うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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3月3日に病院が記者会見をした後、しばらくしてからHPに報告書が公表されました。
 群馬大医学部付属病院の野島美久病院長は3日、記者会見で「ご遺族の皆様には大変な心配と心痛、迷惑をおかけしたことを深くおわびします。まことに申し訳ございませんでした」と頭を下げた。男性医師については診断書への虚偽記載を受け、「医師の適格性に疑問がある」として2日から一切の診療行為をさせず、上司に当たる第2外科教授も診療科長の業務を停止させたという。

 野島病院長によると、男性医師は「このような事態になり申し訳ない」と話しているが、死亡例が相次いでも手術を続けた理由は説明していないという。

 遺族側の弁護団は、腹腔鏡手術で死亡した8人のうち2人について、詳細を独自に調査している。弁護士の一人は取材に対し「病院の調査は執刀医の真意に迫っておらず不十分。開腹手術での虚偽報告は意図的だったことが疑われる。刑事責任を問われてもおかしくない」と指摘した。【尾崎修二】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150303-00000101-mai-soci

報告書
手術の巧拙よりは、術前のインフォームドコンセント不足や、術前検査の不足、
術後管理の不適切さを指摘し、
「以上のことから、過失があったと判断される」ですべて締めくくっています。

そして、この報告書を受けて、弁護団は刑事告訴を検討しているようです。
 群馬大学病院第二外科(前橋市)による肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、遺族側の弁護団が6日、前橋市内で記者会見し、病院側の調査は同科教授や執刀医からの聴取が不十分で全容が未解明として、徹底した調査を求めた。

 「重大で悪質な医療過誤を繰り返した」とも指摘しており、執刀医の刑事告訴も検討する。

 遺族側の弁護団は、医療事故の被害者救済などを行う医療問題弁護団の弁護士8人が2月初旬に結成。これまで、腹腔(ふくくう)鏡(きょう)手術、開腹手術を受けて死亡した患者の遺族から相談を受けてきた。このうち正式依頼を受けた2人について、腹腔鏡手術に詳しい東京都内の大学病院消化器外科専門医の協力を得て独自に調査してきた。

 その結果、弁護団は、病院側がまとめた腹腔鏡手術に関する調査報告書に対し、〈1〉執刀医と教授に対する病院の聴取が不十分〈2〉報告書とカルテの記載内容に食い違いが複数あり、調査全体の信用性に疑問――などの問題を挙げた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150307-00050001-yom-soci

実際の報告書を読んでも、執刀医は調査に協力してないと、私には思われますが、
その最大の理由は、(上の話のように)調査報告書が民事・刑事訴訟に流用されるからです。

この現状は、
世界保健機関(以下、WHO)のドラフトガイドラインでは、医療安全分野の報告システムの目的として、失敗から学んで再発を防止する「学習」を目的とする場合、報告した医療者を懲罰しないこと(非懲罰性)や、報告された情報の秘匿性が重要であるとしています。
という原則に反します。(全国医師連盟の緊急声明より参照)

その結果、『事故の当事者』は調査に協力せず、
医療安全の向上に結びつかない、つまり次の医療事故被害者を防げなくなるのです…

群大の執刀医に刑事を与えても他者への教訓にはならず、次の事故被害者を防げないのです。

その辺を理解したうえで、事故調査制度を構築しないと意味がないのです。

診療科長もこんなだったそうですし、個人に罰を与えて終了では医療安全には役立ちません。
 同じ執刀医による肝臓手術で18人が相次いで死亡した群馬大学病院第二外科では、死亡症例検討会がほとんど開かれておらず、診療科長の教授は病院側の調査に「死亡例が続いているという認識はなかった」と答えたという。他のチームから問題を指摘されることもなく、閉鎖的な体制が深刻な事態を招いた。

 同病院では、医療過誤と疑われる症例があった場合、安全管理部門に報告する制度を設けていたが、報告基準が明確でなく、判断は現場の医師任せだった。執刀医や教授は1例も報告しておらず、野島美久よしひさ病院長は「医師の申告がないと把握できない」と説明。集中治療部の医師が「腹腔鏡手術で死亡例が複数ある」と情報提供し、昨年6月頃に調査が始まるまで問題は見過ごされていた。

 同病院によると、執刀医は、2010年12月に腹腔鏡を使った肝臓手術を始めたが、初めの2例は、経験豊富な腹腔鏡技術認定医に立ち会ってもらい実施。うち1例で死亡していたが、原因の検証は不十分だった。3例目以降は技術認定医の支援がないまま行い、結果として死亡例が重なったとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150310-00010000-yomidr-hlth

この事件の行く末にも、大いに注目しています。


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この件でも、多くの社説などが出てますが、だいたいはこんな感じです。
 病院は医療事故が起きたら背景も含めて原因を徹底的に追及し、再発防止に結び付ける。他の診療科や病院でも情報を共有し、同じ事故を二度と繰り返さない。この大原則を忘れてはならない。
http://www.sankei.com/column/news/150309/clm1503090002-n1.html

『再発防止』はわれわれも切に願っていることですが、

今回のように、報告書が刑事訴訟に繋がるのなら、『自らに不利となる証言をしない』ということで自衛するしかありません。


それは医療安全の向上につながらず、萎縮医療を招き多くの患者さんを不幸にすることを、
どうかご理解頂きたいものです。

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