うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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医療崩壊危機の南相馬、県が入院制限を緩和
読売新聞 6月20日(月)18時46分配信

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、緊急時避難準備区域の医療が深刻な状態となっている。

 いざという時に迅速に避難できるよう、入院患者の数などが制限されているが、現場では入院が必要な患者は受け入れざるを得ない場合もある。病院収入にも影響し、福島県南相馬市では医師の給与7割カットに踏み切った病院も。病院側は「このままでは地域医療が崩壊する」として県に入院制限の緩和を求め、県は20日、緩和を決めた。

 緊急時避難準備区域にある南相馬市内の4総合病院(計792床)のうち唯一、夜間・休日診療を行う同市原町区の市立総合病院(230床)には5月、44人の救急患者が運ばれた。しかし、国は同区域での入院を原則認めず、具体的運用は現場に委ねており、病院が県に申し入れて入院は脳疾患に限り最大5人までで折り合った経緯がある。このため、脳疾患以外で入院が必要だった10人は他の病院に転送。夜、腸閉塞で運び込まれた男性を治療し、翌朝、区域外の病院に送ったこともある。

 相馬地方広域消防本部によると、同市の区域内の救急搬送は4月の85人から5月は110人に増えた。金沢幸夫院長(57)は「市民生活が通常に近い状態に戻れば一定数の急患が出るのに、『原則入院はダメ』というのは矛盾だ」と憤る。

 同市の人口は約7万人。事故で「屋内退避区域」が設定された後、一時は市人口が約1万人に減り、4総合病院は全入院患者を避難させた。しかし、緊急入院が必要な患者は多く、「大町病院」(188床)は4月初旬、県に入院診療の必要性を訴え、5床、72時間までの条件で認められた。その後、緊急時避難準備区域になり、事故前は約4万人いた市内の同区域内の人口も約2万5000人まで回復。同病院には最多時には20人超、現在も16人が入院している。猪又義光院長(66)は「リハビリが必要な患者も早々に退院してもらっているが、それでも5人以下は無理。条件を守っていたら助かる命も助からなかった。患者の生命が優先だ」と語気を強める。

 同病院では震災前、医師12人を含む職員約200人がいたが、入院制限後は医師9人を含む約70人態勢に縮小した。入院にかかわる収入が7割を占めるため、多くが退職や休職に追い込まれ、残ったスタッフも医師の給与7割カットを始め、5月から70〜30%減給にした。看護部長の藤原珠世さん(52)は「みんな『地域医療を守る』という志だけで働いているが、職員の生活も崩壊寸前」と語る。

 4病院は今月9日、県に入院制限の緩和を要請した。県は、各病院の医師や看護師の態勢などを確認。これまで入院が認められていなかった「小野田病院」「渡辺病院」を含め、4病院で計10床だった制限を205床にすることを決めた。

 50床を割り当てられた大町病院の猪又院長は「緩和はまだ少ないが、ぎりぎりのタイミングではあった。今後、休職中の看護師らに復帰を呼び掛けたい」と話している。(太田雅之、上村健太)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110620-OYT1T00851.htm?from=navr

入院にかかわる収入が7割を占めるため、多くが退職や休職に追い込まれ、残ったスタッフも医師の給与7割カットを始め、5月から70〜30%減給にした。

これは厳しいですね…

「入院制限の緩和」で、よい方向に向かうことを願います。


1週間前の記事も貼っておきます。
南相馬の救急医療危機 市中心部が緊急時避難準備区域に
河北新報 6月14日(火)6時13分配信

 福島県南相馬市の地域救急医療が危機に陥っている。福島第1原発事故で、市中心部の原町区が緊急時避難準備区域(原発から20〜30キロ圏)に入り、救急病院であっても、入院のための病床数が確保できなくなってしまったためだ。準備区域に指定されている限り、状況は基本的に変わらず、病院関係者らは政府に区域指定の解除を訴えている。

 南相馬市によると、市内で現在診療を行っている医療機関は60カ所(1日現在)。交代で夜間・救急診療を担当している病院は原町区に4カ所、鹿島区に1カ所あるが、原町区で入院患者に対応できるのは、市立総合病院と民間の大町病院の2カ所だけ。残りは外来のみになっている。
 政府は4月22日、南相馬市内に、警戒区域(原発から20キロ圏)や緊急時避難準備区域を設定した。南部の小高区はほぼ全域が警戒区域になり、原町区のほとんどが準備区域に入った。
 立ち入り禁止の警戒区域と異なり、準備区域内で生活することは構わないが、非常事態が起きた場合にすぐに避難できる住民に限られる。自力で避難することが難しい患者を受け入れることは、病院であっても原則として認められていない。
 そのため入院患者を受け入れることも、ほぼ不可能になった。病院側の訴えによって5月中旬、2施設合わせて10床を確保したが「公的な許可ではなく、事実上の黙認」(市内の医療関係者)だという。
 しかも入院は72時間に制限され、その後は福島市などの病院に搬送しなければならない。「72時間では経過観察がせいぜい。十分に対応することは難しい」と市内の医療関係者は話す。
 残る1カ所は、区域指定されていない市北部の鹿島区にある鹿島厚生病院。同病院には80床あるものの「救急患者を南相馬地域内で全て受け入れるのは困難で、救急診療の輪番制は事実上機能していない」(南相馬市健康づくり課)という。
 原町区内での入院制限は病院の経営も直撃している。救急病院の輪番制に加わっている小野田病院の菊地安典院長によると、震災前には約200人の医療スタッフがいたが、入院制限に伴って30〜40人にまで縮小した。
 菊地院長は「入院制限が続けば、経営への影響は避けられず、地域の救急医療の崩壊を招きかねない」と危惧する。
 南相馬市内の医療の現状に対し、桜井勝延市長は「病床数の増加や入院期間の延長などについて、現実的な対応を政府に求めていきたい」と話し、改善策を早急に要望する考えを示している。
(加藤敦)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110614-00000010-khk-l07



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