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ちょっと前のことである。
取引先の方とちょっとした忘年会をした。とは言っても私と社長とゲスト2名の計4名なのだが。
すこし洒落た和食のコースを楽しんだのだが、やや飲み足りないとのことで二軒目に向かった。
そこは社長(♀)知り合いが経営しているらしいスナックだった。
小さな店で中国系の女の子がいるところで、結構人が入っている。
壁に取り付けてある大きな液晶テレビにはカラオケが映しだされていた。
飲みながら他愛の無い話をしつつリラックスしていると、聞き覚えのあるイントロが流れてきた。
『これはRAINBOWの” I Surrender”だ!』心の中で思う。気がついたのは当然私のみ。
軽く店内を見回す。
私の横のテーブルにマイクを持つ男がいた。
ジョー・リン・ターナーには程遠い、40近いようなオッサンが。
サラリーマンなのであろう、七三に分けた髪に紺のスーツ。そしてワイシャツがはちきれんばかりの”腹”。
そして彼は歌いだす。
『あい されんだ〜』
予想外だ。彼の体格からは想像できない弱々しい裏返ったようなハイトーンヴォイス。
日本人に伝わりやすいはっきりとした発音で歌っているのは周りの人への配慮なのであろう。
その証拠に、我々には理解しにくい難しい単語は歌っていなかったのだ。
また曲に感情移入しすぎてしまったのであろう、感極まってしまったのか、サビの部分で声が出なくなってしまったのだ。素人目にはキーが高すぎて歌えないように見えたであろうが、この曲の歌詞を知る私には、彼の心情は理解できた。
ギターソロパートに入ると彼は”エアギター”を始めた。ふつうはハイポジションで弾くようなフレーズの部分をローポジションでやっているところが玄人っぽく感じる。
しかも彼はエアギターは左利きだった。素人から見たら『ギターの持ち方逆だよ』と思ってしまうだろう。
大汗をかいて歌いきった彼の周りの人はただ呆然としていた。確かにこれだけ凄いものを観たら誰しもそうなるであろう。彼のパフォーマンスには敬服するばかりだ。
しかし彼は疲労を押して次の曲に入った。メタル道に入った者なら知らない筈はない、
オジー・オズボーンの『クレイジー トレイン』である。
この曲でも時折声を詰まらせてしまうところがあった。
これはきっと今は亡きランディ・ローズを想ってのことだろう。
私もあまりの出来事にお客さんとの会話も上の空になってしまっていた。
それに気付いたお客さんが一言私に言った。
『(彼をチラリと見つつ)すごいね。』
その後も彼は『いとしのレイラ』を歌ったあと『ボウケンジャーのテーマ』を歌い帰っていった。
いやはや、すごいものを見た。
※画像は関係ありません。
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わはは、見たいデス。そりゃあ上の空にもなりますわ(笑)いちいち前向きに解釈してあげるTAKさんの優しさがスバラシイ!
2006/12/27(水) 午前 1:07
これは凄い!!でもメタル好きなところが親近感沸きますね〜。こういう人が上司だったら、メッチャ僕は気が合うと思います。でも『ボウケンジャーのテーマ』は・・・・(笑)
2006/12/27(水) 午後 3:15
DEATH番長さん:まわりのひとは苦い顔してましたよ。酒の勢いで歌い始めたら止まらなかったんでしょうねぇ。
2007/1/4(木) 午後 4:16
京介さん:いや、この人が上司は嫌ですよ、きっと。『メタルを齧ったことがある』程度でしたし、何よりも周りをドン引きさせても気付かないのはちょっと・・・。
2007/1/4(木) 午後 4:21