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WHOアドバイザーが語る新型インフルエンザ対策で今すべきこと
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090522/1026454/?P=12009年05月25日 日経トレンディネット 2009年5月20日、WHO(世界保健機関)で新型インフルエンザ対策に取り組む押谷 仁(おしたに・ひとし)東北大学教授が、一時帰国の機会に緊急報告会を開催。新型インフルエンザの現状と、これからの課題について語った。 今回の新型インフルエンザについて、まだ分かっていないことも多いが、見えてきたものも多い。今分かっていることは何か、これからどうするべきなのか。押谷教授の講演から紹介しよう。 インフルエンザの被害は、「どのくらい感染が広がりやすいか」と「どのくらい重い症状がでるか」という2つのファクターを掛け合わせて決まる。今回の新型インフルエンザは弱毒性だといわれているが、感染力は高い。また割合は低くても一定の割合で重症化する例があり、しかも重症化すると治療が非常に困難だ。 いたずらに恐怖心をあおるのはよくないが、「軽症だからかかっても大丈夫」とみんなが油断すれば、リスクが高い人を中心に、相当数の死者が出る可能性がある。若い世代に重症化する人が多いことも、社会的にはインパクトが大きいだろう。 感染力はかなり高い 今回の新型インフルエンザは通常のインフルエンザよりもやや潜伏期間が長く、1日から7日といわれている。また軽症で熱も出ないという人が、かなり多い。症状が出なくて入国時のチェックなどをすり抜けてしまうことが、感染を拡大させている。 感染力を判断するのに、「Reproductive Number(RO)」という指標がある。これは1人の感染者が他の何人に感染させるのかという数値だ。もしROが2、つまり1人が2人に感染させるとすると、10回の感染サイクルで1000人以上(2の10乗)が感染する。これがもし1.5くらいなら、1.5の10乗で57人くらいだ。 ニューヨークや関西の高校で感染が拡大した例を見ると、今回のインフルエンザはかなり速い速度で感染が広がっているようだ。10日ほど前の「サイエンス」誌にメキシコでの初期データとしてROが1.4-1.6くらいと報告されているが、これよりも高い可能性もある。これは通常のインフルエンザよりもやや高い。 また、1人の感染者が家庭内でどのくらいの家族に感染させるかという指標では、米国でだいたい22〜30%になっている。季節性のインフルエンザはだいたい5〜15%だと言われているので、これもかなり高い数値だ。 どのくらい多くの人が感染するのか 現時点では、かなりのスピードで感染が広がっていて、ここ数週間から数カ月で世界的に感染拡大が起こるのは、避けられない状況だ。 夏に流行する例もあるが、インフルエンザは通常は冬に流行しやすい。これから夏に向かう北半球は、今回は小規模な流行で終わる可能性はある。ただ、人口の20%とか30%という事態ではないが、小規模といっても少なくとも数十万人単位の感染者が出るだろう。もし数百万という単位で終われば、パンデミック*としては小規模と言える。 関西では、おそらくゴールデンウィークかゴールデンウィーク明けくらいに数人が起点になって感染が拡大したと考えられる。2週間で二百数十人に広がったことになるが、軽症例が見逃されていると考えれば、現在の感染者数の実態は、おそらく1000人を超えている。 通常のインフルエンザと同じような規模で流行が起きるとすれば、日本で500万人から1000万人が感染する。また、もし一気にパンデミックに突入すると、日本でも2000万人から3000万人が感染するというのも、考えられない話ではない。 *パンデミック:感染爆発。世界的大流行のこと。 一定の割合で重症化する人がいる 感染した人の何割かはまったく症状が出ないか、非常に軽い症状で終わってしまう。ただし、現時点ではどのくらいか正確にはわかっていないが、一定の割合で重症化する人がいる。現段階で想定されている致死率は、0.1〜0.4%くらいで、通常の季節性インフルエンザと同じか、せいぜいやや高い程度だ。 通常の季節性インフルエンザでは、小さな子どもがインフルエンザ脳症で亡くなる例はあるものの、重症化して死亡するのは、ほとんどが高齢者だ。ところが今回は、高齢者の重症者がほとんど報告されていない。これは過去に流行していた別のウイルスの免疫が有効で、防御効果があるのかもしれないといわれている。 今重症化しているのは、小さな子どもと20代から50代までの成人だ。10代の感染例は多いが、今のところ重症化例は少ない。 子どもは、たいていは基礎疾患を持った子どもで、成人も、糖尿病や心臓病の基礎疾患を持った人が多い。ぜんそくもかなり大きな危険因子といわれている。それから妊婦、特に妊娠後期の妊婦が重症化しやすい。このような人たちは、通常のインフルエンザでもハイリスクといわれている。 これ以外に、実はもう一つ重症化しているグループがいる。若くて基礎疾患を持たない健康な人達が、割合は少ないが重症化しているのだ。どのくらいの割合かまだ正確にはわかっていないが、確かにそういう人たちがいる。 メキシコでは、当初病院に行くのが遅れて重症化したのではといわれたが、富裕層の健康な若い人で、早くから病院で治療を受けていても、重症化して亡くなった例がある。割合は非常に低いが、医療設備の不備と関係なく、健康な若い人でも重症化する例がある。 ▼重症化が見られる例 ・先天性疾患など基礎疾患を持つ子ども ・糖尿病、心臓病、喘息などの疾患を持つ20代から50代の成人 ・妊婦、特に妊娠後期の人 ・基礎疾患がない健康な20代から50代の成人 重症化すると、治療は困難 重症化の頻度は低いが、重症化した人達は、我々が恐れていたH5N1型に近い状態になる。正確な病態はまだわかっていないが、基本的にはウイルス性肺炎で、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)という重症の肺の障害を起こす。ウイルス性肺炎は、現在日本や米国の高度な医療でも、治療が非常にむずかしい。ARDSになるとX線検査では肺が真っ白になる。肺に空気が入っていかなくなり、呼吸不全で亡くなっていく。このような状態になってから抗ウイルス薬で治療しても、救命は難しい。 弱毒性といわれるのに、なぜこのようなことが起こるのか。若い人達はウイルスに対してほとんど免疫を持っていない。そのため、ウイルスが体内に入ったとき、呼吸器を中心として、おそらく通常のインフルエンザよりもずっと速く体内で増殖する。それをコントロールできなくなった人達が重症化していると考えれば、説明ができると考えている。 (記者による補足:通常の細菌性の肺炎であれば細菌に有効な抗生物質で治療できるが、抗ウイルス薬の開発は難しく、まだ数少ない。代表的な抗ウイルス薬のタミフルやリレンザでも、発症48時間以内に服用しないと有効ではないとされている。ウイルスが大量に増殖しウイルス性肺炎の段階まで進んでしまうと、現在の抗ウイルス薬では対応できないということだろう。) 死者が出るのは、かなり経ってから 5月20日の時点で米国では10万人が感染していると推定されるが、死亡例は6人しかいない。それでは死亡率は10万分の6かというと、実はそうではない。 ニューヨークでは感染が始まったのは4月20日で、最初の死者が出たのが昨日(5月19日)と、1カ月かかっている。米国では、今170人から180人が重症化して入院しているが、今後、この中から亡くなる人達がでてくるだろう。医療設備が整った米国ではICUで呼吸管理をするため、重症化してから亡くなるまでに2週間から3週間かかっている。 医療設備が足りない! 現在の日本が抱える医療の弱点を突かれて、被害が拡大する恐れがある。 重症化してウイルス性肺炎を起こした人はICU(集中治療室)で人工呼吸器を使う必要がある。しかし日本では医療の効率化が進められ、ICUのベッド数や人工呼吸器の数が、非常に限られている。地域によってはICUがないところがあり、都市圏でも十分とは言えない。 重症化しやすい人には妊婦が含まれているが、現在は産科医不足が大きな問題になっている。この中で重症化する妊婦が続出したら、どうなるか。また、妊婦が重症化して帝王切開をした場合、未熟児のためのNICU(新生児ICU)が必要だが、NICUもいまの日本では不足している。 発展途上国では、大きな被害が 世界的には、どのような影響があるだろうか。今後、発展途上国に感染が広がると、大きな被害が起こる可能性がある。今回、高齢者は重症化しにくいが、途上国では高齢者の割合は少ない。また途上国では、大人も子どもも基礎疾患を持ちながら、コントロールされていない人達が大勢いる。医療体制が不十分で抗ウイルス剤の備蓄はなく、ワクチン生産体制もない。もし年末にかけて大きな流行が起こるとすれば、先進国ではワクチン供給が間に合うが、途上国へは行き渡らない。 途上国へワクチンや抗ウイルス薬を提供するにしても、とても行き渡らない。WHOでは、ハイリスクの人にパンフレットを配るなどして情報提供するなど、少しでも感染を食い止める方法を考案中だ。 一人ひとりの努力で地域社会を守る 鳥インフルエンザで心配されていたように、日本で何十万人も死ぬということは、今回のインフルエンザでは、おそらくない。ただ、どうしても一定の割合で重症化する人がいる。 重症化しやすいハイリスクの人たちは、できるだけ感染しないように気をつけるべきだ。また、リスクが高くない人も、感染を拡大しないように、努力しよう。もし、みんなが「軽症だからかかってもかまわない」と思っていると、感染がどんどん広がってしまう。割合は少なくても分母が大きくなると、重症化する人も増えてくる。すると、その中に自分の家族や知人が含まれてくるかもしれない。感染しないように手洗いをするとか、感染したら外出しないなど、みんなで地域社会を守るために、一人ひとりが感染を拡大させない努力をすることが重要だ。 (まとめ/梅方久仁子) http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090522/1026454/?P=2 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090522/1026454/?P=3 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090522/1026454/?P=4 |
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国外在住なのでYahoo!のヘッドラインを追っているだけの感想ですが、海外の病気から、国内のありふれた病気になった途端、急に関心が薄れ、警戒心が弱まったように見えます。神戸の「ひとまず安心」宣言はその象徴のように思えます。海外旅行者の特殊な病気として、一般の人の関心は薄れていくのでしょうか。
ハンセン病、HIV/AIDSあるいはBSEの教訓から日本は何も学んでいないように思えます。このままの認識で第二波、あるいは本命だったH5N1型の来襲を受けた時、どんなことが起こるか心配です。
2009/5/28(木) 午後 8:23
神戸の「ひとまず安心」宣言は、観光客の集客に影響が出ているからです。 自殺者の方が危機感です。
2009A/H1N1亜種より、A/H3N1亜種の方が要注意でしょうね。
メッカ巡礼が終われば、拡散は必然ですし。
2009/5/28(木) 午後 9:32 [ おみぞ ]
こんばんは。川崎病の死亡率が研究や努力の成果でようやく0.1%まで。インフルエンザの死亡率が低いから良いとは決して思えません。比較の対象が違うと言われればそうかもしれませんが。すみません。その周辺に大変な思いをした人がいるので。
2009/5/28(木) 午後 10:12 [ ゆずにすもも ]
FLUで、死亡をもたらすのは、合併症です。
自殺者をもたらすのは、風潮被害です。 言われなき、差別です。 H5N1のような、特殊な細胞死が全域に及ぶモノは別にして、現在の日本の医療、健康水準では、ある程度食い止めることができます。 感染症の日本の歴史は、言われなき差別との戦いです。 その過去に立って、感染症法が作られたのです。それが、前文です。 この前文に、感染症に関わったモノの意義がこめられています。
2009/5/28(木) 午後 10:52 [ おみぞ ]
ウイルスで、発病時の死亡率100%は 狂犬病です。ワクチンしか、ありません。 2例に海外感染で国内発症で、感染研に激震が走りました。 日本国内で、発症例がありませんから、忘れられて存在のようですが、他国は神経を尖らせています。 日本でも。発見をされていないがけかも知れません。私はかなり、疑心暗鬼であります。
日本脳炎も危惧しています。 これも、20〜50%の死亡率を持ちますし、後遺症も有します。 空気感染で危惧しなければいけないの風疹です。百日咳もいまだ健在で増加のしています。
2009/5/29(金) 午前 1:51 [ おみぞ ]
日本は公衆衛生にお金を使わない国だなあと言うのが実感です。つい2ヶ月ほど前に女性お笑い芸人さんが結核に罹患してる事がわかって、共演者が検査を受けたり大騒ぎでした。
そして今回の新型インフルエンザ。真っ当に検査をしたところが馬鹿を見て、見て見ぬ振りをするのが得策だというのが社会的認識になったようです。
岩田先生が仰るように麻疹の流行する国で新型インフルエンザ対策なんて無理なんです。
感染した患者さんや患者さんの出た地域への集団ヒステリーのような
差別感情を見るとそう思います。
2009/5/29(金) 午前 11:03 [ 通りすがり ]
Wagonさん、確かに警戒や関心は弱まっていますね。
最初の過剰な恐怖心を煽ったマスコミ報道と、
風評被害を打ち消す為には仕方ないのでしょうが…
しっかりした検証を怠ったことは、おそらく将来に禍根を残すことになるでしょうね。
2009/5/29(金) 午後 3:02
おみぞさん、特に神戸の産業への被害は大きいみたいですね。
自殺者の話は幸いに聞きませんが、当然有り得る話ですよね
>メッカ巡礼が終われば、拡散は必然ですし。
そうらしいですね…
>感染症の日本の歴史は、言われなき差別との戦いです。
確かに長い長い苦難の歴史ですね。
狂犬病、日本脳炎、風疹、麻疹
どれも油断ならない病気ですよね。
どうなることやら…
2009/5/29(金) 午後 3:33
ゆずにすももさん、たとえ0.1%でも
当事者になってしまったら「すべて」ですよね。
努力は続けないといけませんね。
2009/5/29(金) 午後 3:35
通りすがりさん、医療も公衆衛生も票にはならないのでしょうが…
>今回の新型インフルエンザ。真っ当に検査をしたところが馬鹿を見て、見て見ぬ振りをするのが得策だというのが社会的認識になったようです。
将来に禍根を残しましたよね。
今回はたまたま弱毒性だったから良かったですが、次はどうなるでしょうか…
2009/5/29(金) 午後 3:38
日本まで来るまでに、毒性弱くなってない?
って気がするんですが。
2009/5/29(金) 午後 7:50 [ nya*aj* ]
結構、高校生が38以上でかかっているようですよ。
まー秋には(ry
2009/5/29(金) 午後 9:15 [ ker*y_a*l*n_jr ]
12時間あれば、互いの所からこれますか。さすがに、それんな早く変異はむりですね。
ヒトからヒトへ感染していく過程で、変異はしていきますが。 大阪、神戸での検体は、カナダ、米国東部、メキシコ後期とは、異なるようですし、メキシコ初期と類似するようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20090529/20090529-00000061-jnn-soci.html
2009/5/29(金) 午後 11:43 [ おみぞ ]
唾液、器官粘膜液中のウイルスの不活性までの時間は絶対湿度の問題ですから、日本の夏でも、感染は可能ですし、ヒトの器官粘膜で、発病しないで、感染状態を維持している可能性もありますし。 当然に南半球で、発生したモノも入ってくる可能性もありますし。 ワクチンは毎年、去年の株での選定をやっているわけですから、過去のモノで未来を予測するわけですから。予測が難しいです。 かのの株の範囲で、未来の株にも有効かな?。ですから。
2009/5/30(土) 午前 0:00 [ おみぞ ]
nyamajuさん、そんなに都合良く行きますかね…
まあ、気が緩んだ弊害は大きいですけどね…
2009/5/30(土) 午前 1:05
kerryさん、僻地の産科医さんも、
>私達の医師の間では、「感染地域にでかけた、あるいは、渡航例しか検査していない地域が多いのでは?」とのデマが流れているわけです。
http://obgy.typepad.jp/blog/2009/05/10361-e82e.html
と仰っています。
われわれの情報が「デマ」だったかどうかは
いずれ証明される時が来るでしょう…
2009/5/30(土) 午前 1:12
おみぞさん、大阪・兵庫の「新型」、メキシコからか?
という話は初耳です。
以前は、「カナダでマスクをしなかったせいだ」
などとバッシングされてましたね。
>南半球で、発生したモノも入ってくる可能性
当然有り得ますよね。
どうなることやら…
2009/5/30(土) 午前 1:23
神戸、大阪は、秋の陣は、実践経験がありますから戦えますが、他はどうですかね?。
余力のある内に、実践経験しておいた方が良いかも。 嫌味。
2009/5/30(土) 午前 10:39 [ おみぞ ]
上記訂正
http://www.city.konan.shiga.jp/cgi/info.php?ZID=9033
滋賀県湖南市
谷畑 英吾氏
市長の発言(あいさつ)等
湖南ロータリークラブ第955回例会卓話
冷静なご見解痛み入ります。 この市長なら、秋にも粛々と事を実行していただけると思われます。 よき市長をお持ちです。
2009/5/30(土) 午後 0:47 [ おみぞ ]