バカ代表のブログ

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メネレアを目指してから十日が過ぎた


移動する最中にフェルザーは自分の新しい身体になれていった


そして九日目に、メネレアの近くの山に到着すると、次の日の夜を待ち王城に忍び込んだ


目的は勇者時代に知り合った変わり者の貴族に会う為だった


その貴族は魔物と仲良くなることが出来ないかを研究していた


その研究もある程度の成果を見せていた


そのためか、魔王とも話し合いでどうにか出来ないかと自分に相談に来るぐらいだった


あの時は無理だと答えたが、自分が魔王となった現在、一番協力してくれそうな相手がその貴族だけだ


そして、その貴族はよく王城の書物庫によくいると言われていたのでシアと共に書物庫を目指す


「とまれ、巡回の兵だ」


目的の書物庫の前に巡回中の二人組みの兵士を見つける


隠れようとしたが運が悪く回りに隠れる場所がなかった


「ちっ、仕方ない」


素早くシアを抱きかかえ、翼を広げ飛び上がる


「うん?今何かいたような」


「気のせいだろ。魔王はもう滅んだんだから魔物なんかこねーよ」


「それもそうか」


巡回の兵が通り過ぎ、姿が見えなくなってから降り立つ


「ここにフェルザーを手伝ってくれる人がいるのですか」


「たぶんな」


書物庫の扉を開け中に入る


「だれかしら?この時間は私以外誰も入らないようにと言ってあるはずでしょう」


奥のほうで本を書いている女性がいる


「キャロリア・ジルサンダーか?」


「呼び捨てを認めた覚えはありませんよ」


「それはすまないな」


「それで、誰ですか?」


羽ペンを置き顔をあげる


「なっ、魔も、違う魔人……でもない」


フェルザーを見てキャロリアは一瞬驚いたようだが取り乱したりはしなかった


「この姿では初めてになるな。まずはあいさつをしよう」


フェルザーは片膝をつき頭を垂れる


「私はフェルザー、新しい魔王だ。キャロリア・ジルサンダー」


隣にいたシアも同じように頭を垂れて名乗る


「私はシア。フェルザーの側近」


キャロリアはまた驚いた


悟られないように深呼吸をして冷静に考えを始める


(前の魔王が勇者と相打ちになったのは十日ほど前だと勇者の仲間が世界中に知らしめたばかり、つまり目の前にいるこの魔王はただ、そう名乗っているだけという可能性もありますわね。けど情報が少なすぎますわ)


「それで、その新しい魔王様が私に何の御用かしら」


仕方なく素直に一番の疑問を訊ねる


「私に協力してもらいたい」


「私に人間を売れと仰られるのですか」


「そうではない、君の研究を使わせてもらいたい」


「!!どこでそれを。いえ、私の研究を知っているのは一人だけ」


「ご想像通りだ。俺は元勇者アレン・アレクリスタ。今は魔王をやっているがな」


キャロリアも今度は冷静さを保てなかった


「そんな、一体何が。どうして」


「呪いらしい。魔王を殺したやつが新しい魔王になるそうだ」


「なぜ、そんなに落ち着いていられるのですか」


「なんとなくだな」


分厚い本がフェルザーの顔面に当たる


「はっ早い。見えなかった」


「もう一度だけ聞きます。なぜ、そんなに落ち着いていられるのですか」


「なんとな、待った最後まで聞いてくれ」


キャロリアがさっきの本より分厚い本を持ち上げたので止めに入る


「早く言いなさい。今度はこれを投げますわよ」


キャロリアは一番分厚い本を手に取りそれを構える


「わかった」


キャロリアが本を置いてから話し出す


「勇者としてこの国を離れた後からかな、魔王を倒しても本当に人々が幸せになるのか疑問になりだしたんだ。確かに魔王を倒せば安心して暮らすことが出来るかもしれない。だが、この国を見ればわかるが不幸な人はいるし、自分勝手な奴もいる。逆に言えば誰かが不幸にならなければ他の誰かが幸せになれないことが身に染みてわかった」


そこで一度切り、勇者として認められたときに大神官様に頂いた聖剣に手を添える


「旅の途中、勇者の肩書きがなかったら俺はこいつを人に向けて抜いていたかもしれない。けど、それをこらえて、悔しい思いをして町や国を出ていった」


聖剣から手を離す


「今は魔王という肩書きがあるが勇者よりは自由に行動できる。人々には嫌われるがな。でも、なんとなく魔王でも違ったやり方で人々を救えそうに思えるんだ」


そして最後に、なんとなく、と付け足した


「そうでしたか、それで私に何をさせるのですか?」


「協力してくれるのか」


「私から見てもこの国が腐っていることぐらいわかっていますわ。ただ、私の研究には都合が良かったので手を出しませんでしたが手伝ってくださるのでしょう?」


「もちろんだ。レディ・キャロリア」


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