うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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 LUPO先生のインタビュー記事です。
是非、読んで下さいね。
 
妊婦健診はなぜ必要? 飛び込み出産が危険なわけ
掲載日:2010年11月21日 All About
 
女性にとって人生の一大イベントである妊娠・出産。「飛び込み出産」という言葉が一時期話題になりましたが、そもそもなぜ妊婦健診が大切なのでしょうか? 妊婦さんや赤ちゃんの安全を守る産婦人科医の視点から、「妊娠・出産で知っておくべきこと」をお伺いしました。
 
『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』の著者でもある、産婦人科医の宋 美玄先生に、妊娠・出産について伺いました。

産婦人科医から見た妊娠・出産
――まず最初に、産婦人科医から見た妊娠・出産について教えてください。

そうですね。前回のセックスの話では、セックスに関する話を公にするのがためらわれるためか、女性がパートナーの言葉に一喜一憂して悩んでしまうことが多い、というお話をしましたが、妊娠・出産に関しては逆。女性からの体験談が数多く耳に入りすぎて悩んでしまうケースが多い気がします。

でも、何千とお産を見ていて言えることは「妊娠・出産は本当に一人一人違う」ということです。だから妊娠出産に関しては「こうあるべき」というものはなく、その人それぞれだと理解して欲しい、と考えています。

――日本は母体死亡率や周産期死亡率が世界一低く、医療技術が発達しているゆえに、お産が安全なものだと考えられていますが、産婦人科の先生とお話しすると「お産で死ぬかもしれない」と思われていた昔の感覚が頭の片隅にいつもあるんだろうな、と感じることが多いのですが。

もちろんですよ。言葉で言ってしまえば簡単ですが、妊娠・出産は必ずしも安全なものではありません。もともとリスクが高いと言われている方だけでなく、リスクが少ないといわれていた方でも、現実に何がおこるかわからないという怖さを、お産を扱う医師であれば、身に沁みて知っています。

もちろん妊娠・出産は女性にとって一大イベントですし、良い体験であって欲しいと心から願っていますが、そういった面があるという事実もどこかで理解していただければ、と思っています。


妊娠中に定期健診を受ける意味
――妊娠中に病院に通院しなければならない理由がわからない人も多いようですが……。

日本は世界的に見ても妊婦健診の回数が多いのです。それだけ妊婦さんや赤ちゃんをきめ細かく見ていると言えると思います。妊娠中の通院では、主に以下の点をチェックします。

・ 初期検査で子宮がん検診や血液検査を受けると様々なことがわかります
・ エコーで赤ちゃんの発育や胎盤が正常かどうかが確認できます
・ 血液や尿検査で妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や妊娠糖尿病をチェックします

とくに「妊娠中毒症」は死に至ることもあるので、注意が必要です。

また、妊娠の初期検査は、普段病院に行くことがない健康な女性が自分の身体をチェックする良い機会になるという側面もあります。 
妊娠初期の検査でわかること
――妊娠初期の血液検査でどんなことが分かるのでしょうか?

それぞれの検査でとてもたくさんのことが分かりますし、リスクを減らせることも多いのです。お母さんや赤ちゃんの安全を守るために必要なものですから、ぜひ受けるようにして下さい。たとえば初期の血液検査一つでも、以下のようなことが確認できます。

血算……貧血や血小板減少症の有無を確認します
血糖値……糖尿病のリスクを調べます
風疹抗体価……妊娠中に風疹にかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群になることがあるので、陰性の妊婦は特に風疹にかかっているお子さんに気をつけないといけません
B型肝炎……B型肝炎キャリアの妊婦から生まれた児には垂直感染予防のため免疫グロブリンを打つ必要があります
C型肝炎……垂直感染する恐れがあるため
梅毒……先天梅毒を予防するために抗生剤で治療する必要があります
HIV……垂直感染を予防するために分娩を帝王切開にする必要があります
ATLA……授乳によって赤ちゃんに感染することがあるため
血液型(Rh血液型を含む)……血液型不適合妊娠のリスクを知るため
(※垂直感染=お母さんから赤ちゃんに感染してしまうこと) 
飛び込み出産の危険性
――現在問題になっている「飛び込み出産」。最も大きいリスクは何でしょうか?

まず、「飛び込み出産」というとは、それまでの「妊婦健診」を受けていないと言うことですよね。すると病院側も赤ちゃんやお母さんがどんな状態か全くわからない、ということです。

たとえば急に母体に異常が出た場合も、何が原因かがすぐには分かりません。胎盤が産道を覆って赤ちゃんが出られず、通常は帝王切開になる「前置胎盤」で大出血しているのかもしれないし、もともと妊娠中毒症によるひどい高血圧で、脳の血管から出血しているのかもしれない。

B型肝炎に感染していることがわかっているお母さんから生まれた赤ちゃんの場合は、出産後72時間以内に「γ-グロブリン」という薬を打つ必要もあります。しかし、そもそも母体にそのような異常があるかもわからないし、飛び込み出産で母体の検査をしても、検査結果が出るころには72時間を過ぎてしまって正しい対応ができない可能性もあるのです。

とにかく母体や妊娠経過についての情報がないのはとても困るので、妊婦健診はきちんと受けていただきたいです。最近は自治体から母子手帳と一緒に妊婦健診の無料券を配布していますので、家計の節約のために妊婦健診を受けなかった、ということがないようになれば、と思っています。
これだけは知ってほしい! 妊娠出産の11ヵ条
最後に、宋先生が考える妊娠・出産についての大切な11ヵ条をご紹介しましょう。

第1条 : セックスすれば妊娠します
第2条 : 「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません
第3条 : 妊娠しただけでは喜ばない 安易に他人に言わない
第4条 : 神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでもあなたの赤ちゃんです
第5条 : 産む、産まないは自分たち夫婦で決めましょう
第6条 : かかりつけ医を早く持ちましょう
第7条 : 赤ちゃんはすべての運命をあなたに預けていることを忘れないで
第8条 : 赤ちゃんが元気であるか、完全にわかる方法はありません
第9条 : 出産はできうる限り安全な場所でしましょう
第10条 : 下から産んでも、お腹から産んでも、あなたはお母さん
第11条 : 妊娠・出産は一つとして同じものはありません

この11ヵ条は、宋先生がいつも患者さんや医学生などに言っていることをまとめたものだそう。一見するとごく普通で「自分だけは大丈夫」と思ってしまいがちなことですが、もう一度よく考えて見てくださいね。
 
 

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