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微分演算子とベクトルの違いについて

ベクトルは、向きと大きさを持った数値で、一般的には3次元空間における表現として、F=Fxi+Fyj+Fzkのようにそれぞれの基軸方向の成分に分解して表現します。ただし、ここでFxはx軸方向の成分、Fyはy軸方向の成分、そしてFzはz軸方向の成分を示します。i,j,Kはそれぞれx方向、y方向そしてz軸方向の単位ベクトルを表します。
 
一方、微分演算子▽は、直交3次元空間では,イメージ 1
と書く事ができ、Wikipediaに書かれていますように
偏微分作用素を成分とするベクトルと解釈」することができますが、一般のベクトルとは非常に大きな違いがあります。

一般のベクトルがで定義されるのに対して、この微分演算子の持つ意味は、この点を含む微細ではありますが、領域(面)で定義される点です。この演算子が作用する値は、近傍の値との関係で、定義されます。

この違いを無視した考え方をする人がいます。
例えば、英文WikipediaHelmholtzDecompositionの記事の中に
イメージ 2
という記事が書かれています。上に引用した数式の上段の式、すなわちkで考えられたことは、点での考察で、式の意味するところに問題はありませんが、下段rで示された式は、領域(または2次元の場合は面)で考えるべきで単純に上の式から類推してt=0、や▽×l=0とするわけにはいきません。

このことは、定性的ですが、下図のような流れの例を考えると、簡単に彼の言っていることが間違っていることが分かります。
イメージ 3



















これは、微分演算子を単純に通常のベクトルと全く同じ扱いにしたことによる間違いです。
 
次に、同じような間違いをしていると考えられるのは、Helmholtz Decomposition の証明(解説?)にガウスの積分定理や、グリーンの定理などから類推して、境界におけるベクトルを境界に垂直な成分と境界に接している成分に分けて、垂直な成分が発散成分すなわち渦の無い成分、面に接している成分が渦成分または非発散成分と誤解している場合があるように思います。

境界面における点で決められる分解は、通常のベクトルの分解で、発散成分や渦成分は境界面の近傍を考慮して決められる数値ですので、境界における垂直な成分は基本的に発散成分ではありません。

境界面に垂直な成分は、単に点の単位面積を通じて発散している量を示すだけで、境界すべてに渡って積分すれば、その領域からの発散量が求められると言うだけです。
 


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