新世紀のビッグブラザーへ blog

作家 三橋貴明のホームページ「新世紀のビッグブラザーへ」のブログです。

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 昨日は久々に更新できませんでした。ちなみに身体を壊したとかそういう話ではなく、わたしは執筆作業が本格化すると(以前にも書いたように)、まるで小学生のような時間に寝てしまうからです。
 というわけで、昨日書く予定だった話しを。


『2004年に北京で行われたアジア・カップでは、中国のサッカー・ファンが日本のファンを攻撃した。小泉首相が毎年くりかえした靖国神社参拝が、デモの切っ掛けになることもあった。抗議行動は、誇り高い小泉首相の参拝への決意を強めさせただけだった。このころ私は、小泉内閣の末期と阿部内閣で外相をつとめた麻生太郎に、中国と日本の最近の緊張をどう受け止めるかとたずねた。例によってぶっきらぼうに返事した麻生の言葉は、嘆かわしいほどに正鵠を射たものだった。「中国と日本は千年以上も憎みあってきたんだ。いまさら変わるわけがないでしょう」
〜ビル・エモット著 日本経済新聞出版社 「アジア三国志 中国・インド・日本の大戦略」 P123』

 冒頭の文は、元エコノミスト誌東京支局長ビル・エモット氏の最新作である「アジア三国志」からの引用です。
 日本のメディアばかり見ていると、
「中国は良い国、中国人も良い人。もし今の中国が良くなかったとしても、それは中国共産党が悪いだけ。中国が経済的に発展したら、民主化して自由な国になる。日本は【外需依存国】で【貿易立国】だから、中国と友好が必要。中国との友好無しに、日本の将来は無い」という、お花畑な「結論」をベースに書かれた報道がばかりでウンザリするので、海外の冷徹なメディアやジャーナリストの代表(と、私が考えている)ビル・エモット氏が、どのように今のアジア情勢や日本について見ているか、さわりだけご紹介致しました。

 ところで、上の括弧の中の文章には「一つも」正しいセンテンスが無いことにお気づき頂けますでしょうか?

・中国は良い国・・・省略
・中国人も良い人・・・日本における外国人犯罪の国別シェアで、十年以上もトップに君臨しているのは、何人?
・中国共産党が悪いだけ・・・清時代も、中華民国時代も、中国・中国人は今と変わりはありません。守銭奴で、嘘つきで、汚職と政治に明け暮れ、そして反日です。共産党の問題では無いのです。中国と共産党独裁が結びつき、事態を悪化させているのは確かですが。
・中国が経済的に発展したら、民主化して自由な国になる・・・根拠無し。むしろ経済力を活用した第二のナチスになる可能性が高い(もうなっているけど)。そもそも以前に書いたように、中国は経済力をそれほど重要視しているわけではありません。中国が最も重要視しているのは、軍事力です。(次が政治力、経済力はその次です)
・日本は【外需依存国】で【貿易立国】・・・日本の外需依存度は、アメリカの次に低い。この後引用するビル・エモット氏の本にも、同じ話が出てきます。
・中国と友好が必要・・・日本が散々「友好」とやらに精を出し、何かいいことがあったでしょうか?中国共産党の権力維持に貢献し、中国人や中共支配下の異民族を苦しめる手助けをしただけです。中国との友好を唱えたメディアや政治家は、チベット人を虐殺し、天安門で中国人を虐殺した人民解放軍の共犯なのです。
・中国との友好無しに、日本の将来は無い・・・むしろ(ry

 次に、所謂「グローバル化」に関するビル・エモット氏の見解を。

『しかしながら、不思議なことに、日本を全体として見ると、あまりグローバルな国ではない。2006年の貿易(輸出入の合計)がGDPのわずか28%というのは、島国の経済にしては意外な数字である。アメリカの22%よりは多いが、中国の67%よりもはるかに低い。グローバリゼーションの象徴とされる英語は、日本のすべての学校で教えられている。だが、学校でフランス語を何年も習っているはずのイギリス人がフランス語で喋れないのと同じように、英語に自信のある日本人はごく少数しかいない。大学と高校などを含めた中国人留学生は、毎年十三万人以上も渡航しているが、日本人留学生は八万人しかいない。日本の人口は一億二千八百万人で、中国の十三億人の一割以下だから、比率とすれば大きい。しかし、日本が裕福で、外国の学校の学費や生活費をまかなう余裕があることを思えば、決して多いとはいえない。
 日本経済が大きく、人口も多いことが、ひとつの理由であろう。そのため、外国に目を向ける必要はあまりなく、どうしても内向きになる。事実、日本はそうやって何百年も過ごしてきた。独立を堅守し、中国の朝貢制度に抵抗し、イエズス会士たちに政権を転覆されるのを怖れて、1853年のペリー来航を切っ掛けに開国するまで、200年も鎖国を続けた。歴史的に見て、日本の国際社会との取り組みは、極めて選択的で、実利を重んじたものばかりだった。必要なときにはやるが、自分のためでなければやらない。
〜ビル・エモット著 日本経済新聞出版社 「アジア三国志 中国・インド・日本の大戦略」 P149』

 わたしは何度も書いたように、グローバリゼーションに反感を持っているわけではありません。
 世界のグローバル化、トーマス・フリードマンの言う「フラット化」により、これまで発展と無縁だった世界の多くの国々が、発展する機会を与えられました。製造業にしてもサービス業にしても、最もコストが安い国で行うことで企業収益に貢献でき、かつ仕事を与えられた国の発展を促します。これまでは様々な「壁」が各国の間のボトルネックとなっていましたが、グローバル化により壁が取り払われたわけです。
 しかし、重要なのはグローバリゼーションに対する姿勢が、発展途上国と先進国で同じであるはずが無い、ということです。コストの安い発展途上国と同じ付加価値しか先進国で稼げないのであれば、その仕事は発展途上国の方に移転されます。当たり前の話です。
 グローバル化する社会に向き合うとき、日本のような経済・社会・文化が成熟した国にとって必要なのは
「差別化」です。世界が一つの市場になろうとしているからこそ、どれだけ他国と「異なるか」が最も重要なわけです。
 少なくともアメリカはグローバリゼーションの真意を理解しているようで、付加価値の低い製造業やサービス業は他国にオフショアしても、根幹の軍需、資源、食糧、金融だけはガッチリと自国に抱えることで差別化をしていました。(付加価値の低い仕事をオフショアしすぎたせいで、別の問題を引き起こしていますが)
 今後の日本はグローバリゼーション、あるいは国際化の解釈を切り替え、ビル・エモット氏の言うように
「必要なときにはやるが、自分のためでなければやらない」必要があると考えます。
 元々、わたしたちの先祖もそうやって生きてきたのですから。


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本来 グローバル化≠アメリカンスタンダードなんですよね。
日本はジャパニーズスタンダードで世界を席巻していますし、これからもそれを推し進めるべきなのでしょう。
今回のサブプライム問題は、欧米の常識が正解とは限らないということを提起したのだと思います。
執筆頑張ってください。

2008/6/17(火) 午前 11:06 [ 渡邉哲也 ] 返信する

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≪日本は、経済規模が大きく、人口も多い、そのため、外国に目を向ける必要はあまりない。事実、日本は、何千年間も、独立を守り、支那にも朝貢しなかった。キリスト教宣教師たちの政治的野心にも気付いている。油断することなく、1853年のペリー来航まで、250年間も鎖国を続けた。歴史は、日本の国際社会への取り組みが、極めて選択的で、実利を重んじたものばかりだったことを示している。必要なときに、自分のためになるのでなければ外国を知ろうともしてこなかったのだ≫

と小生なら書き直すところです。日本人の小生とほぼ同内容の小論を書ける外国人の力量は、特筆すべきものといえると思います。エモット氏は、それにしても在日13年でこのような記事が書ける知力は並みはずれています。

ビル・エモット氏はオックスフォード大学モードリン・カレッジ卒と、wikipediaにあります。英人は、階級によって知的水準が大きく違っていることが良く知られているので、ロンドンの普通の家庭出身の彼は、何らかの特別待遇を受けていたに違いありません。

2008/6/17(火) 午後 2:42 [ 経営者 ] 返信する

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三橋貴明氏の今日の小論も、知的で素晴らしい。今まで日本に存在しなかったような、発想です。素晴らしいと思います、ちょっと褒めすぎでしょうか。

2008/6/17(火) 午後 2:43 [ 経営者 ] 返信する

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今日のエントリーは特におもしろかったです。ビル・エモット氏も別に入手困難な資料を用いているわけではないですが視点がすばらしく、すごいですね。
執筆、がんばってください。 削除

2008/6/17(火) 午後 7:20 [ よし ] 返信する

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イザベラ・バードの日本紀行という本があります。
19世紀に書かれた日本旅行記です。時期的には江戸時代が色濃く残る
明治初期。これを読むと、日本は当時から西洋とは違った価値観で
生きてきた文明国であることが良くわかります。時代の違いから、
全然違う国みたいに感じる記述もありますが、根っこは変わってないなぁ。
って思います。同じ著者の「朝鮮紀行」と併読すると、隣国とは際立って
異なる国であったことが判ります。何だか今と変わらないような。

2008/6/17(火) 午後 11:18 [ nic*lin**w ] 返信する

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三橋さんの本を読みたいのですが 海外(発展途上国)に滞在しているので残念ながら読む事ができません。
差別じゃなくて 必要なのは区別なのではないでしょうか? 削除

2008/6/18(水) 午前 8:48 [ 極楽蜻蛉 ] 返信する

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グローバル化は目的ではなく、国民福祉の増大という国家経済の目的のための手段であり、選択肢の一つにすぎない。国民福祉の増大という国家経済の目的にグローバル化が反する場合は、移民や帰化の制限などのグローバル化の制限もあり得る。
これが世界の常識ではないかと考えます。世界的に見て非常に当たり前の三橋さんの発言は日本の論壇ではユニークな存在ですが、一般の常識人には一番分かりやすいものと思います。
フラット化した世界ではポーターのいう5つの脅威から競争の激化が生じ、独自化し差別化できない企業や国家は価格競争のなかで利益を失い衰退して行きます。
技術革新とともにサブカルチャーを含んだ文化の発信が我が国の独自化をささえ差別化をささえ、ブランディングによる高付加価値化を支え、価格競争の泥沼から我が国の経済を救うでしょう

えーと、一行にまとめると、国際面での適度なヒキコモリとオタクが日本を救う。

2008/6/21(土) 午後 0:54 [ mar**dangon*su*e ] 返信する

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