うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

救急医療

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受け入れ拒否2時間半、事故の車椅子の女性死亡
読売新聞 7月1日(金)11時48分配信

 さいたま市で29日夜、車椅子の女性(38)が乗用車にはねられ、30日に死亡した。

 女性は12の病院に受け入れを断られ、処置を受けた病院に搬送されるまで約2時間半かかっており、さいたま市南消防署は「搬送に2時間半もかかったのは異例。死亡との因果関係を検証する」としている。

 同消防署や埼玉県警浦和署によると、女性は同市見沼区大谷、無職星野美穂さん。29日午後10時15分頃、同市南区曲本の市道を1人で横断中に、市内の男性(73)が運転する乗用車にはねられた。救急車は同26分に現場に到着したが、受け入れを求めた8病院が「専門医がいない」、4病院が「処置が困難」として断ったという。受け入れ先がようやく決まり、搬送されたのは翌30日午前0時55分で、女性は同日午後2時頃に腰の骨折による出血性ショックで死亡した。

お亡くなりになった女性の、ご冥福をお祈りします。m(__)m

『受け入れ拒否』と出ましたね…

埼玉県は全国でも有数の医師不足ですので、こういう事が起きてもまったく不思議はありません。
(実は搬送時間が最長なのは東京都です)

受け入れを求めた8病院が「専門医がいない」、4病院が「処置が困難」として断ったという。

誰がバッシングされるのか?注目して行きます。

どうして「専門医がいない」と受け入れを断るのか?
それは、結果が悪いとこのように訴えられるからです。
『当直』翌日も通常勤務の病院がまだまだ多いですし…)

マスコミや消防署には、なかなか理解してもらえませんが…



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車いす女性 搬送断られ死亡
7月1日 19時1分  NHKニュース

29日、さいたま市で交通事故にあった車いすの女性が救急車で運ばれましたが、12の病院に受け入れを断られて、搬送先が見つかるまで2時間以上かかったうえ、救急隊が当初、比較的けがの程度は軽いと判断していたものの、腰の骨を折っていたため、その後、死亡していたことが分かりました。消防局では救急隊のけがの程度の判断や、搬送するまでの対応が適切だったのかなどを検証することにしています。

29日の夜10時すぎ、さいたま市見沼区の無職、星野美穂さん(38)が、さいたま市南区の市道を車いすで横断しようとして乗用車にはねられました。駆けつけた救急隊は、星野さんは、ひじや肩にかすり傷や打撲があったほか、腰の痛みを訴えていたものの、意識ははっきりしていたため、「比較的けがの程度は軽い」と判断したうえで、搬送先を探しました。ところが、「専門外」や「処置困難」といった理由で12の病院に断られ、搬送先が見つかったのは、2時間余りあとの先月30日午前0時半ごろになったということです。しかも、星野さんは実際は腰の骨を折っていたため、これが原因で30日午後2時ごろに死亡しました。さいたま市消防局では「搬送先が決まるまでに2時間以上かかるのはあまりない」としており、当初、救急隊が「比較的けがの程度は軽い」と判断した理由や、搬送先を探す際の対応が適切だったのかなどを検証することにしています。今回の事故について、さいたま市消防局救急課の関根正明課長は「1人の命を救えなかったことは非常に残念に思っています。救急隊員は女性から『腰が痛いから触らないでほしい』と言われ、骨折しているかどうかを確認できませんでした。病院から搬送を断られたことについては、消防局だけで解決できる問題ではないので、関係機関と連携し、円滑な救急業務に努めていきたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110701/k10013917751000.html

女性から『腰が痛いから触らないでほしい』と言われ、骨折しているかどうかを確認できませんでした。

これは、(専門外の)医師が診察しても同じだったかもしれません。

救急は恐いです…

かっこいい!


心肺停止の避難者 通りかかった女性医師が蘇生術
読売新聞(ヨミドクター) 6月26日(日)12時45分配信

 千葉県野田市内の病院に勤務する女性医師が23日、当直明けに乗用車で走行中、別の車の中で心肺停止状態となった高齢女性に心臓マッサージを施すなどして蘇生させた。助けたのは、東京電力福島第一原子力発電所事故で福島市から野田市に避難していた女性だった。

■福島から避難

 この女医は野田市中戸の東葛飾病院に勤務する内科医半谷(はんがい)京子さん(43)。救助されたのは、会社役員佐藤裕子さん(58)(野田市関宿)の母親で、4月末から佐藤さん方に身を寄せている福島市の斎藤ユキさん(83)。

 半谷さんは22日夜からの当直勤務が明けた23日午前8時半頃、朝食を取るため、茨城県境に近い路上で車を走らせていた。交差点に差し掛かったところ、右折車線でハザードランプを点滅させた車を発見。車内をのぞくと、佐藤さんが、後部座席の斎藤さんの心臓マッサージをしていた。

 半谷さんは「私は医者です」と声を掛け、佐藤さんに代わって5分間、人工呼吸と心臓マッサージを続けると、斎藤さんは目をゆっくりと開け、息を吹き返した。半谷さんは10分後に到着した救急車に同乗し、搬送先の病院まで付き添った。

■「ドラマのよう」

 佐藤さんによると、斎藤さんが22日に「胸が苦しい」と訴えたため、23日に斎藤さんを車に乗せ、病院に向かう途中、発作が起き、呼吸が止まり、けいれんを始めた。車を止め、心臓マッサージをしても意識は戻らない。「もうだめか」と思った時に、「まるでテレビドラマのように」半谷さんが現れたという。

 斎藤さんは入院中だが、順調に回復しているといい、佐藤さんは「何とお礼をしていいか」と感謝している。半谷さんは「医者としてではなく、一人の人間の本能として、自然に体が動いていた。命が助かって良かった」と、ほっとしていた。
本当に、ドラマのような話です。

半谷医師が現れる前に、娘さんが心肺蘇生をしていたのも良かったのでしょうね。

右折車線でハザードランプを点滅させた車

というのは、ちょっと危険ですが、左端に路駐してたら半谷医師も気づかなかったかもしれませんね。

いい話です。



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「延命治療はやめて」と高齢者願うも病院では「地獄の検査」
NEWS ポストセブン 6月16日(木)16時5分配信

【書評】『後悔しない最期の時の迎え方』(井尾和雄著/現代書林/1470円)
【評者】嵐山光三郎(作家)

 * * *

 超高齢化社会では「どうやって死ぬか」が深刻な課題となる。多くの高齢者が「延命治療はやめてほしい」と願っているが、救急車で病院に運ばれると、心肺蘇生処置が施され、酸素投与、昇圧剤投与、心電図、血圧がモニターされて「地獄の検査」がひかえている。

 CTスキャン、MRI検査、血液検査と実験動物みたいに扱われ、人工呼吸器を装着されたら、死ぬまではずせない。スパゲッティ状になって「拷問」されながら死んでいくことになる。

 終末期の患者に、こういった延命治療は不用である。

 ただし痛いのや苦しいのはいやですね。モルヒネやオピオイドという医療用合成麻酔薬を使って心地よく死んでいきたい。

 できれば「自分の家で死にたい」と思う人も多い。家族に見とられながら、昔の人のようにすーっと死ぬのが理想。病院では死にたくない。ところが大学の医学部には終末期医療の科目がない。さあ、どうしようと思い悩んでいる人のために現われた医者が井尾和雄氏なのである。

 ドクトル井尾は在宅医療の達人で、患者の家に出かけてケアし、看取る。病状を楽にする。麻酔科出身だから、疼痛緩和や呼吸管理が専門で、病人をスパゲッティ状になんかしない。つまり「家で死ぬ極意」を実施している。こういう医者を待っていた。

 井尾氏にはまだ会ったことはないが、この本を読んで、早いところ頼んでおこうと思った。ドクトル井尾の評判は毘友垣添忠生(元がんセンター総長)より聞いた。垣添忠生氏と東京大学で同級の麻酔医大村昭人(元帝京大学医学部長)氏より麻酔術を伝授されたというところも心強い。

 私はかねてよりドクトル大村にモルヒネをたっぷり使って看取ってくれ、と依頼していたが、ドクトル大村がやってくれるかどうかは不確定のため、ドクトル井尾にお願いしようと決意した。いまのところ元気なので、このような書評を書きおくことにした。

※週刊ポスト2011年6月24日号

多くの高齢者が「延命治療はやめてほしい」と願っているが、救急車で病院に運ばれると、心肺蘇生処置が施され、酸素投与、昇圧剤投与、心電図、血圧がモニターされて「地獄の検査」がひかえている。

私も「終末期の患者に、こういった延命治療は不用」だと思いますが、
何故、こういう不本意なことになってしまうかというと、
「終末期の患者が、救急車で病院に運ばれてしまう」からです。

仮に「救急車で病院に運ばれて」も、
『急変時には心肺蘇生はしない』という合意が、患者さん本人+ご家族と医療者側に出来ていれば、
「地獄の検査」を行わず、静かに看取ることは可能ですが、
死から目を背けている多くの日本人は、そういう話を避けています。

その結果、急変してからご本人の意思を確認するのは不可能であり(当然ですよね)
ご家族の意向もすぐに決まらない以上は、
医療者にとっても不本意な、高齢者に対する「地獄の検査や治療」を行わなければいけないのです。

ご理解頂けますでしょうか?


若い人の急変には、全力をもって救命に当たるべきですが、
高齢者の"想定外の"心肺停止は静かに見とりたいと、私は考えます。

ただ、

「静かな最期」を迎える為には、事前にご家族や主治医を交えよく話し合っておく必要があります。

それが出来てない限り、「想定外の急変時」には「地獄の検査や治療」を行わなければいけないのです。

われわれ医療者にとっても、「地獄の検査や治療」は不本意であることを、ご理解頂きたいものです。




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家族に見とられながら、昔の人のようにすーっと死ぬのが理想。病院では死にたくない。

安易な「在宅死」への憧れを抱いているようですが、
自宅で最期を迎えるのは、そんなに簡単ではないのですよ。

まず、在宅死の為には、24時間体制で世話をしてくれる優しいご家族やヘルパーさんが不可欠です。

また、がんで末期が近づくと、「痛い」「苦しい」「気持ちが悪い」「身の置き所がない」
などさまざまな症状が出てきます。

その際、どんな「在宅医療の達人」でも、在宅で使える武器(薬剤)は
病院で、医師や看護師の管理下で使えるものに比べ限られます。(特に最終手段の鎮静が…)

モルヒネやオピオイドという医療用合成麻酔薬を使って心地よく死んでいきたい。

と言われても、日本では人の安楽死は認められていません。
また、モルヒネ過量投与による副作用で、呼吸が急に止まった時になじられるのはこちらです。(涙)

被災3県の全仮設住宅群に診療所 厚労省
2011/05/08 19:03 【共同通信】

 厚生労働省は8日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県に建設する仮設住宅群すべてに原則、仮設の診療所を整備する方針を固めた。診療に当たる医師や看護師らも被災地だけでは足りないことから、日本医師会などに中・長期の派遣を要請。常時、千人程度の応援を送り込む。

 震災で被災地の地域医療は大きな被害を受けた。もともと医療過疎地だっただけに再建には数年以上かかるとみられ、仮設診療所での医療支援で「空白を埋める」(厚労省幹部)のが狙いだ。

 避難生活の長期化で、避難所では体調を崩す高齢者が増加、深夜に肺炎などで救急搬送される例も少なくない。仮設診療所では風邪から高血圧症の治療など地域の診療所で受けられるような初期医療を提供、感染症予防にも当たる計画だ。

 阪神大震災の際も十数カ所で仮設診療所が設けられたが、地域医療が徐々に回復したため、医療支援は医師や保健師の巡回が中心だった。

 厚労省では、近くに病院や診療所があるケース以外は、仮設住宅群に診療所を設置。近所に診療所があっても大規模な仮設住宅群には診療所を設け、すべての入居者が診療を受けられるようにする。

 厚労省は第1次補正予算で被災地への仮設診療所約30カ所の建設費として約10億円を計上したが、避難所周辺への設置が中心で、仮設住宅への本格的な整備は第2次補正予算からになる見通し。

 被災3県には5月2日現在で日本医師会の災害医療チーム(JMAT)や日本赤十字社の応援医師、看護師、保健師ら約1100人が展開。厚労省では「今後数年は現在の応援人員ぐらいは必要」としている。

診療に当たる医師や看護師らも被災地だけでは足りないことから、日本医師会などに中・長期の派遣を要請。常時、千人程度の応援を送り込む。

朝日の記事にあるように、被災地の医療体制は壊滅状態ですから、
どこかから医療者を呼び集めるしかないのでしょうが、

『短期の応援』ならともかく『長期の支援』をできる医療者は、何処に余っているのでしょうか?

それとも、強制的に「送り込む」のでしょうか?
医師会の力量にも注目ですね。

高齢者医療担う7自治体病院、早期復旧困難 岩手・宮城
2011年5月8日3時1分 朝日新聞 
     
 東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城両県の三陸海岸沿いの自治体にある15の公立病院のうち主に高齢者医療の受け皿となっていた7病院が全壊したり、常勤医師がいなくなったりして早期復旧が困難なことが朝日新聞社の調べで分かった。地元大学は医師会、県と医療機関の集約化を視野に入れながら、医療復興策の検討を始めた。 

 三陸海岸地域の医師は震災前から全国平均の約6割程度しかいない。医師不足の東北地方では、公立病院は地域医療の中心だ。15ある公立病院のうち、大きな被災を免れた8病院の多くは高度医療をになう基幹病院。残りの7病院は、100床以下の小規模な病院が多い。いずれも津波で病院内が浸水し、医療機器や病室が壊れてしまった。同じ場所への建設は困難だ。2病院は事実上、常勤医がいなくなった。主に受け入れていた長期療養が必要な高齢者は今、内陸部の病院に転院したり、自宅に帰らざるを得なかったりしている。 

 両県では今月、医療関係者中心の「医療版復興会議」を設け、本格的な協議を始める。医師を派遣する大学幹部らは、復興を機に、高度な急性期医療を提供する基幹病院を中心に強化し、地域の他の病院、診療所との役割分担を提案する。少ない医師でも質を落とさない効率的な医療を検討していく。「全壊状態」の小規模病院は、診療所での再開から始める。(月舘彩子、下司佳代子) 
http://www.asahi.com/national/update/0507/TKY201105070476.html

少ない医師でも質を落とさない効率的な医療を検討していく。

が「労働強化」に聞こえるのは、ssd先生とまったく同感です。


ちなみに、岩手県ではこんな感じの医師募集をしているそうです。
東日本大震災津波に係る診療応援について
2011年04月25日

岩手県医療局では、今回の震災による被災地域のため診療応援して頂ける医師を募集しております。
震災被災者への支援のため、医師の皆様のお力をお貸しください。ご連絡をお待ちしております。
なお、常勤医の募集も同時に行っておりますので、合わせてよろしくお願いします。

1 募集診療科
内科、外科、整形外科、精神科など

2 勤務地域 
岩手県内の被災地域等(具体的地域は希望に応じます。)

3 募集及び勤務期間
 募集期間:平成23年5月から当分の間
 勤務期間:原則2ヶ月以上

4 勤務内容
 当該地域での県立病院及び地域診療センター等での診療
 勤務病院によって、当直等あり

5 報酬等
 岩手県医療局が定める規程等により、支給
 宿舎等については、岩手県医療局において手配

6 問い合わせ先

  岩手県医療局医師支援推進室
   電話 019-629-6366
   Mail EA0006@pref.iwate.jp
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=1054&of=1&ik=3&pnp=82&pnp=1054&cd=32018

勤務期間:原則2ヶ月以上

というのは、医師でなくとも正規の仕事のある人には非常に難しい条件ですよね…

応援医師がコロコロ代わるのが嫌なのは、十分に理解できますが…



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診療録などの紛失、義務違反に当たらず−東日本大震災で厚労省
医療介護CBニュース 4月1日(金)20時24分配信

 厚生労働省は3月31日、医療機関などが一定期間の保存を義務付けられている診療録などの文書を東日本大震災の影響で紛失した場合には、医師法など関係法令に基づく保存義務違反には当たらないことを各都道府県と地方厚生(支)局に事務連絡した。

 文書の紛失は、書面だけでなく、オンラインで保存していたものが出力できなくなった場合も含む。

 事務連絡では、医療機関などが文書を紛失した際には、保存していた場所や紛失の理由、文書の名称などを記録して保存することとしている。また、患者の身体状況や病状について記載された文書を紛失した場合には、患者にその旨を説明して信頼関係の構築に努めることとした。

 このほか、震災による建物の破損などで、医療機関などの施設内部で文書を保存できなくなった場合には、▽必要なときに、文書をすぐに利用できる体制確保▽患者のプライバシー保護▽事故などが発生した場合の責任の所在の明確化―の3点の基準を満たした上で、外部施設で保存することを認めている。
当たり前のような気もしますが

こういう通達を出さないと、

震災による『診療録などの文書の紛失』で医師法違反に問われる能性があったのですね…orz


まあ、病院側も「千年に1度の大災害」に備えて、
2重3重(サーバー内とプリントアウトした紙など)のバックアップをすべきなのかもしれませんが、
保存場所の確保が大変そうですし、情報漏洩が恐いですよね…



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さすらい泌尿器科医
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