新世紀のビッグブラザーへ blog

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 予め書きますが、今日の話は固いです。
 昨日、ホンダの福井社長の発言に絡めて「実効為替レート」というキーワードを入れたところ、hdueye79様から「名目実効円相場だと95年4月の円高も越えてるらしいですよ。日本評価されすぎ? 日本人の購買力は最高。 」というナイスなコメントを頂いたので、本日は実効為替レートについて解説いたします。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#EER

 実は、マスメディアでは殆ど説明されませんが、所謂「実効為替レート」には「名目値」と「実質値」の二つがあるのです。
 と、その前に実効為替レートの説明が必要ですね。
 日銀のホームページに解説が載っていますが、「実効為替レート」は、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは分からない為替レート面での対外競争力を、単一の指標で総合的に捉えようとするもの」となっています。(相変わらず、説明が分かりにくいですね、日銀は)
  例えば、一口に「円高」と言っても、円が米ドルに対してのみ上昇している場合と他の多くの通貨に対して上昇している場合(「円の独歩高」の場合)とでは、円と米ドルの2通貨間の為替レートが同一であったとしても、日本の価格競争力、ひいては貿易収支等に与える影響が異なってきます。
 より具体的に書くと、1法100円が1法90円になった場合、確かに円は対ドルで高くなっていますが、同じ期間にユーロ円相場が1ユーロ=130円⇒1ユーロ260円と動いた場合、どうでしょう。要は、ユーロが超暴騰したケースですが、この場合、円は対ドルで高騰しつつ、同時に対ユーロで暴落したことになります。輸出企業の立場で言えば、アメリカには売りにくく、ヨーロッパには売り易くなるわけですね。
 そのため、日銀はアメリカドルだけではなく、日本と取引のある国・地域間の為替レートの動きを貿易量で加重平均し、基準時点から円が(全体に対し)どのように動いたかを指数化しています。これが「名目実効為替レート」です。
 hdueye79様の書かれた通り、確かに日本円の名目実効為替レートは史上最高水準に達していますね。上記URLの「日本の名目実効為替レート」をご確認ください。
 ところが、話はここで終わりません。
 実は、この名目実効為替レートは各国の物価水準の推移を加味しておりません。(そのため、わたしはあまり重要視していません)実際の(実質的な)実効為替レート、即ち日本で言えば「円が強い」「円が弱い」を考える場合、取引先及び自国の物価水準が大きく影響します。
 例えば(ここから超分かりにくいので、頑張って付いて来てください)、
^貲前:ドル円 1100円 缶コーヒー1本100円 つまり、アメリカ人は1砲鯑本円に両替すると、缶コーヒー1本買えた
∈G:ドル円 相変わらず1100円 ところが、缶コーヒーは110円に値上げ アメリカ人は1砲鯑本円に両替しても、缶コーヒー1本買えない
 と、名目上の為替レートが1100円のまま変化がなくとも、日本の物価が上がってしまうと、アメリカ人のドルの購買力が弱くなってしまいます。即ち実質的なドルの価値が下がる(円の価値が上がる)事になり、このケースでは「実質的に」円高になったと見なされるのです。
 逆のケースを考えてみましょう。
^貲前:ドル円 1100円 缶コーヒー1本100円 つまり、アメリカ人は1砲鯑本円に両替すると、缶コーヒー1本買えた
∈G:ドル円 相変わらず1100円 ところが、缶コーヒーは90円に値下げ アメリカ人は1砲鯑本円に両替し、缶コーヒーを1本買ってお釣りが出た
 このケースでは、同じ1砲任△辰討癲▲▲瓮螢人の日本国内における購買力が上がったということですので、ドルが上がった、即ち円が下がったと見なされるのです。
 かように、その国の物価水準の推移により、「実質」実効為替レートは変化します。たとえ名目実効為替レートが変化しなくとも、物価が変われば実質実効為替レートは変化するのです。
 ここ数年、ヨーロッパの物価は高騰状態でした。そのためユーロは名目上のユーロ高以上に、実質的にユーロ高になっていたわけです。逆にデフレ傾向で物価が下がりやすかった日本は、名目上の円安以上に、実質的に円安になっていたわけですね。
 さて、ここで問題です。
 一般市民の購買力や、輸出企業の競争力に影響するのは「名目値」「実質値」のどちらでしょうか。
 もちろん「実質値」です。即ち実質実効為替レートです。
 そりゃそうです。幾ら円が強くなったところで、外国の物価がそれ以上に高騰してしまえば、日本人が海外に行った際の購買力はあがりませんよね。あるいは幾ら円が安くなったとしても、輸出先の物価が大幅に下落している状況では、日本製品の割高感は排除されません。
 ここで、改めて上記URLからホームページの方に飛んで頂き、下段の「日本の実質実効為替レート」の方を見てください。
 日本は物価上昇率が世界最低水準ですので、名目実効為替レートが変わらなくても、実質のレートは下落していく状況にありました。ある意味で、輸出製造業にとってはこれ以上望みようのない、天国のような環境が続いていたわけです。
 最近の円高で輸出企業は天国から追い出されたわけですが、昨日も書いたように実質実効為替レートで見れば、まだまだ2005年上旬の水準に過ぎないのです。
 というわけで、hdueye79様の書かれた「日本人の購買力は最高」は、残念ながら、今のところ必ずしもそうとは言い切れないわけです。同時にホンダの福井社長の「(円高が進めば)国内工場のリストラに追い込まれる可能性がある。正規雇用まで危うくなる。日本の輸出産業は全滅するだろう」は、あまりにも「ハァ?オメーナニイッテンダ?」な発言に思えてならないわけです。
 あ、念のため言っておきますが、今の円高が自動車企業の減益要因になっていない!などと極論言う気は毛頭ございません。しかし、2005年2月レベルの実質実効為替レートの段階で「日本の輸出産業は全滅するだろう」は、常識的に考えておかしいでしょう、と言いたいだけです。
 現在の自動車企業の苦境は、円高よりもむしろ需要減少に因るところが大きいです。実際、昨日の日経新聞に、トヨタの減益要因が数値で掲載されていましたが、それを見ると「販売減少」が最も大きな要因として挙げられています。

【トヨタの営業増益・減益要因 日本経済新聞 2008年12月23日 朝刊3面】
 ■増益要因
  ・原価改善 200億円
 ■減益要因 
  ・為替変動 ▲8900億円
  ・販売減少 ▲1兆1800億円
  ・その他経費増 ▲3703億円

 アメリカの自動車市場が対前年比で三割以上も減少する状況では、アメリカ生産分が大きいトヨタやホンダであっても大幅な減益になって当たり前です。問題は円高による輸出減少ではなく、世界的な需要縮小なのです。
 まあ、トヨタやホンダはそんなことは百も承知だとは思いますけどね。その上での福井社長の発言なのだと思います。

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