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「経済産業省は、家庭や企業が発電した太陽光発電の電力を電力会社が買い取る価格について、2020年代半ばをメドに、現在の半分以下に引き下げる方針を固めた。買い取り費用は国民が払う電気料金に上乗せされており、国民負担の軽減につなげる狙いがある。
太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及を促すため、電力会社は再エネによる電力を国が決めた価格で一定期間買い取るよう義務付けられている。「固定価格買い取り制度(FIT)」と呼ばれ、2012年に始まった。決められた金額での買い取りを保証することで、発電業者の新規参入を促し、家庭や企業での再エネ導入を拡大する狙いがある。 18年度の買い取り価格は、事業用太陽光が1キロ・ワット時あたり18円だが、22〜24年度に8・5円に引き下げる。26円の家庭用は25〜27年度に11円にする。」Yahoo 上記ニュースにあるように、経済産業省は、太陽光発電の電力を家庭や事業者から電力会社が買い取る際の価格を、2020年代半ばに現在の半分以下に下げる方針を示した。
今の太陽光発電、買い取り価格は電気料金に転嫁されている。たしかにこれによって利用者の負担は減るが、太陽光発電のさらなる普及にはブレーキとなる可能性もある。そのことへの政府の問題意識は一体どうなのか。 いずれにせよこのニュース一般には殆ど関心を生まなかったようだ。私自身には大きなそして重要な関心事である。
我が家では15年ほど前に、自宅を新しく建て直した際、太陽光発電装置を屋根に設置した。それ以来、現在も電気を電力会社から買う、買電の一方で、太陽光発電装置で発電した電気を電力会社に売る、売電をやっている。
それを設置するためには結構大きな費用が掛かった。しかし当時は結構多額の補助金制度があった。もっともそれをやったところで、その費用がペイするようになるとは考えていなかった。それでもそれをやったのはある意味実験だという考えがあったからだ。多分これから、この国でも太陽光発電が、火力発電、水力発電、原子力発電と並んで重要な電源資源となるだろう、なるべきだと考えた。その投資額がすぐにペイするかしないかについては、ペイしないことは理解していた。当時の買い取り価格ではそれは無理であったからだ。
ところがあの関東大震災が発生、福島の原発事故が勃発した。当時の民主党管政権の方針で売電価格が大幅に引き上げられた。その結果それ以降は季節にもよるが、気候条件のいい、4,5、9、10月など、要するに冷暖房の電気代があまり掛からない一方で、良好な日照時間の長い月には、電力会社東電への売電額が買電額上回るという大きなメリットをを経験してきたのである。
だからこのニュースを聞いて、「ええっ?」となった。どうやらそのメリットはなくなるということで、少々残念に思ったところはあった。しかし、それが大きく家計に響くわけではない。そもそも、電力会社が太陽光発電でのマイナス分を一般の電気代に跳ね返して取り返すということ自体はおかしなことなのだ。まあそれ自体はしかたがないことだ。
ただ同時に私の頭をかすめたことがある。問題の本質はそんな太陽光発電買い取り価格が上がった下がったではない。今回の経済産業省の決定、単に買い取り価格のことだけのことになっていること自体がおかしい。
それは国のトータルのエネルギー政策、電源ミックスの中で、それと関連して説明され、語られなければならないことではないのか。
今回の北海道地震で経験した大規模停電が、なぜ起こったかという根本問題ともからんでいる。今北海道で運転を停止している泊原発の再開問題、さらに泊に限らず日本全体の原発を今後どうするのか、どんどん再開していくのか、それとも大きく原発廃止の方向に向かうのかという問題とも密接に関連しているのである。
そもそも政府、経済産業省が基本的に示すべきなのは、ただ太陽光発電の買電価格を上げる下げるといった末梢的なことでなく、長期的総合的エネルギー政策、いわゆる電源ミックス全容が最重要なことなのである。
これから30年先、50年先の太陽光発電、風力発電を含めた自然再生エネルギーが全体ミックスの中でどれくらいの比率にもっていくのか。火力、水力、原子力、そして自然再生エネルギーの電源ミックスを一体どうするのか、その長期的な方針がきちんと示されるべきなのだ。
いや、それはあることはある。参考資料にあげた「2050年に向けたエネルギー基本計画」なるものがそうだ。ただそれが、どこまで具体的なのかどうか一向に明確でない。そのことについて国民はもちろん政治家自体殆ど関心がないように見える。
それが証拠に、この重要な案件、今やっている自民党の総裁選挙で全く争点として取りあげられないのはどういうわけか。
日本はそれででなくれもドイツなどに比べて、自然再生エネルギーの比率を高めることが遅れている。ドイツはすでに原発全面廃止の方向なのだ。日本は一体どうするのか。原発は当面再開の方針であることは間違いないようだ。
果たしてそれでいいのか。安倍内閣が、後6年続くことはもう決まったようなもの。その安倍首相、あの東京オリンピックの招致のプレゼンテーション演説でのことだった。福島原発事故の処理は大丈夫なのかと質問されて、「全く問題なし」とみえをきった。
今でもそのスタンスは不変のようだ。本当にそれでいいのか。福島の深刻な原発事故問題、本当に終息したのか。
安倍内閣、自民党政権は基本的に原発継続のようだが、その中にあって、小泉元首相はそれに正面から反対している。果たしてこれからどうなっていくのか。
実は最近の北海道地震でも、外国からの最大の関心事は、地震国日本での原発継続は本当に大丈夫なのかということであった。日本のマスコミはどうしてもっとこの問題に焦点をあてないのか。
北海道地震で、北海道が全面停電となったのも実は泊原発の存在自体がその背景にあったことは衆知のことなのである。
そのことが国会、政界で殆どまともな論議の対象になっていないこと、私には不可解である。
昨日も安倍首相と石破氏が政策論争をやっていた。アベノミックスを論じるのはいい。憲法論議もいいだろう。
しかしどうしてこの国の将来にとって最も重要と思われ総合的なエネルギーミックス、とりわけ原発継続の是非、そして自然再生エネルギー振興の議論をしないのか。
上記ニュースを聞いて一言云っておきたくなった次第である。
tad
参考資料:
太陽光発電買い取り価格引き下げ:Yahoo
「エネルギー基本計画」、2050年に向けたエネルギー政策:資源エネルギー庁
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2018年09月15日
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