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「そこまでやるか――。米マイクロソフト(MS)が先週、中国で発表したある“実験”が注目を集めている。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(スマホ)に次期OS「ウィンドウズ10」を移植するというもので、中国スマホ大手の小米(シャオミ)が協力する。グーグルの牙城を切り崩すために編み出した奇策は、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が率いる新生MSの変化を映している。
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この戦略は奇抜だが、理にかなっている。米調査会社IDCによると、2014年の世界のスマホ市場におけるMSのシェアは2.7%なのに対し、グーグルは81.5%。アンドロイドを搭載した端末の出荷台数は世界で10億台を突破した。

MSは昨年、通信機器大手のノキア(フィンランド)から携帯端末事業を54億ユーロ(約7千億円)で買収。他の端末メーカーへのOSの無償提供にも踏み切り、「ウィンドウズフォン」のシェア拡大を急ぐが、正攻法だけでジリ貧の状況から抜け出すには差が開きすぎている。
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新ソフトを無償でばらまき、アンドロイド端末の5%がウィンドウズに切り替わるだけでも、14年のウィンドウズフォンの出荷台数(3490万台)を軽く上回る。MSの発表後、小米のヒューゴ・バーラ副社長がわざわざ声明で今回の試みを「MS主導の実験的なもの」だと強調し、グーグルに恭順の意を示したのも、潜在的なインパクトがそれだけ大きいからだ。

「かつてのMSなら考えられなかった」。今回の動きには社外のみならず、社内からも驚きの声が上がる。だが、昨年2月のCEO就任以来、ウィンドウズの無償化などあらゆる手でMSの復権を目指すナデラ氏が「アンドロイド乗っ取り」を最初から計算に入れていたとしても不思議ではない。

中国での会議では、ビル・ゲイツ氏ら創業世代があれほど敵視していた中国の海賊版ウィンドウズのユーザーにも、ウィンドウズ10を無償提供する救済措置を検討していることも明らかにした。「タブーなき改革」という言葉は今のMSのためにあるといっても過言ではないほど、この会社は急速に変わりつつある。(シリコンバレー=小川義也)日経新聞 3月16日

最近のパソコン関係の報道で最も関心が高いのは、Windows10の発売が今年の秋であったのが夏になったことだ。それと関連して、それはWindows7や8.1のユーザーは無償でバージョンアップできること、ブラウザーとしてIEに変えてSpratanなるものに変わるとかがある。

現在Windows8.1のユーザーとして、Windows10に無償でアップグレードできることなど、もちろん大歓迎だ。新しいブラウザーのことは少々気になるが、これについては元々既にChromeを中心的に使い、IE離れを実践してきているところだから、特に問題になることはない。そういうスタンスでマイクロソフトの一連の発表を眺めていたところなのだ。

ところが、この冒頭の日経新聞の報道や、それに続く一連の報道に接して驚くと言うより大きな疑問を持つに至った。すなわち、このマイクロソフトの最近の企業経戦略、経営のあり方に根本的な疑問を持つに至った。そのことについて書く気になったわけだ。

これが世界の代表的なIT企業の一つマイクロソフトのやることかという疑問である。

冒頭の日経の記事内容は、要するに競争相手Googleのタブレットやスマホとかアンドロイド端末を買ったユーザーがそれをまるごとWindows10の端末に切り替えて使えるようにしてしまうソフト、ROMを提供するというものだ。それはおそらく無償なのだろうがそうしマイクロソフトはその手段、ツールを提供するという戦略なのだ。

そうすることでスマホ、タブレットの分野でGoogleのアンドロイド端末に大きく水をあけられている状況を一気に挽回できるというわけだ。

へえー、なるほどそれはすごい、と最初は思った。第一、冒頭の日経記事も、それは「理にかなった」戦略だと書いていたこともある。問題は本当にそうなのか、である。、

疑問の一つはそれをやるためにマイクロソフトが組んだ相手というのが、中国の「小米」という新興IT企業だ。アップル製品を徹底して真似、市場に投入、特許係争を起こしながら中国世界市場でシエアを拡大してきた、あまり評判のよくない企業なのである。

評判が悪かろうがなんであろうが、それが法律にさえ触れなければいい。マイクロソフトがそう考えたのかどうか分からないが、まずはマイクロソフトがそうした中国企業と提携したということにまず釈然としない感じを持ったのだった。

その釈然としない感じを、疑念に変えたのが、上記ニュースに続く報道であった。マイクロソフトなんと、中国で出回っていたWindows8.1の海賊版についてもWindows10への無償バージョンアップを認めると発表したのだった。

これを聞いて私は一瞬耳を疑った。そもそもWindows8.1について、中国では正規版でなく大量の海賊版が存在している事自体知らなかったからだ。

マイクロソフト製品についてはかつてそんな大々的な海賊版の存在など絶対ありえないことだった。マイクロソフトとて、それをなにもただ指を加えて眺めていたわけではないだろうが、なにしろ相手はそんなことは意にも介さない中国企業のこと、現実海賊版が横行することについてはどうすることも出来なかったということであったのだろう。

ところがサティア・ナデラとかいう新CEOの方針のもと、Windows10への無償バージョンアップは、この中国の海賊版のものにについても認めるという発表をしたのだ。先のアンドロイド乗っ取りの戦略と合わせて、それをやれば、大きな中国の市場のシエアを一気に高められると考えたのだろう。

そのことについては社内外、世界中から大きな反発があったのだろう。当初の発表よりトーンダウンして、修正発表をしている。いや海賊版のものでもバージョンアップを認めてもそれが正規だというわけではない。ただ正規版を入れればその良さを認めてくれ、そのユーザー、その後は正規版を使うようになってくれるだろうという。なんだかわけのわかったような分からないことを言っているのである。

いずれにせよ、世界の正規版のユーザーがこれを聞いてどう思うかである。7にしても8.1からのバージョンアップにしても、正規のユーザーは、すべてこれまで正規の価格費用を払って、ユーザー登録をしてきたのである。それについてのマイクロソフトの厳しい管理に黙って従ってきた。それはある意味当然のこととして受け入れられてきたはずだ。
そうした正規ユーザー、安い海賊版を使ってWindowsを使ってきたユーザーと同じように扱われて、それはどうもおかしいと思わない方が、おかしいのだ。

私などWindows95以来のWindowsユーザである。98、Xp、Vista、7,そして8,8.1とOSが変わる都度、にマイクロソフトが設定する価格をずっと支払い、正規ユーザーとしてやってきた。もちろんそれがが当たり前であり、OSなるものを正規に使うための正しいあり方だと思ってきたのである。

さまざまなアプリケーションソフトについては海賊版の存在はあることは知っていたが。ことOSに関してはそんなものの存在など一切ないものと信じてきた。そのおかげもあって、アプリソフトに関しても、日本ではどこかの国のようにソフト海賊版が出回ることはなかった。IT 業界ではそうあるべきなのだ。

それがなんということか、そのマイクロソフト、中国では海賊版の存在を許し、しかもそのバージョンアップを認めるというのだからあきれてものが言えない。いや、ほっておいてもどうせ、バージョンアップのための海賊版が出るだろうから、それなら正規版のバージョンアップを認めた方が得だという論理なのか。とんでもない話である。

情けないというか、これが世界のIT界をリードする企業のやることかと言いたい。それがマーケットシエアを拡大する戦略だというのなら、そんなものは戦略でもなんでもない。それはまさに目先の不当なまさになりふり構わぬ戦術、理に適わぬ愚策だと言いたい。

冒頭の乗っ取りに関することはよくわからない。それが正当な戦略なのか、なにか違法性があるか、よく分からない。 しかし海賊版の存在、しかもそれにまで無償のバージョンアップを認めるということは私はあらゆる意味において、それは正当なことではないと断言したい。

企業戦略だ、戦術だということを超越してそれは企業が最低守るべき企業倫理を逸脱していると思う。

こうした一連のニュースを聞いて、Windows10のバージョンアップを楽しみで待っている一ユーザーとして、なんだからしらけた気分になったのは私だけだろうか。

tad

関係記事:

新生マイクロソフトの奇策 アンドロイド端末「乗っ取り」:nikkei 
海賊版にも無償アップを認める:s-max 

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