放射性物質を過剰投与 検査で子供84人に 甲府市立病院 産経新聞 9月1日(木)9時40分配信 甲府市立病院(小沢克良院長、同市増坪町)で、平成11年から今年までに腎臓病の検査を受けた15歳以下の患者145人のうち84人に対し、日本核医学会の推奨投与量を上回る放射性物質「テクネチウム」を含む検査薬を静脈注射していたことが1日、同病院への取材で分かった。患者が必要以上の量の被曝(ひばく)にさらされたことになる。 病院によると、日本核医学会の推奨投与量(成人)185メガベクレルを超える量を、検査担当の男性放射線技師が投与していた。腎臓撮影などの検査で、投与量を増やすと短時間で診断に堪える画像を得られるといい、放射線技師は、病院側の調査に「より短い時間で鮮明な画像を得られるよう、多い量を投与した」と説明したという。 病院は保護者と患者本人に個別に事実関係を説明したいとする書面を送付した。同病院の中野博事務総室長は「現時点で健康被害は確認されていないが、子供は放射線の健康被害を受けやすく、希望する方に検査を継続したい」と話している。 1面トップで報じた、朝日の記事です。 子ども150人、過剰内部被曝
http://www.asahi.com/health/feature/kajohibaku0901A1_01.html2011年9月1日付 朝日新聞東京本社朝刊から 甲府市立甲府病院(小沢克良〈かつら〉院長)の放射性物質(放射性同位元素)を使った検査で、日本核医学会などが勧告する基準を超える同位元素が投与され、子ども約150人が過剰に内部被曝(ひばく)していたことがわかった。同病院は1日、会見を開き、調査結果を公表する予定。(大岩ゆり、板垣麻衣子) 同病院で1999年から今年までにこの検査を受けた15歳以下の子どもに同医学会や日本放射線技師会など複数の推奨基準を超える量のテクネチウムが投与された。うち40人が10倍以上だった。 過剰投与された子どもたちの全身の内部被曝線量を算出すると生涯の推計で平均約30ミリシーベルト。多い子で150ミリシーベルト以上だった。 患者に何らかの利益がある医療被曝と何の利益もない原発事故の被曝は単純に比較できないが、福島県による東京電力福島第一原発周辺の住民の検査では、これまで全員が生涯の内部被曝線量(推計)が1ミリシーベルト未満だった。 全身の被曝線量が100ミリシーベルトを超えると成人でもがんのリスクが高まる恐れがある。子どもは放射線の健康影響を3倍以上受けやすい。ただし、今回は間隔をあけて複数回の検査を受けた子も含まれることなどから、検査直後に健康被害が出る被曝線量ではないとみられている。 大半の子が腎臓の働きを調べる検査を受けており、腎臓に特化した影響を示す内部被曝線量の値は平均約350ミリシーベルト。約3700ミリシーベルトに達した子もいた。 腎臓の被曝線量のように特定の臓器の被曝線量は全身被曝線量より高くても健康への影響は比較的少ないとされるが、どの程度少ないのかはわかっていない。 テクネチウムの半減期は約6時間と短いが、注射で体内に入れるため完全に消えるまで被曝が続く。しかも放出される放射線は比較的透過力が強い。 同病院で放射性同位元素を使った検査の担当者は放射線技師。検査の画像の質を高める目的などで、独自の判断で基準を超える量の放射性物質を検査薬に入れたことで起きたとみられる。医師が患者に投与する際に見逃されていた可能性が高い。 同病院では、過剰被曝を受けた子どもの家族に通知を送り、希望者には健康への影響を検査する予定。 同病院の小沢院長は8月31日、朝日新聞の取材に「現時点では(詳細を)お話しすることはできない」と答えた。 神谷研二・広島大原爆放射線医科学研究所長は「治療や検査が目的でも、無駄な被曝は許されない。最小限必要な線量だけを、きちんと管理して投与すべきだ」と指摘する。 同様の検査は全国の病院で、推計年間約140万件実施されており、今後、適切に実施されているかどうか確認が重要だ。 ◆キーワード <放射性同位元素を使った検査> 「核医学検査」と呼ばれる。放射性同位元素を、調べたい臓器に集まる性質がある薬剤に添加し、患者に静脈注射などで投与する。放射線を検出できるカメラで、体内から出る放射線を撮影し、検査薬が、どのような速さで、どこに、どれだけ集まってくるかを調べることで、臓器の働きや病気の有無がわかる。 <テクネチウム> ウランが核分裂した際などにできる放射性物質。テクネチウム99mなどの同位体がある。人工的に作られた初の元素。医療用のテクネチウム99mは元の量の半分になる半減期が約6時間と、ほかの同位体よりもずっと短い。医学的な検査が終われば、速やかに減っていくため、患者や周囲の人が被曝し続けることを避けやすいという利点がある。腎臓の機能のほか、がんの転移や、脳の働きを診る検査でも利用されている。 声明にある通り、基本的には病院の管理・運営体制の問題ですよね。 放射性医薬品の過剰投与事故について 平成23年9月1日 日本核医学会 理事長 玉木長良(北海道大学) 平成23年9月1日、甲府市立甲府病院における放射性医薬品過剰投与事故が公表されました。核医学関連の専門家からなる日本核医学会は、医療における放射線の適正な利用を推進し、放射線の医療利用に伴う事故・事故を防止する活動を従来より継続的に行っており、今回の事故はきわめて残念と考えています。当学会は、医療における放射線の適正利用にむけて一層努力することを国民の皆様にお伝えします。 当学会は今回の事故公表に際し、放射性医薬品の適切な使用を通じて核医学が国民の皆様の医療に貢献していることをお伝えし、事故調査に協力したことを発表するとともに、本事故について以下の様に見解を発表します。 1.今回の被曝は医療被曝であり、福島原発事故に伴う公衆被曝とは全く異なった事例であります。医療被曝は、適切な検査適応にもとづき、承諾の上で行われる被曝で、不特定多数に対する被曝では無いこと、検査による明白な利益があること、が根本的な違いであります。このたびの事故は、検査適応については問題がなく、もっと少ない被曝線量で検査が施行できたはずである、すなわち、検査の最適化が不十分であったことが問題であります。過剰投与が長期間にわたり繰り返されたことは、該当医療機関の管理・運営体制の問題と考えられます。 2.公表されたような過剰投与が起きたことはきわめて残念ですが、このような事故の再発を防ぐためには今回の事故の原因と核医学検査の管理体制について調査が必要と当学会は考え、事故の当事者である病院の要請に応じて、事故調査に協力する専門家を派遣し改善策を提案しました。 3.公表された事故に伴う放射線被曝による急性障害は観察されませんでした。慢性期の障害も現在まで観察されておりません。 4.今回の対象であるTc-99m DMSAシンチグラフィは、膀胱尿管逆流やその他腎奇形に起因する腎盂腎炎において、腎臓の瘢痕化を評価し治療方針決定に役立つ有用な検査と世界的に認められており、これを診療に用いることは適切と考えます。 5.核医学検査およびその他の放射線検査の安全の確保については、日本核医学会は「核医学診療事故防止指針」を作成し広く会員に開示し、安全の確保について注意を喚起してきました。このガイドラインのなかで、管理運用体制のあるべき姿についても記述しております。 6.日本核医学会は「放射性医薬品取り扱いガイドライン」を日本核医学技術学会、日本放射線技師会、日本病院薬剤師会と共同して策定し、 平成23年6月10日に公表し、放射性医薬品の取り扱いについて注意を喚起しております。 7.日本核医学会は会員医師に対して、2008年に「核医学診断ガイドライン2008 核医学専門医による提言・勧告」を刊行・配布し、従来より適正な核医学診断の進め方を提唱してきました。 8.放射性医薬品の副作用事故は日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会主催で毎年アンケート調査され、日本核医学会「核医学」誌に掲載(最新版は第48巻1号、29-41頁、2011年)されています。継続的なこの調査の結果、現在使用されている放射性医薬品の副作用発生率は100,000件あたり1.1件ときわめてすくなく、核医学検査は一般的に安全で、今回の事故は極めて例外的であることを、ご理解お願いします。朝日の記事は不安を煽り過ぎかと… |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2011年09月01日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]




