うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

インフルエンザ

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“犯人探し”より補償を! ワクチンのリスクとメリット&無過失補償制度とは
nikkei TRENDYnet 11月15日(月)12時1分配信

連載第6回では「新型インフルエンザワクチン騒動」がはらむ問題について解説し、薬害についても言及した。今回はこれに続き、「ワクチン無過失補償制度」について考えていく。

 連載第6回で、新型インフルエンザワクチンが法定接種とされなかったため、新型インフルエンザワクチン接種後に有害事象が起きても十分な補償は受けられないことになったことを解説した。ワクチン無過失補償制度がないことは、日本が「ワクチン後進国」となっている大きな要因のひとつだ。

 今の日本の補償制度はどうなっているのか。ワクチンを受けることで避けることができる病気、そのワクチンのリスクとメリットも含め、前回に続き医師、元・厚生労働省大臣政策室政策官、村重直子さんに解説してもらう。

Q1 リスク、メリットどうなってる? 年齢別で子どもが受けるべきワクチンとは?

Q2 リスク、メリットどうなってる? 大人だからこそ受けるべきワクチンとは?

Q3 ワクチンはどうすれば定期接種化できるの?

Q4 日本にも無過失補償制度はある?

Q5 日本では「過失がないのに過失を認定」?

Q6 日本の補償制度は「過失ありき」?

Q1 :リスク、メリットどうなってる? 年齢別で子どもが受けるべきワクチンとは?

 赤ちゃんが生まれてから乳幼児期に受けるワクチンは非常に数多く、おおむね0歳児は6種類15回、1歳児は6種類6回も接種する必要があるのをご存じでしょうか。

 「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会のワクチン接種スケジュールに詳細があります。

 VPDとは、ワクチンで防げる病気(Vaccine Preventable Diseases)のことです。小さな子どもは様々な感染症にかかりますが、1度かかったら最後、根治的な治療法がなく、生きるか、死ぬか、後遺障害が残るか、運を天に任せるしかない病気もたくさんあります。こうした病気をワクチンで防げるのなら、ワクチンを接種したいと考えるのが普通でしょう。

 ワクチン接種にもリスクがまったくないわけではありません。熱が出たり接種した部分が赤く腫れたりしますし、極めてまれとはいえ、重篤な後遺障害が起きる確率がゼロとはいえません。しかし命にかかわるVPDにかかることを考えれば、前者のような軽い副作用があっても、ワクチンを接種した方が良いと考えるでしょう。

 気になるのは、後者の重篤な後遺障害が本当にワクチンによるものなのか、どの程度の確率で起きるのかといった点です。

 諸外国では、データベースを公開し研究を重ねてきた結果、ワクチンによる副作用だと思われていたものが、実はワクチンが原因でなかったことが明らかになり、因果関係が否定されたものがたくさんあります。

 日本でも、データベースを十分に公開し、子育て中の親たちがわが子にワクチン接種するか否かの判断材料として、広く情報提供する必要があるのです。

子どもたちの命にかかわる重要な情報が、なぜ一部しか提供されないのか

 ところが母子健康手帳に記載されるなど、市町村などから情報提供されるのは、これらのワクチンのうちの一部だけなのです。VPDの怖さもワクチンの存在も、両親が知らなかったために、ワクチンを接種せず、VPDにかかってしまい命を落としたり後遺障害が残ったりする子どもたちが、日本では後を絶ちません。

 子どもたちの命にかかわる重要な情報であるにも関わらず、なぜ一部のワクチンについてしか情報提供されないのでしょうか。

 これは、厚労省や市町村などが基本的には定期接種しか扱わないからです。そして定期接種となっていないワクチンが多く、本来は必要なはずのワクチンの情報が、提供されないのです。

 定期接種のワクチンは、原則として無料で接種できますし、ワクチン接種後に万一有害事象などが起きたとしても、きちんと補償されます。ところが、定期接種化されていない任意接種のワクチンは、自己負担で接種しなければなりません(ワクチンの種類・医療機関によって費用が異なりますが、3千円〜1万5千円程度です)。

 それに万一のことが起きた場合も十分な補償はありません。

 このため、任意接種のワクチンを受けている子どもは多くないのが現状です。日本において、子どもたちの命を守るために必要なワクチンの接種率を上げるためには、定期接種化しなければならないワクチンがたくさんあるのです。

Q2 :リスク、メリットどうなってる? 大人だからこそ受けるべきワクチンとは?

 大人も受けたほうがよいワクチンもたくさんあります。

 特に、子どもの頃に接種しなかった方、妊娠可能年齢の女性、海外渡航の多いビジネスマンなどは、かかりつけ医と相談するとよいでしょう。

 無過失補償・免責制度があるアメリカでは、大人も補償の対象となっていますが、日本では、65歳以上などの季節性インフルエンザワクチン以外は、大人のワクチンも定期接種化されていないため、万一有害事象が起きても十分な補償は受けられません。大人のワクチンも定期接種化していく必要があります。

Q3 :ワクチンはどうすれば定期接種化できるの?

 定期接種は、予防接種法で定められていますが、任意接種にも、子宮頸がん予防ワクチン、B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、みずぼうそう、おたふくかぜなど、必要なワクチンがたくさんあります。諸外国では定期接種扱いで普及していますが、日本では任意接種のまま、あまり普及していない状況です。では、どうすれば、

 日本でも接種率を上げるため、定期接種化できるのでしょうか。

 実は、予防接種法の定期接種のリストの中に、次の条文があります。

 「八  前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」、つまり、わざわざ法律を改正しなくても、政令で迅速に新たなワクチンを定期接種化することができるのです。

 なぜ厚労省はこれをしてこなかったのでしょうか? もはや、国民の命や健康を守ることよりも、国の責任回避を優先し、定期接種化そのものを避けているとしか考えられません。
かくして何でもかんでも「任意接種」になった結果、
麻しん(はしか)などを海外に輸出しています…

「その2」に続きます。

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さすらい泌尿器科医
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