うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

医療崩壊

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本日から10月です。

紆余曲折の末、医療事故調査制度が本日からスタートしました。
 患者が死亡する事故を起こした医療機関に、条件付きで院内調査と第三者機関への届け出・報告を義務付ける「医療事故調査制度」が10月1日にスタートした。医療事故の原因究明と再発防止が目的で、全国の病院や助産所など約18万カ所が対象になる。だが、届け出は医療機関の判断次第で、第三者機関の要員不足も懸念されるなど、課題を抱えたままのスタートになる。

 調査は医療機関の管理者(院長)が患者の死亡を「予期しなかった」と判断した場合に限って、遺族に説明したうえで第三者機関の「医療事故調査・支援センター」に届け出て自ら調査を始める。調査費用は原則医療機関の負担。地元の医師会などが専門家を派遣してサポートする。

 調査終了後、医療機関は報告書をセンターに提出する。遺族への報告書提示は医療機関の努力義務にとどまる。センターは報告書を分析し、再発防止策を打ち出す。

 遺族は院内調査に不服があれば、経費2万円を負担してセンターに再調査を依頼できる。センターの調査は院内調査の検証が中心で、報告書を医療機関と遺族に提示する。

 医療機関が事故を「予期できた」と判断した場合は調査はなく、遺族の異議申し立ても認めていない。

 厚生労働省からセンターの指定を受けた一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京)は、医療機関から年間約1000〜2000件の届け出があり、うち300件前後について再調査の依頼があると見込んでいる。

 医療事故の遺族から「院内調査の費用負担を嫌う病院が事故を届け出ないのでは」などの懸念が出ているほか、職員が約50人しかいないセンターの要員不足も指摘されている。機構の木村壮介常務理事は「制度は院内調査がきちんと行われることを前提にしている。医療機関が試される制度になる」と話している。

 機構は制度に関する相談を専用ダイヤル(03・3434・1110)で受け付ける。【古関俊樹】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150930-00000088-mai-soci

毎日新聞ですから、主に遺族側から見た内容です。

医療機関から年間約1000〜2000件の届け出があり、うち300件前後について再調査の依頼があると見込んでいる。

これを処理する能力があるのでしょうか…

資金の潤沢な産科医療保障制度は、上手く回っているようですが、
今日で3年になる消費者事故調は、やっと10件だそうです。(調査中含めて)

どうなるか注目しています。


医療事故の遺族から「院内調査の費用負担を嫌う病院が事故を届け出ないのでは」などの懸念が出ている

10万円と言われる医療機関の負担金額など、大した問題ではありません。

何が嫌かというと、膨大な時間を調査に取られることと、計り知れないストレスがかかること。
そして、調査にきちんと協力しても、その後に民事・刑事訴訟が待ってるかもしれないことです。

まあ、刑事訴訟リスクのない新聞記者に理解してもらえるとは、思っていませんが…


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 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で昨年4月、造影剤の誤投与で女性患者=当時(78)=が死亡した医療事故で、センターは28日、指導、監督が不十分だったとして中村利孝院長を戒告の懲戒処分としたと発表した。

 処分は25日付。医療安全管理部門の責任者は訓告、整形外科の責任者は厳重注意とした。

 センターは「造影剤などの管理徹底や研修を実施するなど再発防止に努めてきたが、医療安全のさらなる向上に努める」としている。

 事故では、脊髄造影検査で投与が禁止されている造影剤を確認せず使用し、女性を死亡させたとして、整形外科勤務の女性医師の有罪判決が確定している。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015092801001949.html

「だから何?」という話です。

そもそも院長が警察に届け出たのが、誤りであり、刑事訴訟に発展しました。
結果として、若い研修医の医師生命が断たれかねない(少なくとも数年は、臨床現場では働けない…)、
大きな社会的損失につながった訳です。


この10月から、事故調が本格始動します。
こういう事例が増えるのか減るのか、注目しています…



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 会議後に記者会見した上田委員長は、大学側の調査で新たに12人の死亡が判明し、公表されていた18人と合わせ30人の死亡例が示されたことを明らかにした。今後、診療内容を詳しくみる医学的評価を専門学会に委託。30人の死亡例を中心に問題を調べる。

 初会合では、調査対象を2007〜14年に同病院で行われた肝胆膵(かんたんすい)(肝臓、胆道、膵臓)の全手術とすることなどを確認した。上田委員長によると、この日は大学側が経緯を説明し、委員が意見交換した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00050117-yom-soci

前回の調査報告書は
各症例を検証した結論の中に「過失があった」と加筆している、本当に酷いシロモノでしたが、
今回の委員で出す報告書は、同じくらい酷いものになりそうな気がしますね…

というのも、委員はたった6人(現時点)で、臨床の一線で働く医療者は多分いませんね…
検証対象となる肝胆膵分野の専門家はおらず、医学的な調査については専門学会などに依頼する予定。上田氏は「共通認識を得るため、病態、どんな手術で危険性があるのかについて、委員会でレクチャーを受ける必要がある」としている。
http://www.m3.com/news/iryoishin/353197

こんな方々に、『再発防止に資する提言』が可能だとは、私には思えません。


そして、あの遺族団体の幹部である勝村久司氏の名前が委員に入っています…

誰が人選をしたのかは知りませんが(厚労省主導?東京で開催されてますしね)
どんな報告書ができるか、楽しみです。(苦笑)

10月から始まる医療事故調を破滅させるような、インパクトのあるモノを期待しています。(苦笑)


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読売は夢物語を語ってますが、
 今後の調査では、遺族の疑問に答えうる誠実な精査が求められる。その上で、今度こそ、真の再発防止に資する調査結果を出さなければならない。(読売新聞・前橋支局 染木彩)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150831-00010001-yomidr-soci


主治医(執刀医)個人への責任追及が続く限り、
「遺族の疑問に答えうる誠実な精査」など無理ですけどね…
 日本医師会と全国医学部長病院長会議は19日、地域や診療科ごとの医師の偏在を解消するための緊急提言の骨子を発表した。

 骨子は、〈1〉生涯にわたり異動を把握する「医師キャリア支援センター」を各大学に設置〈2〉臨床研修は原則、出身大学のある地域で行う〈3〉地域の診療科ごとに必要な医師数を把握する――など。「現在の医師不足の本質は、絶対数ではなく、地域・診療科ごとの偏在にある」としており、近く正式な提言書にまとめ、厚生労働省などに提出する予定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150819-00050103-yom-soci

実際の骨子はこんな感じ(PDF)です。

重要そうな部分をコピペしておきます。
1、医師キャリア支援センター
(1)各大学に「○○大学医師キャリア支援センター(仮称)」を設置する。
(2)すべての医学生は当該大学、卒業生は各出身大学の「医師キャリア支援センター」に登録する。「医師キャリア支援センター」は医学部入学から、卒業後も、生涯にわたって医師の異動を把握する。そして、学部教育、診療参加型実習、研修医マッチング、臨床研修、専門医、生涯教育にわたって医学生・医師のさまざまな相談に乗り、キャリア形成を支援する。医師の異動を把握するため、現在の医籍登録番号を有効に活用する仕組みを検討する。

後略

2、出身大学がある地域での臨床研修
(1)「医師キャリア支援センター」は臨床研修希望者と面談し、研修先の相談に乗る。臨床研修は原則、出身大学の地域(出身大学の関連病院のある範囲を含む)で行う。臨床研修医の需要が均衡しない地域では、「医師キャリア支援センター連絡協議会」で各地域の情報を共有し、需要調整を支援する。

後略

3、病院・診療所の管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入

4、地域ごと診療科(基本領域)ごとの医療需給の把握

5、医学部入学定員の削減と新たな医学部設置認可の差し止め

まあ、実現すれば、大学医局や医師会はかつての権力を取り戻せますね。(笑)
同窓会の連絡も楽になるでしょう。

言ってる内容は、2010年からまったく進歩がありません。

医師の人権無視なところまで同じです…

そもそも、

今後医師不足が深刻化するのは、現時点で医師不足に喘ぐ過疎地域ではなく、大都市とその近郊

なのですが、何時までたっても理解できないようです。(笑)

万が一、この制度が機能して、大都市に医師が流れなくなったら大変なことになるでしょう…

まあ、実現可能性はほぼゼロですが…


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 東京地裁は14日、禁錮1年、執行猶予3年(求刑・禁錮1年)の判決を言い渡した。

 大野勝則裁判長は、「初歩的な過失で責任は重いが、被害者や遺族に謝罪している」と述べた。

 判決では、飯高被告は同病院の研修医だった昨年4月16日、足の痛みで検査入院した女性(当時78歳)の脊髄の造影検査を行った際、重い副作用の恐れから脊髄への投与が禁止されている造影剤「ウログラフイン」を誤って注射し、女性を急性呼吸不全で死亡させた。

 判決後の記者会見で女性の長男(52)は「本当に反省しているのか疑問。病院は事故の責任をとって安全管理体制を構築してほしい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150714-00050122-yom-soci

予想通りではありますが、残念な判決です…


m3の記事が詳しいですが、相変わらず、ご遺族は
「本当に反省しているなら、医師としての仕事は一切やらない、医療に従事しないでもらいたいと訴えた。ただ、今でも大学病院で研究職をしている。反省しているなら、医師免許を返上して、医療の現場からは離れてもらいたい」(次男)
http://www.m3.com/news/iryoishin/339845

などと言ってるそうです…


このように、単純過失で個人への責任追及をしても、
システムエラーの改善にはつながらず、同じような事故は続いています。

怒りに燃えるご遺族が、そのことを理解できないのは仕方がありませんが、
裁判官がそれに迎合し、厳しい判決を出すようでは困りますけどね…

私は、こういう辛い経験をした医師は、より慎重に勉強熱心になって戻ってくると思いますので、
(医業停止が明けてからの)彼女の今後の医師としての未来を、応援させていただきます。


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ちなみに、首ひねり事件求刑は同じく禁錮1年だそうです…
嘆息が出ます…

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さすらい泌尿器科医
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