うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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医療事故調関連法案、臨時国会に提出へ−モデル事業を念頭に制度設計
医療介護CBニュース 4月18日(木)17時16分配信 

 厚生労働省は、医療事故調査制度を整備するための医療法改正案を、秋にも開かれる予定の臨時国会に提出する方針だ。医療事故調については、同省の「医療事故に係る仕組み等のあり方に関する検討部会」で議論されており、同省のモデル事業を引き継いでいる日本医療安全調査機構の仕組みをベースに、新たな制度を構築する考えだ。制度設計を急ぎ、制度の運営費や医療機関を財政支援する費用などは、来年度予算の概算要求に計上する。

 厚労省の検討部会は医療事故調について、院内事故調と院外の第三者機関の二層構造にすることで、ほぼ一致。同省は、医療法が医療機関の安全管理体制などを規定しているため、同法改正で制度全体の枠組みを整備することにした。院内での事故調査の手順や、第三者機関への届け出の方法については、同省のガイドラインで定める。医療法改正案にはこのほか、病床機能情報の報告制度も盛り込まれる。

 18日に開催された検討部会では、診療行為に関連した死亡事例はまず、医療機関が院内で原因究明し、遺族などがその調査結果に納得できない場合、院外に再調査を申請できる仕組みにすることを確認した。ただ、遺族などが医療機関に不信感を持ち、院内での調査を望まないケースでは直接、院外に調査を依頼できる仕組みも選択肢として残した。医療機関は、再発防止につなげるために、調査結果を第三者機関に届け出ることになる。

 また制度の運営費については、第三者機関に調査を申請する医療機関や遺族などに負担を求める意見が大勢だったが、遺族などに過度の負担を強いることにより、医療の質向上につなげる原因究明を抑制する恐れがあるため、国が一定程度は補助すべきとの意見が聞かれた。

 一方で、医療界代表の委員からは、院内事故調メンバーは医療専門職で構成すべきとの意見が根強い半面、法曹界代表は、透明性や公平性を確保するためにも医療専門職以外の第三者を一定割合で参加させるよう求めているほか、民間組織にする第三者機関の業務範囲について意見が統一されていないため、今後の議論はなお、曲折が予想される。【君塚靖】
下記の全国医師連盟の声明のごとく、課題山積のままとにかく法案提出へ向かうようです…

厚労省としては、法案を提出したという実績を作りたいのか、
「第三者機関」という新たな天下り先を作りたいのか…

私なら、「院内事故調」ですら当事者となったら肉体的・精神的に辛いので、
なるべくリスクのある処置を避ける方向で、診療するようになりそうですけどね…
医療事故調査関連の医療法改正案への緊急声明
一般社団法人全国医師連盟 執行部        

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の第12回会議が4月18日に開催され、会議後、厚労省医政局総務課長が医療事故調査を行う第三者機関の創設を盛り込んだ医療法改正法案を今秋に臨時国会が開催されれば提出する方針を明らかにしたと報道されている。

 現行検討されている医療事故調査組織は、日本の刑法の制約もありWHOガイドラインの掲げる真相究明、再発防止のための事故調査とは程遠い。真相究明と再発防止を目的とするのであれば、今回の事故調査法案には看過できない問題があると考え緊急声明を発表する。


1.院内調査を中心とする制度では、医療機関内部において利害対立が生じた場合に公正な調査が行われる保障がなく、病院管理者側が特定の医療従事者個人をスケープゴートに仕立てて責任を押しつける危険がある。(東京女子医大事件の反省)

 医療従事者個人が、院内調査の結論について不服がある場合に、第三者機関に対して事故調査を依頼する道筋を設けるべきである。


2.刑事捜査や刑事訴追の抑制に関し、法的な規制がなされておらず、法務省・検察庁・警察庁等の関係機関との間で、公式な取り決めすら無い。警察、検察が自主的に捜査や訴追を手控えることを期待するのみに留まっている。

 刑事手続面では、刑事訴訟法を改正し、事故調査が刑事捜査に優先することを明記すべきである。将来的には刑法の業務上過失致死罪規定の廃止や親告罪化等の改正を行うべきである。


3.現行法下では医療事故につき、医療者個人が刑事責任を問われる可能性がある以上、事故調査によって得られた証言の取り扱いには留意すべきである。

 すなわち、事故の真相に迫るには、医療従事者に安心して、隠し立て無く全てを供述してもらわねばならない。そのためには、事故調査で得られた資料のうち、カルテ等客観的な資料を除いた関係者の証言部分については、刑事裁判の証拠にできないことを、刑事訴訟法に定める必要がある。

 もし、刑事裁判における証拠採用の余地を残すのであれば、憲法上の黙秘権の保障(憲法38条)の趣旨からして、事故調査の対象者に黙秘権を認めなければならないと考える。

以上


参考文献

1.第12回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000003005u.html

2."事故調"の創設法案、今秋国会の提出目指す
院内調査先行、遺族の第三者機関への依頼も可
2013年4月19日 橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/170536/

3.WHO GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSYTEMS
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf#search='WHO+GUIDELINES+FOR+ADVERSE+EVENT+REPORTING+AND+LEARNING+SYSYTEMS'

4.「過失を犯罪とする刑事法体系を見直すべきである。」
一般社団法人全国医師連盟代表理事 中島 恒夫
Vol. 92, 2013年4月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp/mt/2013/04/vol92.html#more

5.医療の安全確保と診療の継続に向けた、医療関連死および健康被害の原因究明・再発防止等に関する試案 [平成20年11月12日 全国医師連盟]
http://zennirenn.com/opinion/2012/03/-201112.html

2013年04月20日 全国医師連盟
http://zennirenn.com/opinion/2013/04/post-21.html

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泣く子と地頭には勝てないの言葉どおり、厚労省は何が何でも原初案の趣旨である司法さえ認められている黙秘権をお手盛り機関で医師から取り上げる方針を貫徹するようです。上に政策あれば下に対策ありです。対策への対策の楽しい世界が展開されるかもしれません。

2013/4/21(日) 午後 9:39 [ Yosyan ]

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Yosyan先生、何時もお世話になってます。

真相究明のためには、黙秘などをされては困るのですが、
正直に話したら、有罪判決を受け、医業停止処分をくらうのでは
たまらないですよね…

そして、黙秘や否認したら罰を受けるような時代になったら、
リスクの高い医療分野はどうなりますかね…

2013/4/22(月) 午前 11:31 さすらい泌尿器科医

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関係ない話で恐縮ですが、
仏教についてのおもしろいお話があります。
仏教の根本の教えは心と行いのやすらぎでした。
ブッダと仏弟子の感動の物語がたくさん書かれています。
たまには仏教の物語もおもしろいですよ。
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http://bukkyo.wiki.fc2.com/

2013/4/30(火) 午後 0:38 [ 丸山佳輝 ]


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