うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

泌尿器科の日常

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大野病院事件加藤先生に無罪判決が出たのは、5年前の8月20日でした。

周りの熱気を含めて、とにかく暑かったことを、今でも覚えています。

その頃に比べると、医療事故の報道は激減し、医療系ブログもすっかり少なくなりました。

事件が風化しつつあるのは良いことかもしれませんが、
忘れてはならない、二度と起こしてはいけない事件だと思います。

変な医療事故調ができてしまったら、再び暗黒の時代がやってくるかもしれませんが…
ここ最近は、ネタ不足もあって更新も滞りがちですが、
結構な数(1日1000人以上)のご来訪を頂いています。

何はともあれ、7月7日に200万アクセスを突破しました。

このブログで日本の医療が良くなるとは、私もあまり思っていませんが、
「そういえばあの時、こんな話があったなあ」という記録を、
若干の私の意見を交えて、今後とも書き綴って行くつもりです。

これからも宜しくお願いします。m(__)m

社説:医療事故調 信頼確立の第一歩だ
毎日新聞 2013年05月31日 02時32分

 医療には予測できないことが起こる。全国の医療機関での「予期せぬ死亡事故」は推計で年間1300〜2000件ある。突然、肉親を亡くした遺族が失意と混乱の中でどうして事故が起きたのか原因解明と説明を求めるのは当然だ。医療側にミスがあれば謝罪を求め、責任追及し、金銭的な賠償が必要な場合もある。再発防止を祈念する遺族も多い。

 ところが、現実には医師から納得できる説明がなされることは多くなく、責任追及を恐れて医療側が口をつぐむと原因解明は進まず、再発防止にもつながらない。単純ミスやカルテの隠蔽(いんぺい)、同じ医師が事故を繰り返すケースもあって民事訴訟は後を絶たない。一方、刑事訴追された医師が無罪となり、医療側から強い批判が起きたこともある。医師らはリスクの高い産科や小児科を避けるようになり、病院や診療科の閉鎖の原因となっているとも言われる。いくつもの矛盾が重なって医療不信と医療崩壊の震源となっているのだ。

 航空機や鉄道事故の調査委員会のように、責任追及とは別に独立した機関による原因解明が必要だ。厚生労働省の委員会がまとめた医療版事故調査制度(医療事故調)によると、死亡事故について調査する民間の第三者機関の設置とともに、全国の病院や診療所、歯科診療所、助産施設など計18万施設に院内調査と調査結果の報告を義務づける。院内調査には外部の医師も加えて客観性を担保するが、遺族が納得できない場合は第三者機関が改めて調査する。第三者機関は警察へは通報しない。

 報告を義務づけられることに医療側から懸念の声も出ているが、患者や遺族が納得できる原因解明のためには不可避だろう。問題は第三者機関の性格だ。国内の多数の医療団体が参画して事故調査の実績を積んでいる一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京都港区)が検討されているが、公平性や実効性を高めるために調査権限や独立性をどう規定するかは重要だ。また、小規模病院や診療所の場合、院内調査には医師会や大学病院の協力が必要だ。調査結果の公開や捜査機関との調整、患者の費用負担をどうするかなど煮詰めるべき問題は多い。

 医療事故調は患者や関係団体が以前から必要性を訴え、厚労省は設置法案の原案も作成したが、責任追及を恐れた医療界からの反発もあり、民主党政権下で動きが止まっていた。今回の医療事故調は医師と患者双方の信頼を確立するものにしなくてはならない。第三者機関が警察へ直接通報することはないが、遺族には医師側の過失が明らかで刑事訴追の恐れがある内容も伝えるべきだ。信頼は真実を隠したところには生まれない。

時論公論 「医療事故調 創設へ」
2013年05月31日 (金)
飯野 奈津子 解説委員

<イントロ>
 病院で治療を受けている時に、思わぬ事態が発生して命を落としてしまう。そうした医療事故の原因を究明して再発防止につなげようと、新たな事故調査制度の具体案がまとまりました。かねてから必要性が指摘されながら、実現しなかった制度の創設に向けて、ようやく一歩踏み出した形です。今夜の時論公論は、この制度を医療の安全性の向上と信頼回復にどうつなげていくのか、考えていきます。

<なぜ事故調か?>
 まず、なぜ新たな医療事故調査制度が求められてきたのか。その点をみておきます。

 これは、医療を巡って患者や家族が起こした民事訴訟の件数です。ごらんのように増え続け2004年には1110件。その後少し減ってはいますが、最近でも一年間に800件程度訴訟が起きています。

 裁判に訴える人たちに話をききますと、事故の真相を知りたい、ミスがあれば謝罪してほしい、受けた痛みを無駄にしないためにも、再発防止を徹底してほしい。多くの人がこう応えます。事故が起きた時、医療側から何が起きたかさえ十分説明されない中で、真相を知りたいと、やむなく、裁判に訴えているのです。しかし、民事訴訟では患者側と医療側が直接争うことになるので、溝が深まることがあっても、この3つの願いがかなうことは、まずありません。

 一方こちらは、警察が刑事事件として立件送致した医療事故の件数です。こちらも2000年以降増えていて、今も90件あまりに上ります。事故の真相究明を求めて刑事告訴する被害者が出てきた上に、警察も医療事故を積極的に事件化するようになったからです。ところが、医療現場に捜査のメスが入いるようになったことで、医療の委縮ともいえる現象が広がっています。産科や外科など命と隣り合わせの診療科に医師が集まらなくなったり、難しい医療を敬遠したり。一生懸命やっても犯罪者にされてはたまらないという思いが、医療者の中に生まれてしまったのです。
 
 このように、裁判や警察の捜査に頼っていては、患者や家族の願いがかなわないばかりか、医療の崩壊も進んでしまう。そうした危機感から、事故の原因を究明して再発防止につなげる新たな仕組みを求める声が、患者側・医療側双方からあがっていたのです。

<新たな事故調査制度とは>
 そうした中で、今回、厚生労働省の検討部会が新たな事故調査制度を打ち出しました。実は、5年前にも似たような制度が提案されましたが、その時には、一部の医師の反対や政権交代などもあって頓挫してしまいました。今回は仕切り直しての再挑戦という形です。具体的にどんな制度が提案されたのでしょうか。

 対象になるのは、診療に関連して起きた予期しなかった死亡事例ですが、今後、対象を拡大する方向です。新たに民間の第三者機関が設置されます。亡くなる患者が出た場合、医療機関は、この第三者機関に届け出ると同時に、院内に事故調査委員会を設けて調査を始めます。調査結果は、第三者機関に報告され、遺族にも説明の上、開示されることになっています。

 もし、遺族がそれに納得しなかった場合は、申請を受けて第三者機関で改めて調査し、その結果は、遺族と医療機関に報告されます。

 第三者機関は、こうした個々のケースに対応するだけでなく、全国の医療機関から届いた院内調査の結果を検証・分析して、事故の再発防止策を普及啓発することになっています。

 一方、医療側が最も懸念していた、警察への通報や行政への報告は、今回第三者機関からは行わないことになりました。5年前に提案された制度では、悪質な場合には警察に通報することになっていたので、「個人の責任追及につながるようでは、調査を受ける医療者が本当のことを言わなくなる」と批判が相次いだからです。この制度の枠組みの中では、個人の責任追及はせずに、事故の原因究明と再発防止に徹しようというのが、今回の特徴です。
 
<新たな制度の評価と課題>
 さて、どうでしょう。
 事故の被害者や医療関係者が議論を重ね、新たな制度の創設を打ち出せたことは、大きな前進だと思います。この制度が機能すれば、事故の真相を求めて起こされる裁判や刑事告訴が減って、結果として医療の委縮に歯止めがかかり、医療の安全性も向上するのではないでしょうか。問題は、この制度をいかに実効性のあるものにしていくかということです。そのための課題は大きく3つあります。

●もっとも重要なのは、院内の事故調査の客観性や公正性をどう高めるかです。
 全国の病院や診療所などが対象になりますが、独自に調査できる能力を持つ施設はそう多くはないと思います。そこをどう支援するのか。支援体制の充実と人材確保が大きなポイントです。
また、身内の調査で本当に大丈夫かという声もあります。透明性を高めるために外部の医療の専門家を入れることを原則としましたが、遺族が希望すれば、委員会の議論を傍聴できるようにするといった工夫も必要ではないでしょうか。
●制度の最終目的である、事故の再発防止策をどう徹底するかも重要です。第三者機関が再発防止策を普及啓発するとしていますが、情報を発信するだけでは不十分です。実際に医療現場でその情報をもとに何をどう改善したのか、そこまで確認する必要があると思います。実際に改善された状況をみることで、尊い命の犠牲が無駄ではなかったと、遺族も納得できると思うからです。
●この制度を運営するための費用をだれが負担するかも課題です。院内調査の費用は医療機関が負担し、第三者機関に再調査を依頼した時には、遺族が一部の費用を負担するとしています。しかしこれで再調査の申請が抑制されることはないのか。さらに議論が必要だと思います。
 
<大事なのは医療機関の姿勢>
 それともうひとつ、私がもっとも重要だと思うのは、それぞれの医療機関がどう遺族と向き合うかということです。いくら制度ができても、包み隠さず説明するという姿勢がなければ、遺族との信頼関係を築くことはできないと思うからです。
 実際に、事故に遭遇した患者や家族に寄り添い、真実を説明することを徹底している病院を取材しますと、その重要性がよくわかります。

 神奈川県相模原市にある社会保険相模野病院では2004年から真実説明の取り組みをすすめています。これは、そのための5原則です。事故・失敗を隠さない。患者が気づく前に話す。過誤があれば謝罪する。当たり前と思われるかもしれませんが、医療界では訴訟で不利になるからと、こうしたことをしないことが不文律でした。この3つを職員に徹底するために重要なのが、「病院は職員を徹底して守るが隠蔽した場合は許さない」。この宣言です。正直に話して患者とトラブルになった場合、個人の責任を問われるのではと心配する職員もいるからです。
 この病院では、事故が起きた場合に、原因を究明して再発防止に力を尽くし、職員を守る姿勢を打ち出したことで、だれもが包み隠さず真実を話せるようになったということです。その結果、こんな変化が出てきています。
▼事故を巡るトラブルが減って、訴訟に発展するケースがなくなったうえに、
▼職員の安全意識が高まり、自ら経験した、事故につながりそうな事例を積極的に報告して、事故防止に取り組むようになったということです。
 
<まとめ>
 そもそもなぜ、医療事故を巡る裁判や刑事告訴が増えたのでしょうか。事故に遭遇した患者や家族に、医療側への不信感が生まれたからです。医療には不確実なことが多く、予期しない事態が起こることがありますし、人間がやることですからミスも起きます。そうした時に、患者や家族にどう向き合うのか。新たな事故調査制度ができることは大きな前進ですが、それが本当に信頼回復につながるかどうかは、それぞれの医療機関の姿勢にかかっています。
 
(飯野奈津子 解説委員)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/157359.html

両紙とも、内容はだいたい同じです。

第三者機関が警察へ直接通報することはないが、遺族には医師側の過失が明らかで刑事訴追の恐れがある内容も伝えるべきだ。

医療側が最も懸念していた、警察への通報や行政への報告は、今回第三者機関からは行わないことになりました。

医療者が正直に『過失』を告白した結果、遺族などによる告訴・告発が激増するかもしれませんね…

現在ですら、生きてる患者さんへの医療が崩壊しつつあるのに、
「死んだ被害者」の事故調査に忙殺されるようになったら、困るのは一般市民なのですけどね…
この話の続報ですが、とにかく法案提出へと突き進むようです…
医療事故調査の新制度創設へ
5月29日 17時13分 NHKニュース

 医療事故で患者が死亡した際の調査について、厚生労働省は、医療機関側の調査結果に遺族が納得できなかった場合は、新たに設置する民間の第三者機関が調査を行う制度を作ることを決めました。

 これは29日に開かれた専門家や遺族らによる厚生労働省の検討会で決まったものです。
 それによりますと、国や医療機関から独立した民間の「第三者機関」を新たに設置し、医療事故で患者が死亡した場合、医療機関はすべてのケースを第三者機関に届け出るとしています。
 そのうえで、まず医療機関が事故原因の調査を行って、その結果を遺族に説明し、遺族が納得できなかった場合は、遺族からの申請を受けて第三者機関が調査を行うとしています。
 第三者機関は警察に通報しないとしていますが、第三者機関が作った報告書を捜査や裁判に利用することを禁じておらず、医療機関の一部からは「調査を受ける医療者が真実を話しにくくなり、再発防止につながらないのではないか」という懸念の声も上がっています。
 これについて、厚生労働省は「第三者機関は、刑事責任を問うためでなく医療の専門家も加わって再発防止を目的にして原因を調べるもので、懸念は当たらない」としています。
 厚生労働省は今後、第三者機関のメンバーや運用方法について検討を進め、次の臨時国会で第三者機関の設立を盛り込んだ医療法改正を目指す方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130529/k10014929451000.html

厚生労働省は「第三者機関は、刑事責任を問うためでなく医療の専門家も加わって再発防止を目的にして原因を調べるもので、懸念は当たらない

厚生労働省の官僚が、(医療事故を起こして)訴えられることは無いですからね…

第三者機関が作った報告書を捜査や裁判に利用することを禁じておらず

ですから、『第三者機関が作った報告書』を用いて、医療者個人の民事・刑事責任を問われるケースが
必ず出てくるはずです。(それなのに黙秘権は担保されていない…)

そもそも、刑事告発があれば、全ての資料は警察に持ってかれてしまい、
第三者機関が調査する資料など、殆ど残らないのではないでしょうか?

医療事故調、第三者機関に全例報告−遺族に一定の費用負担
医療介護CBニュース 5月29日(水)21時15分配信 

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」は29日、診療行為に関連した予期しない死亡事例の原因究明と再発防止を目的にした医療事故調査制度案を決めた。死亡事例が発生した場合、医療機関は第三者機関に届け出るとともに、院内調査を実施する。遺族や医療機関から申請があれば、第三者機関が調査を行う。第三者機関が実施する調査の費用については、遺族などに一定の負担を求めることにした。

 13回を数えた同検討部会は、この日が最後となった。厚労省は今後、第三者機関の設置などを定めるための医療法改正に着手し、秋に開かれる予定の臨時国会に、同法改正案の提出を目指す。第三者機関への届け出手順など、制度運用上の細かなルールは、ガイドラインで規定する。ガイドラインについては、新たに検討の場を設け、議論を急ぐ考えだ。

 第三者機関への届け出義務が生じるのは、病院、診療所、助産所を含む医療機関。新たな制度の中核になる第三者機関は、民間組織で全国に1つ。第三者機関が行う調査は、各都道府県に設置する「支援法人・組織」と一体になって実施する。調査を実施する上で、医療機関の協力が必要になるが、それに応じなかった場合には、その旨を報告書に記載し、公表するなどのペナルティーを科す。

 この日の会合では、遺族に対し、第三者機関に調査申請する際に生じる費用負担を求めるかどうかで、ぎりぎりまで議論が続いた。費用負担について、「原因究明を医療の延長線上と考えた場合、遺族に負担を求めるのは適切ではない」などの意見も出たが、遺族の申請を妨げるハードルにならないよう、減免措置など講じることで落ち着いた。

 また、この日は、院内調査の構成員を規定する文言を決定するのにも、多くの時間を割いた。議論の結果、「中立性・透明性・公正性・専門性の観点から、原則として外部の医療専門家の支援を受けることとし、なお必要に応じて、その他の外部の支援を求めることができる」などと明記することで決着した。【君塚靖】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130529-00000007-cbn-soci

<医療版事故調査制度>院内調査に外部医師
毎日新聞 5月29日(水)22時45分配信

 診療行為中に起きた予期せぬ死亡事故の原因を究明する「医療版事故調査制度」の概要が29日、固まった。国内すべての病院や診療所に対し、第三者の立場で原因を調べる民間の事故調査機関に死亡事故を届け出たうえで、院内調査と結果の報告を義務付ける。院内調査に原則外部の医師を入れて客観性を担保するが、遺族が調査結果に納得できない場合は事故調が直接調べることも可能になる。

 制度のあり方を検討してきた厚生労働省の有識者会議で内容がまとまった。厚労省は今後、手続きを定めるガイドラインを作成したうえで医療法改正案をまとめ、早ければ今秋の臨時国会に提出する方針。

 相次ぐ医療事故に対し、遺族からは医療機関側による原因究明が不十分との指摘が出ていた。医療界からも医師個人の刑事責任を追及するより、再発防止に向けた中立的な立場での調査が必要との声が上がり、法律に基づく調査機関の設置に向けて2007年から検討が続いていた。

 新制度では、事故調が歯科診療所や助産施設を含め、全国計約18万施設の事故事例を集め、原因を分析することになる。

 厚労省は、全国の医療機関で起きる予期せぬ死亡事故は年間1300〜2000件に上ると推計している。

 厚労省は、一部地域で事故調査のモデル事業を行っている一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京都港区)などを調査実施機関にすることを検討している。院内調査に外部の専門医がスムーズに加われるよう、都道府県医師会や医療団体が支援する。

 事故調は遺族の申請があれば院内調査と並行した独自調査も行う。医療機関側も院内調査とは別に事故調に対して自ら調査を申請できる。

 将来的には重い障害が残った事故なども調査対象にする方向で検討する。警察への死亡事故の届け出は事故を起こした医療機関が行い、事故調は通報しない。

 遺族に事故調の調査費用の負担を求めることについては、一部有識者から反対の声があったが、調査の申請を妨げることのない金額になるよう配慮し、所得によって減額することでまとまった。【桐野耕一、奥山智己】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130529-00000118-mai-soci

医療事故調関連法案、臨時国会に提出へ−モデル事業を念頭に制度設計
医療介護CBニュース 4月18日(木)17時16分配信 

 厚生労働省は、医療事故調査制度を整備するための医療法改正案を、秋にも開かれる予定の臨時国会に提出する方針だ。医療事故調については、同省の「医療事故に係る仕組み等のあり方に関する検討部会」で議論されており、同省のモデル事業を引き継いでいる日本医療安全調査機構の仕組みをベースに、新たな制度を構築する考えだ。制度設計を急ぎ、制度の運営費や医療機関を財政支援する費用などは、来年度予算の概算要求に計上する。

 厚労省の検討部会は医療事故調について、院内事故調と院外の第三者機関の二層構造にすることで、ほぼ一致。同省は、医療法が医療機関の安全管理体制などを規定しているため、同法改正で制度全体の枠組みを整備することにした。院内での事故調査の手順や、第三者機関への届け出の方法については、同省のガイドラインで定める。医療法改正案にはこのほか、病床機能情報の報告制度も盛り込まれる。

 18日に開催された検討部会では、診療行為に関連した死亡事例はまず、医療機関が院内で原因究明し、遺族などがその調査結果に納得できない場合、院外に再調査を申請できる仕組みにすることを確認した。ただ、遺族などが医療機関に不信感を持ち、院内での調査を望まないケースでは直接、院外に調査を依頼できる仕組みも選択肢として残した。医療機関は、再発防止につなげるために、調査結果を第三者機関に届け出ることになる。

 また制度の運営費については、第三者機関に調査を申請する医療機関や遺族などに負担を求める意見が大勢だったが、遺族などに過度の負担を強いることにより、医療の質向上につなげる原因究明を抑制する恐れがあるため、国が一定程度は補助すべきとの意見が聞かれた。

 一方で、医療界代表の委員からは、院内事故調メンバーは医療専門職で構成すべきとの意見が根強い半面、法曹界代表は、透明性や公平性を確保するためにも医療専門職以外の第三者を一定割合で参加させるよう求めているほか、民間組織にする第三者機関の業務範囲について意見が統一されていないため、今後の議論はなお、曲折が予想される。【君塚靖】
下記の全国医師連盟の声明のごとく、課題山積のままとにかく法案提出へ向かうようです…

厚労省としては、法案を提出したという実績を作りたいのか、
「第三者機関」という新たな天下り先を作りたいのか…

私なら、「院内事故調」ですら当事者となったら肉体的・精神的に辛いので、
なるべくリスクのある処置を避ける方向で、診療するようになりそうですけどね…
医療事故調査関連の医療法改正案への緊急声明
一般社団法人全国医師連盟 執行部        

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の第12回会議が4月18日に開催され、会議後、厚労省医政局総務課長が医療事故調査を行う第三者機関の創設を盛り込んだ医療法改正法案を今秋に臨時国会が開催されれば提出する方針を明らかにしたと報道されている。

 現行検討されている医療事故調査組織は、日本の刑法の制約もありWHOガイドラインの掲げる真相究明、再発防止のための事故調査とは程遠い。真相究明と再発防止を目的とするのであれば、今回の事故調査法案には看過できない問題があると考え緊急声明を発表する。


1.院内調査を中心とする制度では、医療機関内部において利害対立が生じた場合に公正な調査が行われる保障がなく、病院管理者側が特定の医療従事者個人をスケープゴートに仕立てて責任を押しつける危険がある。(東京女子医大事件の反省)

 医療従事者個人が、院内調査の結論について不服がある場合に、第三者機関に対して事故調査を依頼する道筋を設けるべきである。


2.刑事捜査や刑事訴追の抑制に関し、法的な規制がなされておらず、法務省・検察庁・警察庁等の関係機関との間で、公式な取り決めすら無い。警察、検察が自主的に捜査や訴追を手控えることを期待するのみに留まっている。

 刑事手続面では、刑事訴訟法を改正し、事故調査が刑事捜査に優先することを明記すべきである。将来的には刑法の業務上過失致死罪規定の廃止や親告罪化等の改正を行うべきである。


3.現行法下では医療事故につき、医療者個人が刑事責任を問われる可能性がある以上、事故調査によって得られた証言の取り扱いには留意すべきである。

 すなわち、事故の真相に迫るには、医療従事者に安心して、隠し立て無く全てを供述してもらわねばならない。そのためには、事故調査で得られた資料のうち、カルテ等客観的な資料を除いた関係者の証言部分については、刑事裁判の証拠にできないことを、刑事訴訟法に定める必要がある。

 もし、刑事裁判における証拠採用の余地を残すのであれば、憲法上の黙秘権の保障(憲法38条)の趣旨からして、事故調査の対象者に黙秘権を認めなければならないと考える。

以上


参考文献

1.第12回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000003005u.html

2."事故調"の創設法案、今秋国会の提出目指す
院内調査先行、遺族の第三者機関への依頼も可
2013年4月19日 橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/170536/

3.WHO GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSYTEMS
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf#search='WHO+GUIDELINES+FOR+ADVERSE+EVENT+REPORTING+AND+LEARNING+SYSYTEMS'

4.「過失を犯罪とする刑事法体系を見直すべきである。」
一般社団法人全国医師連盟代表理事 中島 恒夫
Vol. 92, 2013年4月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp/mt/2013/04/vol92.html#more

5.医療の安全確保と診療の継続に向けた、医療関連死および健康被害の原因究明・再発防止等に関する試案 [平成20年11月12日 全国医師連盟]
http://zennirenn.com/opinion/2012/03/-201112.html

2013年04月20日 全国医師連盟
http://zennirenn.com/opinion/2013/04/post-21.html

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