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元のベクトルを余すところなく全て分解し、そのうち半分は発散計算に、残りの半分は渦の計算に用いられたのですから、1)式が正しいと考えるかもしれません。しかし、それぞれの成分の中に発散にも渦にも寄与しない成分はあります。
ベクトルAを流れのベクトルとすると、発散は、2次元では
∇・A=∂U/∂x+∂V/∂y
で表されます。
このうち、x方向の成分Uによる発散を示すと下図のように
示すことができます。
上図は点oにおけるU成分による発散を求めるための模式図です。点oからΔx/2だけ大きい点をP4、小さい点をP2とし、それぞれの点におけるAのx成分を、U4、U2とすると、点oにおけるU成分による発散量は(U4−U2)/Δxとなります。
ここで点oにおける微小領域で定常流U2と発散成分に分けて考えます。P2におけるU=定常流U2+0、P4におけるU=定常流U2+(U4−U2)と考えると、点oのU成分による発散量は、
(<定常流+(U4−U2)>−<定常流+0>)/Δxと考えることができます。
y方向の成分Vについても、図は省略しますが、同じ考え方ができ、定常流と発散成分に分けて考えることができます。
また、同じように、渦に寄与しない成分を考えることができます。
今考えて居る点の近傍(P1,P2,P3,P4)のベクトルで渦や発散を考える時、「中心o」からの放射線に対して「直交成分U1,V2,U3,V4」が回転を与える事は分かりますが、その成分の全てが「回転成分」になるのでは無く、「回転」に寄与しない成分があることは上の図に示す通りです。
即ち、ヘルムホルツの分解は、すべての成分が完全に分解しきってしまう、いわゆる通常の2方向へのベクトルの分解では無く、「発散に寄与する成分」と「渦に寄与する成分」の他に、「発散にも渦にも寄与しない成分」を加える必要があります。
発散にも渦にも寄与しない成分があることを含めて考えると、「発散にも渦にも寄与しない成分」は、「発散成分」と一緒になって「渦のない流れ成分」となります。流れに渦がなければ、速度ポテンシャルが存在し、「渦のない流れ」全体を表すことができます。この流れと渦だけの流れを合わせると、元の流れAを表すことができます。 あるいは、「発散にも渦にも寄与しない流れ成分」を渦成分と合わせると、「発散の無い流れ」となり、この流れ成分と「発散のみの流れ」を合わせると元の流れAを表すことができます。
実際の分解を現実に行っている気象関係者は、2)式に寄って「ヘルムホルツの分解」を行って、毎日の上層天気図の風を分解しています。その結果、「渦のない風の成分」から「速度ポテンシャル」を「発散のない風の成分」から「流線関数」を求め、毎日ホームページで公開しています。
その3に続く
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2016年09月19日
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の数式で示されていますが、この式は単純な間違いをしています。
普通のベクトルの分解では、例えば、ある方向の流速を東西成分と南北成分に分解すると、元のベクトルは、すべて分解された成分に余すところなく分解されます。
しかし、ヘルムホルツの分解定理を示す1)式の右辺第1項は、元のベクトルAの発散成分を取り出して、その発散に寄与する成分のみを示しており、右辺第2項は、ベクトルAの渦成分を取り出して、その渦(度)に寄与する成分のみを示す式になっています。
1)式が、ヘルムホルツの分解定理を示していると考えることは、元のベクトルが「完全に発散成分と渦成分のみ」からできているベクトルについてのみ正解です。
電磁波を扱う人たちは、電磁波がその通りになっているものですから、1)式を信じて疑いませんが、「分解定理」を用いて彼らは分解したことはありません。
もしもベクトルAに「発散にも渦にも寄与しない成分」が含まれている場合には、1)は不十分と言うか、間違っています。
正しくは、
・・・・・・2)
とすべきです。2)式のイメージを図にすると下図の通りです。
一般的には、ベクトル関数には発散にも渦にも寄与しない成分があります。単純明快な例として、一様流を考えて下さい。
上の2)式の左辺ベクトルAが一様流だとすると、ヘルムホルツの分解定理を示すとされる1)式では、右辺の第1項も、第2項も0になりますから積分常数を考えても、∇φも∇×Xも0ベクトルになります。元のベクトルAは明らかに0ベクトルではありませんから1)式は間違っており、2)式が正しいと考えるべきです。
一様流でなくても一般にベクトル関数は、発散にも渦にも寄与しない成分を含んでいます。ベクトルAのある点における発散∇・Aと渦∇×Aの計算をするための差分計算のモデルを下図に示します。
図の中心におけるベクトルAの発散と渦を計算します。
発散や渦を求めるためには、図の右に示す式に示す通りで、この点におけるベクトルAをx方向成分Uとy方向成分Vに分解して、それぞれの成分のx方向とy方向の微分を用います。このときのベクトルの分解は、通常のベクトルの分解ですから、Aは余すところなく全てがベクトルUとベクトルVに分解されています。
そして、発散を求める式に出てくるベクトルは、図の青い矢印で、渦を求める式に出てくるベクトルは赤い矢印で示しています。全ての赤い矢印や青い矢印は、発散または渦の計算のどちらかに必ず使われていますので、もとのベクトルAの全ての成分が発散または渦の計算に使われています。
しかも、発散計算に使われる青いベクトルは中心の点から出入りする(longitudinalな)方向になっていて、全く渦に寄与しない成分です。
逆に赤い矢印は中心からの放射線に直角な(transversalな)方向で発散には寄与しない成分になっています。
これは、1)式が正しいことを意味するのでしょうか。
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