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法医解剖、1人で年284件…大学頼み限界
解剖医の不足は、以前から指摘されていますが、8月16日3時5分配信 読売新聞 死因究明のために警察当局などの委託で行う法医解剖を、2009年に100件以上担った大学が21校に上ることが、読売新聞の調査でわかった。 スタッフは減少傾向だが、件数は年々増加。解剖医1人が100件以上を担当した大学も10校あり、秋田大(秋田市)では1人で284件を解剖していた。犯罪の見逃しを防ぎ、正確な死因究明が求められる中、教育・研究が使命の大学に依存する制度は限界に近い。 法医学教室・講座がある79校を対象にアンケートを実施し、60校の回答を得た。09年の解剖数を回答したのは50校で、計5593件。100件以上を担った21校のうち、杏林、秋田、東北、大阪、岡山など7校は200件以上だった。 今年は4月末現在で計2243件と、09年を上回るペースだ。 04年以降の推移を答えた44校に限っても、09年は5235件で04年の4343件から892件増。この間、解剖医の数は1人減の74人となり、解剖の補助や薬物検査、書類作成などを担う常勤スタッフも203人から192人に減った。 秋田大では、04年に3人いた解剖医が09年は1人となったが、件数は126件から284件と倍以上に。東京・多摩地区の拠点となる杏林大(三鷹市)は、解剖医が1人増の3人となったが、82件から320件と約4倍になった。 ◆法医解剖=明らかな病死や老衰を除く「異状死」が対象。犯罪捜査が目的の司法解剖、公衆衛生などのための行政・承諾解剖がある。監察医制度がある東京23区と横浜、名古屋、大阪、神戸の4市を除き、大学が担う。警察庁によると、2009年の総数は1万6184件で1999年の1・6倍。それでも、09年の異状死解剖率は10%と先進国では最低。 まったく有効な対策はされていません… 正確な死因究明が求められる中、教育・研究が使命の大学に依存する制度は限界に近い。今の「収入が低い」「開業もできない」、といった現状を何とかしない限り、この国は、犯罪者が闊歩する、「死因不明社会」になってしまうでしょうね… 読売の続報です。 法医解剖、大学に重荷 教育にシワ寄せ、公費求める声も 2010年8月16日 読売新聞 「今のままでは、法医解剖システムは10年後に崩壊する」――。大学の法医学教室を対象に行った読売新聞のアンケート調査から、大学が「社会貢献」として担う制度の危機的な状況が浮かび上がった。 関係省庁は死因究明制度の改革に向けて動き出しているが、解決すべき課題も多い。(中部社会部 小川翼、地方部 早川悦朗) 死因究明 2007年に愛知県で起きた力士暴行死事件で注目された死因究明問題。この1年でも埼玉、鳥取の不審死を巡る捜査などで、関心が高まっている。 東京都は、パロマ工業製湯沸かし器による一酸化炭素中毒死が、各地で「病死」などとして見逃されていたことが発覚した06年、死因究明の重要性を再認識した。 東京・多摩地区の異状死解剖率は、06年まで23区の5分の1程度だった。23区は専従の法医学者らによる監察医制度があるが、多摩地区は大学に解剖を頼るために生じた格差。都は、厳密な死因究明のために大学に一層の協力を要請。06年に281件だった多摩地区の解剖数は、08年に840件に増えた。ただ、複数の大学があり、解剖医も多い東京はまだ恵まれている。 現場の悲鳴 青森県の法医解剖を一手に担ってきた弘前大(弘前市)の教授が体調不良などを訴え、受け入れを休止したのは昨年11月。「1人で担うのは心身の負担が重く、正確性を維持する自信がない」との理由からだ。県警は必要が生じるたびに岩手医大(盛岡市)と秋田大(秋田市)に遺体を運ぶ。弘前大は解剖医の補充を検討中だが、解決のめどは立っていない。佐藤敬・弘前大大学院医学研究科長は「地域貢献は大事だが、本来は行政の仕事ではないか」と本音を漏らす。 代行する他大学も深刻だ。 「社会のために頑張らねばと思うが、僕は超人ではない」。岩手医大の出羽厚二教授はため息をつく。ここも岩手県唯一の拠点。昨年は解剖医2人で187件だが、今年は6月末で104件。4割近くが青森分だ。今春、もう1人の解剖医が海外留学した。「臓器の組織検査などを担う職員らも限界」と心配する。 佐賀県や広島県でも07年以降の一時期、解剖医が不在だった。国内の解剖医は130人程度で、昨年の解剖実績を答えた50校中28校では解剖医は1人。他の大学でも2〜3人でやりくりしている。 人材確保の壁 司法解剖の場合、薬物や組織検査、鑑定書の作成などを含め1件で2〜3か月かかることもある。大学の本来の使命である教育や研究の時間が奪われている。 大半の大学が現状に危機感を抱いているが、一方で国公立大の法人化などで大学には「採算性」が求められている。法医解剖は、委託した警察や都道府県が大学に実費を払うが、「教育・研究という大学の本務ではない。人件費や機器購入費も国や自治体などが負担すべきだ」(岡山大)などの声が根強い。調査では、全大学が公費負担の強化を求めた。スタッフ増員計画は60校中49校が「ない」、2校は「削減予定」と回答。人材の確保・育成策を国などに求める声が相次ぎ、「なし崩し的に大学任せにしてきた」との指摘もあった。 法医は開業の道もなく、圧倒的にポストが少ない。琉球大法医学教室には大学院生2人がいるが、教員ポスト(教授、准教授、助教各1)は埋まっている。佐藤良也・医学部長は、「やる気も資質もある学生は、隣県に応援を頼めない沖縄には貴重だが、どうにもできない」と嘆く。打開策として、「国による解剖・検査の専門機関を設ければ、ポストができ、人材育成も行える」(名古屋大)という提案もある。 異状死解剖日本10%どまり…遺族・社会への国の説明重要 異状死の解剖率は、フィンランドやスウェーデンの100%、英米豪の50〜60%に対し、日本は先進国最低の10%(09年)にとどまる。日本法医学会理事の岩瀬博太郎・千葉大教授は「他の先進国では、死因究明が国民の安全や健康の維持、遺族の権利を守る公共サービスとの考え方が浸透している」と説明。「『解剖好き』の国民などどこにもいない。死者や遺族、社会のために重要だと国が国民に説明し、信頼を得たかどうかの差だ」と話す。 米国などでも80年代までは、検死官や監察医に対する偏見や死因究明を軽んじる風潮があった。しかし、殺人事件の見逃しや医療技術の進展を契機に、解剖や各種検査体制の充実、法改正が図られた。 日本でも対策を模索し始めている。文部科学省は今年度、長崎大や山口大、東北大の協力を得て、解剖医や薬物検査の専門家を育成するプログラムを開始。厚生労働省も、コンピューター断層撮影法(CT)などによる遺体の画像診断を活用する検討会を設置した。関係省庁や法医学者、刑法学者らを招いた研究会を設置した警察庁が7月に公表した中間報告では、「5年後をめどに解剖率を現在の2倍の20%(将来的には50%)に引き上げる」とした。解剖医の増員や施設拡充、公費負担強化に向けた予算確保を検討するという。 しかし、ある厚労省幹部は「法医よりも臨床医不足の解決が先という空気が省内にある」と明かす。警察庁幹部も「各省間で温度差がある」と語る。省庁間の連携が成否のカギを握る。http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=29422 |
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ももちゃん先生のコメントです。
http://blogs.yahoo.co.jp/momohan_1/51004719.html
諸外国との違いを以下に列挙してみる。
・解剖や諸検査の実施名目で契約した、解剖医、検査技師、解剖補助が皆無。それゆえ、スタッフが異常に少なく、各人の作業量もアップアップ。
・国は、何のために死因究明をするのか目的もないし、無責任。そのため、遺族への説明も不十分。
2010/8/16(月) 午後 1:12
上記のような状況では絶望的ですね。
臨床医おの不足に関しても実際具体的にどこでどれだけ不足しているのか?が一般市民にわかりにくいですね。
2010/8/17(火) 午後 1:40 [ NMD ]
「都筑てんが」って知ってる?
2010/8/17(火) 午後 1:56 [ ]
チームパチスタをはじめとする海堂尊氏のファンです
彼の著作では、
上記のような問題は「Ai導入ですべて解決する」としている反面、
「でも、法医学の上層部と検察と厚生労働省が利権によって反対しているために導入されない」
という文法で語られています。
僕は海堂尊ファンではあっても信者ではないし、何より素人ですので。
軽々に、陰謀論めいた話のすべてを信じることはできません。
ですが、解剖に変わる解決手段としてのAiを、積極的に検討しているという報道を見たことが無いのも事実です。
上の記事でも、「コンピューター断層撮影法うんぬん」と触れられてはいますが
その直後に、解剖率の上昇が最終目的であるというように結論されてます。
解剖率10%で悲鳴を上げている現場が、5年で20%=倍にできるとは到底思えないので
「解剖に変わる手段としての画像診断」というのは誰にとっても魅力的だという説は合理的に思えるのですが。
一概にそうとは言えないものなのでしょうか?
2010/8/17(火) 午後 3:55 [ miy*93 ]
NMDさん、本当に絶望的です。
一般市民からは、非常に見えにくい存在ですし…
2010/8/17(火) 午後 6:38
miy*93さん、Aiは非常に有用ですが、
「解剖に変わる手段としての画像診断」とまでは、なり得ないと私は考えます。
お互い得手不得手がありますし、補い合う存在だと私は考えます。
(コストを度外視すれば、根本的な情報量はやはり解剖の方が上だと思いますし…)
2010/8/17(火) 午後 6:44
なるほど、「解剖の代わり」としては、やはり力不足なのですね。
でも10%の解剖率と、現場の悲鳴という現状を聞く限り
残りの90%の状況に応じて画像診断を適応するような
まさしく補い合う形で、活躍する機会がありそうですね。
通りすがりに返答していただいてありがとうございました。
2010/8/18(水) 午前 11:44 [ miy*93 ]
miy*93さん、私もそういう補い合う形で利用していければよいのでは?
と考えています。
(ご遺体を解剖されることには、抵抗があるのが自然ですしね…)
大切なことは、解剖にしろAiにせよ、
『必ずしも死因が解明できる訳ではない』ということです。
本当の死因に近づくことはできますが…
2010/8/18(水) 午前 11:54