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ベクトル場とポテンシャル
力の場や流体の流れの場など、空間の位置座標にベクトルが対応して存在する場合、ベクトル場と呼んでいますが、基本的な数学的考察に寄り、ベクトル場に回転が無ければ、すなわち、ベクトル場が「発散に寄与する成分」と「発散にも回転にも寄与しない成分」だけからなるベクトル場には、スカラーポテンシャルが存在して、そのポテンシャルの勾配が、そのベクトル場を表すことができます。
 
例えば、数学解析第1 第12回講義ノートの定理7.3において「スカラーポテンシャルf  

をもつための必要十分条件」は

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すなわち、ベクトル場がスカラーポテンシャルを持つためには、そのベクトル場の回転が0、すなわち回転の無いベクトル場でないといけません、と言っています。これが必要かつ十分条件であると言うことは、もしも、そのベクトル場に回転があれば、スカラーポテンシャルは存在しないことを言っています。

 回転の無いベクトル場とは、「発散のみに寄与する成分」と「発散にも回転にも寄与しない成分」のどちらか、またはこの二つの組み合わせの場合だけにスカラーポテンシャルは存在することが示されています。模式図で示すと、下図のような場合です。
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もしも、ベクトル場に回転に寄与する成分があると、スカラーポテンシャルは存在しないことを定理7.3は述べています。このことをよく覚えておいてください。
 
次に、定理7.5において「ベクトルポテンシャルAをもつための必要十分条件」は

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すなわち、ベクトル場がベクトルポテンシャルを持つためには、そのベクトル場の発散が0、すなわち発散の無いベクトル場でないといけません、と言っています。これが必要かつ十分条件であると言うことは、もしも、そのベクトル場に発散があれば、ベクトルポテンシャルは存在しないことを言っています。

 発散の無いベクトル場とは、「回転のみに寄与する成分」と「発散にも回転にも寄与しない成分」のどちらか、またはこの二つの組み合わせの場合だけにベクトルポテンシャルは存在することが示されています。模式図で示すと、下図のような場合です。
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もしも、ベクトル場に発散に寄与する成分があると、スカラーポテンシャルは存在しないことを定理7.5は述べています。このこともよく覚えておいてください。

 以上のこと、すなわち定理7.3と定理7.5を合わせて考えると、元のベクトル場に回転があれば、スカラーポテンシャルが、発散があればベクトルポテンシャルが存在しないことは、高校生以上の思考力があれば分かります。

 すなわち、「発散も回転もあるベクトル場にスカラーポテンシャルもベクトルポテンシャルも存在しない」ことは分かります。

 定理7.3と定理7.5は数学的に全く基本的な定理で、誰も疑う人は居ません。

 この二つの定理は、「ヘルムホルツの分解定理」を否定しています

 発散と回転がある流れには、スカラーポテンシャル(速度ポテンシャル)もベクトルポテンシャル(流線関数)も存在しませんから、元の流れの場を「発散流れの場」と「回転流れの場」に分解することはできません。
 
 今の流体学者は、ベクトル場Fに∇・Fと∇×Fが存在(計算できること)することで、
これらが独立して存在していると勝手に考えています。独立して存在すれば、それぞれ定理7.3及び定理7.5によってスカラーポテンシャル及びベクトルポテンシャルが存在することになります。

 しかし、実際には、独立して存在することを証明していません。先の記事にも書きましたが、流れの場Fには、極座標で考えると明らかに発散にも回転にも寄与する成分が存在します。∇・Fと∇×Fのどちらにも寄与する成分があると、二つの(発散と回転の)流れの場は、くっついており、下図のようになっています。

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 もしも、発散流れと回転流れが独立しているなら、それぞれの計算で得られたベクトルがどの場所においても直交性を保つことを証明しなければなりません。何処ででも直交性を保っていれば、上のネットは互いに影響なく外すことができます。
 
 流体学者の中には、それらが実空間上に直交していなくても「仮想の直交性」なりたっているので、構わないと言い放っています(下図参照。下図に示すコメントは、ある学者に、気象庁やNOAAが発表している速度ポテンシャルと流線関数の分布から得られる「発散風」と回転風」が直交してないのは、どのように考えられますか、と聞いた答えの一部です)。

 彼らにはヘルムホルツの分解定理が初めにあって、先天的に成り立っていると言うのです。全く馬鹿馬鹿しい定理があったものです。ベクトルの全く基礎的な考え方の一つである「直交性」をゆがめてまで、ヘルムホルツ教の経典を信じている人たちです。

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 ベクトルが単独で存在するときのベクトルの成分とは、基準座標に分解されたそれぞれの値を言います。考えている場が2次元の面であれば、(x軸、y軸の)2つの基準軸方向成分、3次元の空間なら、(x軸、y軸、z軸の)3つの基準軸成分に分解して、ベクトルを表すことができます。普通、ベクトルの成分とは、この直交する基準軸方向の値のことを言います。

 しかし、ベクトル場が与えられて、今考えている点を中心にした微小な領域の中で、その点のベクトルが「どれだけ発散に寄与しているか」と「どれだけ回転に寄与しているか」に注目してベクトルの成分を考えるときは、次の4つの成分に分けて考えることができます。

イ.発散に寄与する成分
ロ.回転に寄与する成分
ハ.発散にも回転にも寄与しない成分
ニ.発散にも回転にも寄与する成分


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イ)発散に寄与する成分
 発散に寄与する成分だけの具体的な例として、電界があげられます。電界の中に電荷を置くと、電界の傾きの方向に力が加えられますが、その力ベクトルは、回転に寄与しない発散のみに寄与する成分だけのベクトルになります。
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ロ)回転に寄与する成分
 回転に寄与する成分だけの具体的な例は、磁界に電流を走らせると、この時電流が受ける力のベクトルは、回転のみのベクトル場になっています。この時、電流が受ける力のベクトルは、発散には寄与しない回転にのみ寄与する成分だけからできています。


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ハ)発散にも回転にも寄与しない成分
 発散にも回転にも寄与しない成分は、一様流を考えると、簡単に分かります。2次元で考えて、何処においても、x方向に5m/sの速度で流れている流れの(y方向は0m/s)場合、発散も回転も0ですので、この流れのベクトル場に「発散に寄与する成分」も「回転に寄与する成分」もありません。当然「発散にも回転にも寄与する成分」も0です。したがって、一様流の流れのベクトルは、発散にも回転にも寄与しない成分だけからなるベクトルでできています。


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ニ)発散にも回転にも寄与する成分
 発散にも回転にも寄与する成分だけのベクトル場の例は、上げることができませんが、一般的な流れの場について、発散と回転を計算する式を極座標で考えると、両方に寄与する成分のあることを簡単に理解できます。下図は、極座標でベクトルを示した図ですが、その発散、及び回転の計算式も図の中で示しています。
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 その点のベクトルFを極座標(F、FΦ、及びFθ)で表し、発散および回転を求める一般式を示すと、上図のようになります。すなわち、F、FθおよびFΦのどの成分も、発散にも回転にも寄与していることを示しています。すなわち、一般的には、ベクトルは発散にも回転にも寄与する成分を持っていることが分かります。


 次回は「これら4つのベクトル成分とポテンシャルについて」書く予定です。







<ヘルムホルツの分解定理>

 流れの場の特性を表す量に「どれだけの速さでどちらに向かって流れてるか」と言うベクトルそのものの特性のほかに、「発散」と「回転(渦)」と言う量があります。

 ヘルムホルツの分解定理によれば、任意の流れFは、「回転の無い発散のみの成分」と「発散の無い回転のみの成分」に分解されることになっています。

すなわち、流れの場F(r)は、
F(r)=∇Φ+∇×A             ・・・・・・・・・・・1)
と言う式で示すことができるとされています。

∇Φを発散成分、∇×Aを回転(渦)成分と呼んでいます。
注:回転は渦とも呼ばれますが、ここでは、回転と言うことにします。


<ヘルムホルツの分解定理で言う成分は成分ではない>

 ベクトルとは方向と大きさをもった量で、その空間の座標軸方向の成分に分解できます。この座標軸方向の値が成分です。この成分は、ベクトルそのものの別の表現の仕方であって、個々のベクトルに対して定義できます。


 しかし、発散や回転は、その定義を見て分かりますように、1点だけに与えられたベクトルには、定義できません。空間微分によって定義されるこの量は、そのベクトルがその微小領域の中でどれだけ発散に、あるいは回転に寄与しているかを示す、寄与量です。決して成分ではありません。

 <もしもそれを成分と言うのであれば>

 発散や回転に寄与するその点のベクトルの寄与量を、強いて成分とするなら、その成分は、その微小領域の中で、「発散に寄与する成分」、「回転に寄与する成分」の他に、「発散にも回転にも寄与しない成分」と「発散にも回転にも寄与する成分」を考慮すべきです。


 すなわち、流れの場の中のある点における、発散、回転に関するベクトルの成分は、下図のように分解することができます。
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<任意の流れをベクトル場Fと考えると、∇Fと∇×Fは、くっついており、分離できない>


 流体学者は、流れの場Fが存在するとき、∇・Fの場も∇×Fの場も計算できることをもって、これが「分解できた」と早合点しますが、「発散にも回転にも寄与する成分」があると、元のベクトルFは両方に寄与しているので、下図のように、∇・Fの場と∇×Fの場が分離できない「くっついた場」になっていて、Fが「発散のみの場」と「回転のみの場」に分解されていません。


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流れに回転が無いと分かっている場合には、∇(∇・F)だけのネットになり、流れに発散が無いと分かっている場合には、∇×(∇×F)だけのネットになることが、数学的に分かっていますが、一つの流れの中に発散も回転もある流れでは、これらのネットはくっついていて、分離することはできません。
 
すなわち、ヘルムホルツの分解定理は、一般に流れの場には適用できないことが分かります。







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