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「NHKの番組のインターネット同時配信を巡り、NHKと民放が昨秋から静かなバトルを繰り広げている。放送法で定められている業務範囲の制限によって、NHKはすべての番組をインターネットで同時に配信することが今はできないが、これを可能にしようとする議論が総務省の検討会で進められており、民放が真っ向から反発しているのだ。
NHKの新たな取り組みを考えるにあたり、その財源となる受信料をどう位置づけるかの議論は避けて通れない。しかし、受信料を負担している国民にこうした問題の存在が十分知られているとは言い難い。NHKのネット同時配信問題とは何か。(読売新聞メディア局)」 読売新聞
7月17日のBLOGはネットラジオについて書いたものであったが、その最後のくだりで、ネットTVのことについて言及した。
現在ネットラジオというものが存在し、パソコン、スマホを活用している
ものにとっては便利なものになっている。ラジオ放送がネットでも聞ける
ようになったようにTVでもおなじことができないのか。ネットTVというものが
でき、TVもパソコンやスマホで見れるようになったら、それは大変便利なことではないのか。
実はそのこと自体技術的には全く可能なことで、NHKも民間放送も一部それを実施しているサービスすでに存在している。
ではTV業界も同じことをすぐにやったらいいではないか、ということなのだが、それがなかなかそうはいかないというのが冒頭の引用記事なので。
それをやる、やらないで、NHKと民放TV会社が激しく対立している。それは
なぜか。
NHKはラジオと同じくすべてのTV番組をネットで同時配信をしたいのだが
現在の放送法ではそれが出来ない。だから冒頭記事にもあるように
総務省に働きかけてそれが出来るようにしたい。但しネットだからとしていって受信料はただには出来ない。すでにNHKの受信料を支払っているユーザーはいいが、そうでないユーザーについては、ネットだから無料というわけにはいかない。それについても受信料を支払ってもらうようにしたい。
それがネット配信の狙いなのだ。TV離れの層からも受信料を徴収したいのである。
一方民放の方は別にその制限はないからやろうと思えばできるが、やらない。やりたくない。それはそうだろう。そうなると通常の放送で入ってくる
コマーシャル広告収入が激減する可能性がある。TV放送事業そのものが
成り立たなくなる可能性が大だ。
これが冒頭記事にある、NHKと民放の対立の背景、原点なのである。総務省の本音はNHKを支援したいところだが、しかし、日本の巨大マスコミ、新聞とTVというメデイアを両方押さえているマスコミの力を無視するわけにはいかないのだ。
ちなみに、世界的には放送と新聞という二つのマスメデイアが一つの
企業、オーナーが支配するのを許しているのは日本位だ。世界先進国の多くはそのクロスオーナーシップを禁止している。
クロスオーナーシップとは、同じ資本が「新聞」「ラジオ」「テレビ」という異なるメディア媒体を同時に所有することだ。独裁者や特権階級が「情報統制」を敷いているような共産主義国や独裁国家を除いて、「言論の多様性を阻害するクロスオーナーシップ」を実質野放し、事実上認めている国は日本くらいだ。「マスメディア集中排除原則」により民主主義を掲げるヨーロッパ先進国やアメリカ合衆国等ではそれは法律で制限または禁止されているのである。
ご存じのように日本にはそのクロスオーナーシップの典型的な実態がある。TV4チャンネルは読売、5チャンネルは朝日、6チヤンネル毎日、
7チャンネル日経、8チャンネル産経という図式である。
この巨大マスコミが一致して反対すれば、さすがNHKもそう簡単に放送のネット配信を進められないのである
NHKはなにしろ国営企業、クロスオーナーシップどころでない。強制的に受信料を徴収できる、これほど強い立場はない。もしNHKが放送をすべてネット配信するようになったら、民放の経営そのものが成り立たなくなる可能性は大である。それはそれでいいではないかとなる筈がない。
だからこそこの問題その2大勢力の争い、静かにして激しい争いになっているのだ。それを全面的に公然と戦うわけにはいかないのだ。その背後にあるそれぞれの意図、真意を国民ユーザーに悟られるのはまずい。
一方国民ユーザーはその争いの意味内容について殆ど知らないのが現状だろう。従って関心もない。仮に冒頭のような記事を読んでもその意味するところがよく分からないのである。
本当にそれでいいのかだ。
その内容が分かり、どちらがいい、と決める大きなポイントはNHKと云う公共放送の存在、その存在意味を認めるかどうかである。受信料を強制的に支払わされているのである。それでもNHKの番組にはコマーシャルがないとか、やはりNHKの番組はその質が高いと認めるかどうかなのである。
総じていえば私自身は受信料を払ってでも公共放送NHKの存在意義を認める方ではある。NHKを民放化せよとの声も結構あるが、5つも6つも
あるあの民放ワンターンのニュースショー、お笑いショー、コマーシャルの長さにはうんざりである。
それにしても最近のNHKの番組の民放化にもうんざりのところがある。出演タレントの民放化は見ていていやけがさす。受信料を払っているのだから、なにも視聴者に媚びを売る必要は一切ない。ただただ落ち着いて
安心して見れるる番組を提供して欲しい。
あらゆる観点から見て、放送のネット化は絶対必要なことだと私は考える。それがないことは世界のネット化競争から遅れをとることにもつながりかねない。特に日本の場合、それは災害対策として絶対必要なインフラの一つではないだろうか。
私の個人的意見などこの際たいしたものではない。大切なのはもっと根本的な国民全体の理解、問題意識なのである。それがそうでなく、国民の関心もなく、その大切な意味が理解されることもなく、NHKと民放の静かな戦いになっているところが最大の問題なのだ。
それこそこの問題、国会で大議論が展開されていいことだ。それが、カジノ法案だ、参議院議席増がどうだのでもめている。一体なんだこの国は、と云いたくなる。
tad
参考資料
総務省が「NHKのネット同時配信」を容認へ :Rocketnews
テレビ番組、2019年にもネット同時配信へ? :Itmedia
NHKと民放、ネット同時配信めぐりバトル:読売新聞
クロスオーナーシップ:Free-press
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