うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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腎臓移植ではありませんが、移植手術を受けた患者さんが亡くなってしまいました…



肝臓移植手術後に患者死亡=脳死初の肝腎同時を予定―大阪大病院
時事通信 12月26日(日)11時21分配信

 脳死下で提供された肝臓と腎臓の同時移植を国内で初めて実施していた大阪大医学部付属病院は26日、患者だった10代女性の容体が移植手術中に急変し、死亡したと発表した。
 同病院によると、肝臓の移植手術を同日午前4時半ごろ終え、腎臓の手術に移ったが、容体が急変。集中治療室に搬送したが、同5時40分に死亡した。同病院が原因を調べている。
 腎臓は移植を行う前だったため、日本臓器移植ネットワークは新たに藤田保健衛生大病院で40代女性に移植した。

脳死肝移植受けた男性死亡=「適切な医療行った」―名古屋大病院
時事通信 12月27日(月)13時16分配信

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市)は27日、同病院で18日に脳死肝臓移植を受けた30代男性が21日に肝硬変で死亡したと発表した。同病院は「適切な医療を行った。提供された肝臓を生かせず残念」としている。
 同病院によると、男性は重症の肝硬変と診断され肝臓移植手術を受けたが、術後も病状が回復しなかった。男性は2008年10月から同病院で移植の待機登録をしていたという。

亡くなった患者さんたちの、ご冥福をお祈りします。m(__)m

移植をしなければ助からないのでしょうが、

重い合併症を持つ患者さんへの、移植手術そのものが危険なのも事実です。


どの記事も医療者を糾弾するような内容ではないのが幸いです。






<統合失調症>救えた命では…13病院受け入れられず
毎日新聞 12月26日(日)2時37分配信

 「心の病を抱え、今は苦しまずに逝ったことが幸いだったと思う」。10月下旬、東京都東久留米市で精神疾患を理由に救急搬送できずに死亡した男性(当時44歳)の自宅を訪ねた。「救えた命だったのでは」。私たちの問いかけに父親(77)と母親(71)は当初、報道されるのをためらった。あの日からまもなく2年。表札には長男の名前が残る。20年間、病に悩んだ息子の死をどう受け止めればいいのか。両親の心は揺れ続けてきた。【堀智行、江刺正嘉】

 09年2月14日夜から15日未明。東久留米市の住宅街で救急車が赤色灯を回しながら立ち往生していた。いつになっても受け入れ先の病院が見つからない。搬送をあきらめ自宅に戻すことになった。「大丈夫よね」。母親には長男が眠っているように見えた。だが救急隊員は「命の保証はできません」と告げた。

 母親が長男の異変に気づいたのは23歳の時だった。アルバイトから帰ってくると突然母親に食ってかかった。「なんで後をつけてくるんだ」。おとなしい性格で、口げんかした記憶もない。心配した両親が精神科病院を受診させると統合失調症と診断された。

 「おれ、早く治さないと」。長男は担当医の勧めで事務の仕事にも就いた。だが薬を飲むと頭がもうろうとし、欠勤が増えた。薬を抜き仕事を続けたが、今度は幻覚や妄想に悩まされた。精神科病院へ入退院を繰り返し、10回以上転職した。30代半ば過ぎから「もう死にたい」と言い出した。

 救急出動から3時間半がすぎた15日午前1時半。救急車から降ろすと長男が一瞬、目を開けた。「お兄ちゃーん」。母親が呼び掛けたが返事はない。こたつの脇に布団を敷いて寝かせ、見守った。小さい頃はリレーの選手。優しくて、自慢するくらい頭もいい子。「経理の資格を目指し一生懸命勉強して、結婚もしたかったろうに」。意識が戻らないまま息を引き取ったのは、その約12時間後だった。

 1回目の命日を過ぎた頃から、両親は気持ちに折り合いをつけようとしてきた。「難しい病気だったから私たちが先に逝って息子が残ってもかわいそうだった。最後に親孝行したのかも」。取材の申し出は、その思いをかき乱すことだったのかもしれない。だが再び訪れた時、母親が言った。「寝る前にお兄ちゃんを思い出さない日はない。お父さんも必ず、仏壇のかねを2回たたいて布団に入る。口には出さないけど悔しいと思う」

 ◇精神科あるのに…「専門外」

 12月中旬、両親は消防の担当者から救急搬送の経緯を聞き驚いた。受け入れ要請したのは有名な大学病院や総合病院ばかりだった。精神科があるのに「精神は専門外」と断った病院もあった。

 「どうして心の病というだけで診てもらえなかったのか。息子の命はそんなに軽かったのでしょうか」
亡くなった男性のご冥福をお祈りします。m(__)m

この話は聞いたことがある気がしたのですが、ブログ記事にはしてないようです。(多分)

救急搬送:統合失調症患者、腸閉塞に 受け入れ先なく死亡 救急隊、13病院に要請
毎日新聞 2010年12月26日 東京朝刊

 ◇東久留米で昨年2月
 東京都東久留米市で昨年2月、体調不良を訴えた統合失調症の男性(当時44歳)が救急搬送されずに腸閉塞(へいそく)で死亡した。救急隊は2時間半にわたり受け入れ先を探したが、13病院に受け入れられず搬送を断念した。「精神科などの専門医がいない」「病床がない」などが病院側の理由だった。高齢化や自殺未遂で精神障害者が身体疾患にかかるケースが増えているが、両方の症状を診られる病院が少ないため搬送が難航している。精神と身体の合併症患者を受け入れる体制の不備が浮かび上がった。(社会面に「こころを救う」)

 ◇心身合併症、減る受け皿
 男性の家族が情報公開請求して開示された東京消防庁の記録や家族の証言によると、男性が死亡するまで次のような経緯をたどった。

 昨年2月14日(土)20・00すぎ 男性が母親に「具合が悪いから医者に連れていってくれる?」と訴える。病院は医師などの配置が手薄な休日・夜間体制

 21・55 母親が119番通報

 22・00ごろ 東久留米市消防本部(現在は東京消防庁に編入)の救急車が自宅に到着

 22・40 母親の呼びかけに応答なし。救急隊員はすぐに生命にかかわる重症ではないが、意識障害があるとみて2次救急医療機関への搬送が必要と判断。自宅前に救急車を止めたまま内科や脳外科がある救急病院に対し、両親から聞いた本人の病歴を伝えた上で、受け入れを要請する電話をかけ始める

 翌15日(日)1・10 13カ所目の病院に受け入れを断られ、搬送を断念。救急隊は容体に変化がないとして3次救急医療機関には受け入れ要請せず、男性を自宅へ運び入れる

 9・00ごろ 母親が同じ消防本部に「病院を探してほしい」と連絡し、消防も探したが見つからない。その後、父親が男性の通院先の精神科病院へ行き、治療を頼んだが「休日で対応できない」と断られる。両親はほかに2カ所の病院に電話で受け入れを依頼したが、これも断られる

 14・00 男性の心臓が動いていないことに気づいた両親が119番通報したが、すでに死亡。大学病院での解剖の結果、死因は腸閉塞と判明

 東京消防庁の記録によると、救急隊員が受け入れ要請した13病院の内訳は▽総合病院5▽大学病院4▽精神科病院3▽都立病院1。断った理由は▽「専門外」(精神科などの専門医がいない)5▽理由が不明確な「受け付けられず」4▽「満床」4−−だった。

 このうち要請記録が残っていた2病院が取材に応じ、当時の状況を説明した。

 多摩地区の精神科病院は救急隊が連絡した患者の容体から「脳などの疾患が疑われる」と判断。検査設備や医療機器がないため受け入れを断り、検査ができる他の病院へ運ぶよう頼んだという。

 多摩地区の大学病院は救急隊から連絡があった時、すでに他の救急患者の治療をしていた。「対応できるベッドが空いていなかった」という。

 このほか複数の病院が今回のケースではなく、一般的な事情を説明した。総合病院や大学病院によると▽休日や夜間はスタッフが少なく、治療後も目が離せない精神疾患に対応するのは困難▽当直医が精神障害者の診療で苦労した経験がある−−などの理由で受け入れられないという。【江刺正嘉、奥山智己、堀智行】

 ◇総合・大学病院の精神科病床、報酬低く撤退相次ぐ
 精神疾患患者も含めた搬送困難例を解消するため、東京都は昨年8月末、救急隊が受け入れ先の2次救急医療機関を見つけるまで20分以上かかるか、5カ所以上断られた場合を「選定困難事案」とし、地域ごとに指定した病院が患者の受け入れを調整したり、自ら受け入れに努める「東京ルール」を導入した。

 都によると「選定困難」に該当したのは今年10月末までの1年2カ月間で1万4105件に上り、うち精神疾患や薬物中毒が理由になったケースは1766件で全体の1割を超えた。

 東京消防庁の担当者は「東京ルールで改善された面もあるが、合併症になった精神障害者の搬送が最も難しい状況は変わっていない」と話す。精神疾患患者の多くは暴れたりせず、救急隊は総合病院や大学病院でも受け入れが可能とみている。

 一方、総合病院と大学病院の精神科病床は一般診療科より診療報酬が低く病院経営を圧迫するため、全国で年々削減されている。02年に2万1732床(272施設)あったのが07年には1万9103床(248施設)と12%減った。

 ■ことば

 ◇2次救急医療機関
 入院が必要な救急患者に対応する医療機関。交通事故や脳卒中などで命にかかわる患者は3次救急医療機関(救命救急センター)で入院治療する。精神障害者は自覚症状が乏しかったり、正確に伝えられないことが多いため、2次救急医療機関への搬送後、重篤と判明することもある。
http://mainichi.jp/select/science/news/20101226ddm001040072000c.html

精神疾患患者の多くは暴れたりせず、救急隊は総合病院や大学病院でも受け入れが可能とみている。

急性アルコール中毒もそうですが、

実際に患者さんに殴られたことがないから、こんな事を言えるのです。

暴れるかどうかは、実際に来てみないとわからないのです。
(救急隊の話とは異なる(意図的かどうかはともかく)場合が多々あります)

当直医が精神障害者の診療で苦労した経験がある

苦労したことがない医療者の方が少ないでしょうね。
診断・治療は非常に困難ですし、
このケースも病院へ受け入れてから亡くなったら訴えられた可能性があります。


また、「東京ルール」により受け入れ率は大きく改善しましたが、現場の医師への負担は甚大です。

シニアレジデントの給与もケチって、時間外給与も満足に払わずこき使ってきたのですが、
今後はどうなりますかね…

救急搬送:統合失調症患者、腸閉塞に 受け入れ先なく死亡 藤原修一郎氏の話
毎日新聞 2010年12月26日 東京朝刊

 ◇体制見直し急務−−日本総合病院精神医学会の藤原修一郎事務総長の話
 合併症患者の受け皿となる総合病院の精神科病床の減少が搬送困難の大きな要因だ。不採算部門として精神科病床が廃止されているうえ、精神科医が診察に追われて疲弊し開業するケースが多い。こうした精神科医の総合病院離れも受け皿減少に拍車をかけている。診療報酬を見直すほか、総合病院と精神科病院の連携強化や救急病院への精神科医の配置を増やすなど抜本的対策が急務だ。
今回の件により、「抜本的対策」の為の資金を国や都が出す可能性はゼロに近いでしょうね…

不採算部門として精神科病床が廃止されているうえ、精神科医が診察に追われて疲弊し開業するケースが多い。

という現状を何とかすべきですが…




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