うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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医師の当直勤務は「時間外労働」、割増賃金支払い命じる判決
4月22日15時15分配信 読売新聞

 奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人が、県を相手取り、夜間や休日の当直などは時間外労働に当たり、手当支給だけで賃金を払わないのは労働基準法に違反するとして、2004、05年分の時間外割増賃金計約9200万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、奈良地裁であった。

 坂倉充信裁判長(一谷好文裁判長代読)は「当直時間に分娩(ぶんべん)や新生児の治療など通常業務を行っており、割増賃金が不要な勤務とは到底いえない」として、県に対し、労働基準法上の請求期限の時効分を除く、当直分の割増賃金として、それぞれ736万円と802万円の支払いを命じた。

 通常勤務並みという医師の当直勤務を時間外労働と認めた初の判断。産科医の過重労働が問題となる中、全国の病院運営に影響を与えそうだ。

 また、坂倉裁判長は、緊急時に備えて医師が自宅で待機する「宅直」については「医師間の自主的な取り決めで病院の内規にもなかった」として、割増賃金を認めなかった。

当直時間に分娩(ぶんべん)や新生児の治療など通常業務を行っており、割増賃金が不要な勤務とは到底いえない

額は少ない気もしますが、パンドラの箱はこれで完全に開きましたね。

通常勤務並みという医師の当直勤務を時間外労働と認めた初の判断。

今までが異常だっただけですが、画期的な判決です。

産科医の過重労働が問題となる中、全国の病院運営に影響を与えそうだ。

影響は大きいでしょうね。
今まで「不当にダンピング」をしていたのに、多くの公立病院は赤字だったのですから、

財務省が戯言を言おうと、医療費を増やさない限り病院は倒産してしまいます。

どうなりますかね?

ただ、

「宅直」については「医師間の自主的な取り決めで病院の内規にもなかった」として、割増賃金を認めなかった。

先日の愛染橋病院副院長の話のように、産科医療は「宅直」無しでは回らないのですが…
(緊急帝王切開やお産が重なった時などは、人手が必要です)

これでは、産科医療の崩壊は止まらないでしょうね…

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閉じる コメント(8)

医療費抑制のために見てみぬフリで過ごされた部分が日の目を見た・・というところでしょうか。
今の日本人が要求する高度な医療水準を実現するには、あとどのくらいの費用が必要なんでしょうか。今の税金と出産に支払う金額では、日本人が要求してる水準は無理です。
もっとお金を払うか、知恵を働かせるかしないと。
知恵とは・・例えば明らかな異常妊娠を除いては助産院に行くとか、あとはある程度田舎で異常分娩になってしまったらこれも「天命」と受け入れるか。
いずれにしても命のかかってることですから軽々しく出来ないのはわかりますが、今の財政では患者側がそういったハードの不整備に泣くことがあることも覚悟しないとね・・とも思います。
ということも言えないので、結局は医師のサービス拘束やサービス臨時登院でまかなわれてるのが現状でしょう。
医療の高度化・国民総クレーマー化の中、そのサービス業務による医師の過剰勤務は、ますます激化していくのでしょう・・

2009/4/22(水) 午後 6:07 あい 返信する

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サラ金過払い訴訟のように、全国の病院で同様の訴訟が拡がることを期待します。確実に勝てるので弁護士もウハでしょう。勤務医の収入が増えて内需拡大になるので日本の経済も少しは好転するでしょう。

良いことずくめで、今月のgoodニュースですね。 削除

2009/4/22(水) 午後 7:56 [ 元外科医 ] 返信する

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奈良県では善意の代償が産科医への罵倒だったりしたのですから、この判決を機に善意での奉仕ではなく金銭への対価という事になるでしょう。
それが正常なのです。どんなに罵倒されても患者さんが無事に出産できるように身を削ってこられたのは尊い事ですが、異常事態だったのです。

うろうろドクター先生。脊髄反射で医師の偏在論のことを書き込みましたが、財務省の前提が不明ですよねえ、確かに。
例えば妊娠適齢期の女性人口及び出生率をもとに現在の産科医数と
不足数・充足率を割り出すとかなら分かりますが、どういう人口構成でどういった既往歴の患者さんがいて消化器内科が○人、循環器内科が△人と言うふうに考えないと正確さを欠きますよねえ。不思議だ… 削除

2009/4/22(水) 午後 8:15 [ 通りすがり ] 返信する

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あい先生、コメント有難うございます。
本当にやっと日の目を見ましたよね。

先駆者たるこの先生方や、滋賀県立成人病センターの先生方の
ご活躍はどんなに賞賛しても足りません。

>明らかな異常妊娠を除いては助産院に行くとか、
>あとはある程度田舎で異常分娩になってしまったら
>これも「天命」と受け入れるか。
少子化対策の為にも、ここには十分な予算をかけるべきですね。
妊娠したら都市部に移住させるとか…

助産院の活用には私は反対です。
大して医療費が削減されないのに、リスクばかり増えますから…

2009/4/23(木) 午後 3:52 さすらい泌尿器科医 返信する

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元外科医先生、コメント有難うございます。
>全国の病院で同様の訴訟が拡がることを期待します。
>確実に勝てるので弁護士もウハでしょう。
私や先生が訴えてもダメですが(笑)
過重労働に苦しんでいる医師が一斉蜂起したら、時代は変わります。
(ストライキするより、ずっと良いです)

看護師や介護福祉士など、他の職種にも広げていきたいですね。

2009/4/23(木) 午後 3:56 さすらい泌尿器科医 返信する

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通りすがりさん、本当は奈良県で産科医を続けること自体が…
少なくとも、『金銭の対価』が出るのは良いことです。

>どういう人口構成でどういった既往歴の患者さんがいて
>消化器内科が○人、循環器内科が△人と言うふうに考えないと…
なかなか病人の数を予測するのは難しいです。
(解っているなら、対策すべきですし…(笑))
基本的には「非常事態」に備えて、ある程度の余力を持たせるべきですね。

2009/4/23(木) 午後 4:01 さすらい泌尿器科医 返信する

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最近勤務医の労働条件について調べています。この事件は非常に重要な事件で,勤務医の労使関係に「近代的」な関係が必要であることを示しているように思います。勤務医の労働に対する正当な対価であったり,勤務医が労働者として一般に保障されている基準の保障であったり,正確に権利と,義務の範囲を明らかにするということが必要ではないかと思います。その上で,「仁術」として求められる領域を考えていくというのが正しい方向ではないかと思っています。

2009/10/21(水) 午前 7:18 [ 籠橋隆明 ] 返信する

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籠橋隆明さん、ファン登録有難うございます。
ご指摘の通りです。

「医は仁術」という名のもとでの医師に滅私奉公は
時代の流れや女性の進出とともに終わりに近づいています。

「近代的」な関係は医療体制の維持のためには不可欠だと私も考えます。

今後とも宜しくお願いします。m(__)m

2009/10/21(水) 午後 2:59 さすらい泌尿器科医 返信する

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