改正臓器移植法施行1年、今後の課題は?−関連学会協議会が意見交換 医療介護CBニュース 9月12日(月)11時19分配信 日本移植学会などでつくる「臓器移植関連学会協議会」は9月10日、東京都内で会合を開き、改正臓器移植法施行1年を経ての現状と課題について意見交換した。冒頭、日本移植学会の寺岡慧理事長は、「(改正法施行後の)移植件数が十分かどうかは分からないが、今後も着実に(移植医療を)進めていきたい」とあいさつした。 会合では、心臓や腎臓、肝臓など臓器ごとの移植の現状と課題について、それぞれの担当医師が発表した。 心臓移植について、阪大医学部附属病院の福嶌教偉・移植医療部副部長は、改正法施行で国内での心臓移植が大幅に増え、昨年は国内で移植を受ける人の数が、海外へ渡航して移植を受ける人よりも上回ったことを示した。その一方で、「臓器提供数は増えたが、(レシピエントの)待機期間が短くなる状態にはなっていない」と今後の課題も口にした。 また、同院の高原史郎・移植医療部顧問は、すい腎同時移植を必要としている患者に優先して腎臓提供する、現在のすい臓のレシピエント選択基準に言及。腎臓のみの移植を希望する患者への提供数が少なく、待機期間もすい腎同時移植のレシピエントに比べて大幅に長いとして、レシピエント選択基準を見直す必要があるとの認識を示した。 一方、同院の上野豪久・移植医療部教官は、小腸移植には医療保険が適用されていないため、患者や家族への経済的負担が大きいなど問題点を挙げた。 このほか意見交換では、臓器提供数の増加で、臓器提供や移植を行う施設の負担が増しているなどの声が出た。 (改正臓器移植法1年:上)現場の課題 増える脳死移植、偏る施設 [11/09/12]
東京本社科学医療グループ 小坪遊 改正臓器移植法が本格施行されて1年がたち、脳死の人からの臓器提供は増えた。一方で、臓器によっては手術が一部の施設に偏り、多くの手術を手がける施設の負担が重くなっている。また、肝臓や腎臓など臓器により、移植を待ち続ける患者数は今なお多い。現場に残された今後の課題を3回にわたり報告する。 ●手術多い医師ら疲弊 ピッ、ピッ――。年の瀬の昨年12月29日、大阪市立大学付属病院4階の手術室に、心電図の音が響いた。改正法本格施行後、29例目となる脳死での臓器提供に備えて集まった医師らが、亡くなった男性にもくとうを捧げた。 やがて、心臓や肝臓などが順番に取り出され、何人ものスタッフが整列する廊下を摘出チームがクーラーボックスを抱え、一チーム、また一チームと去っていった。 脳死での臓器提供は、移植をする施設にとって時間との勝負だ。日本臓器移植ネットワークから患者が移植を希望するか、確かめるよう連絡が入るのは、提供者の脳死判定後だ。移植施設はただちに患者の意思を確認し、平均13時間後には、摘出手術が始まる。 「提供が続けば、スタッフは移動時間で寝るしかないのが現状です」。国立病院機構千葉東病院の剣持敬・臨床研究センター長は語る。同病院は4〜5月の約1カ月間で、5件の膵(すい)腎同時移植を行った。 脳死の膵臓・膵腎同時移植は国内の18施設で可能だ。しかし改正法本格施行後、今年6月末までの計42件のうち、同病院は9件、藤田保健衛生大病院(愛知)は11件と、2病院で半分近くを行うなど、手術は一部の施設に集中した。 その一因は、手術の多い病院の患者は、移植ネットに登録している人が多いためだ。手術数の多い医師もおり、患者が多い施設は実績も増え、さらに患者を集めている可能性もある。 「今は各臓器の移植施設の医師が、機材の搬送、摘出、手術などの全てを行っています」と剣持医師。一部の施設に手術が集中すればスタッフの疲弊は避けられない。手術が多い施設と少ない施設の患者間で不公平感も生じかねない。「長い目で見れば、現状は患者にとって望ましい状況ではない」 心臓、肺、肝臓、膵臓の脳死移植が可能な施設は、それぞれ8〜21施設あるが、いずれの臓器でも、改正法施行後に脳死移植を一例も行っていない施設がある。臓器によっては、地域性を考慮し、提供施設に近い施設が優先的に手術を行うなどの対策が、施設間などの現場レベルで、検討され始めている。 ●臓器待つ患者減らず 脳死での臓器提供は、改正法本格施行前は約13年で86例だったが、本格施行後は6月末現在までで54例と急増した。提供施設や移植施設は忙しくなったが、患者が恩恵を実感できる状況にはまだなっていないという見方は強い。 肝移植を手がける京都大学の上本伸二教授は「患者数全体を考えれば、提供していただいている臓器はまだまだ少ない」と話す。提供が相次いだ昨年9月ごろは、京大に肝移植の相談に訪れる患者の8割程度が、脳死移植を希望していた。 上本教授は「法改正で脳死肝移植のチャンスが大きく広がったと思われた人が、多かったのではないか」という。 ただ、移植ネットに登録した肝臓移植を待つ患者は6月末現在で352人。移植を受けるなどして、リストから外れた人もいるが、1年前の270人より82人増えた。上本教授は「劇症肝炎のような急性のもの以外の慢性の肝臓の病気では、脳死肝移植を受ける機会は相変わらず少ないことが、患者にも徐々に分かってきた」と話す。京大に来る患者のうち、脳死での移植を希望する人は最近は4割以下になったという。 さらに、肝硬変や肝がんなどで亡くなる人数を考えると、潜在的に移植の対象となるような患者は年間に数千人単位に上る可能性があるという。改正法の本格施行で、脳死での臓器提供が増えたとはいえ、人口100万人あたりで見ると、0・5人程度だ。100万人あたり20人程度の臓器提供が珍しくない欧米に比べれば、はるかに少ない。 今後、より幅広い疾患の患者が待機登録をすれば、手術の対象として選ばれる確率は下がる。今も患者を取り巻く状況は厳しいままだ。 ■移植ネットに登録して臓器移植を待つ患者数 2010年6月末 :2011年6月末 心臓 169 177 肺 150 150 肝臓 270 352 膵臓 182 186 腎臓 11539 11910 小腸 6 6 (2011年7月19日付 朝日新聞朝刊医療面から) 改正臓器移植法が本格施行されて1年がたち、脳死の人からの臓器提供は増えた。一方で、臓器によっては手術が一部の施設に偏り、多くの手術を手がける施設の負担が重くなっている。肝臓や腎臓など臓器により、移植を待ち続ける患者数は今なお多い。私は泌尿器科医なので、主に腎臓移植についての話になりますが、腎臓移植を執刀したり、術後の管理ができるのは、泌尿器科医の中でもごく一握りに過ぎません。 (術後管理は内科医がという意見もありますが、いずれにせよ少ないのは間違いありません) 透析利権を手放したくないから、移植数が少ないなどという話ではありません。 その「限られた病院」の中でも偏るという話ですからね… なかなか解決は難しいかと、私にも思われます。 それでも移植を待つ患者さんは多いのですから、少しづつ改善を図るしかないのでしょうね。 |
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2011年09月12日
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