うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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あれから8年・・・

既に忘れられつつありますが、本日(2月18日)で、
『福島県大野病院事件で産科医が逮捕された日』から丸8年になります。
(拙ブログは、開設して7年ちょっとになりましたね…)

大野病院自体も、東日本大震災による原発事故で廃院になったのも、
話題にしにくい大きな原因ですよね…


珍しく、大野病院事件を取り上げた記事がありましたので、ご紹介します。
防災歳時記 2月18日 大野病院事件と「当たり前」の時代
2014-02-18 00:30 ハザードラボ

 今から8年前、2006年(平成18年)の今日2月18日、一人の医師が医療ミスを問われ業務上過失致死の曜日で逮捕された。

 福島県立大野病院産科医逮捕事件、通称「大野病院事件」。

 それは逮捕から2年前のこと、前置胎盤(ハイリスク妊娠の一種)だった妊婦に医師は出産時の危険性を説明し、大学病院での分娩を勧めたが、「大学病院は遠い。交通費がかかる」と、地元だった大野病院での分娩を譲らなかった。

 2004年(平成16年)12月17日、大野病院で帝王切開による分娩手術が始まった。

 赤ちゃんは無事取り出されたが、産婦は前置胎盤だけでなく、子宮に胎盤が癒着する癒着胎盤も併発していた。

 このため、最終的には子宮摘出を行なうことになり、出血量は当初想定よりはるかに多い量になった。

 大量の輸血を行なったものの、子宮摘出から約1時間後、産婦は出血性ショックで死亡した。

 福島県は調査委員会を設置して、執刀医の判断ミスを認める報告書を作成した。

 その理由は、医療側の過失を認めないと、医賠責保険による遺族への補償支払が行なえないから。

 しかし、この報告書がきっかけになってマスコミにより大々的に「医療ミス」と報じられることに。

 そしてついには警察が動き、医師の逮捕という事態にまで発展した。

 その医師は、起訴されるが、結論は「事実上のえん罪事件」。

 医師の手術は、過失があるとは言えず、またその医師は非常に優秀な腕を持っていたことも分かった。

 無罪判決で、検察側は控訴を断念した。

 しかし、公判中に遺族は、「ミスが起きたのは医師の責任」、「言い訳をしないでミスを認めてほしい」などと主張し、死亡した産婦の墓前で土下座して謝罪するよう求め、医師はそれに唯々諾々と従った。

 彼が遺族から問われた「医師の責任」とは何か?

 分娩には、いや、生きるすべての営みにはリスクがともなう。

 「常に安全にお産が出来て当たり前」の世界にしたいと医師も社会も希求するが、現実は安全で健康な生活が100%保証されているわけではない。

 これは医療だけのことじゃない。

「大地震や大津波から行政が守ってくれるのが当たり前」

「遭難したら救助に来てくれるのが当たり前」

 人間には生と死の2つの状態しかない。生を選択する限り「死というリスク」から逃れることはできない。

 どんな土地に住むか?どこに行楽に行くか?子どもが欲しいと思うのか?…

 そうした生きていく上で当たり前の選択肢は、だがそのすべてが目に見えない「死のリスク」につながっている。

 そしてこのリスクは最終的には、この世に生を受けた自分が引き受けるしかない。

 医師や救急隊や行政は、少しでも安全で健康な生活をしてもらうための手助けができるに過ぎない。

 大野病院事件のような問題の反省から、2009年(平成21年)に「産科医療補償制度」が創設された。

 分娩によって発症した脳性まひの子どもや家族に、医師の過失がなくても補償が行なえる「無過失補償制度」だ。

 しかしそれでもリスクの高い産科医は敬遠され、その「なり手」は減り続けている。

 この状態では、リスクをあえて引受ける高邁な理想と信念を持った医師から順に、医療訴訟に倒れていくことになりかねない。

「当たり前の時代」が、「安全で健康な社会」の根幹を浸食している。
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/4/8/4813.html

生きていく上で当たり前の選択肢は、だがそのすべてが目に見えない「死のリスク」につながっている。そしてこのリスクは最終的には、この世に生を受けた自分が引き受けるしかない。

確かにそうですが、
何か悪いことが起きたら、その責任を他人に転嫁して心の安寧を図るのも、人情ですけどね…


福島県は調査委員会を設置して、執刀医の判断ミスを認める報告書を作成した。その理由は、医療側の過失を認めないと、医賠責保険による遺族への補償支払が行なえないから。

医療事故調法案が今国会に提出される予定ですが、
こういう悪夢が、医療版事故調で起きないよう、注視する必要がありますね。


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閉じる コメント(5)

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大野病院事件は、確かに警察の勇み足だったのだろうと思います。でも、今度は警察がこの事件に懲りて臆病になりすぎて別の弊害もでているのです。驚くべきデタラメ医療で患者を死亡させた事件が、大野病院事件の3年後に起きたのですが、警察はこれに懲りて動かず、5年半も遺族は苦しみ続け、漸く先月告訴状を受理された事件がありました。裁くべき医者と裁いてはいけない医者を判断できないことが一番の問題なのだと思います。

2014/3/31(月) 午後 11:18 [ bij*n1*50 ]

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bij*n1*50さん、
>驚くべきデタラメ医療で患者を死亡させた事件が、大野病院事件の3年後に起きた

どんな事件か、宜しければ教えて下さい。m(__)m

2014/4/1(火) 午後 1:49 さすらい泌尿器科医

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ご質問いただきまして有難うございます。
虚偽の診断名「脱水症」をつけて、必要のない大量点滴(18時間で5,800ml)を高齢者に投与した事件ですです。検査(血液、心電図、胸部X線)は全て注射処方箋を決定した後にアリバイ的に行っていました。薬剤は配合禁忌、併用注意の組み合わせが異常に多く、シプロキサン注とネオフィリン注の大量投与で薬物中毒が起きました。深夜2度の急変のDr.callを無視し、瞳孔散大、呼吸停止するまで主治医が来なかった事件です。警察が死亡後病院に行き、カルテ開示要請をしましたが、拒否しました、その時、防波堤になった病院事務長は「大野病院事件や割り箸事件を例に挙げて警察を追い払ったのです。死因は「肺炎」と書かれましたが、保全資料を見た医師たちは「脱水」や「肺炎」だという人は一人もいませんでした。 カルテの改竄や捏造が組織的に行われていました。このような病院の存在は、医療界全体の信頼を揺るがしかねない大事件です。全うな医師の方たちはぜひ捜査協力して頂きたいと思います。

2014/4/1(火) 午後 7:17 [ bij*n1*50 ]

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bij*n1*50さん、ご教示有難うございます。m(__)m

相手側が非協力的だと、何かと大変かと思われますが、頑張って下さい。

2014/4/7(月) 午後 7:18 さすらい泌尿器科医

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生きるすべての営みにはリスクがともなう、まさにその通りです。そのリスクを減らすこと。

2014/9/23(火) 午後 8:19 [ ksy*uk*n ]


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