警察扱い遺体17万体、解剖率11・2% 読売新聞 2月3日(木)10時56分配信 全国の警察が昨年1年間に扱った遺体(交通事故を除く)は17万1025体で、このうち1万9083体が解剖されたことが3日、警察庁のまとめでわかった。 解剖率は前年より1・1ポイント増の11・2%で、犯罪死見逃し防止などのため積極的に実施している欧米と比べて依然として低調だ。 このうち、事件性が疑われて司法解剖されたのは、8014体、死因や身元確認のための行政解剖は1万1069体だった。 一方、検視官が現場に出向く「臨場率」は前年より7・5ポイント増の27・8%に上昇。死因の誤認があった時津風部屋の力士暴行死事件の起きた2007年以降、検視官は年々増員され、昨年は前年より25人増の221人となった。記事中でもスルーされてますし、正確な統計はみつかりませんでしたが、 解剖医は全国で百数十人と言われています…この人数で、これ以上解剖率が上がったら過労死してしまいますが… (今ですら危険かと…) 去年8月の読売の記事を掲載します。 法医解剖、大学に重荷…本紙アンケート調査から
青森ただ1人の教授、ギブアップ (2010年8月16日 読売新聞) 「今のままでは、法医解剖システムは10年後に崩壊する」――。大学の法医学教室を対象に行った本紙のアンケート調査から、大学が「社会貢献」として担う制度の危機的な状況が浮かび上がった。 関係省庁は死因究明制度の改革に向けて動き出しているが、解決すべき課題も多い。 ■死因究明 2007年に愛知県で起きた力士暴行死事件で注目された死因究明問題。この1年でも埼玉、鳥取の不審死を巡る捜査などで、関心が高まっている。 東京都は、パロマ工業製湯沸かし器による一酸化炭素中毒死が、各地で「病死」などとして見逃されていたことが発覚した06年、死因究明の重要性を再認識した。 東京・多摩地区の異状死解剖率は、06年まで23区の5分の1程度だった。23区は専従の法医学者らによる監察医制度があるが、多摩地区は大学に解剖を頼るために生じた格差。都は、厳密な死因究明のために大学に一層の協力を要請。06年に281件だった多摩地区の解剖数は、08年に840件に増えた。ただ、複数の大学があり、解剖医も多い東京はまだ恵まれている。 ■現場の悲鳴 青森県の法医解剖を一手に担ってきた弘前大(弘前市)の教授が体調不良などを訴え、受け入れを休止したのは昨年11月。「1人で担うのは心身の負担が重く、正確性を維持する自信がない」との理由からだ。県警は必要が生じるたびに岩手医大(盛岡市)と秋田大(秋田市)に遺体を運ぶ。弘前大は解剖医の補充を検討中だが、解決のめどは立っていない。佐藤敬・弘前大大学院医学研究科長は「地域貢献は大事だが、本来は行政の仕事ではないか」と本音を漏らす。 代行する他大学も深刻だ。 「社会のために頑張らねばと思うが、僕は超人ではない」。岩手医大の出羽厚二教授はため息をつく。ここも岩手県唯一の拠点。昨年は解剖医2人で187件だが、今年は6月末で104件。4割近くが青森分だ。今春、もう1人の解剖医が海外留学した。「臓器の組織検査などを担う職員らも限界」と心配する。 佐賀県や広島県でも07年以降の一時期、解剖医が不在だった。国内の解剖医は130人程度で、昨年の解剖実績を答えた50校中28校では解剖医は1人。他の大学でも2〜3人でやりくりしている。 ■人材確保の壁 司法解剖の場合、薬物や組織検査、鑑定書の作成などを含め1件で2〜3か月かかることもある。大学の本来の使命である教育や研究の時間が奪われている。 大半の大学が現状に危機感を抱いているが、一方で国公立大の法人化などで大学には「採算性」が求められている。法医解剖は、委託した警察や都道府県が大学に実費を払うが、「教育・研究という大学の本務ではない。人件費や機器購入費も国や自治体などが負担すべきだ」(岡山大)などの声が根強い。調査では、全大学が公費負担の強化を求めた。スタッフ増員計画は60校中49校が「ない」、2校は「削減予定」と回答。人材の確保・育成策を国などに求める声が相次ぎ、「なし崩し的に大学任せにしてきた」との指摘もあった。 法医は開業の道もなく、圧倒的にポストが少ない。琉球大法医学教室には大学院生2人がいるが、教員ポスト(教授、准教授、助教各1)は埋まっている。佐藤良也・医学部長は、「やる気も資質もある学生は、隣県に応援を頼めない沖縄には貴重だが、どうにもできない」と嘆く。打開策として、「国による解剖・検査の専門機関を設ければ、ポストができ、人材育成も行える」(名古屋大)という提案もある。 (中部社会部 小川翼、地方部 早川悦朗) 法医は開業の道もなく、圧倒的にポストが少ない現状が続けば、崩壊の日は遠からず来るでしょうね… |
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