うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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カンガルーケア「後遺症と関連なし」…大阪地裁
読売新聞 9月12日(木)9時15分配信

 母子の絆を強める狙いで新生児を母親が胸に抱く「カンガルーケア」(早期母子接触)が原因で長女(2)の脳に重い後遺症が生じたとして、大阪府の両親らが府内の病院を運営する医療法人に約2億7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は11日、両親側の請求を棄却した。

 黒野功久裁判長(杉浦徳宏裁判長代読)は「後遺症とカンガルーケアに関連性があるとは言えない」と述べた。弁護団によると、カンガルーケアを巡っては、さいたま、福岡両地裁などで少なくとも6件の訴訟が係争中だが、判決が出たのは初めて。両親側は控訴する方針。

 判決によると、母親は2010年12月、府内の病院で長女を出産した直後にカンガルーケアを受けた。両親側は、長女の呼吸が途中で停止し、低酸素脳症を発症したと主張し、「病院側がリスクの説明や経過観察を怠った」と訴えていた。

 判決で黒野裁判長は、長女は授乳時に窒息した可能性があると指摘したうえで、「医療関係者でなくても、授乳時に窒息の危険があることは容易に理解でき、回避もできた。病院に防止すべき法的義務があるとまでは言えない」と述べた。

<カンガルーケア>後遺障害の女児側の請求棄却 大阪地裁
毎日新聞 9月11日(水)20時42分配信 

 新生児を母親の胸に直接肌を合わせて抱かせる「カンガルーケア」で重い後遺障害が残ったとして、大阪府内の女児(2)と両親が、同府内の病院を経営する医療法人を相手取り、計約2億7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であった。黒野功久(よしひさ)裁判長(杉浦徳宏裁判長代読)は「カンガルーケアとは関連性がない」などとして、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

  カンガルーケアを巡る訴訟は、さいたま、松山、宮崎、福岡の各地裁などで係争中。原告側弁護士によると、今回の判決が初の司法判断という。

  判決によると、母親(28)は2010年12月、この病院で女児を出産した。女児は、分娩(ぶんべん)室であおむけになった母親の胸で約1時間抱かれ、母親が授乳した後に呼吸が停止した。原告側は、女児は低酸素脳症に陥って意識が戻っておらず、カンガルーケアのために低体温になったり授乳時に窒息したりしたのが原因と主張。ケア中の経過観察を怠った病院側に責任があると訴えていた。

  判決は、女児がタオルにくるまれていたとして低体温を否定。授乳で窒息した可能性は認めたが、「窒息の危険は医療関係者がいなくても容易に回避できる」と指摘、病院側の責任を否定した。

  判決後、記者会見した父親(29)は「非常に残念だ。このままでは今後も事故が続いてしまう」と話した。医療法人は「コメントは差し控えたい」としている。【渋江千春】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130911-00000095-mai-soci

カンガルーケアや完全母乳等による低酸素脳症被害者の会のHPから、
ご両親のコメントです。
大阪でのカンガルーケア裁判が、一審で敗訴となりました。

判決内容をまとめると以下の通りです。
◾低体温、低血糖には的確に裏付ける証拠がない。
◾窒息は可能性があるが、これはカンガルーケア中ではなく授乳中であり、授乳は母と児の生理的な行為で、授乳をしながら鼻腔圧迫すれば窒息することは医療関係者じゃなくても容易に回避できるので、病院側に防止すべき義務はない。
◾ガイドラインには「決して守らなければならない規則ではない」旨の注記があり、観察義務はない。

原告のご両親から下記の通りコメントを頂いております。

 非常に残念な結果が出てしまいました。病院側から呼吸が安定すると言われてカンガルーケアを行ったのに、呼吸停止してしまい、さらには自己責任ともとれる判断をされてしまいました。

 カンガルーケア中の授乳(といっても咥えるだけ)では、電気を消され、顔色もわからない暗い部屋で、子どもの頭まで布団を被され、観察できないような状態で家族のみにされました。
 出産で疲弊した母親は子どもを抱える腕にすら力が入りませんし、子どもの頭頂部しか見えません。
さらに、病院側はガイドラインを知っていたにも関わらず、うちでは事故は起こらないと過信していたため、私たちは呼吸停止するリスクも知りません。
 機械的モニターなんかピーピーうるさいからという理由で付けませんでした。授乳体勢で鼻腔が圧迫されているように見えたので「窒息しませんか?」と助産師に訊くと、「大丈夫です。苦しくなったら自分で呼吸できるように動きますから」と説明までされていました。

 この判決内容では納得できませんし、今後も被害者が出続けることを考えると怒りさえ覚えます。

 今後、控訴する予定とのことです。
http://kc.xrea.jp/2013/09/11/osaka/#more-455

個人的には、医療者の十分な監督なしでのカンガルーケアには反対ですが、
今回は原告側の訴訟戦術に問題があったのかもしれません。

「子どもの頭まで布団を被され」たのに、低体温になったり窒息した、という主張はどうかと…
「観察できないような状態で家族のみにされました」ということには、問題があると思いますが…

控訴審の行方にも注目しています。

ただ、これらの訴訟によって、安易なカンガルーケアは減ったと、私は思っています。


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