まいにちまいにち

是非一言いただけましたら・・・

全体表示

[ リスト ]

本文の副題は、「隅田繁雄氏論文に答える」である。

一週間ほど前、珍しい人からメールがった。大学経済学部の同じゼミで学んでいた隅田繁雄氏からのものである。彼とは大学で最後の二年間同じゼミで学んだ中だ。そのゼミ経済学部であったが、音田教授の指導のゼミであり、それが経済学、経済政策学というより、社会思想史的な内容であった。

当時英国では労働党が政権を担っていた時代だが、その中心思想、背景ともなった、古典的「社会主義」でなく、新社会主義ともいうべき内容であった。当時学んだのは後の労働党党首、アンソニー・クロスランド著、英語原本題名が「The future of Socialism」「社会主義の将来」というものであった。

その思想内容については、当時純粋社会主義思想の持ち主である隅田氏にとっては、その内容、少々生ぬるい思想、考え方であったに違いない。逆に、当時はかなり保守時右翼的思想の持ち主である小生にとっては、ある意味において納得できる、その時代の修正社会主義なのであった。

その詳しい内容は省くとして、隅田氏とはその、ゼミの時代から卒業後も、たまにあって話をする機会が何度かあった。面白いのは、会った途端、すぐにさまざまな議論が始まるのである。

その内容、極めて大雑把にいうと、その主張の違いは右と左、保守と革新、資本主義と社会主義ということになろうか。とにかくその時の時事問題、政治問題などについて真っ向から対立することになる。必ず侃々諤々議論になるのである。

まあ隅田氏の方は自らの思想についてはきちんとした勉強をしているから、ある意味。筋が通っている。私の方はその辺りはいい加減、ある意味、常識論をぶつけるだけだから本当の理論的議論はできていないのかもしれない。しかしとにかく会った途端議論が始まるのである。それが面白いし、楽しいのである。互いに本音をぶつけあうというところも
あるからだ。

隅田氏とはそんな中であるが、不思議な話、近頃は右と左、遠くはなれていた思想的信条の中で、その意見については、完全に一致し出したことが一つある。それが原発問題、原発再開問題である。

私自身は実はあの関東大震災、福島原発事故以前は、原発容認論者であった。長期的には徐々にそれは縮小していった方が、そうあるべきだという意見ではあったが、原発現状容認論であった。

しかし、あの福島事故以降、原発全面廃止論に傾いた。多くの人がそうなったが、私はそれが今日では現実論であり、常識論であると思っている。

それが当たり前ではないか。もはやなんのかんの言う必要すらない。あの大災害の後、数ヶ月、毎日、毎日TV報道の中心は福島の原発事故をどう処理するであった。私も毎日それを必死でみていた。もうこれで日本もおしまいかという思いで見ていた。多くの日本人はそうであったはず。

ところがそれから2年、3年と経つうちに、多くの日本人達はみなそれを忘れてしまっているのだ。まさに「喉元すぎれば熱さを忘れる」日本人である。私はすくなくともそうならないようにしたいと思っているわけだ。

なぜ原発再開に反対か、などもう何もいうことはない。ざっと目を通しただけだけがまさに隅田論文の通りであり、それについて殆ど何んの異論もない。

隅田氏の論文の中にもあるが、安倍首相が東京オリンピック招致運動の時、行った演説が印象的だった。首相はそれを英語で行ったのだが、首相は「福島事故のの事態はすでに『アンダー・コントロール』完全にコントロールされている」と演説したのだった。嘘に決まっている。

それが嘘であることは分かっていたが、世界のIOCの委員は東京に投票してくれたのはラッキーなことではあった。東京オリンピック招致はたしかに日本国にとってはあらゆる意味でよかったことなど何も否定はしない。私はそうである。

しかし、その浮かれた空気の中で、心ある人たちは東京オリンピック開催が終わるまでに日本に再びあの大自然災害、そして第二の福島原発事故が起こることがないことを祈っているはずなのである。誰もそんなことを言葉としては発しないが、である。

隅田氏は論文最後まとめの方で、ドイツのメルケル首相のことを書いておられる。実は私も最近のメルケル首相来日に関しては氏の原発問題についての発言に一番関心を持っていた。メルケルドイツは、あの福島事故をみて、一時復活ムードにあった原発を再び完全廃止を決断をしたのであった。メルケル氏がどうして安倍首相と並んでの記者会見の時にそのことをもっと強く強調しなかったのか不満に思った位だ。

メルケルドイツも安倍日本もそれぞれ国際情勢の中で、さまざまな問題についてその対処の違いがあることはそうだろう。日本人からみて、メルケル氏の歴史認識問題、ウクライナ問題、対中国関係のことなど、安倍首相とも違う、日本国民から見ても必ずしも賛同できないものがあるのは当然だろう。

しかし原発問題は違う。これは人類社会が共通で取り組まなければならないの長期的エネルギー問題なのだ。これについて、メルケル氏はもっと明確に安倍首相の考え方と違うところ、ドイツの正しさを主張してもらってよかったと思うのである。

さらにここにきて、日本の原発の廃炉問題が浮上している。それはもうどうしようもない問題なのだ。常日頃原発再開を支持いるマスコミもこと、この問題になってくると途端にトーンダーンである。わけのわかったような、分からない論説を展開させているのがおちである。廃炉問題と再開の問題はそれはそれ、これはこれではない。すべて同じ根本的な問題なのである。

それでも原発再開を進める安倍総理、自公政権、日本の政治は本当にそれでいいのですかという隅田論文については、私は改めて全面的な支持を表明しておく。

最後にこれは全くの余談である。隅田氏にもう一つ伝えておきたい。原発再開の問題に加えてこれから、少し、「格差問題」について論じて下さいませんかということだ。これぞまさしく「社会主義の将来」どころでない。人間社会が直面するもっとも現実的な重要課題なのである。

tad

参考資料:

「これでも原発再稼働を進めるか」 jicl 法学館憲法研究所 隅田繁雄 3月10日

この記事に

開く トラックバック(1)


.


みんなの更新記事