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損賠訴訟:病院敗訴、60代の性欲喪失に賠償命令 手術後の障害説明せず−−福岡地裁
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20090627ddp041040022000c.html毎日新聞 2009年6月27日 西部朝刊 福岡市の60代後半の男性が、福岡大学病院で受けた前立腺の手術の後遺障害で性行為の意欲や自信を失ったなどとして、大学と担当医に約850万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、福岡地裁であった。増田隆久裁判長は「医師は後遺障害の説明をしなかった」として慰謝料など計80万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は06年、前立腺肥大症などと診断され手術。担当医は術前、精液が放出されずにぼうこうに逆流する「逆行性射精」が起きる可能性を説明していなかった。 男性は「治療・手術法の選択機会を奪われ、精液放出時の絶頂感が得られなくなった」と主張。大学側は「逆行性射精が60代患者の日常生活に大きな支障を及ぼすといえず、臨床の現場でも(高齢患者には)通常説明しない」と反論した。 増田裁判長は「精液放出に意味を見いだすことはおかしなことではなく、年齢を問わず満足できる性生活を営むことの重要性は否定できない」と男性の主張に理解を示した。一方で「手術は治療効果が高く、説明を聞いても同じ方法を選んだと考えられる」とし、説明義務違反と後遺障害の因果関係は否定した。 男性の代理人弁護士は「高齢者の性生活に理解を示した意義のある判決」とコメント。福岡大学病院は「控訴せず、円満解決を図りたい」としている。【和田武士】 KIDNEYさんの記事で知りました。 どうも有難うございます。 大学側は「逆行性射精が60代患者の日常生活に大きな支障を及ぼすといえず、臨床の現場でも(高齢患者には)通常説明しない」日本人は淡白な方が多く問題にならない事が多いのですが、個人差の大きい部分であり、70歳代でも「現役バリバリ」(死語?)だったり、 バイアグラを希望される方は結構いらっしゃいます。 少なくとも私は、同意書に書き込んで必ず説明しますし、 60代は泌尿器科では高齢者でもないですけどね… 残念な話です… 精液は、精巣で作られ精管を通って精丘より尿道に出て外へ射出されますが (上図参照) この手術(TUR-P:経尿道的前立腺切除術)をすると、 下図のように、内尿道括約筋の抑えが無くなりますので、 精丘から出た精液は、ペニスの先ではなく膀胱に行ってしまいます。 これを『逆行性射精』と呼びます。 『逆行性射精』は生命に係わる「合併症」ではないので、 日々の診療に忙しく追われていると、 ついつい説明を忘れてしまう気持ちは十分に解りますし、 私自身も過去にトラブルを経験しています。 『逆行性射精』になっても、理論的には『性欲』は落ちないはずですが、 射精時の「精液が出る快感」が無くなりますので、『性欲』も落ちるのです… あと、年齢だけでなく 患者さんの術前の排尿状況も問題です。 術前が尿閉状態(自力では全く尿が出ない状況)なら、 「精液どころか尿も出なくなっていたのに、何を言ってんだ」 と言いたくもなりますが、 術前が、頻尿や排尿困難程度で、 「尿の出を良くする手術をしましょうね」程度の説明しかしていなかったら、 「こんなはずではなかったのに…」と言われても仕方がないと考えます。 どんなに忙しくても、必要な説明はしないといけませんね…
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2009年06月28日
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