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主人公は諏訪大介、高校一年生の男子。
主な登場人物は、主人公以外美少女でしかも主人公のことが好き。
幼馴染で長い黒髪のお向かいさん、山本柚ちゃん。
同じクラスの金髪イケイケwなギャル、井伏香月ちゃん。主人公は香月ちゃんと交際中。
男子が苦手で影のある、ショートカットの藍川雛子ちゃん。
・・・一見すると男子オタクの典型的妄想な設定ですが、まぁちょっと待ってください。
私は腐女子かつオタクと自認する教員です。
このブログをご覧になっている皆さんには今更なことですがw今回は、
一見こんな設定だけれども「女性」教員の立場からお奨め出来るマンガを紹介させていただきます。
今の子供はバーチャル世代といわれ、命の重さ・人の痛みを知らずすぐキレる。
ゲームやケータイ、ネットやマンガで暴力が溢れていて、悪い影響しかない…。
こういう「分かったようなもっともらしい意見」が
新聞やテレビなどの古いメディアで垂れ流されています。
その度にオタで教員してる私としては「分かった気になってるなよ…」
とすぐキレそうになりますw
ゲーム脳と言ってる親は、統計上今一番ゲームに時間を割いているのは
二十代後半から三十代前半ということを知らないでしょう。
暴力的な表現ということだけをとれば、古典の教科書にのっている
平家物語の合戦の首を斬る描写など、よっぽど残酷だったりします。
高校生のもつ性知識などは、AVとか風俗とか変に詳しい割りに、
肝心な避妊の方法とかピルが処方されないと使えないとか知らなかったする。
こんな知識がいびつな現状が問題なのに、性知識そのものが身につくことまで否定したり…。
とにかく「もっともらしい意見」に悪者にされがちな教員としては、
同じく悪者にされがちなマンガやゲームを弁護したくなる訳です。
スイマセン、鼻息荒くなってしまいましたw
しかし、こんなことを考えながら黒板に字を書いたり、
試験問題を作っている教員がいることも知って欲しいです。
前置きが長くなりましたが、そんな教員の立場から
高校生(特に男子!)や保護者世代の方(特に今のマンガ=悪と考えている方!)、
「集団レイプするをする人はまだ元気があっていい」というような発言を
平成15年6月26日に鹿児島でされた自民党議員・太田誠一センセイなどに
是非読んでいただきたいマンガを紹介させて頂きます。
(秋山は「太田の事は忘れはせん、忘れはせんぞぉ!」
といかつい愛妻家ドズル・ザビ様のように今も怒っておりますw)
BITTER VIRGIN(ビターバージン)。直訳すると「苦い処女」。
80〜90年代のりぼん読者ならドタバタラブコメ、
サンデー読者ならホラーテイスト長編「鬼切丸」でご存知の楠桂お姉さんです。
現在スクウェア・エニックス社のヤングガンガンで月一連載中の作品。
この作者のことをご存知なら、
上の設定や掲載誌は「何かの間違いじゃ?」と思われるような変わりっぷりw。
大丈夫、楠桂お姉さんは変わってますが変わってません。
正確には、楠桂お姉さんはお母さんになりましたが、
人の内面を描こうとする語り手として変わっていません、です。
そして、何かを描くために何かの痛みを描くことも変わらず、
いやむしろ激しくなりました。
主人公の諏訪君は、幼馴染の柚ちゃん、イケイケな香月ちゃんに好かれつつ
高校生活を平和におくっております。
しかしある日、同じクラスだけどあまり親しくない
無口な雛子ちゃんの重大な秘密を知ってしまいます。
「実は雛子ちゃんは中学時代に、義理の父に性的虐待を受け、二度妊娠し、一度出産している」。
このことを知ってから、諏訪君は雛子ちゃんのことをひそかに心配し、
そして知った秘密の重さに悩むことになります。
そんな中、一方で「普通」の女子高校生の香月ちゃんと付き合うことになり、
「普通」の女子高校生で幼馴染の柚ちゃんに突っかかられたりやきもち焼かれたりします。
こんなにありきたりな(失礼!)高校生ラブコメなシーンを描く一方で、
諏訪君のひそかに「普通の高校生でない」雛子ちゃんを思いやり、そして想う気持ちは、
少しずつ男性恐怖症な雛子ちゃんの心を救い、諏訪君の内面も成長するのですが…。
ここからは「さすが、古きよき少女漫画家!」という楠桂お姉さんの本領発揮な展開に。
登場人物は極力数を少なくしているのですが、
単行本2巻の終わりに主人公の綺麗な綺麗なお姉さん・諏訪和泉さんが
投入されることで、「妊娠」「命の重さ」「性」などのテーマが
どんどん様々な側面から描かれていきます。
世の中は善意ばかりで出来てはいないということや、
自分の意図や願いを超えて動く現実もあることも描かれていきます。
「物語は作り物であるが、歴史や学問などよりかえって真実を描いていることがある」と
光源氏を通じて書いた紫式部の言葉があります。
作者の楠桂お母さんは、ご自身の妊娠の経験を脚色してより「真実」を描こうと
敢えて重い題材を選んで「作り物」を描いてらっしゃいます。
レイプとか中絶とか虐待とか簡単に口にする前に、どういう想いが
レイプとか中絶とか妊娠とか虐待とかの事実を前にして交錯するか、
マンガという作り物・フィクションを通して考える事は決して無駄なことではないと思います。
いやぁ、珍しく教員らしい?お堅い内容になってしまいました(スイマセン)。
一昨日、教室で男子生徒から没収したDVDが物凄いレイプもので、
しかも「こういうハードなのがセル(レンタルでない商品)ではメインなんスよ」
という、さも「こういうのが好きなのは男として当然」みたいな態度に
本気で「この国の男、大半はヤバイのでは・・・?」と私は思ったので。
もちろん、レイプ大好きな方ばかりがこのブログをご覧になってるとは思いませんが、
「女性に暴力するのは駄目だよ」などと語る際に頭に置いてほしい一冊として是非、
「こういう凄いマンガもあるよ」という時の一冊に是非、とオタク教員として紹介させて頂きました。
凄く読んでいて痛い痛い作品なんですが、でも楠桂さんの作品を昔から読んでいてよかった、
マンガを好きでよかった、とも思える「日本のマンガ文化の成熟」を示す作品なので…
是非ご一読を。つい先ごろの8月末に3巻が出たばかりです☆
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うんうんDVDも一昔前のAVみたいにソフトじゃなくて・・
それが横行してるんですよね。
マニアに押されて(女性にも子どもに対しても)虐待的な要素が
強くなってるんですよね。
知人の助産師さんで「性教育」の講座をしてる人がいるんですが
未だに「オブラートで包んでやって下さい」という校長(高校)が
フツウにいるんだとか。現実を見て欲しいです。
2007/9/11(火) 午後 1:00
性教育の場でもそうなんですか…
なかなか現実に対応するのが難しいんですね。
でもこのままにしておくと、
本当に大変なことになると思うのですが。
ネットやケータイで情報入手に歯止めがかからないですものね…
2007/9/11(火) 午後 11:23 [ 秋山妙子 ]