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日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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“犯人探し”より補償を! ワクチンのリスクとメリット&無過失補償制度とは
nikkei TRENDYnet 11月15日(月)12時1分配信

連載第6回では「新型インフルエンザワクチン騒動」がはらむ問題について解説し、薬害についても言及した。今回はこれに続き、「ワクチン無過失補償制度」について考えていく。

 連載第6回で、新型インフルエンザワクチンが法定接種とされなかったため、新型インフルエンザワクチン接種後に有害事象が起きても十分な補償は受けられないことになったことを解説した。ワクチン無過失補償制度がないことは、日本が「ワクチン後進国」となっている大きな要因のひとつだ。

 今の日本の補償制度はどうなっているのか。ワクチンを受けることで避けることができる病気、そのワクチンのリスクとメリットも含め、前回に続き医師、元・厚生労働省大臣政策室政策官、村重直子さんに解説してもらう。

Q1 リスク、メリットどうなってる? 年齢別で子どもが受けるべきワクチンとは?

Q2 リスク、メリットどうなってる? 大人だからこそ受けるべきワクチンとは?

Q3 ワクチンはどうすれば定期接種化できるの?

Q4 日本にも無過失補償制度はある?

Q5 日本では「過失がないのに過失を認定」?

Q6 日本の補償制度は「過失ありき」?

Q1 :リスク、メリットどうなってる? 年齢別で子どもが受けるべきワクチンとは?

 赤ちゃんが生まれてから乳幼児期に受けるワクチンは非常に数多く、おおむね0歳児は6種類15回、1歳児は6種類6回も接種する必要があるのをご存じでしょうか。

 「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会のワクチン接種スケジュールに詳細があります。

 VPDとは、ワクチンで防げる病気(Vaccine Preventable Diseases)のことです。小さな子どもは様々な感染症にかかりますが、1度かかったら最後、根治的な治療法がなく、生きるか、死ぬか、後遺障害が残るか、運を天に任せるしかない病気もたくさんあります。こうした病気をワクチンで防げるのなら、ワクチンを接種したいと考えるのが普通でしょう。

 ワクチン接種にもリスクがまったくないわけではありません。熱が出たり接種した部分が赤く腫れたりしますし、極めてまれとはいえ、重篤な後遺障害が起きる確率がゼロとはいえません。しかし命にかかわるVPDにかかることを考えれば、前者のような軽い副作用があっても、ワクチンを接種した方が良いと考えるでしょう。

 気になるのは、後者の重篤な後遺障害が本当にワクチンによるものなのか、どの程度の確率で起きるのかといった点です。

 諸外国では、データベースを公開し研究を重ねてきた結果、ワクチンによる副作用だと思われていたものが、実はワクチンが原因でなかったことが明らかになり、因果関係が否定されたものがたくさんあります。

 日本でも、データベースを十分に公開し、子育て中の親たちがわが子にワクチン接種するか否かの判断材料として、広く情報提供する必要があるのです。

子どもたちの命にかかわる重要な情報が、なぜ一部しか提供されないのか

 ところが母子健康手帳に記載されるなど、市町村などから情報提供されるのは、これらのワクチンのうちの一部だけなのです。VPDの怖さもワクチンの存在も、両親が知らなかったために、ワクチンを接種せず、VPDにかかってしまい命を落としたり後遺障害が残ったりする子どもたちが、日本では後を絶ちません。

 子どもたちの命にかかわる重要な情報であるにも関わらず、なぜ一部のワクチンについてしか情報提供されないのでしょうか。

 これは、厚労省や市町村などが基本的には定期接種しか扱わないからです。そして定期接種となっていないワクチンが多く、本来は必要なはずのワクチンの情報が、提供されないのです。

 定期接種のワクチンは、原則として無料で接種できますし、ワクチン接種後に万一有害事象などが起きたとしても、きちんと補償されます。ところが、定期接種化されていない任意接種のワクチンは、自己負担で接種しなければなりません(ワクチンの種類・医療機関によって費用が異なりますが、3千円〜1万5千円程度です)。

 それに万一のことが起きた場合も十分な補償はありません。

 このため、任意接種のワクチンを受けている子どもは多くないのが現状です。日本において、子どもたちの命を守るために必要なワクチンの接種率を上げるためには、定期接種化しなければならないワクチンがたくさんあるのです。

Q2 :リスク、メリットどうなってる? 大人だからこそ受けるべきワクチンとは?

 大人も受けたほうがよいワクチンもたくさんあります。

 特に、子どもの頃に接種しなかった方、妊娠可能年齢の女性、海外渡航の多いビジネスマンなどは、かかりつけ医と相談するとよいでしょう。

 無過失補償・免責制度があるアメリカでは、大人も補償の対象となっていますが、日本では、65歳以上などの季節性インフルエンザワクチン以外は、大人のワクチンも定期接種化されていないため、万一有害事象が起きても十分な補償は受けられません。大人のワクチンも定期接種化していく必要があります。

Q3 :ワクチンはどうすれば定期接種化できるの?

 定期接種は、予防接種法で定められていますが、任意接種にも、子宮頸がん予防ワクチン、B型肝炎ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、みずぼうそう、おたふくかぜなど、必要なワクチンがたくさんあります。諸外国では定期接種扱いで普及していますが、日本では任意接種のまま、あまり普及していない状況です。では、どうすれば、

 日本でも接種率を上げるため、定期接種化できるのでしょうか。

 実は、予防接種法の定期接種のリストの中に、次の条文があります。

 「八  前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」、つまり、わざわざ法律を改正しなくても、政令で迅速に新たなワクチンを定期接種化することができるのです。

 なぜ厚労省はこれをしてこなかったのでしょうか? もはや、国民の命や健康を守ることよりも、国の責任回避を優先し、定期接種化そのものを避けているとしか考えられません。
かくして何でもかんでも「任意接種」になった結果、
麻しん(はしか)などを海外に輸出しています…

「その2」に続きます。
「その1」から続きます。
Q4 :日本にも無過失補償制度はある?

 日本には無過失補償制度はありません。これが、日本が「ワクチン後進国」となっている大きな要因のひとつです。

 日本だけでなく、諸外国においても、ワクチンに関する不幸な歴史がありました。ワクチン接種後の有害事象が、ワクチンによる副作用だと思われ(実はワクチンが原因ではなかったものが多い)、訴訟などのトラブルを繰り返してきました。

 国やワクチンメーカーが訴えられ、メーカーがワクチン製造から撤退すると、国民に必要なワクチンが供給されなくなりました。ワクチンの接種率が低下し、ワクチンで防げる病気が再び流行し死者が増えるなど、惨事が繰り返されました。

 これでは、国民全体の不利益となってしまいます。

 それに、ワクチンで病気を防ぐことは、自然現象に対する人類の挑戦なのですから、絶対に完璧ということはありません。誰にも過失がなくても、極めてまれに重篤な後遺障害などが起きてしまいます。にもかかわらず、訴訟で誰かに過失があったことにして賠償金を払わせるのは、不条理ではありませんか。

 こうしたワクチンの歴史から学んだ諸外国は、ワクチン接種後の有害事象で、後遺障害が残った人々、医療や介護が必要となる人々に対して補償する、無過失補償・免責制度を作ってきました。

 例えば、アメリカ国民は、ワクチンの無過失補償・免責制度によって、2つの選択肢を得ました。この制度で補償金を受け取るか、従来通り裁判で誰かの過失を追及するかのどちらかです。補償金を受け取ったら訴訟を起こせませんし、訴訟を起こすなら補償金を受け取ることはできません。

厚労省は保険のようにリスクを誰がどう分散して担うか議論してこなかった

 無過失補償・免責制度は、訴訟で誰かの過失責任を問うのではなく、有害事象が起きた人々を広く救済しようという考えに基づいています。

 「過失があったか、なかったか」が問題にならないのは、国民やワクチン接種した人々がわずかずつお金を出しあい、有害事象が起きた人々の生活をお互いに助け合おうという発想があるからでしょう。

 有害事象のリスクを分散して受け止めようという考え方で、例えばアメリカは、ワクチンの値段に上乗せして集めたお金から支払う保険のような仕組みですし、フランスは国民の税金から支払う仕組みです。だから、皆で出し合ったそのお金を受け取った人は、誰に対しても訴訟を起こさないという約束が、合理的なものとして国民の合意となったのでしょう。

 アメリカの無過失補償・免責制度はワクチンを対象としていますが、フランスではもっと幅広く患者を救済しようという概念で、ワクチンだけでなくあらゆる医療事故を対象としています。

 その一方で日本は、有害事象が起きた人々から目をそむけ、ワクチンのリスクから逃げてきました。厚労省は保険のようにリスクを誰がどう分散して担うのかという議論をしてこなかったのです。

Q5 :日本では「過失がないのに過失を認定」?

 無過失補償・免責制度がないために、日本の裁判所は、後遺障害が残った人々の救済のために広く過失責任を認める傾向があります。誰かに過失があることにして、その人(又はその人の代わりに国等)に賠償金を支払わせる仕組みです。

 例えば平成3年4月19日の最高裁判決があります。昭和43年に小樽市保健所で痘そうのワクチンを受けた後、下半身麻痺、知能障害が残ったとして、国に損害賠償請求したケースです。この判決文には、次の記載があります。

 裁判所では「必要な予診を尽くしたかどうか」が論点となっていますが、医療の現実の世界で、ワクチン接種する前に健康状態に関する質問などしたら未来がわかるとでもいうのでしょうか? 人類にはどうしようもなく確率的に起きてしまう有害事象が誰に起こるか、医師は予言すべきだというのでしょうか? 未来の自然現象を予言する能力を、医師が持っているわけではありません。

 現実の世界と乖離した判決を繰り返すばかりで、無過失補償・免責制度という第2の道を作ってこなかった日本では、人類には不可能な「予診」義務なるものが医師に負わされています。

 医療現場で日々繰り返されている「予診」は、一体誰のために、何のために行われているのでしょうか? それは、国の責任を医師に転嫁するためのセレモニーとしか言いようがありません。

 誰の過失かという不毛な議論を続け、ワクチンが普及しないことは、国民全体の不利益です。誰かに過失を負わせるしか救済する道がない現状から早く脱却し、ワクチン接種率を高めて国民の命や健康を守るためには、訴訟ではない「もうひとつの道」を用意する必要があるのです。

Q6 :日本の補償制度は「過失ありき」?

 日本にも一応、補償制度はありますが、救済する範囲が狭いことや、補償金額が低いことなど、十分な制度とは言えません。そして、諸外国の無過失補償・免責制度との大きな違いは、日本では誰かに過失があったことにして、その人(またはその人の代わりに国等)に賠償させるという裁判のような発想に縛られたままであることです。

 予防接種法に定められたワクチン(定期接種と臨時接種)の場合、国が国民の税金から支払いますが、それ以外のワクチン(任意接種)の場合、メーカーの拠出金から補償が支払われます(表)。つまり、訴訟になればほぼ必ず過失を認められる国と訴訟対象となるメーカーに、訴訟になる前から支払わせる仕組みと言えます。

誰かの過失を追及せずとも補償してもらえる無過失補償・免責制度が必要

 一方、国民にとっては、あるワクチンが定期接種であろうと任意接種であろうと、確率的に起きてしまう有害事象のリスクは同じです。にもかかわらず、定期接種の補償金額(死亡時42.8百万円)と、任意接種の補償金額(死亡時7.1百万円)は大きく異なります。厚労省がワクチンを定期接種化せず、任意接種のまま据え置いていることは、国民の不利益なのです。

 国民の命や健康を守るためには、接種率を上げる必要があります。そのためには、きちんと定期接種化して十分な補償を用意するとともに、誰かの過失を追及せずとも補償してもらえる無過失補償・免責制度が必要なのです。

 お互いに助け合おうという発想ではないため、誰に対しても訴訟を起こさないという合意ができていない日本では、免責制度がなく、補償金を受け取った人もさらに過失を追及する訴訟を起こすことができます。こうして日本では、「過失があったか、なかったか」という不幸な議論が繰り返されるのです。

 厚労省が定期接種化を避けるのは、無過失補償・免責制度がない日本では、「過失がないのに過失を認定」されるため、その架空の「過失」を、厚労省から医療現場の医師たちに責任転嫁しているというわけです。

(文/文/村重直子〈医師、元・厚生労働省大臣政策室政策官〉)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101115-00000001-trendy-soci

昨年の新型インフルエンザの大流行の際に「無過失補償」の話が出たのですが
流行の収束とともに立ち消えになってしまいました…

日本には無過失補償制度はありません。

先日も取り上げた、「『産科無過失補償制度』があるじゃないか!」と言われそうですが、

あれは、金額が少ないのと

補償金を受け取ったら訴訟を起こせませんし、訴訟を起こすなら補償金を受け取ることはできません。

という制度になっていない、という致命的な欠陥があります。

定期接種の補償金額(死亡時42.8百万円)と、任意接種の補償金額(死亡時7.1百万円)は大きく異なります。

という現状を何とかしたいものです。

実際の予防接種健康被害者数 認定者数のデータはこちらです。
困った顔

「ニュースサイトの転載」はサービス終了になりました。

 
 
 
入院患者から多剤耐性「NDM1」=渡航歴なく国内感染か―厚労省
時事通信 10月4日(月)16時7分配信
 厚生労働省は4日、さいたま市民医療センター(さいたま市)の入院患者から、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性遺伝子「NDM1」を持つ肺炎桿(かん)菌が検出されたと発表した。患者に海外渡航歴はなく、国内で感染した可能性が高いという。
 同センターは「感染経路は不明だが、搬送時に患者は既に保菌していた」と指摘。NDM1は接触感染するが、職員も手袋、マスクの着用を徹底し、院内感染には発展しなかったとしている。
 同省などによると、NDM1の確認は国内2例目。ほかの入院患者からは検出されていない。 
 
朝日の記事の方が、詳しいですね。 
NDM1持つ新型耐性菌、国内患者で初感染か さいたま
2010年10月4日19時28分

 厚生労働省は4日、大半の抗生剤が効かない新型の多剤耐性遺伝子「NDM1」をもつ肺炎桿菌(かんきん)が、さいたま市民医療センター(さいたま市)に入院中の90代の女性患者から見つかったと発表した。女性はここ数年、海外渡航歴はなく同省は国内でこの遺伝子をもった菌が体内に入った可能性が高いとみている。国内検出は2例目だが、海外渡航と関係ない事例では初めて。
 同省や同センターによると、女性は8月下旬、入所している高齢者施設から肺炎の疑いでセンターに救急搬送され入院。尿がうみのようだったため検体を採って調べたところ、多剤耐性の肺炎桿菌が検出された。肺炎桿菌は一般的な腸内細菌だが9月中旬に国立感染症研究所(感染研)が検査し、新型の多剤耐性遺伝子を持つ菌だとわかった。
 女性は現在も入院中だがほぼ回復している。家族もここ数年は海外渡航歴はなく、他の入院患者からも同じ菌は検出されておらず、感染経路は不明だという。
 NDM1は多剤耐性の酵素で、この遺伝子を持った菌がインドやパキスタンなどで広がっている。欧米では現地で外科手術などを受けた際に感染した患者が帰国し、菌を持ち込む例が問題化。国内でも9月上旬にこの遺伝子をもつ大腸菌が栃木県で、インドから帰国した男性患者から初めて見つかった。
 これを受け、厚労省はこの遺伝子を持つと思われる細菌が患者から見つかった場合は、検体を感染研へ送るよう全国の医療機関へ求めていた。今回のほかに6例の菌が1日までに送られたが、検査の結果、新型は検出されなかったという。同省は「新型遺伝子を持つ菌が国内に広がっている可能性もあり実態把握を続けたい」という。
 舘田(たてだ)一博・東邦大准教授(微生物・感染症学)は「今回の例はすでに国内に広がっている可能性を示している。ただ、すぐに重症や死亡に至るものではない。過剰反応する例ではないが長い目で見ると新型の遺伝子の広がりが加速する可能性もあり、注意する必要がある」と話している。
 
先月は『昨年5月』の国内初検出の話題がありましたが、今度は国内発生だそうです。
他にも、台湾でも初検出という報道もありました。
(こちらはインド帰りのようですが…)
 
尿がうみのようだったため検体を採って調べたところ、多剤耐性の肺炎桿菌が検出された。
尿道バルーンや胃ろうの有無は不明ですが、
『90代の女性』『高齢者施設入所中』ですので、
全身状態が良いはずがありませんし、
何度も『(尿路)感染→抗生物質投与』を繰り返しているうちに、
「多剤耐性遺伝子「NDM1」をもつ肺炎桿菌」が生き残り、
増殖したのではないでしょうか?
 
尿路疾患を扱う(しかも高齢者が多い)私も、どんどん検査すれば検出できるかもしれません…
 
現時点では、大騒ぎしたり必要以上に恐れる必要はありませんが、
生来健康な人の肺炎や尿路感染でも、「NDM1」がどんどん検出されるようになったら、ちょっと大変です。
 
地道に対策をするしかないですね。

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帝京大病院院内感染 独立調査委が初会合 進む「耐性菌封じ」
産経新聞 10月3日(日)7時56分配信

 帝京大病院(東京都板橋区)で多剤耐性アシネトバクター菌(MRAB)の院内感染が発生した問題で、同病院は2日、外部識者5人による独立調査委員会の初会合を開き、感染ルートの解明や再発防止策の策定に取り組むことを決めた。委員長に就任した岡部信彦国立感染症研究所感染症情報センター長は「どこの病院でも起こり得る問題として普遍的に生かせる提言を、できるだけ早くまとめたい」と述べた。

 同病院では昨年以降59人がMRABに感染し、34人が死亡。このうち9人については感染との因果関係が疑われている。

 帝京大病院の院内感染問題を受け、ほとんどの抗菌薬が効かないMRABの症例が感染症法に基づく報告義務の対象となることが決まるなど国の感染症対策が進んでいる。

 そうした中、各医療機関も耐性菌への対策強化に乗り出している。患者がいくら注意しても院内感染拡大は防げないため、病院の対応が大きな意味を持つことになる。

 ■手洗い方法指導 「すべての患者さんが発症する可能性があると思って対策を行ってください」

 東京慈恵医大病院(東京都港区)で9月14日に開かれた感染対策セミナー。同院感染対策室の専従看護師、美島路恵さんは参加した約215人の医療スタッフに呼びかけた。

 院内感染は、医療従事者の手を介して広がるケースが多い。セミナーでは、アルコール製剤を使った手洗い方法など基本的な対策を指導する。全職員(約2200人)に周知できるよう、今年度9回目の開催となる。

 基本を指導するのは「マニュアルが完璧(かんぺき)でも、基本が分かっていなければ実践にはつながらない」という考えからだ。中沢靖感染対策室長はポイントとして(1)患者発生時の初期対応(2)手洗いなど予防策の徹底(3)病室などの清掃(4)抗菌薬の適正使用−の4点を挙げる。

 抗菌薬をむやみに使うと耐性菌が増えるため、10月からは使用量の管理も強化している。

 ■海外流入に備え 海外で体調を悪化させた人のための「渡航者外来」を持つ国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)は、海外からの耐性菌流入リスクに備えた、対策を充実させている。

 同病院では医師や看護師ら9人で構成する「感染対策チーム(ICT)」が週1回、病棟内を巡視して、正しく予防策が執られているか目を光らせている。

 今年3月、海外から帰国した患者から強力な抗菌薬「バンコマイシン」の耐性腸球菌が検出された。情報は細菌検査室からICTに伝えられ、素早い対策が取られ封じ込めに成功した。

 清水利夫副院長は「海外の耐性菌の情報収集に努め、院内で情報共有することが重要」と指摘する。

 ■早期発見がカギ MRABは低温で乾燥した環境でも長期間生きるため、「厄介な菌」とされる。また、最近は抗菌薬を分解する遺伝子を持つ新型耐性菌も検出されている。

 院内感染問題は目に見えないだけに医療関係者でも危機感を持ちにくい。また、予防に必要な検査費用が保険適用されないため、経営の厳しい病院での実施が難しいなど課題は多い。

 帝京大病院のケースでは、横の連携や情報共有の欠陥が感染拡大の原因になったと指摘されている。

 東邦大微生物・感染症学講座の舘田(たてだ)一博准教授は「耐性菌の感染をゼロにすることは不可能だが、早期に発見すれば院内感染を封じ込めることはできる。行政も含め、継続的に実践できる仕組みを考えていく必要がある」と訴えている。
マスコミ報道は沈静化していますが、対策は粛々と進んでいます。

耐性菌の感染をゼロにすることは不可能だが、早期に発見すれば院内感染を封じ込めることはできる。行政も含め、継続的に実践できる仕組みを考えていく必要がある

その為にも

予防に必要な検査費用が保険適用されないため、経営の厳しい病院での実施が難しい

という現状を何とかして欲しいものです。

多剤耐性アシネトバクター菌の症例報告を義務化へ
産経新聞 10月2日(土)7時57分配信

 帝京大病院(東京都板橋区)の院内感染の原因になった多剤耐性アシネトバクター菌(MRAB)について、厚生労働省は1日、専門家らで構成する厚生科学審議会感染症部会を開き、MRABの症例を感染症法に基づく報告義務の対象とすることを了承した。今後、感染症法の省令改正手続きに入り、年明けにも報告を義務化する。

 現在、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌など5種類の耐性菌が、発生や拡大防止のために発生動向調査をする感染症法の「5類感染症」に指定されている。省令改正により、MRABも「5類感染症」に含め、全国470の指定医療機関に報告を義務づける。

 また、同部会は東南アジア地域で感染が広がっているチクングニヤ熱についても感染症法に基づき、すべての医師に報告義務を課すことを了承した。

 チクングニヤ熱は蚊を媒介して感染。国内でもスリランカやインドネシアに渡航歴のある患者から18例の感染が確認されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101002-00000097-san-soci

年明けにも報告を義務化する。

あれ?
現時点でも、MRABが出たら報告しろと言われた気がしますが…




境港の医療過誤訴訟:医師に5565万円賠償命令−−地裁米子支部 /鳥取
毎日新聞 9月14日(火)16時11分配信

 息子が細菌性髄膜炎で死亡したのは初診時のミスが原因だとして、境港市の両親が市内の診療所(廃止)の理事長だった男性医師に7440万円の損害賠償を求めた裁判の判決が13日、鳥取地裁米子支部で言い渡された。村田龍平裁判長は医師のミスを認め、5565万円の賠償を命じた。被告代理人の弁護士は「控訴を検討する」としている。
 判決によると、会社員だった長男(当時36歳)は01年12月18日、40度近い発熱、頭痛、おう吐のため医師の診察を受け、座薬や鎮痛剤など4日分を処方された。長男は翌日、意識不明となり、搬送先の病院で細菌性髄膜炎と診断されて入院。05年1月6日に松江市内の病院で死亡した。
 判決は「症状から髄膜炎を疑うべきなのに、診察が不十分なうえ、設備の整った医療機関に転送させなかった過失がある」と判断。過失と死亡との因果関係も認定した。
 被告側は「初診で見抜くのは困難だった」と反論していたが、「重症の急性感染症が疑われ、設備の充実した医療機関を紹介すべきだった」とした岡山大の感染症専門家による鑑定結果を判決は全面的に採用した。
 両親は「息子の墓前にいい報告が出来る」と話した。【小松原弘人】

「重症の急性感染症が疑われ、設備の充実した医療機関を紹介すべきだった」とした岡山大の感染症専門家による鑑定結果を判決は全面的に採用した。

これが判決の決めてです。

見解が分かれている押尾裁判もそうですが、

医学的に正しいかどうかではなく、裁判官が原告側・被告側のどちらの鑑定を是としたかにより、判決は決まるのです。


Pooh先生のご指摘のように、医学的には無茶苦茶な判決なのは、言うまでもありません。
「後から考えれば、こうすべきだった」と言うのは簡単ですが、現場の診療は待った無しなのです…

髄膜炎の診断の困難さは、「髄膜炎の診断とアプローチ」「細菌性髄膜炎の診療ガイドライン」
などをご覧頂ければ、ある程度はご理解頂けるかと思われますが、
裁判官には伝わらなかったようです…orz

その事を責めても仕方がないのですが、

こういう判決により、数%の地雷疾患を見逃さないために、多数の軽症患者が高次医療機関に転送されることとなるでしょう…

待ち時間も、医師の疲弊もさらに悪化するでしょうね…




読売産経の記事も参考までに…

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