<身体拘束>賠償認めず、患者側が逆転敗訴 最高裁判決 1月26日10時55分配信 毎日新聞 入院患者をベッドに拘束したことの違法性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は26日、身体拘束を違法と認めた2審・名古屋高裁判決(08年9月)を破棄し、患者側の請求を棄却した。患者側逆転敗訴が確定した。同種訴訟で最高裁が判断を示したのは初めて。【銭場裕司】 訴訟は岐阜県大垣市の女性(入院当時80歳)が、ベッドに縛り付けられ心身に苦痛を受けたとして、一宮西病院(愛知県一宮市)を運営する医療法人「杏嶺会」に600万円の賠償を求めた。女性の死後、遺族が訴訟を承継していた。 2審判決によると、女性は腰痛などで入院していた03年11月、深夜に興奮状態が収まらずナースコールを繰り返し、汚れていないのに何度もおむつを交換するよう求めた。このため、看護師がひも付き抑制具で両手をベッドにくくりつけ、約2時間拘束した。女性は拘束を外そうとして生じたとみられる傷を手首などに負った。 小法廷はまず身体拘束について「患者の受傷を防止するためなど、やむを得ないと認められる事情がある時だけ許される」と判断。そのうえで「看護師が繰り返し対応して落ち着かせようとしたが、女性は意識混濁状態でベッドから転落したり転倒する危険性が極めて高かった」と認定。当直の看護師3人で入院患者27人に対応していた点も考慮し「深夜に長時間、看護師が付きっ切りで対応するのは困難。身体拘束に替わる方法がなく、拘束も約2時間と必要最小限だった」として違法性を認めなかった。 患者側は「厳格な要件をクリアしなければ拘束は許されない」と主張。1審は請求を棄却したが、2審は「拘束しなければ重大な傷害を負う危険性があったとまでは認められない」と70万円の支払いを命じていた。相変わらずの患者側に極端に肩入れするエブリデイの見出しには失笑しますが、 当然の判決です。(高裁の判決が変なのです…) 『手首の傷』と『転倒、転落による骨折』、どちらを望みますか?余裕のある方は、判決文(PDFですが…)をお読み下さい。結論を転記しておきます。 (1) 前記事実関係によれば,Aは,せん妄の状態で,消灯後から深夜にかけて頻繁にナースコールを繰り返し,車いすで詰所に行っては看護師にオムツの交換を求め,更には詰所や病室で大声を出すなどした上,ベッドごと個室に移された後も興奮が収まらず,ベッドに起き上がろうとする行動を繰り返していたものである。しかも,Aは,当時80歳という高齢であって,4か月前に他病院で転倒して恥骨を骨折したことがあり,本件病院でも,10日ほど前に,ナースコールを繰り返し,看護師の説明を理解しないまま,車いすを押して歩いて転倒したことがあったというのである。これらのことからすれば,本件抑制行為当時,せん妄の状態で興奮したAが,歩行中に転倒したりベッドから転落したりして骨折等の重大な傷害を負う危険性は極めて高かったというべきである。
転倒、転落を防止するためには、拘束は『仕方がなかった』以外の感想はありません。また,看護師らは,約4時間にもわたって,頻回にオムツの交換を求めるAに対し,その都度汚れていなくてもオムツを交換し,お茶を飲ませるなどして落ち着かせようと努めたにもかかわらず,Aの興奮状態は一向に収まらなかったというのであるから,看護師がその後更に付き添うことでAの状態が好転したとは考え難い上,当時,当直の看護師3名で27名の入院患者に対応していたというのであるから,深夜,長時間にわたり,看護師のうち1名がAに付きっきりで対応することは困難であったと考えられる。そして,Aは腎不全の診断を受けており,薬効の強い向精神薬を服用させることは危険であると判断されたのであって,これらのことからすれば,本件抑制行為当時,他にAの転倒,転落の危険を防止する適切な代替方法はなかったというべきである。 さらに,本件抑制行為の態様は,ミトンを使用して両上肢をベッドに固定するというものであるところ,前記事実関係によれば,ミトンの片方はAが口でかんで間もなく外してしまい,もう片方はAの入眠を確認した看護師が速やかに外したため,拘束時間は約2時間にすぎなかったというのであるから,本件抑制行為は,当時のAの状態等に照らし,その転倒,転落の危険を防止するため必要最小限度のものであったということができる。 (2) 入院患者の身体を抑制することは,その患者の受傷を防止するなどのために必要やむを得ないと認められる事情がある場合にのみ許容されるべきものであるが,上記(1)によれば,本件抑制行為は,Aの療養看護に当たっていた看護師らが,転倒,転落によりAが重大な傷害を負う危険を避けるため緊急やむを得ず行った行為であって,診療契約上の義務に違反するものではなく,不法行為法上違法であるということもできない。Aの右手首皮下出血等が,同人が口でミトンを外そうとした際に生じたものであったとしても,上記判断に影響を及ぼすものではなく,また,前記事実関係の下においては,看護師らが事前に当直医の判断を経なかったことをもって違法とする根拠を見いだすことはできない。 もっと医療現場に人手があれば、拘束はある程度はしないで済むのですが、 ここまでせん妄がひどいと、マンツーマンでの対応が必要ですからね… かといって、1人が完全にこの患者さんに付きっきりになると、 残りの2人の担当は9人→13人と大幅に増えますからね… 拘束は「ベストな判断」ではなかったかもしれませんが、人手不足の現状では仕方がない方法です。 それを『違法』とされなくて、ほっとしました。 はにほさんご紹介の朝日の記事を追記しておきます。
病院での拘束、最高裁が必要性認める 患者側が逆転敗訴
2010年1月26日12時26分 朝日新聞
愛知県一宮市内の病院に入院していた女性(当時80)が不必要に体を拘束されて苦痛を受けたとして、女性の遺族が病院側に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が26日、あった。最高裁第三小法廷(近藤崇晴裁判長)は「拘束は、看護師らが危険を避けるためやむを得ず行った」と述べ、必要性があったと認定。病院側に70万円の支払いを命じた二審・名古屋高裁判決を破棄し、女性側の敗訴とした。
一般病院での身体拘束の違法性について、最高裁の判断は初めて。二審判決は「同意なく患者を拘束することは原則違法」と述べて注目されたが、第三小法廷は一般的な判断基準は示さず、今回のケースについての判断の中で「拘束は受傷防止などのため、必要やむを得ない場合にのみ許容されるべきだ」と述べるにとどまった。
判決によると、女性は腰痛などで「一宮西病院」に入院していた2003年11月15日夜から翌未明にかけてナースコールを繰り返して汚れていないオムツの交換を求めたうえ、何度も車いすに乗って看護師の詰め所に向かい、オムツの汚れを訴えた。看護師らは、女性の興奮状態が収まらなかったため両手にミトン(ひもがついた抑制具)をつけ、ベッドのさくにくくりつけた。女性は口でミトンを外そうとし、この際にできたとみられる傷が手首や唇にあった。
第三小法廷は女性に対する拘束について「ほかに転倒、転落の危険を防止する適切な代替方法がなかった」と指摘。拘束は約2時間で「必要最小限度のものだった」とも述べ、不法行為ではないと結論づけた。
訴訟は、女性が名古屋地裁一宮支部に起こし、判決前に死亡したために遺族が承継していた。同支部は請求を棄却したが、高裁が病院側に賠償を命じたため、病院側が上告していた。(中井大助)
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一宮西病院のコメント 医療の現場では、患者さんの「人権を守ること」と「安全を守ること」が何よりも重要だと考えています。ただし、時に、「人権」と「安全」が両立できない場合があります。今回の判決は、私どもで取った対応が誤ったものではないとの判断をいただいたものと理解しています。
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2010年01月26日
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<かずさアカデミアパーク>経営が破綻 千葉県も出資
3年前に研修会で行きましたが、1月25日20時38分配信 毎日新聞 千葉県が35.9%を出資し、ホテルやスポーツクラブなどを経営する第三セクター「かずさアカデミアパーク」(木更津市、相原茂雄社長)が25日、千葉地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻(はたん)した。負債額は57億6900万円。 県は80年代前半、バイオ関連企業や研究施設を丘陵地約273ヘクタールに誘致する構想を策定。成田空港周辺の開発、千葉市の幕張新都心開発と並ぶ3大プロジェクトの一つとして、これまでに基盤整備費など約500億円を投資した。ところが、誘致が進まず、立地企業は計画段階も含め現時点で15社。分譲・賃貸する企業用地149ヘクタールのうち約44%が手つかずとなっている。 三セクは91年に設立されたが、立地企業からの協力金が十分集まらず、05年に債務超過となり、金融機関から借り入れできなくなった。以後、県は運営資金として毎年3億〜5億円を貸し付けてきたが、存続は困難として10年度の貸し付けをしないことを決めた。貸付残高は17億3900万円。【森有正、倉田陶子、斎藤有香】 木更津駅からバスで1時間近くかかったことを覚えています。 神奈川県民の私としては、似たような立地のここが大丈夫なのか心配です。
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