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の数式で示されていますが、この式は単純な間違いをしています。
普通のベクトルの分解では、例えば、ある方向の流速を東西成分と南北成分に分解すると、元のベクトルは、すべて分解された成分に余すところなく分解されます。
しかし、ヘルムホルツの分解定理を示す1)式の右辺第1項は、元のベクトルAの発散成分を取り出して、その発散に寄与する成分のみを示しており、右辺第2項は、ベクトルAの渦成分を取り出して、その渦(度)に寄与する成分のみを示す式になっています。
1)式が、ヘルムホルツの分解定理を示していると考えることは、元のベクトルが「完全に発散成分と渦成分のみ」からできているベクトルについてのみ正解です。
電磁波を扱う人たちは、電磁波がその通りになっているものですから、1)式を信じて疑いませんが、「分解定理」を用いて彼らは分解したことはありません。
もしもベクトルAに「発散にも渦にも寄与しない成分」が含まれている場合には、1)は不十分と言うか、間違っています。
正しくは、
・・・・・・2)
とすべきです。2)式のイメージを図にすると下図の通りです。
一般的には、ベクトル関数には発散にも渦にも寄与しない成分があります。単純明快な例として、一様流を考えて下さい。
上の2)式の左辺ベクトルAが一様流だとすると、ヘルムホルツの分解定理を示すとされる1)式では、右辺の第1項も、第2項も0になりますから積分常数を考えても、∇φも∇×Xも0ベクトルになります。元のベクトルAは明らかに0ベクトルではありませんから1)式は間違っており、2)式が正しいと考えるべきです。
一様流でなくても一般にベクトル関数は、発散にも渦にも寄与しない成分を含んでいます。ベクトルAのある点における発散∇・Aと渦∇×Aの計算をするための差分計算のモデルを下図に示します。
図の中心におけるベクトルAの発散と渦を計算します。
発散や渦を求めるためには、図の右に示す式に示す通りで、この点におけるベクトルAをx方向成分Uとy方向成分Vに分解して、それぞれの成分のx方向とy方向の微分を用います。このときのベクトルの分解は、通常のベクトルの分解ですから、Aは余すところなく全てがベクトルUとベクトルVに分解されています。
そして、発散を求める式に出てくるベクトルは、図の青い矢印で、渦を求める式に出てくるベクトルは赤い矢印で示しています。全ての赤い矢印や青い矢印は、発散または渦の計算のどちらかに必ず使われていますので、もとのベクトルAの全ての成分が発散または渦の計算に使われています。
しかも、発散計算に使われる青いベクトルは中心の点から出入りする(longitudinalな)方向になっていて、全く渦に寄与しない成分です。
逆に赤い矢印は中心からの放射線に直角な(transversalな)方向で発散には寄与しない成分になっています。
これは、1)式が正しいことを意味するのでしょうか。
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