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英文Wikipedia に「Helmholtz decomposition」の記事があります。その中に“Longitudinal andtransverse fields ”という記事が見られ、ヘルムホルツの分解定理を説明したものの一つに上げられていますが、この記事は明らかに間違っています。
位置kにおけるベクトル関数Fを、kに対して延長方向成分(longitudinal component)と直行する横方向成分(transverse component)に分解し、これとベクトルkとの間に内積および外積を取ると、
図1 位置kにおける縦成分Flと横成分Ft
確かに上の式
F(k)=Ft(k)+Fl(k) ・・・・1) k×Fl(k)=0 ・・・・3)
は成り立ちますが、
下の式
F(r)=Ft(r)+Fl(r) ・・・・4) ∇×Fl(r)=0 ・・・・6)
は成り立つのでしょうか。
4)から6)式は、1)から3)式の位置ベクトルkを微分演算子∇で置き換えた式になっていますが、位置ベクトルkと微分演算子∇とは全く違います。
もしも、4)〜6)式が成り立つとすると、4)式の両辺に∇・をかけて
∇・F(r)=∇・(Ft(r)+Fl(r))
=∇・Ft(r)+∇・Fl(r)=0+Fl(r)
これはすなわち、rにおけるベクトル関数Fの発散は、縦成分(longitudinal)によるだけで良いと言っています。
また、4)式の両辺に∇×をかけると
∇×F(r)=∇×(Ft(r)+Fl(r))
=∇×Ft(r)+∇×Fl(r)=∇×Ft(r)+0
となり、これはrにおけるベクトル関数Fの回転は、横成分(transverse)によるだけで良いと言っています。
しかし、これらが間違っていることは、極座標でFの発散、回転を考えると明白にわかります。
極座標で、発散を表すと上の図中に示すように、横座標であるFθとFφが含まれており、回転の式には縦座標であるFrも変数に使われています。
これらは4)〜6)の式が間違っていることを示しています。
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