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[解説]「周産期」指定返上問題
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090414-OYT8T00234.htm?from=os22009年4月14日 読売新聞 過重労働医療の危機 診療科別に計画配置必要 総合周産期母子医療センターの愛育病院(東京都港区)が、 労働基準監督署の是正勧告により夜間の常勤医確保が困難として、指定返上を都に打診した。 (医療情報部 館林牧子) 【要約】 ◇愛育病院は医師の夜間勤務が「時間外労働」と見なされ、是正勧告を受けた。 ◇産科・救急医不足が背景にあり、抜本的解決には、医師の計画配置が必要だ。 愛育病院によると、労基署から3月、産科医、新生児担当医の夜間勤務が、 労働基準法で定める労働時間を超えているなどとして、指導・是正勧告を受けた。 医療機関では慣習的に、夜間勤務は労働時間に当たらない「宿直」扱いにしていることが多い。 定時の見回り程度の仕事で睡眠も取れるのが建前だ。 しかし、急患を常時受け入れている同病院の夜間勤務は、睡眠などは取れないのが実態であり、 労基法上の「時間外労働」にあたると見なされた。 労働時間に含めなければならず、日勤の25%増の割増賃金を支払う必要がある。 総合周産期母子医療センターは産科医が24時間いることが条件だが、 同病院では労基署の指導に従った場合、夜間帯も常勤医が常に勤務することは困難と判断。 都に指定の返上を打診した。都からは「夜間は非常勤医でも問題ない」として、 総合センター継続の要請を受けており、今月下旬には結論が出される見通し。 しかし、今回の問題は愛育病院だけの問題にとどまらない。 全国周産期医療連絡協議会が昨年、全国75か所の総合センターに行った調査では、 97%の施設が、同病院と同様に、夜間勤務を「宿直」扱いとしていた。 皇室関係のご出産でも知られる同病院は、比較的医師数も待遇も恵まれた病院であるにもかかわらず、 労基署から是正勧告を受けたことが、医療現場には余計にショックを与えた。 背景には、分娩に携わる産婦人科医の絶対的な不足がある。 厚生労働省によると、2006年までの10年間で、全体の医師数は15%増えているのに対し、 産科・産婦人科医の数は約1万1300人から約1万人へと11%も減少している。 さらに、働き盛りの20歳代の産婦人科医の7割、30歳代の5割が女性だが、 女性医師の約半数は、自分の出産を機に分娩を扱わなくなることも、 産科救急医の不足に拍車をかけている。 過重労働は現場の疲弊を招き、医師の健康のみならず医療の安全も損なうことにもつながる。 杏林大の岡本博照講師(公衆衛生学)が4年前、東京都と大阪府の6か所の救命救急センターの 勤務医を調査したところ、平均当直回数は月10回、休日は月に2日だけ。 月に1日も休みを取らず、22回も当直勤務をこなしていた医師もおり、 労基法とはかけ離れた実態が明らかになった。 休日が3日以下の医師は、免疫機能が低下し眠気も強いなど健康上の問題もわかり、 岡本講師は「診療内容にも大きな影響を及ぼしかねない」と指摘する。 愛育病院では、夜間専門の非常勤医師を雇い、現在の当直体制は維持する方針。 だが、夜間の非常勤医師は、昼間は別の病院で働いており、病院を昼夜で移るだけで、 医師の過重労働の抜本的な解決策にはならない。 杏林大高度救命救急センターの島崎修次教授は 「労基法を守るなら、救命救急センターには今の1・5倍以上の医師が必要だ。 医師確保が難しい中で、労基法の順守だけを求められても現場では解決のしようがない」と話す。 読売新聞が昨年10月公表した医療改革提言では、医師を増やすとともに、 地域や診療科ごとに定員を設け、計画的に専門医を養成することを提案している。 過酷な勤務実態を改善するには、産科や救急など激務の診療科に適正に医師を配置する仕組みが必要だ。 相変わらずの読売クオリティにめまいがします… ◇産科・救急医不足が背景にあり、抜本的解決には、医師の計画配置が必要だ。過酷な勤務実態を改善するには、産科や救急など激務の診療科に適正に医師を配置する仕組みが必要だ。どうして産科・救急医不足や、過酷な勤務実態になってるかを考察せず、前線に(未熟な)兵士を強制的に送り込めば良いという、相変わらずの発想ですね。 給料も増やさず、訴訟リスクも軽減策を講じずにね…医療現場には余計にショックを与えた。ショックを受けたのは支払う賃金が増える病院の経営者や自治体などの管理者であり、医療費が増えることを嫌がる財界や政府などです。新聞社にとってはスポンサーですね。今回の騒動は、現場の人間にとっては過酷な勤務実態が改善するきっかけになるのでは? という(淡い)期待があります。 全国周産期医療連絡協議会が昨年、全国75か所の総合センターに行った調査では、97%の施設が、同病院と同様に、夜間勤務を「宿直」扱いとしていた。これがそもそもの間違いであり、違法なダンピングだったのです。平均当直回数は月10回、休日は月に2日だけ。月に1日も休みを取らず、22回も当直勤務をこなしていた医師もおり、労基法とはかけ離れた実態が明らかになった。これは4年前の調査みたいですが、『労基法とはかけ離れた実態』が放置されてきたのです。 それが医療崩壊の原因だとは、読売新聞は考えないのでしょうね? 本当は医師の過重労働を改善するために、勤務実態を少しでも労働基準法に近づけるのが筋でしょうに(滋賀県の成人病センターでは『勤務医の時間外勤務を、月120時間を上限とする』ことで労使間協定が妥結したそうです) 読売新聞が昨年10月公表した医療改革提言では、医師を増やすとともに、地域や診療科ごとに定員を設け、計画的に専門医を養成することを提案している。医療費を増やす必要があるとは書いてありません。医師の人権を無視し、給料を抑える計画配置によって問題の解決をする気なのでしょう…そんな事を実行したら、地域医療は破滅することでしょうね。その責任は取って下さいね、読売さん!
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産科の訴訟リスクや駆け込み妊婦等の問題患者の忌避等の当然論じられるべき問題点を華麗にスルーしてるところが笑えます。
まず雇用サイドの問題意識の低さと医療受益者たる患者の無知を報道は啓蒙すべきだと思います。
医師が疲弊しこれ以上の「奉仕活動」は無理だと言ってるのに、
まだ「なんとか奉仕活動を続けろ」とマスコミが強要しちゃうんですから、問題提起も啓蒙もマスコミの仕事じゃないんでしょう。
2009/4/14(火) 午後 8:21 [ 通りすがり ]
「過酷な勤務実態を改善するには、産科や救急など激務の診療科に適正に医師を配置する仕組みが必要だ。」
きましたね。ゴミウリ新聞。徴医制を敷かない限り仕組みは不可能です。
国の医療政策と経済政策を放置してこれですから笑ってしまいます。
2009/4/14(火) 午後 8:37 [ 元外科医 ]
通りすがりさん、この記事の華麗なスルーぶりには
私も呆れるを通り越して、笑ってしまいました。
>まず雇用サイドの問題意識の低さと
>医療受益者たる患者の無知を報道は啓蒙すべきだと思います。
その通りですが、雇用サイドはスポンサーですし、
患者に厳しいことはマスコミは言いませんよね。
(ゼロの医療特集でやっと出るくらいです…(涙))
http://blog.dai2ntv.jp/zero/tokushu/action/
2009/4/15(水) 午後 1:03
元外科医先生、コメント有難うございます。
>国の医療政策と経済政策を放置してこれですから笑ってしまいます。
財界や政府には絶対服従なのでしょうね…(涙)
2009/4/15(水) 午後 1:05