派遣機能を持ってもらわないと、
地域医療は破綻(はたん)する」と話している。(辻外記子)
http://www.asahi.com/national/update/0219/OSK200902190097.html

広大の小林正夫教授(小児科学)は「大学病院以外の病院にも地域の病院への派遣機能を持ってもらわないと、地域医療は破綻(はたん)する」と話している。

本当にこんな発言をしたのでしょうか?
記者の作文だと私は思います。

他の病院に医師を派遣できるような余裕のある病院は何所でしょうか?

『大学医局にもっと医師を!』と言うのなら理解できますが…
教授が、大学の外に(ミニ)医局を作ることを提言するのは不可解です。
医師臨床研修の見直しの時に出た、「地域医療研修ネットワーク」を意識しているのでしょうが…

多くが「疲れた。体力が持たない」と述べているという。

小児科は夜間に診療を希望する患者が多く、他科より勤務がハードだとされる。

小児科の「当直」は、『常態としてほとんど労働する必要がない業務』とは程遠く、絶えず患者さんが来ます。
多くの病院ではそのまま翌日も通常勤務ですから、「40時間連続勤務」となります。
小児医療費の無料化などが、夜間受診の増加に拍車をかけています…
「疲れた。体力が持たない」
というのは、心の底からの叫びです。
それに応える対策が殆どなされていない現状では、同様の事は他所でも起きるでしょう…

群馬大学でも似たような話がありましたね。
【記者ノート】(4)小児医療の崩壊 医師配置に強制力必要 群馬
2008.12.25 02:24 MSN産経ニュース

  深刻な医師不足の波が群馬にも押し寄せている。
11月、群馬大学医学部付属病院(前橋市)が、県内外の基幹病院に派遣する
小児科医引き揚げを検討していることが判明。医師輩出の“前線基地”だった大学病院だが、
平成16年の新医師臨床研修制度導入で、出身大学の付属病院で研修する医師が減少した。
診療体制維持のため、大学側は派遣医の調整に踏み切らざるを得ず、
地域医療に反動をもたらす悪循環に陥っている。

 「館林厚生病院は館林・邑楽19万の住民の命を守る『最後のとりで』」−。

 群大病院の引き揚げ打診が報道された直後の今月上旬。
館林市の安楽岡一雄市長や5町長が大沢正明知事に提出した要望書には、焦燥感が滲んでいた。
同地区住民による署名は12万8951人にのぼった。
「子供の両親が不安を持てば人口流失の恐れもある」と、地域社会の地盤沈下を懸念する声もあがる。

 苦境の背景には、小児科を取り巻く厳しい環境がある。
呼び出しや当直を含め実質36時間を超えることもある過酷な連続勤務。
軽症者の安易な「コンビニ受診」も多い。訴訟リスクとも背中合わせだ。

 国の調査では、平成18年の県内医師数は4026人で10年前に比べ15・2%増加。
だが、小児科医は16年の270人をピークに、18年は260人に減少した。

 県も手をこまねいていたわけではない。群馬で働く意欲のある研修医らを対象に
「医師確保修学研修資金貸与」を開始。今月、小児科医に絞り追加募集も行った。
県内勤務を希望する医師への情報提供システムも稼働している。

 大沢知事は「研修医が群馬で研修したいと思う環境整備に努めたい」と強調。
県医師確保対策室も「地域や病院、診療科での医師偏在は大きな課題。
小児科でも、待遇改善が問題解決の出発点になる」と語る。

 ただ、県は自治体の取り組みには限界があると主張する。
仮に、小児科医の給与を大幅アップしても、全国が同じ動きに走れば、
地域格差は逆に拡大する恐れがあるうえ、安易な対策は「医療全体のバランスを崩壊させる」
(県幹部)可能性もあるからだ。

 県は「研修医の割り振りについて、国による枠組み作りが求められる」と訴える。
確かに、激務の診療科や僻(へき)地(ち)医療を下支えするには、
医師配置に一定のルールと“強制力”が必要なのは明らかだ。

 群大病院小児科は内部協議を進め、年明けにも、人事配置の大枠を策定する。
同病院の小児科医は「医療体制維持のため、何とか頑張りたい。
(県の施策は)本当にありがたいこと。医師が1人でも根付いてくれれば」と言葉少なに語る。

 現状が続けば、小児科医療はさらに危機的状況に追い込まれる。
制度改正に時間がかかるなら、給与面の厚遇があっていいはずだ。
それもできないなら、激務に向き合う医師にどう“報いる”かを真剣に考え、
国全体で答えを出す必要がある。(中村昌史)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/081225/gnm0812250224000-n1.htm

仮に、小児科医の給与を大幅アップしても、全国が同じ動きに走れば、地域格差は逆に拡大する恐れがあるうえ、安易な対策は「医療全体のバランスを崩壊させる」(県幹部)可能性もあるからだ。

『全国が同じ動きに走れば』小児科医の総数が増えることだと思いますが…
お金を出したくない言い訳にしか聞こえません。

安易な対策は「医療全体のバランスを崩壊させる」
意味不明です。

今も、どんどんリスクのある科(産科・小児科・救急など)から医師が逃散し続けているのです。

有効な対策が為されなければ、バランスは崩壊する一方です。

どこまで崩壊が進めば、マスコミの方々には理解してもらえるのでしょうかね?

閉じる コメント(16)

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完全に崩壊すればわかるでしょうw 削除

2009/2/21(土) 午後 1:40 [ 元外科医 ] 返信する

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元外科医先生、そうなる前に何とか理解して欲しいものですが…

2009/2/21(土) 午後 1:42 さすらい泌尿器科医 返信する

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うろうろ先生
病院の状況も深刻ですが、患者さんの状況も深刻です。
記事を転載しましたので、ご意見を書いて欲しいのです。

トラバします。
よかったら転載元へも行ってあげてください。

2009/2/21(土) 午後 2:31 まお 返信する

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まおさん、記事を拝見しました。

難しい問題です…

追い出す立場の病院関係者としても辛い話です…
医療やそれを支えるべき福祉の貧困さが、国や多くの国民の冷たさが
こういう状況を生んでいるのだと思います。

声の小さいこういう方々にも、十分な医療・福祉が行き渡るような
国にしていかないといけませんよね。

2009/2/21(土) 午後 2:49 さすらい泌尿器科医 返信する

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広大小児科崩壊の根源は舟入病院のような気がします。
ここは24時間救急を謳っていたのです。そう、先だって崩壊した
大阪の市立松原病院と同じです。
24時間救急をコンビニと勘違いした軽症患者が殺到して医師が過重労働に陥り逃散、医局も派遣できなくなり崩壊。
今後このパターンは増えていくのではないでしょうか。 削除

2009/2/21(土) 午後 8:21 [ 通りすがり ] 返信する

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うろうろ先生
ご意見ありがとうございました。
転載元にも行ってくださってありがとうございます。
日本のこの現状は酷いですよね。
今の麻生政権では変える力などなく虚しいです。

2009/2/21(土) 午後 8:40 まお 返信する

いつになったらこの問題に、朝焼けがさす日が来るのやら???
ただ、研修制度だけの問題か疑問に思う。

2009/2/22(日) 午後 1:06 KIDNEY 返信する

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小児科医や産科医は、特に大変だからという理由で希望する医師も少ないのが現状ですね。
以前、TV番組で、どこかの小児科医師がやはり激務で辞職するため、小児科が閉鎖される危機に迫ったとき、通院している子供の親御さんたちが、簡単に救急にかかるのはやめようと意識し又、医師にこの程度ならば様子をみて翌日、受診でも可能であるなど判断の見極めを勉強会などを通して、親に伝える等の試みを行い、救急にかかる件数も減り、小児科閉鎖も回避されたという番組をみました。
どこでも通用するケースではないとは、思いますが。
患者側も、努力が必要かと思います。

2009/2/22(日) 午後 3:01 あおい 返信する

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産科医はともかく、マッチング以後も小児科医は結構志願者がいるのです。若い人が入ってくるのに崩壊する病院が有るというのは、当該病院が現場医師に常軌を逸した労働を押しつけているからです。私は当然の報いかと思っています。悪い病院が淘汰されれば小児科医も増加に転じるでしょう。 削除

2009/2/22(日) 午後 3:20 [ 元外科医 ] 返信する

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通りすがりさん、コメント有難うございます。
計算上は舟入病院は7人退職することとなりますね。(11人中…)

>24時間救急をコンビニと勘違いした軽症患者が殺到して
>医師が過重労働に陥り逃散、医局も派遣できなくなり崩壊。
医局も構成員を維持・増やす為にも
誰も行きたがらない病院からの引き上げは、今後も続くでしょうね。

2009/2/22(日) 午後 9:49 さすらい泌尿器科医 返信する

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まおさん、コメント有難うございます。
麻生首相は、「民主党に政権を任せられるのか!」などと言ってますが、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090222-00000527-san-pol

とりあえずは、3度も総理大臣が代わって、
国民にも支持されてないのですから、
国民の審判を受けるべきだと思いますけどね…

2009/2/22(日) 午後 9:53 さすらい泌尿器科医 返信する

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KIDNEYさん、本当に朝焼けは何時の日でしょうかね…

私も研修制度の問題だけではないと思います。

2009/2/22(日) 午後 9:54 さすらい泌尿器科医 返信する

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あおいさん、そういう試みはいくつかありますね。

県立柏原病院の小児科を守る会
http://www.mamorusyounika.com/index.html

「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」
http://plaza.rakuten.co.jp/iryo000/
などが有名です。

>患者側も、努力が必要かと思います。
その通りですね。
お互いの努力、我慢が必要だと思います。

2009/2/22(日) 午後 9:58 さすらい泌尿器科医 返信する

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元外科医先生、その通りで10人も辞める医局ですが7人も入りますからね…。
その病院の状況はさぞかし酷いのでしょう…

>悪い病院が淘汰されれば小児科医も増加に転じるでしょう。
他の科も含めて、しばらくはその傾向が続くでしょうね…

厚労省などは、医師が増えれば「悪い病院」にも医師が行くようになる
と思っていることでしょうが…

2009/2/22(日) 午後 10:03 さすらい泌尿器科医 返信する

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完全に崩壊しても分らないでしょう。

崩壊してもなお「それでも医者か!」「仁術はどこへ行った!」「ドラマのような医者はいないのか!」「医者を志した時の気持ちを忘れないで欲しい云々」とかいう声の嵐だと思います。

医療従事者や市民がいくら訴えてもマスコミによる医療破壊は止まってませんし、香ばしいブログも相変わらず出続けてます。

もう、自分、半ば諦めてます。
香ばしいブログ探しはしてますが。

2009/2/22(日) 午後 11:09 [ KRTさん ] 返信する

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都筑てんがさん、アルファブロガー・アワードは残念でした…
>完全に崩壊しても分らないでしょう。
私もそう思います。
逆にわからないと予想されるからこそ、
地道な啓蒙活動も必要だと思っています。

>医療従事者や市民がいくら訴えてもマスコミによる医療破壊は止まってません…
マスコミの罪は大きいです。

2009/2/23(月) 午前 0:31 さすらい泌尿器科医 返信する

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