うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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男性重体訴訟 医療法人に賠償命令「治療受ける権利侵害」
2009年04月25日土曜日 河北新報

 シンナー中毒で入院した秋田県男鹿市の潜水作業員の男性(35)が意識不明になったのは、医師らが適切な治療を怠ったためだとして、潟上市に住む男性の母親が同市で病院を運営する医療法人に約1億2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁は24日、法人側に110万円の支払いを命じた。

 鈴木陽一裁判長は「医師らは心停止や脳障害を予見し得たが、その時点で適切に治療しても確実に回避できたという証明はされていない」と指摘。その上で、血液浄化療法をしなかったことについて「医療水準にかなった治療を受ける権利を侵害され、多大な精神的苦痛を受けた」と認め、男性が自らシンナーを摂取したことなども考慮し損害額を算出した。

 判決によると、男性は2002年4月20日、シンナー中毒で法人運営の病院に入院し、22日に心停止して脳に障害が生じ、現在も意識が回復していない。 
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/04/20090425t43032.htm

この『法人側に110万円の支払いを命じた。』という地裁の微妙な判決内容については
ssd先生の記事、『ぶぶづけいかがどすか判決』をご参照下さい。
支払い額も一緒です…orz
(このニュース自体もssd先生の記事で知りました)

シンナー中毒はいくらなんでも自己責任だと思いますが…
治療費はどうなっていますかね?

続いて…
ショートステイで死亡、道に7000万円賠償求め提訴
2009/04/27 21:40  MSN産経ニュース

 北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター(現・道立子ども総合医療・療育センター)にショートステイしていた当時7歳の長男が就寝中に吐血し死亡したのは、センターが安全配慮義務を怠ったためとして、札幌市の両親が27日までに、センターを運営する道に約7000万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状によると、長男は脳性まひなどの障害があり平成16年12月、センターにショートステイした初日の就寝後に吐血し、窒息死した。

 父親らは「センターは入所の際に診察せず、呼吸に問題があることなどを知らなかったほか、高熱が出たにもかかわらず医師が解熱するよう指示しなかった」などと主張している。

 道は「安全管理に問題はなかった」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090427/trl0904272141016-n1.htm

こちらはまだ提訴段階ですが…

父親らは「センターは入所の際に診察せず、呼吸に問題があることなどを知らなかったほか、高熱が出たにもかかわらず医師が解熱するよう指示しなかった」などと主張している。

『呼吸の問題』や『高熱』と吐血に何の関係が?

たまたま吐血したのが、『センターにショートステイした初日』だっただけとしか思えません。

こういう訴訟により、「ショートステイ」の条件が厳しくなるのでしょうね…

この記事に

閉じる コメント(11)

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潜水士がシンナー常用者?。 これは、潜水等を行うもの危険管理意識の根本にかかわる問題です。


ショートステイですか。 予算自体が削減にある状況では、この制度もどうなる事でしょう。 必要とする者に被害が。

図書館の利用でも、問題が続出していますからね。そのうち閉鎖される所が出てもおかしくないでしょう。

2009/4/29(水) 午前 9:31 [ おみぞ ] 返信する

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シンナー中毒にも高度医療をと言われてしまったら救急崩壊更に加速って感じですね。それにしてもこの場合、本当に血液浄化療法って本当に有効だったんでしょうか…
ショートステイ初日に吐血…痛ましいとは思いますが、入所時に診察がなければ親の方が、これこれこういう状態のときはこの薬を飲ませてくださいとか、かかりつけは何処の病院で○○先生に診てもらってますとか事細かに連絡しておく方が対処しやすかったと思います。
脳性まひと言う事なら日常的に診て貰ってるお医者さんもいらっしゃるでしょうし。
ご両親はきっと誰かを攻めずにはいられないのでしょうね。余りにも
悔いが残る亡くなられ方でしょうから、悲しみが怒りに転化したのでしょう。八つ当たりだとは思いますけど。 削除

2009/4/29(水) 午後 0:34 [ 通りすがり ] 返信する

近隣のお話だけに放って置けなくて^^;

ショートステイはすでに受け入れ条件が厳しい状態です。そして、ショートステイをお願いしなくてはならないような子どもたちは栄養方法(胃瘻、胃管、ちょっとむせますなど)や座り方・寝せ方、呼吸の補助の仕方(気管切開か、夜だけ鼻から補助か、など)等々非常に個性的な条件を持っています。センター側も類似のクレームが実は水面下で大変多いのでとてもピリピリしており、受け入れて欲しい依頼側とお断りしたい受け入れ側の医者同士で気まずくなることさえあります。

2009/4/29(水) 午後 6:20 [ motoko99 ] 返信する

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シンナー中毒ですか・・・
自己責任は問われないのですかね・・・

アルコール中毒や覚せい剤はどうなのでしょうね?
こんなことでは現場は中毒患者を診る方がへるでしょうね。

2009/4/29(水) 午後 6:51 [ rei ] 返信する

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職業的な理由でなく自己で吸引した。それもいい大人が。
はっきりいって自殺行為というほかないような・・・
血液洗浄というのは初めて聞きました。人工透析と同じようなもの?
でも必ずしも適切かどうかは裁判官には判断できないのでは?

2009/4/30(木) 午前 8:37 [ cha*o*ile05** ] 返信する

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体内の高圧(低圧)下での環境において、血中内の物資の影響を参考にしない事は、自殺行為です。 アルコール、酸素、窒素、等。 血中から取り込まれる量が各段に位違います。圧力と時間の関係。

裁判官は、被告、原告の言い分のどちらに納得できるかを示す事になります。 裁判官を納得させられるかがとなります。

2009/4/30(木) 午前 9:54 [ おみぞ ] 返信する

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おみぞさん、図書館でのマナー低下
(勝手に切り取るなど)は深刻みたいですね。
閉鎖されて困る人のことは考えないのでしょうね…

潜水士がシンナー常用者は自殺行為だと私も思います。

2009/4/30(木) 午後 5:39 さすらい泌尿器科医 返信する

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通りすがりさん、シンナー中毒に対する血液浄化療法は
少なくとも教科書的な治療法ではなさそうです。

確かに、血液浄化療法により体内の毒物を除去することは
アル中や重症感染症を含む多くの病気に有効ではありますが、
コストがあまりにもかかり過ぎます。


八つ当たりの権利(訴える自由)は誰にでも保証されていますが、
あまりにも無理スジですし、周囲への影響を考えて欲しいものです…

2009/4/30(木) 午後 5:45 さすらい泌尿器科医 返信する

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ろず先生、近くですか…
>センター側も類似のクレームが実は水面下で大変多いのでとてもピリピリしており、
>受け入れて欲しい依頼側とお断りしたい受け入れ側の医者同士で気まずくなることさえあります。
わかります。

受け入れ側が条件を厳しくすると、依頼側が受け入れて欲しいために、
『非常に個性的な条件』の一部を隠したりしますので、後々トラブルになったりしますよね。

こういう訴訟は、受け入れ側の態度をさらに硬化させるだけですね…


p.s.子育ては大変そうですが、お大事にして下さいね。
ベビーが元気なのは何よりですよ。

2009/4/30(木) 午後 5:54 さすらい泌尿器科医 返信する

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reiさん、草なぎクンのような酒でのトラブルは賛否両論ですが、
シンナー中毒や覚醒剤は自己責任でいいと思うのですが…

>こんなことでは現場は中毒患者を診る方がへるでしょうね。
私を含めて、みんな嫌ですからね…

2009/4/30(木) 午後 5:59 さすらい泌尿器科医 返信する

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chamomileさん、コメント有難うございます。
>血液洗浄は、人工透析と同じようなもの?
透析は血液浄化療法の一種です。
http://www.nisijin.net/nis_rinkou/tiryouhou.html

シンナーは、活性炭では吸着できないでしょうから、
おそらくは「血漿交換」が必要でしょう。
http://www.nisijin.net/nis_rinkou/tiryouhounoshurui.html
大量の血液製剤が必要になります。
正直、シンナー中毒の患者さんにはして欲しくないです。

医療資源(血液製剤)には限りがあるのですから…

2009/4/30(木) 午後 6:09 さすらい泌尿器科医 返信する

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