新世紀のビッグブラザーへ blog

作家 三橋貴明のホームページ「新世紀のビッグブラザーへ」のブログです。

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 本日(2008年6月20日)の日本経済新聞に、日本経済と世界経済の関わりに関する象徴的な記事が幾つも載っていましたので、まとめてご紹介。

日本経済新聞 2008年6月20日朝刊 1面
【価格ショックと世界 中】
 上場企業の今期予想で異変が生じた。三菱商事、三井物産など資源高で潤う五大商社の合算純利益が一兆六千億円を超え、トヨタ自動車の純利益予想(一兆二千五百億円)を上回る見通しになったのだ。
 −トヨタ超え、困惑−
「数年前には想像もできなかった事態」。商社の首脳自信があまりの利益の突出振りに、困惑を隠せない。商社各社は1970年代の石油ショック以降長らく「冬の時代」に苦しみ、経営不振商社の玉突き再編が起こったのはつい六年前のこと。当時の五商社の合算純損益は一千億円に満たず、トヨタは仰ぎ見るような存在だった。
 逆転激の背景にあるのは、「資源インフレ、工業製品デフレ」という世界経済の潮流だ。新興国の工業化の進展で、工業製品の相対価値が資源に比べて急速に低下し、「高い資源」の時代がやって来た。これを受けて、日本の産業界の利益分布も大きく変わった。原油価格の高騰は収まらず、資源ビジネスに力を入れてきた商社の業績は「会社予想よりさらに上ぶれする」という見方が強い。
 一方でメーカーは原料高に直撃されるが、製品価格への転嫁も簡単ではない。インドのタタ・モーターが十万ルピー(約25万円)カーの投入を宣言するなど、価格競争はむしろ激化する気配だ。トヨタの渡辺社長は「潮目は変わった」と号令をかけ、社内の引き締めに余念が無い。(後略)』

 以下、日本企業の加工貿易モデルは厳しい、省エネや省資源のイノベーション力に磨きをかけ、資源高を奇貨として競争力を伸ばせ、などと、比較的まともな日本輸出企業への提言が続きます。(輸出企業は厳しい。だから最大輸出相手の中国との友好が大切だ、とか続くと思っていたら、違いました)
 注目すべきは、日経で(恐らく)始めて
「資源インフレ、工業製品デフレ」というキーワード、わたしの言う「ハイブリッド型スタグフレーション」が前提になっているといことです。資源高(コスト増)にも関わらず、工業製品デフレ(売上減)なわけですから、今後、日本の輸出製造業の業績は厳しさを増していくでしょう。(無論、中国や韓国など技術的付加価値が少ない輸出国は、日本企業などと比較するのも馬鹿馬鹿しいほどに苦しくなります)日本企業にはこれまで以上のイノベーション、新たな付加価値を追求する必要があります。
 幸運なことに、日本企業には、新たな製品に関するテスト・マーケティングが行える膨大な市場が近くにあるという強みがあり、今後はこれを最大限に活かす必要があるでしょう。
 その膨大な市場ですが、21世紀に入ってからこれまで、今一目立ちませんでした。


日本経済新聞 2008年6月20日朝刊 17面
【大機小機 景気回復の性格と経済政策】
 六月の月例経済報告で、政府は景気回復の先行きに黄信号がともったとの判断を示した。今後の経済政策の策定に当たっては、効した経済情勢の変化を十分に考慮する必要がある。
 まず、2002年からの緩やかだが戦後最長を記録している景気回復の中身を吟味しておきたい。
 景気の底だった01年から07年度までの六年間の実質国内総生産(GDP)の年平均成長率は1.9%。うち半分以上は輸出で稼ぎ出した(寄与度は1%)。輸出の寄与が輸入のマイナス分を大きく上回った。
 こんなことは「いざなぎ景気」にも「バブル景気」にもなかった。二番目に寄与したのは民間企業の設備投資である(同0.5%)。
 これに対し、最大の需要項目である民間最終消費支出の寄与は0.7%代に留まり、公共事業である公的資本形成は成長率押し下げ要因となった。消費の貢献度が成長率の半分にも満たないということは、過去には見られなかった。政府の投資がマイナスというのも初めてだ。(後略)』

 この後、昨年までの景気回復の主役は輸出(これは事実)で、個人消費が盛り上がらなかった原因は賃金が殆ど上がっていない(これも事実)ため、などの分析が続きます。わたしとしては、ついでに輸出企業を潤していた「円安」が国民の購買力を削り、個人消費の重石になっていた事、更には長期的なデフレが物を買うモチベーションを高めなかったことなどを付け加えたいですが、まあそれはいいでしょう。
 この個人消費の重石となっていた
「賃金伸び悩み」「デフレ」「円安」がまとめて転換しようとしているのが、今の日本の経済情勢です。世界的な工業製品デフレで、輸出に期待できなくなった日本の賢き輸出製造業が、まさかこの事実に気がついていないとは言わせません。
 特に「賃金伸び悩み」ですが、同じく今日の日経新聞に象徴的な報道が掲載されていました。


日本経済新聞 2008年6月20日朝刊 3面
【単位労働コスト 十年ぶりに上昇 パートの正社員化影響】
 企業が一定のモノをつくるのに必要な賃金水準を示す単位労働コストが上昇している。2008年1-3月期は前年同期比0.2%増と、1998年4-6月期以来、ほぼ十年ぶりのプラスに転じた。景気の足踏みが続くものの、企業がパートタイム労働者を正社員にする動きが活発になり、それが給与総額を押し上げている格好だ。
 単位労働コストは国内総生産統計に表れた名目雇用者報酬を実質GDPで割って算出する。企業はこの十年、人件費抑制へ従業員数自体を減らし、正社員からパートへの切り替えも進めた結果、マイナス基調が続いていた。
 ここにきてプラスに転じたのは、企業の従業員数が回復してきたところに、改正パートタイム労働法の四月施行をにらみ、企業がパートの正社員化を進めたことが大きいようだ。』

 潮目が変わり、徐々に、徐々に、しかし確実に日本経済のパラダイムシフトが進んでいます。日本国内事情もありますが、世界経済の激変もあり、内部環境、外部環境が共に経済構造の転換を促しているのです。
 願わくば、順調にこの流れが進み、日本が内需、個人消費による健全な経済成長を実現して欲しいものです。破綻する世界経済の防波堤となりうる経済規模の国は、もはや日本一国しかないのですから。


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これからの状況は
日本はゴールがある持久走で
特亜は終わりのないのが終わりのデスマーチ
で良いのでしょうか

ところで最後の一文は「ν日本経済はダテじゃない!」でおk?

2008/6/20(金) 午後 10:29 [ もぐもぐ ]

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今回の石油、金融、食料危機を乗り切れる国は。。。
エネルギー効率が良くて、車なしでも生活できる人が沢山いて、
特許やみんなが欲しがる娯楽のオリジナルコンテンツを沢山もっていて、
国民の教育水準が高くて勤勉で、人口がそれなりに多くて、
でも人口が減り始めていて高齢化のために食べ物がそんなに必要でなくて、
国民が自由になるお金をある程度もっていて、
巨大都市(マーケット)が3つ以上あって、
国民の自由が保障されている国。
デスヨ。きっと。

2008/6/20(金) 午後 11:59 [ nic*lin**w ]

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>今回の石油、金融、食料危機を乗り切れる国は。。。
エネルギー効率が良くて、車なしでも生活できる人が沢山いて、
特許やみんなが欲しがる娯楽のオリジナルコンテンツを沢山もっていて、
国民の教育水準が高くて勤勉で、人口がそれなりに多くて、
でも人口が減り始めていて高齢化のために食べ物がそんなに必要でなくて、
国民が自由になるお金をある程度もっていて、
巨大都市(マーケット)が3つ以上あって、
国民の自由が保障されている国。
デスヨ。きっと。

+環境問題で見直されつつある「原発ルネッサンス」と言われている原発。将来軽く50兆は超えると言われる産業で昨今、台頭する東芝・日立製作所・三菱重工業の日本企業と原発関連の日本中小企業。
そしてコノ異常なエネルギー効率の良さ

http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/15a/index.shtml

2008/6/21(土) 午前 0:39 [ カンカン ]

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初めてコメントします!!

以前から、時々訪問させて頂いています。
(読み逃げでしたが・・・)
今日の更新を見てめちゃめちゃ応援したくなりました!!
がんばってください!!!!

2008/6/21(土) 午前 1:34 [ ルカ ]

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毎度お疲れ様です。みんな、なにがしかの閉塞感に疲れていた時期を過ぎつつある昨今。今日の記事を読んで、政治、経済共に、転換期に来ている日本は、静かな平成維新を迎えようとしているのでしょうか。

次回の本、楽しみにしています。

2008/6/21(土) 午前 7:24 [ naru ]

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面白いですね。
ここ10数年散々叩かれてきた日本が逆にクローズアップされる
とは。それも今まで駄目だと言われて来た事が
肯定的な評価に変わる。何か大きな意思が
動いているとしか思えません。

2008/6/21(土) 午前 8:18 [ kon*e*ia ]

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商社が事業内容を、仲買から投資と開発に変え、しかも資源事業に投資したことが、商社の利益を伸ばした原因だと考えています。しかし本来工業製品の方が、付加価値の分だけ高くなるはずなので、それが上がっていないのは、損をしてまで過剰生産しているか、労働力の過小評価があると考えるべきだと思っています。

タタ25万円自動車などは、もはや時代を読む参考にもならないでしょう。低所得国の一体誰が、高いガソリンを買い続け自動車に乗るのでしょう。これからは、「維持費も安い」が必要でしょう。トヨタの渡辺社長の言う「潮目は変わった」は、自動車の概念さえも変えようとするものだと考えています。

2008/6/21(土) 午前 10:50 [ 経営者 ]

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高齢化社会は、物価高を許容しません。「賃金伸び悩み」「デフレ」は、日本社会の知恵かもしれないと思っています。しかし「円安」は、転換して欲しいです。

もう一つの日本社会の知恵は、パートの正社員化だと思います。派遣社員の志気の無さが、様々なひずみを社会に及ぼしています。それに対処する経費の方が高く付く事態になってきました。派遣事業は衰退し、存在しても、もっと労働者の手取りを増やす方向になっていくと思っています。

≪潮目が変わり、徐々に、徐々に、しかし確実に日本経済のパラダイムシフトが進んでいます≫小生もそう考えています。

2008/6/21(土) 午前 10:51 [ 経営者 ]

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>損をしてまで過剰生産しているか、労働力の過小評価

思いっきり中国の事を言っているようだ・・・。労働力の過小評価は解消されつつあり、それが別の問題を引き起こしている。
要は歪んでいたんだ、とつくづく思う。
中国の(見せ掛けかもしれない)経済成長率を維持するために、国内の過剰設備、工業製品の過剰供給&デフレ、人民元安&低労働賃金による国民搾取が06年ごろまで続いたいたわけだ。

2008/6/21(土) 午前 11:03 [ azusashiva ]

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初めて投稿させていただきます
長谷川慶太郎さんの本に載っていたのですが、日本は原油は輸入しているが、効率よく作れるガソリンやナフサ(要は石油精製品)は輸出し、東アジア諸国では日本とシンガポールに頼っている状況だそうです。
LNGに関しても海上輸送する技術(パイプラインを使わない)は日本がやはり突出しているようです。
日本の政府は失策が多いですが、エネルギー戦略に関しては良くやっている部分もあるな、と思います。

2008/6/21(土) 午後 11:38 [ par*_19*8_*ha*p ]

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たぶん、自分が生きている間に、もっと大きな意味でのパラダイム・シフトが来るのだろうなと思います。各国が争った外貨稼ぎのための加工貿易モデルの経済戦争において、この異常な円高は、日本自体が敗戦/敗退を続けている証です。
又、国内の不動産において異常な付加価値を付け、無理遣り資金を捻出し回転させる事で弾けたバブルと同じ事が、各ファンドにおける金融商品にて実施され続けて来ましたが、リーマンショックに例に倣う様に、その打ち出の小槌が崩壊しつつあります。
未来に借金をし続けている日本の国庫も同じ事が言えます。幸いにも国債消費が国内で実施されているため、国家破綻には至っておりませんが、その担保は国民預金そのもの(国債を買わせられるのは国内銀行であり、銀行事態がデフォルトするケースが当前の時代になってしまいましたから・・。)ですし、その銀行を国が救うために新たな借金を繰り返す訳ですから、我々の負債は知らない内に雪だるまになる一方です。-続く-

2011/12/26(月) 午前 0:27 [ クフィル ]

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特に、株式市場とは市場規模が違い過ぎる世界-為替相場における各種-金融商品は、リバレッジが効くので、そのバブルの弾け具合は、洒落にならないレベルの世界規模で我々人類に計り知れないダメージを与えるでしょう。その後、生き残るための初戦で負け続けている日本のこの円高には困りますね。現行の日本政府にはどの程度の危機感があるのでしょうか?-続く-

2011/12/26(月) 午前 0:29 [ クフィル ]

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現行の為替相場バブルが弾けると言う事は、現行の管理通貨制度が崩壊すると同意です。地球の金の埋蔵量がどの程度あるのかは分かりませんが、私は金本位制度に戻る可能性すらあると考えています。各国の紙幣が紙くずとなった場合、現物(有価物)の所有量(何十倍の価値に跳ね上がる)がその勝負の決め手となるため、各国(もしくは経済グループ)は現物(資源)確保に奔走している筈です。その証拠が昨今の異常な金の値上がりであり、各国の資源供給会社の争奪戦(特にアフリカにおいて顕著)です。この様な背景がある以上、商社の利益が上がるのは当たり前で、もし日本の商社の首脳人が、本気(マジ)で「利益の突出振りに、困惑を隠せない。」と抜かしやがってのだったら、日本が世界経済戦争で負け続けているのは当たり前です。素人の私ですら見える事がまるで見えていないと言う事ですから・・。-続く-

2011/12/26(月) 午前 0:29 [ クフィル ]

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日本が生き残る手段は、今の円高を逆利用して、各商社が日本の尖兵となって、第三諸国の資源供給会社を買い漁る事のみです(逆に大チャンスなのですが-笑-)。もし、日本がそうした路線に走れば、日本の円高を演出している経済Gは、円を下げるを得ないでしょう。どちらに転んでも日本としては得をするので、今、日本が打てる最善手だと思うのですが・・。
ちなみに米国の経済Gは、ドルが弾けても良いと思っている節がありますね。ドル安で下がり続けている訳ですから。
つまり、空売りで売って売って売りまくって、弾けてくれれば、空売りし掛け側の総取りですから(笑)。現在の唯一の世界通貨であるドルが弾けた瞬間を次世代のパラダイムシフトのスタートとするつもりなのでしょう。後はタイミングの問題のみにて、現在は、そのための準備を行うための時間稼ぎにしか過ぎないのかもしれませんね。案外、黒人が大統領になったあの瞬間から、本計画がスタートしたのかもしれないなぁ〜と穿った見方をしてしまいます(笑)。
全てが私の妄想だったら、ほんとに幸せなんですが、状況証拠が揃いつつあるのが、非常〜に怖い(笑)。

2011/12/26(月) 午前 0:32 [ クフィル ]

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