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1. ベクトル3重積を用いたヘルムホルツの分解定理の証明
3つのベクトルをA、B、Cとすると、A×(B×C)=B(A・C)−C(A・B)と言う恒等式があります。このA×(B×C)をベクトル3重積と言います。この恒等式のAとBを微分演算子∇で、CをWで置き換えると、
∇×(∇×W)=∇(∇・W)−∇2W
となり、右辺第2項を左辺に、左辺の式を右辺に移項すると、
∇2W=∇(∇・W)−∇×(∇×W) ・・・・・・1)
が得られます。
近傍の状態に影響を受ける微分演算子を1点で定義できるベクトルと同一のものとして扱うわけには行けませんが、数式の展開方法としては、微分演算子の各偏微分をベクトルの成分と同じように扱って、Wが滑らかに連続しておれば厳密に、1)式は得ることができます。
一方、ヘルムホルツの分解定理とは、任意のベクトル(関数)が、渦の無い発散のみのベクトル(関数)と、発散の無い渦のみのベクトル(関数)に分解できると言う定理で、数式で書くと
V=∇φ+∇×A ・・・・・・・・・2)
の様に表現することができます。
ここで、1)式の左辺はWの各成分をそれぞれの軸方向に2階偏微分をしただけのベクトルですから、単にベクトルVとしても問題はありません。
さらに右辺の∇・WはWのその点における発散量ですからスカラー量です。∇を一つのベクトルとして考え、ベクトルの内積はスカラーになる事からもスカラーです。これをφとすると∇(∇・W)=>∇φとすることができます。
また、∇×Wはその点の回転ですから一つのベクトルであり、これをAとすると∇×(∇×W)=>∇×Aとすることができます。
かくして、1)式から2)式が導かれました。
すなわち、ヘルムホルツの分解定理が証明できたことになります。
2. 実は2つの式は同一では無い
先に書いた2)式を書き直すと
∇2W=V=∇φ−∇×A ・・・・・・・・・2‘)
ですが、1)式から2式に書き直すには、∇・W=φ、∇×W=A と言う条件が付いています。
つまり1)式と全く同一の式としては
∇2W=V=∇φ−∇×A ただし、φ=∇・W, A=∇×W ・・・・3)
と付帯条件を付けておかなければなりません。
すなわち、φとAは互いに独立ではなく、φが決まればAも、逆にAが決まればφも必然的に決定されて居る事を忘れてはなりません。
2)式は、いわゆるヘルムホルツの分解定理そのものです。何度も書きますが、任意のベクトル関数Vがスカラー関数φのdivergenceと、ベクトル関数Aのrotationで示されることを示して居ます。
一方、3)式は、滑らかでな連続ベクトル関数Wと言うものが存在すると、そのWを共通に基の関数とするスカラー関数φ=∇・Wとベクトル関数A=∇×Wが存在して、そのφから渦の無いベクトル∇φが、Aから発散の無いベクトル−(∇×A)が求められ、その和で基のベクトル∇2W=Vを現すことができることを示して居ます。
一見2)式と3)式は同じように見えるかも知れませんが、2)式ではφとAが互いに独立で、いろいろの組み合わせが考えられ、φが決まっても、Aは決まっていませんし、いろいろな分布が考えられると言っています。
一方、3)式は、φが決まればAも決まっており、例えば具体的な例として、電磁波が考えられます。と言うか、私の考えでは、3)式を具体的に具現化している物理量としては、電磁波のみがこの世に存在すると思います。
すべての電磁波(ガンマ線、エックス線、光、電波など)は、一つ一つ固有のWが存在し、∇・Wがその電磁波固有の電界を、∇×Wが固有の磁界となって、瞬間瞬間にそれらの組み合わせができあがっています。
より具体的に例を挙げますと、ABCテレビの電波には、ABCテレビの電界と磁界が交互に互いに影響を与えて振動しながら伝搬していますが、この組み合わせはABCテレビ固有の電界(∇・WABC)と磁界(∇×WABC)です。
一方、CNNテレビも固有の電波を持っていて、その電波は固有の電界(∇・WCNN)と磁界(∇×WCNN)を持っており、決してABCテレビ固有の電界(∇・WABC)とCNNテレビ固有の磁界(∇×WCNN)とがペアを組むことはありません。3)式では、このことを但し書きで示して居ます。
2)では、但し書きがありませんから、任意の∇φと∇×Aが考えられると言っています。ABCテレビ固有の電界(∇・WABC)とCNNテレビ固有の磁界(∇×WCNN)とがペアを組むことも考えられ、そのような“任意のベクトル”が存在すると言っています。
すなわち、ヘルムホルツの分解定理を信じる人たちは、光の持つ電界と放送局が出す電波の磁界さえペアを組んで電磁波として存在するとも言っていることになります。
単一の光や電波などの電磁波が2)式を満足していると言う事実だけで、執拗に「ヘルムホルツの分解定理」を擁護する電磁気学の関係者が居ます。
いったい、電磁気学にこの「ヘルムホルツの分解定理」は必要なのでしょうか。彼らは、何を分解しているのでしょう。
実際に分解定理が必要なのは、気象学などの流体力学の関係者です。その気象学者たちのやっている「分解」の実態を見ると、理論的には、あきれることをやっています。
2次元の平面上(200hPaや850hPa)の風を、同じ平面内にφとその面に垂直なAの分布を考えて、それらから渦なし発散風と発散無し渦成分風を、同じ面内に導き出しています。
気象学に対しては、早く「ヘルムホルツの分解定理」から脱却することを、電磁気学の世界の人には基のベクトルWが何かを研究することを願って居ます。
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2015年10月26日
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