うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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まずは、お亡くなりになった女性のご冥福をお祈りします。m(__)m
 
3病院たらい回し、女性死亡 車にはねられ搬送 富山
2011年7月2日12時16分 朝日新聞

 富山市の県道で女性(73)が車にはねられる事故があり、3病院に受け入れを断られて約3時間後に死亡していたことが富山市消防局などへの取材でわかった。
 富山中央署によると、女性は6月30日午後7時半ごろ、同市の県道を自転車で横断中、自称トラック運転手の男性(24)運転の軽乗用車にはねられた。
 市消防局によると、事故から約10分後、救急車が現場に着いた。女性は足の骨が折れていたが、当時、意識があったという。
 救急隊はまず富山市民病院に受け入れを求めたが「外科医が救急患者の手当ての最中で対応できない」と断られた。2分後に県立中央病院、4分後に富山大付属病院に要請したが、いずれも断られた。
 富山市民病院と県立中央病院に再要請したが断られ、同県高岡市の厚生連高岡病院に搬送することになった。この間、女性の容体が悪化。いったん県立中央病院で応急処置し、事故から約1時間半後の午後9時ごろ、厚生連高岡病院に着いたが、同10時半ごろ、女性は出血性ショックで死亡したという。(小峰健二)
 
詳しい経緯は、Yosyan先生の今日の記事をご覧下さい。
 
現場の医師は精一杯頑張ったと、私は思いました。
それでも、結果が悪いとこうしてマスコミに「たらい回し」とバッシングされる…
 
心が折れますよね…(実際に折れた医師も多数知ってます)
 
 県は4月1日から「傷病者の搬送および受け入れの実施に関する基準」の運用を始め、この事故のケースでは、要請が4回となった場合に県立中央病院が調整する必要があった。基準通りの運用がされなかった可能性もあり、県が事実確認を進めている。
 
ということもあって、早々に緊急連絡会議が開かれたようです。
 
富山・救急搬送拒否:女性死亡 「連絡、密に招集を」 3病院、県に説明 /富山
毎日新聞 7月3日(日)15時15分配信

 ◇「数人診療中」「専門医不在」
 富山市内で先月30日夜に車にはねられた女性(73)が市内の3病院に受け入れを断られ、約3時間後に搬送先の病院で出血性ショックで死亡した問題を受け、県は2日、「富山医療圏の救急医療にかかる緊急連絡会議」を開いた。受け入れを拒否した3病院の関係者が、当時の態勢について説明した。【岩嶋悟】
 県が今年4月から運用している「傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準」では、消防から病院への照会回数が4回以上か、連絡開始から30分以上になった場合は、3次救急医療機関の富山市の県立中央病院か、高岡市の厚生連高岡病院が受け入れ調整を行うとしている。
 女性は富山市内の3病院に受け入れを断られた後、事故から約30分後に県立中央病院に搬送された。そこで応急処置を受けた後、厚生連高岡病院へ同日午後9時に搬送された。
 受け入れ拒否の経緯について、当日夜の当番だった富山市民病院の石田陽一副院長は「数人の患者を診療中だったため、受け入れるのは困難だった」と説明。一方、県立中央病院の飯田博行院長は「整形外科専門医がすぐ対応できず、応急処置で厚生連高岡病院に搬送するしかなかった」とした。
 会議では各病院の受け入れ態勢の課題をさらに検証するとした。終了後、県立中央病院の飯田院長は「基準の内容を変更する必要はないが、職員との連絡態勢を密にして緊急召集をかけるようにしなくてはならない」と述べた。

7月3日朝刊
 
>数人の患者を診療中だったため、受け入れるのは困難だった
>整形外科専門医がすぐ対応できず、応急処置で厚生連高岡病院に搬送するしかなかった
どちらも、われわれ医療者側からすれば、『それじゃあ仕方ないよね…』と思われるのですが、
(体制の整っていない状況で無理に受け入れても、結果が悪いとこうなりますし…
 
マスコミさんやその影響を強く受ける一般市民には、なかなか受け入れられないようです…orz
 
「たらい回し防止基準」不備
2011年7月3日 読売新聞

軽乗用車にはねられた富山市の女性(73)が、市内の3病院に受け入れを断られ、搬送先の高岡市内の病院で死亡した問題で、県は2日、富山市内の5総合病院の院長らを集めて緊急の連絡会議を開いた。「たらい回し」を防ぐため、県は今年4月から、新しい受け入れ基準の運用を開始したばかり。「基準が絵に描いた餅になっている」などと厳しい声も相次ぎ、医師不足や、基準の周知不足などの課題が浮き彫りとなった。
 受け入れを拒否したのは、輪番制でこの日夜間救急を担当していた富山市民病院と、県立中央、富山大付属の両病院。理由について「すでに救急患者を5人受け入れていた」(富山市民)、「整形外科の専門医が不在だった」(県立中央)、「医師が手術直後で、ベッドも満床だった」(富大付属)などと説明した。
 しかし、新基準では、「照会回数4回以上」か「医療機関への連絡開始から30分以上経過」した場合、富山医療圏内では、重篤患者向けの3次救急医療機関の県立中央病院が受け入れるか、搬送先を調整することになっている。
 このため、出席者から「受け入れられない場合があるから、3次のシステム(新基準)を作ったはず。それが機能しなかったのは、周知不足など病院にも責任がある」などと、県立中央病院へ批判の声が上がった。
 県立中央病院の飯田博行院長は「3次病院であっても輪番日以外に、当直以外の多くの医師を院内にとどめておくだけの人的余裕はない。今回、輪番日でないと手薄になってしまう弱点が出たのではないか」とし、 「救急医療の『最後の砦(とりで)』として、早急にスタッフを招集するなど、連絡態勢を整えたい」と述べた。
 県消防課によると、女性は先月30日午後7時25分頃、富山市の県道を自転車で横断中に軽乗用車にはねられた。救急隊の現場到着時は意識があったが、富山市民病院のほか、県立中央、富山大付属の両病院も相次いで拒否。開始から約20分後の6回目の照会で、隣の高岡医療圏の厚生連高岡病院への受け入れが決まり、女性は搬送されたが、事故から約3時間後に死亡した。
 
>3次病院であっても輪番日以外に、当直以外の多くの医師を院内にとどめておくだけの人的余裕はない。今回、輪番日でないと手薄になってしまう弱点が出たのではないか
富山県立中央病院は765 床だそうですが、輪番日以外は外科系当直は1人なのでしょうね。
 
>救急医療の『最後の砦(とりで)』として、早急にスタッフを招集するなど、連絡態勢を整えたい
「対策は無理です」とは言えないでしょうから、仕方がないのかもしれませんが、
スタッフの疲弊→逃散につながりかねない、危険な発言ですね…
 
病院の近くに住むことを強制されたり、非番日も飲酒禁止になったりして…(笑)
 
 
先日の「埼玉の車椅子の女性の交通事故」の話もそうですが、
 
本来は、こういう不幸な事例を防ぐ為には、
なるべく多くの病院で、外科・整形外科・循環器内科・消化器内科・放射線科・脳外科・産婦人科・小児科など、
夜間緊急で呼ばれる可能性の高い科の医師をすべて、交代勤務で夜も勤務させる必要があります。
 
もちろん、その実現の為には大幅な医療費の増加が必要です。
そうしてくれないと、こういう(事件が起きなければ)「無駄なコスト」を増やすと、病院は倒産してしまいます…
(それでも、大震災などが起きれば、すべての患者さんには対応できなくなりますが…)
 
マスコミさんも、少しは現場を知ってから「たらい回し」という単語を使ってみてはどうでしょうか?
 
こういう報道が現場の救急担当者の心を折り、さらに「たらい回し」を増やすことを、
マスコミは自覚すべきです。

閉じる コメント(10)

この記事で不思議なのは、怪我の状況が不明瞭な事です。「足の骨が折れている」と、出血性ショックに蓋然性を感じないKIDNEYです。
この記事だと、あくまで搬送に時間がかかった事が死因のように言われているけど、なにか致死的な症状、損傷があったのでしょうか。
骨折だけで出血性ショックと言われてもピンときません。
とはいっても、一病院、一医師を責めたところで、こういう問題は解決しないと強く思います。

2011/7/4(月) 午後 1:34 KIDNEY

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ドクターコールが強制であるなら、勤務時間ですから、待機中も給与が発生しますね、その金に耐えられないでしょう。 人の命は金である程度は買えるです。 払ってもらいましょうね、命が惜しければ。

2011/7/4(月) 午後 2:43 [ omizo ]

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救助担架設定角度の研究 で検索

2011/7/4(月) 午後 5:24 [ omizo ]

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KIDNEYさん、足の骨折でも大腿骨がズレるくらいの骨折なら、かなり出血します。

ただ、足だけで腹部臓器に全く損傷がなければ、
片足の血液が貯留する範囲は限られますので、
出血性ショックにまで至るかは微妙です。

いずれにせよ、解剖に回ってなければ正確な死因は不明ですね。

>一病院、一医師を責めたところで、こういう問題は解決しないと強く思います
まったくですね。

2011/7/4(月) 午後 5:54 さすらい泌尿器科医

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omizoさん、
>ドクターコールが強制であるなら、勤務時間ですから、待機中も給与が発生しますね

その通りですね。
ただ、勤務医側が請求しない限り、経営者側が支払うことは無いでしょうね。(笑)

ましてや、地震保険のお金もけちるような国民が払ってくれるとは思えません…

2011/7/4(月) 午後 5:57 さすらい泌尿器科医

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亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

こうした悲劇を防ぐためには、
「もしものときに備えられるだけの診療報酬が用意できるか」
「軽症患者の時間外受診をどれだけ減らせるか」
「患者の遠い家族など、無駄な説明をどれだけ減らせるか」
といった議論をするしかないと思うのですが、医師の心を折るような言葉を使って、マスコミは何がしたいのでしょうね?

2011/7/5(火) 午前 7:43 [ はにほ ]

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このケースは骨盤骨折や内臓破裂はなかったのでしょうか?
大腿骨骨折だけであれば整形外科かもしれませんが、73歳女性が車にはねられたらそれだけで済まないような気がしますが...
頭〜足まで診れる3人くらいの外科医チームがないと無理です。
高齢者が車にはねられたら常識的に考えれば瀕死状態になり死亡してもおかしくないですね。
結果が悪ければすべて医療側の責任にされるような社会。
こんな社会では若手医師が外科医を志す気も失せるでしょう。
10年後には地方に外科医がいなくなるんじゃないか?と。
そうなればこういうケースもおそらく日常茶飯事となるので、ニュースにはならないようになるでしょう。
手術してもらえるだけ有難いと思うような時代になるでしょう。

2011/7/5(火) 午前 9:19 [ NMD ]

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マスゴミに向かって「考えてみてはどうですか?」と問うだけ無駄かと。

考える力の無い無能者が、記事と言う名の「感想文」を書くのが精一杯。

小学生が発行する学級新聞の方が、社会に悪影響が無い分まだましだ。

2011/7/5(火) 午後 10:37 [ GAO ]

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今度は「たらい回し」ですか・・・。
マスコミの報道しか見てないと、そう思ってしまうのが怖いですよね。

>心が折れますよね…(実際に折れた医師も多数知ってます)
機会があれば具体例を記事にしてください。
お願いします。

2011/7/5(火) 午後 11:18 [ uni*9*3 ]

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大腿骨骨幹部骨折はそれだけでも出血性ショックになることがあります。両方折れたら確実ですね。
骨盤骨折で出血性ショックなら放射線科の出番です。
エンボリ、、、
とにかく医師の力不足だけで死ぬわけではありません。
根本は外傷です。

2011/7/6(水) 午後 0:18 [ whi*ebe*r*ki*ball ]


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さすらい泌尿器科医
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