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<横浜市の監察医>解剖、1人で年3835件…質確保に懸念
毎日新聞 4月3日(木)7時10分配信

 死因究明の解剖を巡り、横浜市の監察医が2012年度に1人で3835件を担っていたことが所管する神奈川県への情報公開請求などで分かった。医師1人が担当できる解剖数は年間数百件が限界とされる。解剖の質が担保できなければ犯罪死などの見逃しにつながりかねず、法医学関係者からは懸念する声が上がっている。【一條優太】

【犯罪死見逃し防止目的の「新法解剖」】実施率上がらず

 警察が扱った遺体のうち、犯罪性は一見してないが死因がはっきりしない場合、東京23区と横浜▽名古屋▽大阪▽神戸の4市では監察医が解剖する。監察医制度のないその他の自治体では遺族の同意を得て医師が「承諾解剖」をする。

 毎日新聞が情報公開請求で入手した文書などによると、12年度に横浜市であった監察医解剖は1707件。同市では神奈川県から委嘱された5人の医師が解剖に当たっているが、横浜市内の男性開業医が98%に当たる1673件を担当。承諾解剖についても神奈川県(横浜市を除く)全体で2423件あったが、89%の2162件を行っていた。

 合わせれば、1日当たり10件を解剖した計算で、遺体を外から見て調べる「検案」も年千数百件以上実施していた。この医師による監察医解剖は01年度の791件から徐々に増え、05年度以降は毎年1000件以上。そうした状況下で、13年に神奈川県警が扱った遺体で解剖が行われたのは4348件、解剖率は34.2%で、いずれも全国1位だった。

 こうした現状について東京都監察医務院の福永龍繁院長は「1人で解剖できる件数は頑張っても年300件台が限界」とし、他の複数の法医学者も同様の見方を示す。

 県の数年前の調査によれば、同医師の医院には助手や記録員らスタッフ12人が在籍。稼働は午前7時から午後7時ごろまでで、休日は年間数日。1件の解剖に30分〜2時間程度かけているという。

 ただ、解剖は医師にしかできないため、同程度のスタッフを抱えていても、やはり年間数百件が限度とされている。医師は毎日新聞の取材に対し、「外部からの取材は断っている」とスタッフを通じコメントした。

 日本法医学会理事長の池田典昭・九州大大学院教授は「開業医に監察医を委嘱する神奈川の方法は間違っている。専用の施設を設けるか大学を中心に運用すべきだ」と指摘する。

 委嘱している側の神奈川県医療課は「施設やスタッフといった体制面などから受け入れ可能な施設が他になく、集中せざるを得ない」と釈明。県は弁護士らでつくる県監察医委員会の議論を踏まえ、監察医制度の廃止を含め見直しを検討する方針。

 ◇監察医制度、運用に差

 1人の監察医に対する解剖の極端な集中ぶりが明らかになった横浜市。同様に監察医制度を持つ4都市(東京23区を含む)の実情をみると、中身は大きく異なる。国の制度なのに、運用と財源は自治体に任されているためだ。

 最も充実しているのは東京23区。専用施設の都監察医務院(文京区)は地上4階、地下1階のビルで2015年完成に向け改築している。監察医の他に薬毒物などの検査技師13人も抱える。

 大阪市も専用施設の府監察医事務所があるが、敷地面積は東京の10分の1ほど。監察医は全員非常勤で検査技師は3人。神戸市は神戸大の施設を兵庫県が間借りし法医学教室と解剖室を共有する。唯一の常勤の長崎靖監察医務官は「予算が少ないことが一番困る」とこぼす。名古屋市では財政的な理由から制度が形骸化し、ここ数年の解剖は年間数件しかないという。

 一方、横浜市。かつては同市立大の法医学者が主体となって解剖を引き受けていたが、退職後は個人の解剖医が中心となって請け負うようになったとされる。神奈川県から委嘱された監察医5人のうち2人が大半の検案を担当、解剖はこの2人のうち1人に集中する。また他都市と大きく異なる点が、解剖費用の負担の在り方だ。他都市は公費で賄っているが、横浜は財政上の理由から原則遺族負担だ。県によると、検案は1件3万〜4万円、解剖は1件約8万円が監察医に支払われている。

 都監察医務院の福永龍繁院長は「東京と同様の制度を全国に拡大すべきだ」と主張するが自治体や法医学者には異論もある。解剖ができる法医学者が1人しかいない県も少なくなく、運用には膨大な経費が必要になるからだ。

 死因究明の在り方を議論している内閣府の検討会も全国拡大案は採用しない見通しで、福永院長は「可能かどうかの議論の前に、監察医制度は全国になければならない」と訴える。【一條優太】

 ◇監察医制度◇

 病気予防や感染症拡大防止などを目的に、監察医が体の表面を見て調べる検案や解剖を通じて死因を見極める。解剖する際、遺族の承諾は不要。事実上、犯罪死の見逃しを防ぐ役割も果たしている。東京23区と横浜、名古屋、大阪、神戸の4市で導入され、各都市のある都府県が運用する。戦後に餓死者などが相次いだことを受け、GHQ(連合国軍総司令部)の指示で創設された。全国7都市で始まり各地への拡大も期待されたが、京都、福岡両市では財政難から間もなく廃止された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140403-00000009-mai-soci

東京都監察医務院の福永龍繁院長は「1人で解剖できる件数は頑張っても年300件台が限界」とし、他の複数の法医学者も同様の見方を示す。

私も同感です。

では、どうして年間3000件以上の解剖ができるのか?
どうしてですかね?(爆)



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