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私が学生時代に四国を一人旅していたときのこと。
四国を一周するのに交通手段は電車とタクシーを主に使って移動していました。
宿は主にユースホステル。一週間四国に滞在して交通費込みで10万かからない
貧乏旅行でしたw
さて、そのタクシーの中で聞いた話を一つ。
仏像を彫る仏師はもともと京都や奈良に多くいらっしゃるらしいのですが、
滅多に注文のない仏像、一体お願いすると大体1000万円くらいの
代金を請求されるそうです。もちろん仏像にする材料の木材は別で、です。
そこで最近はやはりというか、人件費の安い中国の仏師に
彫ってもらうことが多いそうです。
日本で1000万のところが、中国に発注すると300万。
これでも高いのですが、日本人仏師に比べると半額以下。
ですから、四国のお寺でも新しい仏像は、材料の木材は日本で調達して
彫るのは中国、という形が増えているそうです。
「でもねぇ…」とタクシーの運転手さんは言いました。
中国製の仏像は、本来柔和な表情に彫るものなのに、
微妙に怒っているように彫られていることが多い、というのです。
発注するときに写真などで表情を指定し、実際そのとおりに
彫り上げているはずなのですが…日本に着いて安置すると、
少しずつ表情が硬く厳しくなっていくそうなのです。
「仏像には仏師の魂の一部が込められてるからねぇ」
タクシーの運転手さんは続けます。
「中国で昔、日本はひどいことしたでしょ
それを見てきた人が仏師になったとして、憎い日本人から
金もらって彫る仏像に、どんな思いが込められると思う?」
そうして出来た仏像を知らずに拝む日本人…
厳しくなっていく仏像の表情…
「この国はね、やっぱり罪深いんですよ」
タクシーの運転手さんは遠まわしに話をとどめ、そうつぶやいて話をきりました。
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