うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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まずは、一昨日出された『ビタミンK2投与に関する日本助産師会の見解』をご覧下さい。


ビタミンK2投与に関する日本助産師会の見解

 助産師は、安全かつ有効な助産行為を行うことを前提に業務を遂行しているものである。安全かつ有効な助産行為とは、現在の医療水準において、科学的な根拠に基づいた医療を実践することである。
 山口県で起こったビタミンK2シロップを投与せず児がビタミンK欠乏性出血症により死亡した事例については、当該助産師が補完代替医療の一つであるホメオパシーによる効果を過大に期待したためと考える。ホメオパシーのレメディはK2シロップに代わりうるものではない。
 日本助産師会はこの件を重く受け止め、全会員に対して、科学的な根拠に基づいた医療を実践するよう勧告する。

2010年8月10日
社団法人日本助産師会
会 長 加藤尚美
http://www.midwife.or.jp/pdf/H220810_K2.pdf

7月10日の見解とは、結構違いますね…

ホメオパシーのレメディはK2シロップに代わりうるものではない。

確かにその通りですが、

当該助産師が補完代替医療の一つであるホメオパシーによる効果を過大に期待したため

って、そもそも

ホメオパシーにプラセボ以上の効果があるはずがないのは、『科学的』には自明なのですが…


また、こうコメントする一方で、8月1日機関誌『助産師』に
特集:「産科における代替医療を考える
補完代替医療とリスクマネジメント・・・大野智
妊娠・分娩・産褥期におけるマイナートラブルに対する鍼灸療法
-助産技術を補完するツボ療法 ・・・矢野忠・安野富美子
マドレボニータの妊婦向けヘルスケア ・・・吉田紫磨子
ホメオパシー・・・渡辺愛
産科における代替医療を考える・・・早乙女智子
http://www.midwife.or.jp/magazine.html

という、ホメオパシーを含む代替医療の特集があることが、

(開業)助産師と、ホメオパシーを含む代替医療との、抜き差しならない深い関係をうかがわせます。


ホメオパシーには疑念を抱いていた助産師和田みき子さんの、8月11日付けのブログからですが、
助産師会の会員だったとき、私は東京都の委託講習会を企画する委員会にいて、先月の初め亡くなった、ホメオパシーJPNが経営する学校の副校長をしているS助産師とは、よく顔を合わせていました。とても影響力のある人で、定例会では、ホメオパシーの話題に加わらないのは、私一人だったと思います。

先日、日本助産師会で、臨時の理事会が開かれたそうです。上層部の何人かが、ホメオパシーJPNの由井会長を訪ねると、「ホメオパシーつぶしだから相手にしない」とものすごい剣幕で、肝腎なところでは黙秘権の行使だったようです。
しかし問題は、日本助産師会の態度だろうと思います。少なくとも、日本助産師会で、総務理事・安全対策委員という要職についているホメオパシーJPNのK助産師の解任または辞任は常識だろうと思うのですが、そんな話はまったく出なかったそうです(K助産師は、「ビタミンK2の使用は、法律で定められていないから、使わなくてもいい」と話しているとか)。
東京都助産師会の対応は、少し異なっています。K助産師は、東京都助産師会ではヒラの会員なので解任等はありませんが、安全対策委員会にかけることを考慮中だといいます。
私が知る範囲内でも、ホメオパシーを使っている会員は多いですが、K2を投与しなかったのは、故S助産師・K助産師のごく周辺にいる人たちに限られていると思います。

日本助産師会で、総務理事・安全対策委員という要職についているホメオパシーJPNのK助産師の解任または辞任

これだけでは「とかげの尻尾切り」ですが、

日本助産師会がホメオパシーを含む『現代医療を否定する代替医療』と、きっぱりと決別できるかどうかには注目して行きます。

もっとも、ホメオパシー自身は現代医療を否定していないと言ってますが…(笑)
予防接種を否定している時点でダウトですね。



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閉じる コメント(18)

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今日のapitalの岡崎明子記者のブログに、こういう記載がありました。
https://aspara.asahi.com/blog/kochiraapital/entry/eBGRLUZdf7

日本助産師会の機関誌の8月号では、特集記事として「産科における代替医療を考える」が掲載されています。この中で、ある助産師がホメオパシーを薦める原稿を載せており、こんな一文で締められています。
「ホメオパシーと助産師ケア、その考え方の根拠にあるものが共通だから、助産師はホメオパシーに惹かれてしまうのではないかと思います」
(引用終わり)

日本助産師会は、ホメオパシーとともに滅ぶ可能性もありますね…

2010/8/12(木) 午後 7:15 さすらい泌尿器科医 返信する

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助産師という資格団体の姿勢も問われていますね。

現実には、今あがっている助産師会の問題は、ホメオパシーですが、元々、助産師自身の問題として、現在医療以外の方向にずれたがる、という点が、再三指摘されています。(病院医療側だけではなく、助産師からも。多分、開業助産師あたりに、その傾向が強いような...)

そういう傾向を改めないと、助産師団体への批判に簡単に流れていくと思いますし、そう批判していくべきだ、と思います。

国家資格者がやっていいのは、エビデンスに基づく医療行為のみで、それ以外は、患者本人が医療忌避の意思を示しても、基本的にはやるべきではないと思いますけどねえ。

# どうしてもやりたい場合には、資格の外でやってほしい。 削除

2010/8/13(金) 午前 8:13 [ luckdragon2009 ] 返信する

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それにしても管理人さんの助産師&ホメオパシーに対する一貫した批判的姿勢には頭が下がりますわ。 削除

2010/8/13(金) 午後 1:26 [ NMD ] 返信する

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うろうろ先生の引用からは、日本助産師会は解散して新組織として生まれ変わった方が良いと思います。カルト信者を組織の中枢から出すなんてできなさそうですし。真っ当に仕事をしている助産師さん達が可哀想です。

2010/8/13(金) 午後 1:38 [ rad*o1*09* ] 返信する

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luckdragonさん、
>開業助産師あたりに、その傾向が強いような
病院や産科医院で働く助産師さんの大部分は、
自らの限界(医療の限界も)を知っており、特に問題はありません。

問題は開業助産師です。
お産の恐ろしさを知っていれば、恐くて開業などできないはずなのですが…

>国家資格者がやっていいのは、エビデンスに基づく医療行為のみ
同感です。
医療者は、エビデンス(科学的根拠)に基づいた医療を行なうべきです。

そこを踏み外すと、すべての信頼を失う事となります。
http://www.khp.kitasato-u.ac.jp/ska/jibika/Q_AND_A.HTML

2010/8/13(金) 午後 1:44 さすらい泌尿器科医 返信する

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NMDさん、どうも有難うございます。

産まれて来る赤ちゃんの安全を第一に考えるなら、
助産院や自宅出産という選択をすべきではない、と私は考えます。

2010/8/13(金) 午後 1:47 さすらい泌尿器科医 返信する

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rad*o1*09*さん、全体からすればごく一部の「開業助産師」が
大きな発言権を持つのが、日本助産師会の現状なのでしょうね…

日本医師会も似たようなものですが…

2010/8/13(金) 午後 1:49 さすらい泌尿器科医 返信する

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うろうろ先生
全くそのとおりで耳の痛い話です。最近は無い様ですが以前はエビデンス無視の保険点数設定が日本医師会主導で決められたりしていましたし。(それで私は日本医師会には絶対入らない事にしました。)それでもさすがに医師会主導でカルトを広める様な事は聞いた事はありません。(上であげたエビデンス無視というのはもちろん助産師会のおまじないレベルの話ではなく、新しい知見を無視してという意味です。)
複雑・煩雑な手続き・法的対応などに関しての中小開業医の互助組織としては大変有効で、無くなっては困る存在ということは理解しているつもりです。

2010/8/13(金) 午後 3:49 [ rad*o1*09* ] 返信する

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こんばんは

私見ですが
団体に対していろいろ言っても効果は薄いと思われます
「ホメオパシー」で効なく医療機関を訪れた方々に対して「いかにホメオパシーが効薄いか」をただただ科学的に淡々と説明するのが,逆に近道ではないでしょうか.
もちろん,多数の犠牲は付随しますが,人間といういきものは「自分に関係」しないと,なかなか真面目に考えてはくれないのではないかと思います. 削除

2010/8/13(金) 午後 8:13 [ 通りすがりの耳鼻科医 ] 返信する

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でもその多数の犠牲者が胎児や幼子になりがちなのが、どうも私はそこまで冷徹になれません。
勿論大人で本人であるなら勝手にやれで済むんですが。
今回のK2問題が出産とは関係ない層にまで広まっているのは、だから良いことだって思います。
「自分に無関係」な事件でも、あまりに酷いものは多くの批判に晒されるっていうのが解りやすいですもんね。
こういう広まりの中で、偽医療がいかに危険か周知する機会も増えるし、被害に遭われたお母様の意気に報いるためにも身近な所から積極的に話していこうと思います。

2010/8/13(金) 午後 10:20 [ cha*o*ile05** ] 返信する

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資格団体は法順守の責務がありますので、それを放置するのは資格団体の意味がない...。これを日本医師会に置き換えてみれば、医師会が自らの医療の否定に走っていると同じ意味、という事ですからね。

あと、実は特定の代替医療の問題というより、そういう医療を外れる傾向に進んでいる、というのが一番の問題だと思います。特定療法だけが問題というより、医療否定、が問題の根幹です。

なので、放置してよい問題とは考えていません。

パターナリズムから言えば、どうも、開業助産師に関して言えば、強いパターナリズムの傾向が強い実態が、受診されたお母様などより寄せられていました。
(一番良いのは、開業助産師を禁止するのが良いとは考えているのですが、まあ、それは若干暴論なので。これは私見。) 削除

2010/8/14(土) 午前 2:54 [ luckdragon2009 ] 返信する

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rad*o1*09*さん、私は一応、医師会のB会員ですが(爆)
意見を言えるような立場ではありません。

>さすがに医師会主導でカルトを広める様な事は聞いた事はありません。
本当にないのか、ちょっと心配です。(汗)

2010/8/14(土) 午後 3:06 さすらい泌尿器科医 返信する

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通りすがりの耳鼻科医さん、
>人間といういきものは「自分に関係」しないと,
>なかなか真面目に考えてはくれないのではないかと思います
その通りですね…
ただ、産科医療に『関係』する国民は永遠に多数派にはなりませんので、
こういう機会に、少しづつでも改善していきたいと、私は考えています。

勇気を出して問題提起をした方に報いるためにも、
防ぎうる犠牲者は減らしたいものです。

2010/8/14(土) 午後 3:14 さすらい泌尿器科医 返信する

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chamomileさん、私も自らは決定権の無い
胎児や幼子が犠牲になるのは、やるせません。

>「自分に無関係」な事件でも、あまりに酷いものは
>多くの批判に晒されるっていうのが解りやすいですもんね。
そうですね。
私もアピールを続けて行きます。

2010/8/14(土) 午後 3:19 さすらい泌尿器科医 返信する

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luckdragonさん、以前から書き続けていますが、
私の私見も『開業助産師を禁止』です。

>特定療法だけが問題というより、医療否定、が問題の根幹です。
その通りですね。
菊池先生も頑張っています。
http://synodos.livedoor.biz/archives/1489733.html
http://synodos.livedoor.biz/archives/1489736.html

2010/8/14(土) 午後 3:25 さすらい泌尿器科医 返信する

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>本当にないのか、ちょっと心配です。(汗)

個人的に知る範囲ではないのですが・・・。
今回の助産師会・機関誌の件は日医でいえば日本医師会雑誌の特集が「加持祈祷について」だったようなものですよね。さすがにそこまで堕ちてはいないと思います。

開業助産師の禁止ついては、吉村みたいなところがあるから産科開業禁止というのに近い様な感じがします。ではどうするべきか、という事について妙案は無いのですが・・・。

2010/8/16(月) 午後 5:56 [ rad*o1*09* ] 返信する

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rad*o1*09*さん、吉村はほとんど助産院と変わらない診療レベルですから…
他の開業産科医と一緒にしては失礼です。(爆)

2010/8/16(月) 午後 6:04 さすらい泌尿器科医 返信する

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母性衛生学会を一度覘いてみると面白いですよ〜 削除

2010/8/18(水) 午後 11:23 [ REX ] 返信する

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