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 ベクトルが単独で存在するときのベクトルの成分とは、基準座標に分解されたそれぞれの値を言います。考えている場が2次元の面であれば、(x軸、y軸の)2つの基準軸方向成分、3次元の空間なら、(x軸、y軸、z軸の)3つの基準軸成分に分解して、ベクトルを表すことができます。普通、ベクトルの成分とは、この直交する基準軸方向の値のことを言います。

 しかし、ベクトル場が与えられて、今考えている点を中心にした微小な領域の中で、その点のベクトルが「どれだけ発散に寄与しているか」と「どれだけ回転に寄与しているか」に注目してベクトルの成分を考えるときは、次の4つの成分に分けて考えることができます。

イ.発散に寄与する成分
ロ.回転に寄与する成分
ハ.発散にも回転にも寄与しない成分
ニ.発散にも回転にも寄与する成分


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イ)発散に寄与する成分
 発散に寄与する成分だけの具体的な例として、電界があげられます。電界の中に電荷を置くと、電界の傾きの方向に力が加えられますが、その力ベクトルは、回転に寄与しない発散のみに寄与する成分だけのベクトルになります。
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ロ)回転に寄与する成分
 回転に寄与する成分だけの具体的な例は、磁界に電流を走らせると、この時電流が受ける力のベクトルは、回転のみのベクトル場になっています。この時、電流が受ける力のベクトルは、発散には寄与しない回転にのみ寄与する成分だけからできています。


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ハ)発散にも回転にも寄与しない成分
 発散にも回転にも寄与しない成分は、一様流を考えると、簡単に分かります。2次元で考えて、何処においても、x方向に5m/sの速度で流れている流れの(y方向は0m/s)場合、発散も回転も0ですので、この流れのベクトル場に「発散に寄与する成分」も「回転に寄与する成分」もありません。当然「発散にも回転にも寄与する成分」も0です。したがって、一様流の流れのベクトルは、発散にも回転にも寄与しない成分だけからなるベクトルでできています。


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ニ)発散にも回転にも寄与する成分
 発散にも回転にも寄与する成分だけのベクトル場の例は、上げることができませんが、一般的な流れの場について、発散と回転を計算する式を極座標で考えると、両方に寄与する成分のあることを簡単に理解できます。下図は、極座標でベクトルを示した図ですが、その発散、及び回転の計算式も図の中で示しています。
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 その点のベクトルFを極座標(F、FΦ、及びFθ)で表し、発散および回転を求める一般式を示すと、上図のようになります。すなわち、F、FθおよびFΦのどの成分も、発散にも回転にも寄与していることを示しています。すなわち、一般的には、ベクトルは発散にも回転にも寄与する成分を持っていることが分かります。


 次回は「これら4つのベクトル成分とポテンシャルについて」書く予定です。







<ヘルムホルツの分解定理>

 流れの場の特性を表す量に「どれだけの速さでどちらに向かって流れてるか」と言うベクトルそのものの特性のほかに、「発散」と「回転(渦)」と言う量があります。

 ヘルムホルツの分解定理によれば、任意の流れFは、「回転の無い発散のみの成分」と「発散の無い回転のみの成分」に分解されることになっています。

すなわち、流れの場F(r)は、
F(r)=∇Φ+∇×A             ・・・・・・・・・・・1)
と言う式で示すことができるとされています。

∇Φを発散成分、∇×Aを回転(渦)成分と呼んでいます。
注:回転は渦とも呼ばれますが、ここでは、回転と言うことにします。


<ヘルムホルツの分解定理で言う成分は成分ではない>

 ベクトルとは方向と大きさをもった量で、その空間の座標軸方向の成分に分解できます。この座標軸方向の値が成分です。この成分は、ベクトルそのものの別の表現の仕方であって、個々のベクトルに対して定義できます。


 しかし、発散や回転は、その定義を見て分かりますように、1点だけに与えられたベクトルには、定義できません。空間微分によって定義されるこの量は、そのベクトルがその微小領域の中でどれだけ発散に、あるいは回転に寄与しているかを示す、寄与量です。決して成分ではありません。

 <もしもそれを成分と言うのであれば>

 発散や回転に寄与するその点のベクトルの寄与量を、強いて成分とするなら、その成分は、その微小領域の中で、「発散に寄与する成分」、「回転に寄与する成分」の他に、「発散にも回転にも寄与しない成分」と「発散にも回転にも寄与する成分」を考慮すべきです。


 すなわち、流れの場の中のある点における、発散、回転に関するベクトルの成分は、下図のように分解することができます。
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<任意の流れをベクトル場Fと考えると、∇Fと∇×Fは、くっついており、分離できない>


 流体学者は、流れの場Fが存在するとき、∇・Fの場も∇×Fの場も計算できることをもって、これが「分解できた」と早合点しますが、「発散にも回転にも寄与する成分」があると、元のベクトルFは両方に寄与しているので、下図のように、∇・Fの場と∇×Fの場が分離できない「くっついた場」になっていて、Fが「発散のみの場」と「回転のみの場」に分解されていません。


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流れに回転が無いと分かっている場合には、∇(∇・F)だけのネットになり、流れに発散が無いと分かっている場合には、∇×(∇×F)だけのネットになることが、数学的に分かっていますが、一つの流れの中に発散も回転もある流れでは、これらのネットはくっついていて、分離することはできません。
 
すなわち、ヘルムホルツの分解定理は、一般に流れの場には適用できないことが分かります。







流線関数と大阪の夏の気温

<このページをお読みになる前に、「日本の猛暑と速度ポテンシャル」をお勧めします>

 まったく馬鹿げた調査だと思われるかもしれませんが、夏の猛暑と流線関数のデータの間の相関について、念のため調査しました。

 ご存知のとおり、風の場は「発散の無い渦だけの風」と「渦の無い発散だけの風」に分けられますので、発散の無い渦だけの風を表す「流線関数」と夏の猛暑の指数としての「大阪の8月の気温」との間に相関のあろうはずはありません。

 でも先に発散だけの渦の無い風を示す「速度ポテンシャル」との相関調査を行っていて、同じ手法で、チョイチョイとできるので、遊び半分で調査しました。
 
 流線関数の資料も気象庁のホームページに1958年から公表されています。図1が19588月の例です。



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図1 流線関数の見本(19588月)
等値線が流線関数の値です。その向き(流線関数はベクトル関数)は、常に紙面に垂直に上に向いていることになっていて、スカラー関数的に扱うことができます。

色塗りは、その流線関数の平年偏差を示しており、その偏差の大きさが左上の偏差の階級表示によって示されています。画像は、電子データとして公表されていますので、図の一つ一つの画素から色を読み取り、凡例の色と比較して、その画素が凡例に示されている色であることが確認できると、その点の偏差の階級が読み取れます。この値を階級の真ん中の値として読み取ることにします。

速度ポテンシャルの平年偏差を読み取った要領で、南北60度の全球域を、南北2.5度、東西5度の格子に区切って、その格子内の画素から読み取れる平年偏差を平均します。その値を「その格子の流線関数の平年偏差」とします。

格子内で読み取られるサンプル数とその格子の平年偏差の例を図2に示します。全部を示すと分かりにくいので、横方向は6個毎、縦方向は4個毎に示しています。サンプル数は平均的に50個くらいはあります。
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図2 流線関数の平年偏差の格子内のサンプル数と平年偏差の見本(19588月の例)


1958年から2016年までの8月の平均図を読み取ると、各格子毎に、59個の平年偏差データが得られ、これらの年の大阪の8月の平均気温と相関調査を行います。


48×72組の相関図ができ、それぞれの格子の流線関数の平年偏差と大阪の気温の相関係数が求められます。


大阪の気温と各格子枚の流線関数の平年偏差の相関係数を図3に示します。大阪の8月の気温は太平洋高気圧の強さによって決まり、その強さは上層の収束が維持されるからと推定されることから、発散・収束を含まない流線関数に関係しているはずはなく、高い相関係数の格子があるとは考えにくいが、せっかくなので図にしてみました。

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図3 大阪の8月の気温と流線関数の平年偏差の相関係数分布図
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図3の付図 図3の日本付近拡大図


あれっ!?こんなことがなぜ?


速度ポテンシャルの平年偏差より明らかに高い相関を示す地域がありました。


最も相関の高かった格子(33,9)における大阪の8月の気温と流線関数の平年偏差の相関図を図4に示します。
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図4 大阪の8月の気温と格子(33,9)の流線関数の平年偏差の相関



3を見ると、日本の東方、アリューシャン東部(アラスカ西部)に比較的高い相関の領域がやや広く、また日本の西方、バルハシ湖付近にも小さな領域ですが、やや高い相関の場所も見られます。 


これは、いったいどう考えたら、よいのでしょうか?







先に日本の猛暑と速度ポテンシャルについて調査し、報告しています。それに寄りますと、8月のフィリピン付近の速度ポテンシャルの平年偏差が大阪の8月の気温とマイナスの相関が弱いながら見られることが分かりました。

気象学的には、フィリピン付近の積乱雲の活動で上空に持ち上げられた空気が日本付近で収束して下降気流をもたらせているのではないかと考えられる資料とみることができそうです。フィリピン付近は発散の中心近くと考えられ、その場所の速度ポテンシャルの平年偏差がマイナスであることは、編年よりこの辺りで発散が大きくなっていると考えることができるからです。

それなら、もっと直接的に日本付近の上空の収束と関係があるのではないでしょうか。速度ポテンシャルΦの平年偏差と発散・収束は直接の関係はありませんから、発散・収束の平年偏差に相当する量を考えてみましょう。

発散の平年偏差=∇・(∇Φ)の平年偏差ですが、
       =(∇・(∇平年偏差Φ))と考えて、
∇(平年偏差)を求めます。月平均図ですので、小さな波動は平滑化されて見えなくなっていますが、8月の天気を検討するような場合は、数千Km規模の現象の解析ですから、東西方向は5度、南北方向は2.5度格子の差分で、解析できるのではないかと考えられます。

具体的には、図1に示す方法で、発散の平年偏差を求めます。


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図1 格子点に与えられた速度ポテンシャルから発散を求める式
この発散計算で「発散(収束)」の平年偏差を各格子点について計算し、大阪の8月の平均気温との相関係数の分布図を求めると図2のようになりました。全く期待外れの結果になりました。
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図2 速度ポテンシャルの平年偏差から得た「発散の平年偏差」と
大阪の8月の気温の相関分布図


平年偏差の考え方が間違っているのか、やり方が悪いのか、分かりませんが、このやり方では、相関が悪かったとしか言いようがありませんでした。

以上、このような方法では両者に相関がみられなかったと言うつまらない報告ですがやってみての結果の報告です。

はじめに

日本の夏は、太平洋高気圧が日本付近に居座って、下降気流場が持続して晴天が持続すると猛暑になります。
 
気象変化に関係している大気は、いわゆる対流圏ですが、中緯度では、冬季は1m以下、夏季は1万数千mくらいの厚さです。その上は成層圏と言って文字通り、安定した成層状態を保っており、空気の上下動が非常に小さくなっています。対流圏は、上に成層圏というフタをされ、下は地面とか海面で固定されています。

対流圏の中で上昇気流がある所では雲が発生し、曇りや雨の天気になります。逆に、下降気流がある所では、晴天になります。
 
上層で風が収束するところでは、上に空気の逃げ場所が無いため、下降気流が起き、晴天になります。

晴天が平年より長く持続する場所では、上層天気図の月平均図に平年より気流収束の大きな場所が見つけられる可能性があります。
 
今の気象学に寄りますと、風は「渦だけの風」と「発散・収束だけの風」に分かられますので、上層の風の収束の状態を調査するには、「発散。収束だけの風」から求められている速度ポテンシャルだけ見ると、「上層の収束」が分かるはずです。


1.速度ポテンシャル図


西日本の猛暑を大阪の8月の平均気温で代表して、速度ポテンシャルの8月の平均図から、上層のどの領域の収束が西日本の猛暑に関係が深いか調べてみました。


 1は、19588月の速度ポテンシャル図です。このような図が、1958年以降、毎月の平均図として最近まで気象庁のホームページで公開されています。

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1 速度ポテンシャル図見本(19588月の例)


1の実線がその月の速度ポテンシャルの平均値の等値線です。この線の値の低いほうから高いほうに向かって等値線に直角に、その間隔に反比例して「発散風」が吹いており、この風を解析するだけで、その月の上層の平均的な風の発散分布や収束分布が分かることになります。


色塗りは「速度ポテンシャル」の値が平年に比べて、高いか低いかを示しています。ポテンシャルの平年偏差ですので、風そのものの平年偏差ではありませんが、ポテンシャルの偏差を調べると、平年との差が表れており、どこかの場所で異常に収束が大きかったり、小さかったりすると、風の収束量の偏差にも現れている可能性があります。



2.図から平年偏差のデジタルデータを読み取る方法


月平均の等値線が実線で、その平年偏差が色塗りで示されていますが、統計処理をしたいので、この図からデジタルデータを取り出す方法を考えます。


実線の値を読み取る方法は、素人にはむつかしいので諦めます。偏差分布は色塗りで示され、その色の凡例も示されていますので、図の中の画素の色を読み込むことで、「その点」の「速度ポテンシャルの平年偏差の階級」が読み取られます。「階級」ですので、非常にあいまいな値しか読み取ることはできませんが、どの階級の色かが分かると、その階級の真ん中の値として読み取ることにします。緯度方向に2.5度、経度方向に5度に区切って、その格子に含まれるポイントの値を平均して、「その年のその格子領域の平均的な速度ポテンシャルの平年偏差」を知ることができます。


図2は、その格子による区割りの模様を示しています。南北60度までの全球を縦48区分、横72区分に分けて、南北60度で挟まれた全球の領域を、
横72、縦48
に区切って、それぞれの格子内の速度ポテンシャルの平年偏差を読み取ります。

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図2 全球を格子で区切って調査しました


領域の識別は(x、y)で表します。xは横方向に左端から何番目の格子か、yは上から何番目の格子かを示します。例えば、瀬戸内地方は(33,11)に当たります。


1つの格子内のサンプル数は、少ない格子では数個の場所もありましたが、平均的には40個あまりで、70個以上のサンプルが得られる格子もありました。


このようにして、縦48、横72の計3,456個の領域の速度ポテンシャルの平年偏差データが得られます。 


8月の速度ポテンシャルの平年偏差図は、1958年から2016年までの59年分ありますから、一つの領域について、59年分の、すなわち59個のデータが得られます。 


西日本の夏の猛暑を数値化するものとして、非常に単純に大阪の8月の気温を用いることにします。 


例えば、瀬戸内領域の(33,11)の速度ポテンシャルの平年偏差と大阪の8月の平均気温との相関を示すと図3のようになっていました。

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図3 大阪の気温と近傍上空の速度ポテンシャルの平年偏差との相関
(8月のみ)
 
すぐ近くの上空の速度ポテンシャルの平年偏差の間には、まったく相関はありませんでした。 


このような、関係を(72×48)の格子について調査し、その相関の強さ(相関係数)の分布図の一部を示すと、図4のようになりました。

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図4 大阪の気温と速度ポテンシャルの平年偏差との相関係数分布図

図4の相関係数の値は字が小さくて見ずらいですが、フィリッピン付近にマイナスの相関のやや高い領域が見られます。(東半分は、図が小さくなりすぎるため示していませんが、すべて0.3以下の小さな相関しかありませんでした)

フィリッピン付近の発散の中心に近いところで、平年偏差がマイナスだと平年より発散が大きい可能性があり、フィリッピン付近の上層の発散が、日本付近の下降気流の原因になって、大阪の夏の気温を押し上げている可能性を示した図になっています。

この領域の中で負の相関が最も大きかった格子は(31、23)の格子で、その場所の8月の速度ポテンシャルの平年偏差と大阪の8月の気温の相関は、図5に示す通りです。

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図5 格子(31,23)の速度ポテンシャル平年偏差と大阪の気温
8月)


散布図を見ても分かる通り、相関としては大きいとは言えないと思いますが、(31,23)の格子内の速度ポテンシャルが平年より小さいと大阪の気温は高くなる傾向はみられます。

速度ポテンシャルの大きさ自体が、発散や収束に関係しているような説明もありますが、本当はポテンシャル自体の大きさは直接には発散・収束に関係していません。

次に、このポテンシャルの偏差から「発散・収束の偏差」を求めて、大阪の気温との相関を調査してみましたので、続きをどうぞご覧ください




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