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無過失補償、医療事故再発防止と併せ検討へ−厚労省検討会が初会合
医療介護CBニュース 8月26日(金)21時33分配信 医師に過失がなくても、医療事故で死亡したり、障害を負ったりした場合に補償金を支払う「無過失補償制度」について検討する、厚生労働省の「医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会」(座長=里見進・東北大病院院長)の初会合が8月26日に開かれた。この中で、無過失補償制度と、医療事故の原因究明や再発防止策の仕組みを併せて検討すべきだとの意見が相次いだ。 同検討会は、政府が4月に閣議決定した規制・制度改革の方針で、「保険診療全般を対象とする無過失補償制度の課題などを整理し、今年度中に検討を開始する」としていることを踏まえ、補償の範囲や水準など制度の枠組みを議論する。 初会合では、医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」や、日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度」など、無過失補償制度などの現状について関係者から説明を受け、意見交換を行った。 この中で委員からは、「医療事故に対する無過失補償制度と、原因究明や再発防止策を『車の両輪』とし、セットで議論すべきだ」との意見が相次いだ。初会合に出席した岡本充功厚労政務官も、「原因究明や再発防止策なしに、救済制度だけが出来上がるとは思っていない」との認識を示した。 厚労省は今後、月に1回程度のペースで会合を開くが、報告書を取りまとめる時期などは決めずに、幅広い議論を促す方針。まず海外での無過失補償制度の現状などについてヒアリングを行い、それを踏まえて課題を整理したい考えだ。 <無過失補償>厚労省検討会が初会合…「半年後にも報告書」 毎日新聞 8月26日(金)21時42分配信 医療事故で患者が死亡したり、重い障害が残ったりした場合に、医師に過失がなくても補償金を支払う「無過失補償制度」の創設に向けた厚生労働省の検討会の初会合が26日開かれた。対象とする医療分野の範囲や補償水準など具体的な制度設計について話し合う。座長の里見進・東北大学病院長は「半年後を目標に報告書をまとめたい」と話した。 医療事故が起きると患者側は民事訴訟を起こして損害賠償を求めるのが一般的だが、立証が難しく時間がかかるため、患者側の負担の重さが指摘されていた。無過失補償制度は、患者や家族を早期に救済し、医療関係者の負担を軽減することで医療の質の向上を図る狙いがある。 産科分野の一部では09年から同制度を導入。出産はリスクが高く、過失の有無の判断が難しいためで、赤ちゃんが重度の脳性まひで生まれた場合に一定の要件を満たせば総額3000万円を支払う。財源は、運営組織の財団法人が分娩(ぶんべん)機関から保険料を集め、民間保険会社を活用して賄っている。 委員からは「補償だけでなく、事故の原因究明や再発防止の在り方についても併せて議論すべきだ」などの意見が出され、今後、海外の取り組みも参考にしながら議論を進める。【佐々木洋】http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110826-00000104-mai-soci メンバーはこんな感じです。 有賀 徹 昭和大学病院 病院長 飯田 修平 練馬総合病院 病院長 岩井 宜子 専修大学法科大学院 教授 印南 一路 慶應義塾大学総合政策学部 教授 遠藤 直幸 山形県山辺町長 岡崎 誠也 高知市長 加藤 良夫 栄法律事務所 弁護士 貝谷 伸 全国健康保険協会 理事 里見 進 東北大学病院 病院長 椎名 正樹 健康保険組合連合会 参与 高杉 敬久 日本医師会 常任理事 豊田 郁子 新葛飾病院 セーフティーマネージャー 松月 みどり 日本看護協会 常任理事 宮澤 潤 宮澤潤法律事務所 弁護士 山本 和彦 一橋大学大学院法学研究科 教授 吉川 和夫 東京都 副知事 「無過失補償と原因究明・再発防止は分けて議論」、医師委員
医師委員が、現実的な発言をしてくれてるのを聞いて、ほっとしました。無過失補償制度の必要性については支持する委員が多かったが、意見が分かれたのは、制度設計に向けた議論をどのように進めていくかという点。前述のように有賀氏は、検討会の名称に「医療の質の向上に資する」との形容詞を付けた理由を質し、「無過失補償制度が存在した方が医療全体の質がよくなるだろうとの感想を持っているのか」と質問。厚労省の“医療事故調”案は、原因分析から再発防止、さらには責任追及までも含めた包括的な制度設計をしており、一つの制度でこれらに対応するのは問題が多いことなどから、反対意見が出ていた。今回の無過失補償制度の議論でも、同様の展開になる懸念が有賀氏にはあったものと見られる。 同じく医療者側の立場の委員である、練馬総合病院病院長の飯田修平氏も、「有賀氏と同様の違和感を持った。医療の質の向上は当たり前のこと。医療は安全ではなく、危険なもの。安全の定義は、許容し得るリスクをどう考えるかであり、それは国民が決めていくもの。医療は危険であることを前提に制度設計をしていく必要がある。原因究明・再発防止は分けて議論すべき。そうでなければ、医師の基本的人権は阻害される可能性がある」と指摘。厚労省の“医療事故調”案が責任追及まで包含した制度設計になっていることを念頭に置いた発言だ。関連して有賀氏は、「『無過失補償と、原因究明・再発防止は車の両輪』という言葉はいいが、原因究明して医療の質を向上させる取り組みは、我々は既にやっている。これ以上、無理を強いてほしくない。この点をぜひ理解してもらいたい」と述べた。 日本医師会常任理事の高杉敬久氏も、「いきなり無過失補償の話に行くのは、うれしくもあるが、大変だと思う」とコメント。日医は7月に「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言」を公表し、同提言では最後に、「患者救済制度を創設する」としている。高杉氏は、「医療者と患者は、医療の結果で対立するのであり、不幸なことが起きた場合にいかに患者に納得してもらうかがカギ。不満で納得せず、訴訟せざるを得ないことをなくしていくのが質だろう」とつけ加えた。 「無過失補償と原因究明・再発防止は合わせて議論」、弁護士委員 これに対し、弁護士の委員からは、「車の両輪」で議論していく必要性を指摘する声が相次いだ。 栄法律事務所の加藤良夫氏は、「検討会の名称に、『医療の質の向上に資する』という言葉が入っていることは大切。医療の質の向上につながる制度にしていかなければいけないのは当然。第一に、誰もが質の高い医療を受ける権利を有しており、それを提供する責務を国が負っている。事故事例を集めて、再発防止に生かしていくシステムが、一体的に車の両輪のように機能することにより、無過失補償制度が命を得ることになる。訴訟対策的に捉えられるなどの誤解があるが、無過失補償制度は、安全で質の高い医療を実現していくことが目的」と述べた。 さらに、加藤氏は次のような考えも示した。「有害事象には、未解明、未知のものなど、様々なものがある。過失の場合もある。過失の有無を延々と議論している間、『医療の結果、気の毒な状況になっている人を、そのままにしていていいのか』との考えに基づくのが、無過失補償制度。ただし、過失な明白なものについては医療側が賠償しなければいけない。無過失補償制度を作っても、責任が明確になれば、損害賠償で救済される道が残るのは当然のこと」。 宮沢潤氏も、産科医療補償制度にかかわっている立場から、「原因究明と無過失補償は、やはり不可分。補償は現在苦境に落ち行っている人をどうするかという考えに基づくものであり、原因究明は将来に向けてどのように再発防止をするかという視点。この検討会で、両者を全体として議論していくことが必要ではないか。医療には不確実性がある。また全国規模で同じ事故が繰り返されることもある。その問題はどこにあるのかを議論していくことが必要」と指摘。さらに、医療の損害賠償訴訟における患者側の勝訴率が30%を下回っている現状を指摘、「立証の難しさもあり、救済がされないという現実も考えていかなければいけない」とした。 無過失補償に、私は期待しているのですが… |
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2011年08月27日
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