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● 防壁(ぼうへき)
その昔台湾各地の田舎に入ると台湾人(当時は本島人と呼んでいた)部落が各所にあり、
そこには林家、張家など一族がまとまって住んでいた。
部落の一角に門構えがあり、中に入ると何十軒という家が立ち並び、中央の奥まった
所に正庁といってその一族の祖先を祭る祭壇を備えている建物があった。
部落の周囲は刺竹(しちく)という刺(とげ)を持った竹が取りまいており天然の
防壁となっている。
これはその昔台湾ではどこでも見られた大家族制殿名残をとどめたもので、その昔
経済の主体が農業だったこと、治安が悪かった時代土匪に対する防衛の意味から
このような姿が生まれたのだと聞いている。
このような一族も多い所では百戸も越える部落もあったとか。
昔台湾で生活する民衆から生まれた知恵の一端といえよう。
(注:本記事は吉田道夫絵画集『台湾風物情』P116、117より転載)
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